2023/06/22 のログ
ご案内:「メグメール 自然地帯 森の洋館」にソアラさんが現れました。
ソアラ > 『メグメール自然地帯 森の洋館/夜』

メグメール自然地帯の何処かに存在する洋館。
一度足を踏み込んだ者は容易に出ることは叶わない。

洋館には財宝が隠されていて見つけたモノはお金持ち。
洋館の主を満足させれば魔法の武具を授かる事が出来る。
噂は諸々あるのだが、事実は誰も知らない。

周囲は既に真夜中といっても差し支えのない時間。
しかし屋敷の窓には明かりが灯されており、窓には人が忙しそうに右往左往しているシルエットが見える。
耳を澄ませばメイドを叱咤する老人の声やメイドが客人に声をかけるその声が聞こえるだろう。

そして屋敷の広い庭では少年が一人お茶を飲んでいる。

白い大理石の石畳みと柱と屋根があるガゼボと俗に言う白亜の庭。
その中心にあるガゼボにはアンティークの白いテーブルと白い椅子。
少年はその白い椅子に座り、白磁のティーポットにティーセットを使って優雅にティータイム中。

それを明るく照らすのはガゼボの屋根から吊るされた柔らかな明かりを放つランプ達、白いテーブルもティーセットも少年も其処だけを周囲の闇からハッキリと浮かび上がらせている。

もし今宵メグメールの自然地帯にある森で迷子になれば、少年がティータイムを楽しむ庭へと招かれるだろう。

それは誰かではなく自然と足が向くもの、或いは青白く輝く人魂に誘われ案内される、と方法理由は様々であるが、招かれる事に間違いはない。

怪しいはずなのに、怪しく感じる事は難しい。
危険だと考えても、安全だとそれを上書きするように何かが囁く。

――…此処は森の洋館。
東方で言えば迷い家と呼ばれるそれ自体が魔物や迷宮に近しいそれに良く似た存在である。

ソアラ > ぐるぐるぐる繰り返す。
長い針と短い針が何週しても繰り返す。
太陽が昇り、月が沈み、太陽が沈み、月が昇っても。
訪れる者がいない限り、誰かが迷い込まない限り、少年は永遠のティータイムを繰り返す。

「……いい加減紅茶と焼き菓子以外を口にいれてたいものだね。」

ゴーストの少年はティーカップを置くと代わりに焼き菓子を指先で摘みあげ、ポイと口に放り投げて、咀嚼する。
――…美味しいことは美味しいのだけど、それをずーっと食べ続けるのだから当然飽きもくる。

甘い焼き菓子の香りがするため息を大きく吐き出して、まあ、この境遇には笑うしかなかった。

極稀に屋敷の敷地から出る事ができるのだけど。
その出る事が出来る条件がさっぱりわからない。
だから繰り返されるティータイムを過ごすしかないのだ。

あー紅茶が美味しい…お菓子が美味しい。

少年の楽しげな声が庭に響く。
半ば自棄になってると聞こえなくも無い声が……。

ご案内:「メグメール 自然地帯 森の洋館」からソアラさんが去りました。