2019/06/16 のログ
ミリーディア > 「又は、怒らせるにしても相手を選ぶ。
其れが出来なければ、下手な事はしないに限るだろうね」

熱し易く冷め易い、そうした相手為らば難しい話でも無い。
其の手の相手の場合は、大概根に持たないタイプだからだ。
其の様な見分けも出来ない者が下手を起こせば、無駄な問題と為ろう。
簡単な判別方法なんて存在しない、誰だって先ずは手探りから始めるものである。

「羨ましい限りの話だ、と云っておくべきかな?
そうだね、そう考えると、儂もそうした時期は在ったものなのか。
……もう思い出せないがね。

いや、何時でも最悪の結果は似た様なものさ。
其の結末が滅ぼすか、滅ぼされるかの違いなだけでね」

小さく笑い乍、其の答えを向ける。
どれだけ昔の話なのかも引き出し切れるものでもないだろう其れを。

そして、其の対処法の話に関しては矢張り根本は変わらない。
違いは力の有無の大きい処で在ろうが。

「……まあ、国が如何こうなんてものを気にしても仕方無いさ。
儂等は儂等が歩む毎日を歩むだけ、其れだけだからね」

如何流れ様とも結局は其れだけの話。
少女からすれば最悪国が滅び様とも付く先を変えるだけに為る。
今が在るから此処に居る、其れが少女の理由なのだから。

「ああ、其の手の事は彼女が詳しかったか、其の通りだよ。
……其れくらいの魔法だったら、覚える気が在るなら君にも出来るものさ。
本来のものであれば、だがね?
儂が使う場合は大抵付属品が付いているからね、真似様とするとちょっとばかり工夫が必要なんだがね」

基礎知識無くして魔法を調べようとしても、確かに理解し難いか。
こうした魔法が在る、程度を知っているだけ為らば知名度の高い安易な魔法は有名だろうが。
逆に云えば素質が在れば、との話に為る訳である。

「おっと…では、そろそろ小難しい話は止めておこう。
美味しい物を食べる時に、其れは無駄と云うものだからね」

話を区切り、彼女が紅茶を用意しているのに合わせて菓子を切り分けるナイフと二人分の皿を取り出す。
程無くして二人分の紅茶と菓子の準備は整えられるだろう。

リス > 「怒らせていい相手なのか、悪い相手なのか。
 そこが第一歩というやつですわ。」

 対人関係で大事なことである、その人物がどんな人なのかを知るということは。
 彼女の言うとおりであることは間違いない。
 だから最初は相手のことを知ることから始めなければならないというのだ。
 知らないでうっかりはあるだろうが……知らないままというのはありえないだろう。

「あら?ミリーディア様も充分お若く見えますが。
 今でもまだ充分間に合うのでは?

 滅んだり滅ぼしたり、あまりいい気分ではありませんわね。
 世の常とは言いましても。
 若造としてはそんな破滅的なことは考えたくありませんわ。
 楽しく生きていたいです。」

 彼女の生きてきた年月、母親の生きてきた年月。
 軽く聞いたこと自体はあるが……そこまで深く詳しくはなくて。
 今は、落ち着いているのだし、と。
 傾きつつある国ではあるが滅んで欲しいとは思っていない。
 少女はふ、と軽く息を吐き出していうのだ。

「ただただ、全力で後悔が無いように生きるしかない、ですわね。」

 結局はそこに行き着くのである。
 一般市民だし、仕方ないことですわね、と。
 少女も、国が滅ぶならば、別の国に行くだけである。

「ええ、体が弱いが故に、最強なので。
 色々と、その体の弱さを克服するために、魔術にも手を出しておりますわ。
 おかげで、全く商会手伝ってくださいませんの。
 三女も自由気まますぎますし。」

 ミリーディア様から何か言って頂けませんの?と、母親の知り合いなら言えばある程度効果あるのではないだろうか。
 人竜とはいえ、ある程度力がないとなので、リスの言葉では、妹たちは止まってくれない。
 部下は、止まってくれるんだけれど、それは多分母親のおかげなんだろうなぁ、とか。

 そんな悩み。

「ミリーディア様が、魔法を使うとおおごとになるのですか。」

 今の話を聞いて感じたのは。簡単で弱い魔法は基本作った道具で代用している。
 ライトとか、ロックのような弱すぎる魔法だと、帰って効果が強くなりすぎると聞こえたのだった。

 素養としてはどうなのだろうか、人竜故に、魔力自体は溢れるほどにはあるけれど。
 と、首を傾ぐ。
 一応、魔力を見たり流れを見たりはできるが。

「ふふ、じゃあ、お茶にしましょう。」

 ふたり分のカップに、お茶をしっかりと注いで、彼女の待つテーブルへ。
 どうぞ、と出来たての紅茶を彼女の脇に置いて。

 講義前のお茶会が始まるのであった。

ミリーディア > 「人間に限らず、精神を持つ存在為らば何者で在ろうとね。
……そう迄云ってなんだが、覚えるのが面倒なのが欠点だな」

立場的に、どちらかと云えば関わる相手は彼女と同じく多い方だ。
其れはつまり、其れだけ様々な相手を覚える必要が在る。
大切な事とは伝え乍も、其れに反した言葉が漏れてしまう。

「見た目と中身が同じで在るとは限らない。
此の国にだって、そうした輩は多いだろう?
間に合う年齢とは決して云えないのが辛い処だね。

君も含め、そうした連中が居るからこそ此処に居る価値はまだ在るのだよ。
其の頑張り様は見ていて感心する処も在るものだし、終わりが見える迄見ていたいとも思えてしまう」

彼女の言葉に小さく笑う。
其れは先の言葉に対してでは無く、後の言葉に対してのもの。
惜しむらくは、今此の国は腐敗の真っ只中で在り、そうした存在が減少傾向である事か。

「まあ、其の者には其の者の合う合わないは在るだろうね。
客商売には合うかどうか、と以前にそんな話を聞いた事が在るのだが…
想像してみればいいよ、例えば儂が其の立場として合うと思うか?
其れ以外の仕事であれ、先ずは覚える事が必要だろう。
今やっている事との両立が果たして出来るのか如何か…とかね?
彼女等だって彼女等為りの考え方も在るだろう。
姉妹を思う気持ちが在るなら、何れ自分から云い出して来るさ、出来る事からやろうとね」

残りの二人とは彼女程真っ向から話した事が無い。
だから確りとした判断はしかねるが、彼女と母親を知る限りは絆は強いだろうと考えて述べる。
其の想定上での意見と為ってしまっているのだが。

「ああ、いや、少し違うんだ。
儂の扱う魔法は簡単なものでも制限を掛ける事が多くてね。
其の侭使えば簡単なんだろうが、面倒な一手間が加わってるのさ」

簡単な魔法一つでも複雑な細工を施して行う、其れが理由。
誤解を正す様に少し説明的に其れを伝えて。

因みに彼女の魔法の素質は十分だと自分は判断していた。
魔力の流れを視る事自体がそう思わせる要因の一つでも在るのだ。
先程伝えた通りに覚える気が在れば彼女なら簡単に扱える様に為るだろうと。

「ああ、有り難う。
此れを食べ終えたら始めるとしようか」

本来の目的は其の後でゆっくりと行おうと。
楽しみの一つであるお茶会、其れは始まるのであった。

ご案内:「王国内研究室」からリスさんが去りました。
ご案内:「王国内研究室」からミリーディアさんが去りました。