2016/01/25 のログ
ご案内:「◆どこかの遺跡」にハナビさんが現れました。
ハナビ > 「しーずかなーいーせきのいわのかげっからー♪」

何とも言い難い鼻歌を歌いながら、白髪と尾を揺らし。ボディラインの出るようなレオタードっぽい格好にジャケットとミニスカートという何とも寒そうな格好で遺跡をテクテクと歩いている。

寒そうな気配は感じさせず、ルンルンと歌いながら遺跡の深部まで歩いているのだ。何か面白いことがないか、迷い込んだ冒険者や魔物を虐めるのも、素敵な魔物に虐められるのもいいかも、とワクテカしながら遺跡を闊歩していて。

ご案内:「◆どこかの遺跡」にロレンスさんが現れました。
ロレンス > その鼻歌を聞きつけたのかどうなのかは分からないが、曲がり角から大きな影が二つ現れる。
牛頭の魔人、所謂ミノタウロスと呼ばれるものだ。
巨体によく似合う大きな戦斧を携え、既に怒り心頭と言った様子で少女へ迫ってくるだろう。
振り下ろされる刃は遺跡の岩畳の床を叩き割るほどに力強く、少女の無邪気な気配に対して、一切の容赦はない。

「――侵入者?」

そこは彼が血の契を交わしたミノタウロス達の住処だった。
従えたとはいえ、ぞんざいに扱っているわけではなく、働きにあった褒美も与えている。
今日は与えた住まい、彼女が見つかった場所よりも奥のところで、酒の宴に参加しているところだったのだが。
ミノタウロスたちは、侵入者の手足をぶった切った後、丸焼きにして食ってやろうと血の気が多い。

「……そうだな、その侵入者とやらを見てみたい。欲しくなったら私が頂いてもいいだろう?」

立ち上がりながら彼らに問いかけると、答えは肯定された。
ありがとうとお礼を一つ告げれば、侵入してきた少女の元へ向かう。
ミノタウロスと鉢合わせて…それほど時間も置かずに、彼女の前へ現れるはずだ。

ハナビ > 「ん…?」

ふと、視線を送れば荒い鼻息。振り上げられた戦斧。それが攻撃が来る、と少女に伝えるまでの一瞬の間に振り下ろされる。粉塵が舞い上がり、岩畳はひび割れ、衝撃が遺跡の中にこだまするだろうか。牛鬼の腕にも然りとした感触を残し十分な手応えを感じさせるものだが-。

「-あはっ♪ いきなり酷いじゃないか」

粉塵が晴れれば斧の刃を掠めるような場所に、格闘技の構えを取りながら微笑を浮かべている獣娘が見えるだろうか。おそらく受け流したのだろうか、流水のように手先を動かし、斧の柄を撫でながらミノタウロスを見上げていると、どこかから一人、青年が姿を見せたのだろう。

「ん、君がこの人たちのご主人様?」

魔の魔力を得た今、ミノタウロス数体に負けるほどの戦闘力ではない。やってきた青年のただならぬ気配にふむ、と手を引っ込めてまずは出方を伺うとしようか。

ロレンス > 彼もまた、曲がり角からゆったりとした足取りでやってきた。
こんな遺跡の中で貴族らしい恰好とマントを羽織った姿は、些か奇妙かもしれないが。
少女に翻弄されたミノタウロス達は、怒りの雄叫びを上げるものの、彼女の声に青年の方へと振り返った。

「えぇ、その通り。…さて、下がってくれるかな?」

静かな声に、ミノタウロス達がすっと刃を収めて下がっていく。
少女の風貌を瞳だけ動かしてじっくりと確かめると、僅かに口角が上がっていった。
コツコツと少女の前へと歩み出れば、笑みを拵え、胸に掌を当てながら軽くお辞儀をする。

「こんばんわ、お嬢さん。私はロレンス、血を求める祖の一人…人間が言う、吸血鬼だ。…さて、早速で申し訳ないのだが…君には選択肢が二つある」

顔を上げ、胸に当てていた掌を彼女へと見せつけるように伸ばすと、まずは人差し指を立てる。

「一つ、私と戦った後、彼らの宴で酒に添える肉料理にされること」

そして中指を立てる。

「一つ、私と夜を楽しんで命をながらえて、王都へ帰る…どちらがいいか、答えてもらおう」

少々物騒な選択肢を示しながらも、彼は戦闘態勢を取る様子はない。
取るまでもないのか、それとも彼女が後者を選ぶとでもおもっているのか。
ただ、こんな状況でも彼は口説きかけるように、優しい笑みを浮かべていた。