2017/06/08 のログ
ご案内:「貧民地区(過激描写注意)」にイスカ・レナイトさんが現れました。
イスカ・レナイト > 争いか、色事か、そういうものが転がっていないか。
或いは酒場をのぞき、或いは路地裏を覗き込みながら、女は探し物をしている。
手には些かの貨幣が入った小さな袋――スリには格好の獲物であろうし、小金で身売りしようという者には、つけ込む隙の有る客とも見えよう。

「……要らない時には寄ってきて、探してる時に見つからないものなーんだ? 答え、器量よしの娼婦。わーおもしろーい」

さて、何を探しているのか?
寂しい独り言からも分かるとおり、欲求のはけ口である。
さして大きな金額を持ってきているわけではないので、高級娼館のドアを叩くことは無い。
というより、この貧民地区だから良いのだ。
荒っぽく激しく、そういう行為を求めるなら、この国は、この地域が良い。
人の世界に混ざって長く生きている者の知恵である。
女はきょろきょろと周囲を見回しながら、まるで物見遊山の客のようにのんびりと歩いて行く。
無警戒に手に持った袋は釣り餌。
組み敷いても文句を言われない盗賊か、それともはした金にも飢えた娼婦でもいないものか。
飢えた獣のように鼻をひくつかせ、女は貧民街を歩く。

イスカ・レナイト > 「しっかし……人間の街ってのは、どんどん悲惨になるもんだ」

しみじみと女が呟くのは、道端に座り込む安娼婦の群れを見つけたからだ。
お世辞にも器量よしとは言えず、人間好きを自称する魔族とは言え買う気が起きない。
あの容姿では、よほど安価でないと買い手が付かぬだろう。本来なら娼婦よりもっと選ぶべき仕事があるはず――

「いや、無いのか。無いからああなんだな……」

仕事が選べれば、もっと別な手段で金銭が稼げれば、娼婦などしていないのだろう。
技術も学も無く、単純な肉体労働をする健康も無く、だから唯一の財産である女を売っている。

「……やっぱり、王族全部殺してしまえばすっきりすると思うのだがなぁ」

仮にも王国の都市の中で、声をひそめぬ放言。女は欲求を晴らす先を探して歩き続ける。

ご案内:「貧民地区(過激描写注意)」にルーザリアさんが現れました。
ルーザリア > と、イスカの争いと色事に敏感な鼻をオンナの匂いがついた。
安娼館が立ち並ぶ貧民地区はつねに薄らに漂うソレだが、まるですぐそこでしているのか、と思わせる程の濃密な淫臭。
さらには、その中に微かに混じる『同族』の血の匂い――。

「……やあ団長。奇遇なものだね。」

何が奇遇なモノか。この女――ルーザリア・ハイグランディはあなたが貧民地区へ『物色』に
向かったとどこかから聞きつけて、ついさっきこの区域を訪れたばかりであった。

「命令通り――いくらか獲物を収穫してきた。くれるんだろう、ご褒美をさ……。」

小脇に抱えた、大きめの革鞄のひもを緩め、
あなたにだけ見えるように『獲物』――魔族の首をちらつかせる。

イスカ・レナイト > 鼻を一度、すんと鳴らす。良く知った臭いが近付いて来る。
血の臭いと淫らの臭い、どちらも娯楽としてたんまり喰らって来た。
上機嫌ゆえに緩む頬を押さえ、女は敢えて仏頂面を作って、臭いの方角へ首を向ける。

「ルーザリアだったか、お役目ご苦労。顔を出すなり褒美をせびるとは良いご身分だ」

自分が提示した条件を、律儀にこなした相手に対し、第一声がこれだ。
そして革鞄の中身を覗き込めば、なるほど、楽ではないだろう獲物の首。
どうやらこの広い物は、少々ずれてはいるが優秀であるらしいと、内心では笑みさえ浮かべて頷くのだが――

「ほほう。で、この魔族は何をやらかしたんだ?
 こうまでされる同胞だ。きっとよほど酷いことをしでかしたに違いないな」

などと、功に報いるどころか、その功を疑うような言葉を吐きながら――周囲の様子を伺う。
人通り、極めてまばら。
空、月を隠す分厚い雲。
身を隠す場所など幾らでもあるが、しかし今夜はどうも、そういう気分ではない。
辱めてやる口実をしたてようと、女は足りぬ脳を働かせていた。

ルーザリア > 「どちらも魔族の国の海運関係者で――。
 なんどか、私の『味見』をしたサッキュバス。
 こいつらとのセックスは、目くるめく甘い時間だったけれど――。」

はぁぁぁ、と熱い息を吐きながらルーザリアは
身にまとっていたボロ布のような旅行用外套をぱさりと地に落とす。
そして、そのまま自らの股間に手をやれば――。

――くちゅり。

ボンデージ風皮鎧の股座はとうに、秘裂から溢れ出る甘露でじっとりと濡れそぼっていて。

「あんたの御褒美を考えれば、惜しくなんかなかったよ……。」

つまり、ルーザリアは魔族の配下になっていた時代のコネを使って、
『ハニートラップ』をしかけた、というところだろうか……。

イスカ・レナイト > 「なるほど、サッキュバスか。それじゃあ私の知り合いかも知れないな。
 なにぶんあちらの国には何十年も戻っていないから記憶にないが――淫魔の類は好物だ。
 私が楽しむためのものを、あまり減らされても困るのだがなぁ」

つとめて皮肉気にイスカは言う。そうしながらも視線は周囲を探り――
これだ、と見つけたものは、安酒の臭い漂う酒場の裏手。
ちょうど両隣の建物の屋根の為、急な雨があろうと濡れない立地になっており、だからか人も獣も良く寝床にする。
そこを寝床にした人や獣の臭いがまだ残っている――そういう場所だ。
通りから少し覗き込めば、そこに誰がいるかは分かるだろうし、会話の声を聞き取ることもできよう。
そういう場所へ、イスカは、ルーザリアを手招きしながら歩いて行く。

「脱げ」

歩きながら、笑みを気取られぬようルーザリアに背を向けたまま、唐突にイスカは言った。

「もともと裸のようなものかも知れんが、全てその場で脱いでこちらに来い。……ああ、別に拾ってくるのは構わんよ。
 褒美ならくれてやる、約定は約定だ。……だがお前、いささか強請り方が厚かましいんじゃないかね?
 せめてその身体を晒して、私を昂ぶらせて見せろ。そうでなくては勃つものも勃たんよ」

そうは言いながら、イスカ自身の雄は既に鋼の如く硬度を増し、己に響くほど脈打っている。
だからこそ――だろうか。普段は意識して抑えている嗜虐性が、ほぼそのまま表に出ているのだ。

「脱いで、殺しに使ったその道具を指で開いてみせろ。折角の天下の往来だ、見てくださる物好きもいるかも知れないぞ?」

ご案内:「貧民地区(過激描写注意)」からルーザリアさんが去りました。
ご案内:「貧民地区(過激描写注意)」からイスカ・レナイトさんが去りました。