2016/05/29 のログ
トモノ > 「山菜とか仕掛けた罠とか調べに来たら、タマモの気配がしたから近寄ってみた。それで、貴女の姿を視界に入れた瞬間に、この間貴女と出会った記憶がよみがえってきた……で、返答になってます?」

(扱いが何となく粗雑な感じなのは気のせいじゃない気がする。
とことん、人権的な物は放置されている気がして)

「貴女こそどうしてここに?……と言っても教えてはくれないんでしょうね?」

タマモ > 己のものでもあるその名を呼び捨てで呼ばれるのは、変わらず気分を悪くさせる。
それは、自分を見ている少年にははっきりと伝わるかもしれないが、知った事ではない。
…とりあえず、自分に会って記憶を戻した、後は食料調達に来た、とだけは理解した。
記憶の中で、あの子はそんな事は指示していない。
ならば、これは少年が勝手にやっている事なのだろう。
これが自分の為だけなのか、それとも、あの子の為でもある事か…少し考えた。

「………まぁ、良かろう。
で、ここでは自分で調達せずとも、得られる場所があるじゃろう。
なぜそれをしておるのか、だけは聞いておいてやろう」

多分、扱いが粗雑なのは気のせいじゃないだろう。
まだ、式として認められていた方が、らしく扱われるものだ。
自分は何度も問いながら、少年の次の問いにも、当然だと言わんばかりに答えなかった。

トモノ > 「なぜ?……。」

(質問の返答がないのはある程度は予測済みだったので。
相手の質問に考える。腕組み、改めて言葉にするとなると。少し迷うのは、言葉で生き延びてきた(気がする)少年だからだ)


「僕も寝泊まりしている穴倉は、近くには色々と採れたりして、
食べるには困らないし。町に出て食堂なんかで食べるのも悪く無いけど。

冬とか食べ物の少ない、特に青い野菜なんかの少ない時期の為に、
保存食作ったりしておくのは、人間としては普通の事ではないですか?

あとはまぁ、美味しい物をいつでも食べれるようにしておけば。
タマモも嬉しいかな?……って。僕はそもそも式神なせいなのか知らないけど。あんまりお腹空かないですけどね。」

(いまいち、自分でもまとまりがない返事になったので、少し不満そうに追加の台詞を考えているけれど、思いつかず。
ともかく、「何故生活をする?」と聞かれたレベルの質問だったので答えに困ったのだ)

タマモ > 少年の答えを聞き、また軽く考える仕草。
なるほど…まぁ、道理ではある。
そして、前に出会った時と違い、少々の皮肉は込められているのだろうが、言葉遣いも違う。
何より、その行動理由があの子の為というのもあった。
妖の道を少々外れていようと、愚かなところがあろうと、力を継承した己の子だ。
それを思う行動に悪い気がする訳もない。
…ふぅ、と溜息を付く。表情は僅かに緩んだ気がするかもしれない。

「そうか、ならば良い。
………ここはミレー族とやらの村だったところじゃ。
今は誰も居らぬ、皆、死を迎えたはずじゃからな」

少年から、改めて広場へと視線を向ける。
まぁ、答えて何かある訳でもない、先ほどの問いの答えを伝えてやった。

トモノ > 「…………。」

(おや?ちょっと反応が柔らかいぞ?敬語使えってことだったのかな?
それともタマモの為って付け加えておいたのが正解?まぁ嘘ってわけじゃないから良いのか、剣呑剣呑……という具合に剣呑の使い方を間違えた思考を巡らせつつ。すこし玉藻前への距離を詰めてみる。)


「ミレー族てのはあれですね。この国だと差別の対象にもなってるらしいですね?それで、死を迎えた【はず】ってことは。
玉藻前様も、その騒動に関わっていた……と見て良いのですか?」

(敬語は意識して用いる。会話の節々から色々拾って組み立てて。
本当は確認までしたいけど、どこまで返答が返ってくるやらだ)

タマモ > まぁ、少年の考えは半分は正解といった感じか。
言葉遣いと、式神らしからぬ振る舞い、その2点が少女の怒りを買っていた訳である。
今回はその2点を抜けた、だから普通に接する、という感じで。
…だからといって調子に乗れば、どうなるかは分からないが。

別に距離を詰めようと、気にした様子はない。
何が出来る訳でもないという確信と、今回は苛立ってないからだ。

「そうであろうとなかろうと、妾にとってはどうでも良い。
知らぬ者達を知る為に、色々と試すまでじゃ…いや、もう色々と試しはしたがのぅ?」

答えながら、それを思い出してか…くすりと笑った。
楽しそうな笑顔というよりも、どこか仄暗い笑顔だ。

「………妾から離れれば死ぬようにしてあった、生きておる訳がなかろう?」

どれだけの数を、とは目にしていない少年には想像出来ないだろう。
だが、その大量殺人らしき行為をさらっと口にした。
どうやったのか?それは、なんとなく分かるかもしれない。

トモノ > 「…………端的に言って。」

(少し考える仕草をしてから言葉を発しだす。ほぼ隣に立つような立ち位置。相手が何ができるわけでもないと思っているのと同じように。
こちらは離れていても近づいても、相手が何かしようとしたら同じことだと思っている為の割り切り。ならば近い方が話しやすい。それだけだ)

「貴女が、この村を滅ぼした……って解釈で合ってますかね?
それも、具体的な方法がわかるわけじゃないですが、
かなり底意地の悪いやり方で……と。
別に、見ず知らずの他人に同情したり、その行為に怒ったりとか
思う訳じゃないですけどね。」

(玉藻前の仄暗い笑み。こちらはあまり表情に出ない。笑みは、少年の中で最も少ない表情だ。)

タマモ > 少年の見解に、止まらない笑みを浮かべたまま、そちらへと顔を向ける。
気が付けばすぐ隣、確かに、少年の考えている通り、何かをするのに距離は関係ない。

「ふふ…色々と試した、そう言うたじゃろう?
身内同志を絡ませたらどうなるか、何も知らぬ女子が複数の男子を相手にしたらどうなるか。
幼子や年寄りがどんな反応をするかも試してみたぞ?
他にも色々と試した上で、どれほどの痛みに耐えられるか拷問もしてみたのぅ。
トラウマも呼び覚ましてみたりと、有意義な一時じゃった。
まぁ…結果は人間と変わらぬもので、少々がっかりしたがな?」

その行為によって湧き上がる黒き感情も、己にとっては美味なるもの。
そこまでは、とても満足のいったものだったのだろう事が伺える。
結果に関しては…言葉の通りだ、肩を竦めてみせた。
その内容に少年はどう思うか…まぁ、それにも興味がありそうだ。

トモノ > 「……そりゃまた。」

(返事までの少々の間の間に、一旦目を閉じて。顔を向ける玉藻前に目を合わせるように向き直り。)

「そこそこ、外道ですね。因みに、褒め言葉のつもりですよ?
貴女くらいの力がある人が、弱い者を甚振って。
人体実験じみた行為に手を染めていたことに。別に非難の声をあげようとか立場を逸脱したことをしようとかも思いません。

いやはや、それでこそ妖怪変化……って賞賛すべきですかね?」

(パチパチとゆったりとした拍手を向けつつ。その表情は薄ら笑いを浮かべている。少年なりに、嫌悪感を抱いたその行為。
それを隠す気はないのだけれど、少年なりに皮肉に満ちた返答だ。
それで怒らしたら自分もどうなるか……そんなことを考える前に口がう動いていたというところ。)

タマモ > 少年の言葉が終わるまで、それをじっと見詰めていた。
唇の端が釣り上がり、笑みがより深まる。

「分かり易いものじゃな、トモノ?
式とは言え所詮は人間じゃ、言葉とは違ったものを感じるのぅ?
ふふ…まぁ、あの子の式じゃ、生温いのは分かっておる」

きっとあの子とて、同じ事をする相手を前にしたら、嫌悪感を抱くだろう。
それこそ、相手が誰であろうと怒鳴り散らしてくるかもしれない。
だが、そんな反応さえも、自分にとっては楽しいもので。

「あの子の式と思うて、調子に乗っておるか?
それとも…余りに強過ぎる嫌悪に、つい口が動いたか?
ふふ…くすくすっ…あの主にして、この式といった感じじゃな」

心底楽しそうに笑いながらも、伸びる手が、少年の首をぐっと掴んだ。
どう見てもか細い腕だ、だが、少年の体は軽々と持ち上げられた。

トモノ > 「ひねくれ者でね。それでも、それなりに、わかりやすく。
感情を表現してみたまでですよ。

このことをタマモが知っても、嫌な顔する。そう信じたいですけど。」

(どうせ気取られるんだろうくらいには思っていた。
幾ら口先三寸、立てば軽口、座れば詐欺師、歩く姿は屑野郎とはいえ、
嫌な気分になることだってある。)

「調子に?……乗れる訳、ないでしょう?
ッ……グッ……かっ……は。」

(言いかけて、首を掴まれ、持ち上げられる。それに足をバタつかせて、掴まれた玉藻前の手首を掴んで抵抗するくらいしかできないが。
その表情に浮かぶのは、にやけた。負け惜しみじみた笑み。)

「そう……ごらん……の通り……生ぬるい、この式ですので。
調子に……のるなんて……ゲホッ……とても……とても。」

(苦しさに耐えて、生理現象で少し目元に涙が浮かぶ。
けれど、言うべきは言ってみる。だから何とかなるとは思わないけれど。)

タマモ > 「あの子ならばまだ術はあるじゃろう。
だが、その口先三寸しか術を持たぬお主には、それはただの自殺行為じゃ。
分かっておらぬ訳でもないのに、本当に人間というものは愚かなものじゃのぅ?」

心底呆れたような様子で言葉を紡ぐ、その間も、その手は首から離れる事はない。

「残念じゃが、それをあの子が知る事はないじゃろう。
知る者はただ1人の人間しか居らず、お主は、あの子の前でこれを思い出す事もない。
…いや、むしろ知ったらどんな顔をするか、楽しみじゃ。
生温いあの子が、己の手がここまで汚れておると知ったら…のぅ?」

記憶の中では、別に相手を殺すという意味ではその手を汚している。
ただし、その相手は倒すべき相手だったり、悪の道を進んでいるものだったりだ。
無抵抗なもの、力なき善良なものを、その手にはかけていない。
それを思い描いているのだろう、新たな笑いが込上げてくる。

「分かったならば、もうせぬ事じゃ。
次にやったら…ただでは済まぬ。
別に良いぞ?それを求めて、わざとやってみるのものぅ?」

そこまで言って、やっと首からぱっと手が離された。

トモノ > 「人間が愚かなら、貴女はなんだ?無意味……か?
力があるだけの、子供に先を任す事も出来ない、
心配性なお母さん?」

(かすれるような声。けれど、苦しそうなその声はわずかに、笑っている。相手の手が首から離れると、地面に尻餅をつく様に落ち。相手の前にかしずく様にうずくまってせき込む)

「グッ……がっ……は……ゲホ……ゴホッ!?」

「死ぬのが、怖いとは思わないんだけど……ね。
そもそも、自分が何者かも、どこから生まれたかも、
正確な本名すらもわからないってのは正直……

死にたい気分だ。」

(俯いて、首を擦ったまま。言葉を紡ぐ、恐怖心が無いとは言わない。
けれど、言葉を扱うことすら止めてしまえば。
自分こそが無意味な存在だと思い知らされるようで。)

「全く、人のことは言えないですけどね。
貴女って、何のために存在するの?」

(ゆっくりと上げた顔は涙ぐんでせき込んで、とてもとても情けない顔。けれど、うっすらと浮かぶ笑みは。ブレず)

タマモ > 「………言える事はこれだけじゃ。
妾はあの子をこのままで良しとはしておらぬ。
…いずれ、あの子も理解するじゃろう。
いや、理解せねばならんのじゃ。己の為にもな」

挑発に乗ってやるのは一度きりだ、二度目はない。
それはすでに、少年の生きる術を知ったからでもある。
だが、少しはこの少年にも考えさせてやろう。
そう思えが、この言葉を少年へと伝えた。

「………妾は妾、それ以外の何者でもない。
それ以外の何になる必要もない。
こうして目覚める事がある限り、好きにさせて貰うまでじゃ」

言いたい事だけを伝え、くるりと踵を返す。
すでにこの場所を確認する、という目的は達している。
それに…そろそろ、沈みそうな雰囲気を感じ始めていた。

『妾が手を打てば、トモノは意識を失う。
意識が戻るのは、妾が沈んでからじゃ。
妾の記憶は再びお主だけの中となるじゃろう』

言葉にはしない、力ある言葉。
追おうとしようが、しまいが、ぱんっ、と手を打った。
後はそのまま村を去り、その道中で意識が沈んでいく事だろう。

トモノ > 「ほら、やっぱり。過保護って言うか。
あの子あの子ってうるせぇなぁ。

親だか前の人格だかは知らないけど。
任せてやればいいのに。」

(挑発?ではない。単なる、本音だ。
何か、玉藻前の言葉や行動が感に触る。それだけだった。)

「ちぇっ……相変わらず。色々できるやつは……。
卑怯だなぁ……。」

(玉藻前が手をパンと打ったその直後。悪態じみた台詞を投げて。そのまま意識を失なう。たぶん殺されやしないだろうという打算もあるけど。言わずにはおれなかった、死にたい気分の自分の存在理由。
唯一である、主を否定したアイツは。同じ身体でも、認めちゃいけないと。)

ご案内:「九頭龍山脈 山中」からタマモさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈 山中」からトモノさんが去りました。