2017/05/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/按摩屋(過激描写注意)」にモーリッツさんが現れました。
モーリッツ > 富裕地区に程近い、平民地区の境に存在する一見の店。
立派とは言えない店構えのその看板には按摩屋、と簡素に記載されている。
本日はその看板の脇に「本日料金半額 100ゴルド」という表記あり。

扉を潜れば薄い照明に照らされた受付があり、老人が一人、置物の様に座っていた。
本日も絶賛魔道具の力が施された詐欺の様な按摩屋は営業中。

一律200→100ゴルド、と書かれた本日のメニューの内容は以下の通り。

Aコース:全身マッサージ ※玩具、中出しセックス付き
Bコース:アナル拡張、腸内放尿や浣腸による腸内洗浄(苦手な項目は御申しつけ下さい)
スペシャルコース:全身ザーメンマッサージ ※複数人からの搾りたてを使用する為、少々お時間がかかります
その他オプション:搾りたてザーメンドリンク、玩具追加、剃毛、拘束具…各種10ゴルド
コースの複合可。記載コース、オプション以外のご希望がありましたらご相談下さい。

普通の客であれば見た瞬間に踵を返すだろう内容の数々。
けれどもこの店に足は今、その内容を理解しつつもメニューを吟味してしまう空間となっていた。

モーリッツ > 暫くして、扉が開く音が響く。
其方へと視線をやると、置物の様だった老人の口が開き。

「やぁ、いらっしゃい。
 運が良い、今日は料金が半額の日ですぞぃ」

今日も罠にかかった客を見て、にしゃり、と皺の目立つ顔を緩め。
自身の欲望の発露に加え、貴族への土産も増えそうだとほくそ笑みながら卑猥なマッサージが行われたんだとか。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/按摩屋(過激描写注意)」からモーリッツさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城(過激描写注意)」にイスカ・レナイトさんが現れました。
イスカ・レナイト > 夜間である。
とあるやんごとない貴族に雇われた傭兵騎士団、〝影の黒槍〟。
その隊長であるイスカ・レナイトは、自らその貴族の寝室を警護していた。
扉の前にどっかと腰を下ろし、愛用の槍は壁に立てかけ、手元には酒瓶。怠惰である。

「……こんな馬鹿な仕事、部下にはやらせられんよなぁ」

その貴族、被害妄想の気が強い。
〝ミレー族の暗殺者が殺しに来る!〟と騒いで、高い金を出して傭兵を雇っているのだ。
散在のペースをかんがみれば、一年も持たずに破産するのだろうが、そこはそれ。
傭兵の側にしてみれば、王城という極めて安全な空間でだらけていると金がもらえる、ひどく楽な仕事である。

「とは言っても、楽すぎる!」

せめて適度に盗人でも来ないものかと、この傭兵は無茶な愚痴をいい、鼻をひくつかす。
夜の城では、目よりも耳と鼻の方が役に立つ。獣のごとき女魔族である。

イスカ・レナイト > 「……ちょっと虐めてみるかなー」

ろくでもない思いつきが始まった。何かと言えば、いわゆる〝危機感〟の演出である。
いくらおかしくなった相手が依頼人とは言え、何もおきない毎日では不安も薄れる。
少しばかり怖い思いをしてもらった方が良いなぁと考えたのである。

――うぉおおおおおおおおおおおおおぉぉん

夜の王城に、犬か狼のような遠吠えが響き渡った。それも相当の声量である。
女が背にしている扉の向こう側、どたんばたんとにぎやかな音がする。
跳ね起きて戸惑って、それでも部屋の外よりは中が安全――そういう葛藤が透けて見えるようだ。

「っく、くっくっくっく……おっもしれぇー」

無論、犯人はこの女。
人間のような顔をして、獣のごとき遠吠え。そしてそしらぬ顔で、瓶の酒をまた一口。

イスカ・レナイト > 「はて、困った。面白い。次はどうするか」

この女に忠義心は無い。道徳心もあんまり無い。
あるのは、いかにこの退屈な時間を面白おかしくすごせるかという考えばかりである。
扉向こうの喧騒は納まり、依頼人は安寧とはいえないまでも穏やかに眠っているだろう。
ならばやることはひとつ。

――にゃぁあぁぁぁぁぁぁぁああああぉぉぉおおおうぅ

猫の鳴き声――にしては声量がありすぎるが――が王城に響き渡る。
こんな声を発する猫は、図体が3mもあるか、或いは数十の猫の大軍勢であろう。
案の定、扉向こうの依頼人は大騒ぎ。音から察するにベッドから落ちたらしい。

「~~~~~~~っ……!!!」

あまりの愉快な出来事に、腹を抱えて笑いをこらえる女。
悪趣味であるがどうせたしなめるものも無い。

イスカ・レナイト > この夜、不真面目な女が披露した物まね芸は二十種目以上に及んだ。
後半は王城の中で馬のいななきがとどろいたり牛が断末魔の悲痛な叫びを上げたりもしていたが、
そんなことを疑問に思えるほど頭がはっきりとした依頼人でもないのでさしたる問題にもならなかった。
幾分かの問題を挙げるとするなら、衛兵が少し驚かされたくらいであろうか。
扉向こうの貴族は、ベッドの上で膝を抱えている。
次はどんな生き物が自分を殺しに来る?
そうだ、野良犬も野良猫もカラスもスズメも、目に映る全ての生き物はミレー族の暗殺者に違いない――

かわいそうな貴族の被害者妄想を加速させながら、イスカ・レナイトは酒を飲むのであった。

ご案内:「王都マグメール 王城(過激描写注意)」からイスカ・レナイトさんが去りました。