2023/06/04 のログ
ご案内:「アーシュラ女子修道院」にアデライードさんが現れました。
アデライード > 夜更けの聖堂には、静謐という言葉がとてもよく似合う。
その静謐を乱すつもりはないけれど、これも仕事であるから仕方がない。
まずはカンテラを手に一度扉を潜り、点在する燭台へひとつひとつ灯をともしてから、
あらためて、水を張ったバケツを運んでやってきた。

ちゃぷちゃぷとバケツの中の水を揺らしつつ、祭壇前まで歩いてきて、
何はともあれ、その場で跪いて短い祈りを捧げ。
それから、よし、と小さな掛け声をかけて、修道衣の袖を肘までまくった。
傍らに置いたバケツの中から、沈めてきた雑巾を拾い上げて絞り、
修道衣の裾をからげて四つに這い、祭壇近くの板張りの床を拭き始める。

普段、こんなに汚れていることのない床が、今日に限ってなぜか、どす黒く汚れていた。
皆が気味悪がっているのを横目に、とにかく掃除をすべきだと、
ひとり、道具を持ち出して聖堂を訪れたのだが。

「土……では、ないのかな、これ。
 なんだろう、今日は誰も、お客様は来なかったはずなのに……」

ひとりごちながら、せっせと手を動かしてゆく。
何の汚れなのかわからないが、とにかく、水拭きで落ちてはゆくようだ。
ならば作業の進捗は、この両腕にかかっている、ということだろう。
単純作業は嫌いではない、小さく鼻歌さえ洩らしながら、孤独な作業に耽り―――。

ご案内:「アーシュラ女子修道院」にダインさんが現れました。
ダイン > 冒険者として、神聖都市への巡礼者たちの護衛としてこの都市へとやってきていた。
護衛の任務は都市に着いた時点で終了しており、現地解散となった為に都市の中を適当にうろうろとして、土地勘を養ったり、適当な宿屋、空き家、そういった場所をお楽しみの為に頭へと入れていく。
そうやって都市の中を歩いていて、町はずれまで来たときに目についた小さな聖堂のある修道院、どういうところかまでは情報を入手していなかったものの、こういうところなら獲物がいるかも知れないと、消音の魔法を使い、足音を消して明かりの灯っている聖堂へと近づいていく。

「さて、いい獲物がいてくれると嬉しいんだが……年寄りとかのいる方が可能性としては高いよな。
ん……へぇ、意外と若くて可愛い子がいるじゃないか……流石にここでするのは人が来るかも知れないからな、攫ってどこかで愉しませて貰おうか……」

消音の魔法の範囲内、薄く聖堂のドアを音を消して開けてちらりと中を覗くと、四つん這いになって床を拭いている修道衣姿の少女に気付いて。
いい獲物がいた、と思えば少女がこちらを向いていない間にするりと聖堂の中に侵入して、身体を低くして相手の視界に入らないようにして近づいていく。
そしてダッシュすれば一息で接触できる限界まで、相手に気付かれないように近づくことができれば、麻痺の魔法を準備して、一気に後ろから覆いかぶさるように襲い掛かれば麻痺の魔法を使い、相手の動きを封じていこうとする。

アデライード > 普段ならひどく軋むはずの扉が、音もなく開かれた。

――――――確かに、音は聞こえなかった。

けれど開いた扉は、空気の流れを生じさせる。
ごく微かな、それでも数年をここで過ごした身には、確かな違和感。
ふ、と手を止め、上体を起こして、扉の方を振り返る。

しかしその時にはもう、男は戸口から離れていたのだろう。
人影は見当たらず、怪訝そうに首を傾げた、無防備な背中へ。
次の瞬間、黒々とした影が襲いかかってきた。

「ぇ、―――――――――― な、……っっ、…っ…!?」

何が起きたのかわからないまま、小柄な体はその場に倒れ伏す。
四肢はぐったりと弛緩して、喉は貼り付いたように声も出せず、
未だ恐怖よりは戸惑いの色が濃いような表情で、目の前に迫る床を凝視し、
一瞬で自由を奪われてしまった体は、それでも、ぎこちなくもがこうとするけれど、
無様に床をにじるばかりで、逃げを打つこともままならず。

ダイン > 上手く獲物を捕らえることが出来た。
扉を開けた瞬間、扉の方を見られたときには焦ったものの、扉から離れていたおかげで気付かれずに済んだことにほっとした。
そして、背後から近づくことが出来て、背中から覆いかぶさり、麻痺の魔法も掛かったことが力なくもがく様子からもうかがえて、ほっと一息少女の背中側から上に覆いかぶさった状態で吐く。

「上手くいったぜ、麻痺の魔法もきちんとかかってるみたいだしな。
さて、ここに来る途中で見つけた空き家があったな、そこに連れていってゆっくりと味あわせて貰うとするか。
取り敢えず、目隠しと猿轡だけしておくとして……よいしょっと」

懐から布を取り出して、一応はこちらの顔を見られないようにして、更に口にも布を詰めていき呻き声でさえも漏らすことが出来ないようにしてから立ち上がる。

「小柄な割に、肉付きは悪くなさそうだな……こいつは楽しめそうだ。
こんな街外れにしてはいい獲物を捕まえることが出来たぜ」

呟きながら少女を肩に担ぐように抱えて、当たる感触からなかなか悪くなさそうだと思えば楽しげに笑う。
そして消音の魔法で足音を消して、聖堂のドアを薄く開けて周りに誰もいないことを確認してからそこを出る。
それから街外れにあった空家へと人気のない道を歩いていき、少女をその空家へと連れ込んでいき、中へ入れば床に下ろしていこうとする。

アデライード > 圧し掛かる誰かの重み、首筋に吹きかかる誰かの吐息。
押し倒されているのだ、とは辛うじて理解したけれど、疑問は尽きない。

「だ、れ、……… なに、―――――― んぅ、っ……!」

いったい誰が、どうして、そもそも何が起こっているのか。
ようやく声を発せるかと思えば、開きかけた口に布を詰め込まれ、
目隠しまでかけられて、悲鳴を上げるという手段すら奪われる。
抗おうにも四肢は萎えたまま、荷物のように軽々と担がれて、

修道院の夜は早く、特に今宵は皆、怖がって早めにベッドへ潜り込んでしまったようだ。
恐らくは魔法を行使するまでもなく、拉致は完遂されてしまっただろう。
何処へ向かっているのか、これからどうなってしまうのか。
事態を打開する術も見いだせないまま、住み慣れた修道院から連れ去られてしまうことに――――――。

ダイン > 移動致します。
ご案内:「アーシュラ女子修道院」からダインさんが去りました。
ご案内:「アーシュラ女子修道院」からアデライードさんが去りました。