2015/12/05 のログ
ご案内:「メグメール街道 平原」にシャロンさんが現れました。
シャロン > 夜の平原を少女は征く。探しているのは、とある魔物の巣だ。
戦争のせいで緩んだ治安の隙を縫うように、村娘が魔物に攫われたらしい。
騎士団の人員は皆が戦争に沸き立っており、それ故、尊重が差し出したと思われる依頼書は後回しにされていた。
――そして一昼夜ほど放置されてから、少女の手元に案件として投げ込まれた次第。全く杜撰な管理ではあるが、動かない訳にはいかない。
故に少女は、からっ風吹く平原を、一人身軽にかけていた。龍種としての身体能力で強引に道筋を踏破。今は草根を分けて、魔物の痕跡を探す段階。

「……全く無事、という訳にはいかないでしょうが、探さぬ訳にも行きませんからね――」

せめて、理性をとどめていてくれれば、親元には返してやれる。其れには速やかな発見と救助が必要だった。

ご案内:「メグメール街道 平原」に魔王アスタルテさんが現れました。
魔王アスタルテ > (シャロンが探索している場所の近くには、遺跡のような地下ダンジョンがある。
 そこはアスタルテが率いる魔王軍が所有する数多あるダンジョンの一つであり、多くの魔族や魔物が過ごしている。
 その比較的浅いフロアの一室だった)

「あはは~♥ 君は可愛いなぁ~♥
 あたしね、君のそんなえっちぃ顔をみちゃうとゾクゾクしちゃう♥」
(その部屋にはベッドがあり、一糸纏わぬ姿の村娘が寝かされ、魔王はそれに覆いかぶさるように陣取っている。
 魔王の指が村娘の割れ目を刺激し、村娘は気持ち良さそうに喘いでいるのだ。
 村娘はとろんと蕩けきった顔で、魔王を求めるかのような潤んだ瞳で、アスタルテを見つめていた。
 完全に調教された後、そんな感じである。
 村娘を攫った犯人、それはなんとアスタルテに指示された魔物だった!

 ちなみにこのフロアは比較的浅い。ある程度の実力者ならこれなくはないだろう。
 アスタルテは本日、四天王や数十の高位魔族などと共にこのダンジョンに訪れているが、それらの配下は現在、最深部あたりにいる)

シャロン > 草むらを掻き分け向かった先、草原の一角は揺らいでいた。おそらくは空間が歪んでいるのだろう。
其の奥には遺跡のような影が見える。――ダンジョンだろうと判断。一瞬迷うが、覚悟を決めると法術を起動する。
編まれるのは《救いの扉 ―エスケープバック―》。だが、自身をすぐさま転移させるわけではなく、代わりに光球を茂みの中に浮かべた。
其れは、少女のみに何か遇った時に自動発動する脱出手段。条件は、少女が起動コードを口にするか、少女の体力・魔力のどちらかが危険域に達した時。
こうして万全の体制を整えると、腰の銀剣を抜き放ち、歪みを切り裂いて、中へと飛び込んだ。

「……全く、これで空振りとか勘弁、ですからね……!」

今夜の目的は村娘の奪還――だが、場合によっては依頼を握りつぶすことも考えている。
だが、其れは主に、奪還すべき対象が手遅れな時に考えるべきこと。今はまず村娘を見つけるのが先決だった。

魔王アスタルテ > (歪みが切り裂かれ、シャロンは無事に遺跡のダンジョンに入る事ができるだろう。
 フロアの浅い部分は比較的弱い魔物が縄張りとしていた。
 コボルトロードが引き連れるコボルトの集団などが、浅いフロアにいる魔物の代表例と言えるだろう。
 魔族と呼ばれる者達も、アスタルテのいる部屋の周囲のみぽつぽついる)

「また……イっちゃったんだね~。
 きゃはっ♥
 もぉ~、分かったよー、もっと可愛がってあげちゃうからね♪」
(アスタルテは、村娘を可愛がっている。
 現在、この部屋にも特に強力な結界らしきものは張られていない。
 最も、アスタルテが指をひょいっと動かせば、強力な闇の結界などいくらでも展開できるわけだが)

シャロン > 「――面倒ですが、やむを得ませんね。命を無碍にする気はありません故、総じて峰打ちで参りましょう――!」

二刀を携えて、少女は疾風のごとく駆け抜けた。襲い来る魔物達を全て峰打ちで気絶させるという器用な戦い方は、少女の性質と実力を物語る。
命を粗末にするものではない、という考え方と、其れを実現するために身につけた宮廷剣術――その両方を以って、猛然とした勢いでダンジョンを踏破する。
廊下を抜け、部屋を抜け、罠を切り裂き、踏み越え、やがてたどり着くのは一つの部屋だ。――何やら悩ましい声が中から聞こえてくる。
故に、部屋の前で嘆息すると同時に呼吸を整え――。

「そこまでです。攫った娘さんをお返し願いたい!」

ふわり、と中に飛び込む。声をかけるのは相手が言葉を理解できるかどうか知るためだ。奇襲する気は毛頭ない――少女も騎士なのだから。

魔王アスタルテ > (ついつい、村娘が可愛らしくて、この場所に連れ去るよう魔物に指示しちゃったよー。
 だけど、村娘がすっごく愛らしいんだから、仕方がないよね!
 きゃはっ♥ そんな愛おしそうな瞳で見られたら、悶絶しちゃうよ♥

 しばらくして一通り行為が終わり、アスタルテと村娘はベッドに座っていた。
 村娘は、アスタルテを温かく抱擁する。
 ちなみに村娘の方が明らかに、アスタルテよりも年上に見える)

(魔物達は、ダンジョンに侵入するシャロンに次々と襲いかかっていく。
 だがダンジョンの浅いフロアの魔物はあまり強くない。
 全員、峰打ちにより次々と気絶させられる。
 コボルトを率いる低フロアのボス格、コボルトロードもシャロンの剣捌きで気絶してしまった。

 あははー♪ 派手にやってくれる侵入者もいたものだね~。
 ダンジョン内で派手に暴れる侵入者を魔王が察知できないわけもなく。
 この部屋に近づいてくる異分子が一つ)

(やがてシャロンがこの部屋の扉を開けると、村娘はびくっと身体を震わせた。
 アスタルテは優しく、そんな裸姿の村娘に毛布を包ませてあげる。
 そして、紅の瞳でシャロンを見据えた。
 村娘は怯えた様子で、アスタルテの左腕に縋りついている)
「乙女の甘い花園に入ってくるなんてー。
 あはは~♪ 君も随分と無礼だね~」
(魔王とは思えぬぐらいに、子供っぽく無邪気に笑ってみせる。
 だが背中の翼が、彼女が人外である事を現していた)

「あたしはアスタルテだよ。
 君は?」
(そして初対面である相手に自己紹介。
 相手にも自己紹介を求め、無垢な仕草できょとんと首を傾げる。
 またキュートな女の子が会いに来てくれたよ!
 やったぁ~♪)

シャロン > 「――ぇーと、あ、攫われたとかそういう雰囲気じゃ、なさ、そう……?」

踏み込んだは良いが、村娘が怯えて目の前の少女にすがりついているのが見えると、なんとも形容しがたい表情になる。
――つまり徒労ってことです?この夜の仕事は全部徒労なんです?ねぇ、本当です?そんな心境だ。
助けに来たら助けるべき対象に、なんだか異分子として見られている。――仕事のやる気が萎える瞬間だった。

「……無礼、という点では正直神殿に依頼投げ込まれるようなことするのが悪いかと。ただ、ぇー……帰る気ある?」

少女に問いかけてみる。返答次第では即座に踵を返す予定だ。誰何されれば、其れには少しの後に。

「シャロン。――貴方の下僕達は皆、気絶させてあるだけだから、数時間もすれば目をさましますよ。ですので、ご心配なく」

とりあえず、報告としては以上、と言った形で複雑な表情のまま、2人の様子を眺めていた

魔王アスタルテ > (攫ったのまでは間違いない。
 その後、村娘が魔王に堕とされただけだ)
「だって、この娘すっごく可愛らしいもん!
 そりゃ、攫っちゃいたくもなるよね!
 きゃはっ♪」
(可愛い女の子がいました。
 だから攫っちゃいました。
 アスタルテは、そんな風に話す。
 村娘もアスタルテの言葉に、顔を赤らめている様子だ)

「この娘が攫っちゃいたくなるぐらい、可愛いのがいけないんだよー。
 だけど、そういう君もすっごく愛らしい女の子だよね」
(シャロンの問いに対して、村娘はふるふると首を横に振る。
 帰る気はないご様子)

「シャロンちゃんかぁ~。良い名前だね。
 魔物達を気絶させるだけにとどめるなんて、君はけっこー優しいんだね」
(にこりと笑みを浮かべて、シャロンを眺める)

「それと、もう帰っちゃう、なんて寂しい事は言わないでね?
 せっかくここまで来たんだから、シャロンちゃんも楽しんじゃおうよー」
(アスタルテの紅の瞳が邪悪に、不気味に煌めく。
 それと同時に、この周辺一帯に闇の結界が張られていく。
 結界が張られたからと言って、シャロンに何か変化が見られるわけではない。
 だがその結界は転移などの空間系魔術及び能力に限定して作用し、強力なディスペルによりその発動を打ち消してしまう効力がある。

 ──魔王からは逃げられない。

 そう言わんばかりの結界)

シャロン > 「……まぁ、帰りたくないなら見つからなかったってことで、ご両親に納得いただきましょうか――アスタルテといえば魔王の一柱ですし、倒すとか面倒なんで」

満更ではない形で頬を朱に染める救出対象。これを見て仕事をしろとは神も中々に面倒なやつだと思う。面倒な相手+帰りたがらない救出対象=めんどくさいので仕事辞めます、という式が出来上がると、少女はその内心に素直に従う。これじゃ道化だ。早々に舞台から降りるのが理想的である。

「……はぁ、節操無しですね。まぁ、アスタルテといえば憂鬱を司るくせに好色な魔王、と聞いてますから想像からずれてない感じですが――あぁ、私は貴方のハーレム入りとか勘弁なんで。そこのお嬢さんとらぶらぶいちゃいちゃしてください」

すっかり仕事気分じゃなくなった少女は早くも辞去する動き。結界を張られても眉一つ動かさずに、ひゅ、と剣を振るだけで結界を一部分切り裂いた。
その刹那、剣に込められた魔力はアイオーンのもの。――旧神の魔力で闇の瘴気を打ち消したのである。ただ、其の上で転移するわけでもなく。

「――今宵は体を重ねる気分ではないので、貴方の要求は聞けませんが……まぁ、今後のための会話くらいなら致しましょう。先に言っておきますが、一応魔族に対しては致命的な力を持っております故、取り扱いご注意、です」

などと宣うと、左手の剣を収める。右手の剣は次に結界などを張られた時の対策として残したままだ。こうして少女は、油断した様子は見せずに魔王と対峙する。

魔王アスタルテ > 「あははー♪ それが懸命な判断だねー、“幼き聖女”ちゃん」
(アスタルテの記憶の片隅にある“幼き聖女”の異名を持ちし神官騎士。
 可愛い同胞たる魔族達を討伐しちゃったんだってね。
 村娘の頭を撫でながら、そんな事を考えていた)

「えぇ~、そんな悲しい事言わないでよー。
 あたしはこの娘と、それとシャロンちゃんを愛でて、いじめちゃいんだよー。
 まあ、どっちにしても帰す気なんてないんだけどね」
(旧神の魔力を込められた剣撃により、結界の一部が切り裂かれる。
 あちゃー……ちょっと結界の強度が弱かったね。
 アイオーンって力を弱めて尚、我々魔族の邪魔をするよね。
 さらに強度を大幅に強める事はできるが、あえてそんな事はやらない。
 しかし、この闇の結界の効力により、アスタルテが特に何もせずとも自動修復されていく)

「魔族に対して致命的な力かぁ。“幼き聖女”の二つ名通り、そのようだね。
 だけどね、あたしは今宵、君を可愛がる事に決めちゃったんだよね」
(アスタルテは村娘に一度優しくぽんぽんと頭を撫でてから、立ち上がる。
 魔王は何かを念じているように瞳を閉じる。直属の配下に連絡をとっているのだ。
 シャロンが結界を切り裂いた一部分、そこを利用して、ダンジョンの最深部より転移してくる四柱の魔族がいた。
 その者達は、魔王軍においても魔王に次ぐ地位を与えられし者達。魔王軍四天王だ)

(四天王は、シャロンの背後に転移してくる。
 そして拷問機械メカルトは背後より、シャロンの口を塞ごうと手を伸ばした。
 同時に、変幻自在スライミーはシャロンの剣に手を伸ばし、それを取り上げようとしている。
 そうしている間に、闇の結界はどんどん閉じられていく)