2023/05/16 のログ
ご案内:「メグメール 自然地帯 森の洋館」にソアラさんが現れました。
ソアラ > 『メグメール自然地帯 森の洋館/夜』

メグメール自然地帯の何処かに存在する洋館。
一度足を踏み込んだモノは出ることは出来ない。
洋館には財宝が隠されていて見つけたモノはお金持ち。
洋館の主を満足させれば魔法の武具を授かる事が出来る。
噂は諸々あるのだが、事実は誰も知らない。

周囲は既に真夜中といっても差し支えのない時間。
しかし屋敷の窓には明かりが灯されており、窓には人が忙しそうに右往左往しているシルエットが見える。
耳を澄ませばメイドを叱咤する老人の声やメイドが客人に声をかけるその声が聞こえるだろう。

そして屋敷の広い庭では少年が一人お茶を飲んでいる。

白い大理石の石畳みと柱と屋根と俗に言う白亜の庭。
その中心にはアンティークの白いテーブルと白い椅子。
少年は其処に座り、白磁のティーポットにティーセットを使って優雅にティーターム。

それを明るく照らすのは屋根から吊るされた柔らかな明かりを放つランプ達、白いテーブルもティーセットも少年も其処だけを周囲の闇からハッキリと浮かび上がらせている。

もし今宵メグメールの自然地帯にある森で迷子になれば、洋館に誘われるだろう、誘われて少年のティータイムに招かれる。

それは誰かではなく自然と足が向くもの、或いは青白く輝く人魂に誘われ案内される、と方法理由は様々であるが、招かれる事に間違いはない。

怪しいはずなのに、怪しく感じる事は難しい。
危険だと考えても、安全だとそれを上書きするように何かが囁く。

――…此処は森の洋館。
東方で言えば迷い家と呼ばれるそれ自体が魔物や迷宮に近しいそれに良く似た存在である。

ソアラ > 生クリームとイチゴのケーキに芳醇な香りの温かい紅茶。
今のところ此処に縛られてる時は三食こんな感じ。

最初のケーキを食べきればチョコレートケーキにチーズケーキ、焼いたプリンにマカロンにキックーと、バラエティ豊かなお茶請けがでるけども。

――全部甘いんだよなこれ。

「………いい加減しょっぱいモノが食べたい。
 今度抜け出せた時に食べれないかなー?」

生クリームの上に鎮座した真っ赤なイチゴにフォークをつきたて、軽くフォークを上下にふって生クリームを跳ね除けてから、イチゴを口の中に入れてモグモグと咀嚼する。

口に広がる瑞々しさと甘酸っぱさ。
これがなきゃ甘さの中に甘さと甘さの甘甘なしかない。
味覚も壊れるし、気分もめいるし、体重も気になってくる。
――幽霊なんで太らないけど、気分の問題。

飲み物も紅茶以外飲みたくなってくる。
レモンの入った冷たい水にエールやミードも飲んでみたい。
足先をぶらぶらと揺らし、イチゴを飲み込み、大きなため息を吐くのだった。

ぐるぐるぐるぐる繰り返す。
夜のティータイムは続くのだ。

ご案内:「メグメール 自然地帯 森の洋館」からソアラさんが去りました。