2023/05/15 のログ
ご案内:「設定自由部屋4」にサウロさんが現れました。
ご案内:「設定自由部屋4」からサウロさんが去りました。
ご案内:「貧民地区 路地」にサウロさんが現れました。
サウロ > (王都の貧民地区は毎日のように事件が起きている。
 一定の区画を除いては治安維持もされていないようで、
 サウロのような整った容姿をしていれば、男でも必然絡まれることも多い。
 単純に金をよこせと恐喝するか、その見目から娼館に売り払って金にしようとするか。
 が、明らかに武装をしているとなれば、そのような短気を起こす者は多くはない。筈。
 と、本日何度目かわからない破落戸をいなして無力化したサウロは、小さく息を吐いた。)

「こうも多いと、気が抜けないな……」

(平民地区から貧民地区に繋がる路地は多い。
 子供たちや女性が間違って入らないようにと巡回しているが、入口の時点で自分を目的に絡んでくる者がいてはキリがない。
 最近は野盗や傭兵崩れも住み着いているというし、王都には様々な怪異が出るとも言う。
 城壁の穴から入り込んでくる魔物もいてもおかしくない。
 被害にあう相手を少しでも減らす、という点では、囮になれている方かと納得させると、
 サウロは再び路地を歩き、巡回を続ける。)
 

サウロ > (そのうち巡回先で仲間たちと合流し、被害にあっていた女性を保護して教会へ送り届けたり、
 貧民地区に迷い込んだ子供を送り届けたりしている内に、その日の任務は終わるだろう。)

ご案内:「貧民地区 路地」からサウロさんが去りました。
ご案内:「メグメール 自然地帯 森の洋館」にソアラさんが現れました。
ソアラ > 『メグメール自然地帯 森の洋館/夜』

メグメール自然地帯の何処かに存在する洋館。
一度足を踏み込んだモノは出ることは出来ない。
洋館には財宝が隠されていて見つけたモノはお金持ち。
洋館の主を満足させれば魔法の武具を授かる事が出来る。
噂は諸々あるのだが、事実は誰も知らない。

周囲は既に真夜中といっても差し支えのない時間。
しかし屋敷の窓には明かりが灯されており、窓には人が忙しそうに右往左往しているシルエットが見える。
耳を澄ませばメイドを叱咤する老人の声やメイドが客人に声をかけるその声が聞こえるだろう。

そして屋敷の広い庭では少年が一人お茶を飲んでいる。

白い大理石の石畳みと柱と屋根と俗に言う白亜の庭。
その中心にはアンティークの白いテーブルと白い椅子。
少年は其処に座り、白磁のティーポットにティーセットを使って優雅にティーターム。

それを明るく照らすのは屋根から吊るされた柔らかな明かりを放つランプ達、白いテーブルもティーセットも少年も其処だけを周囲の闇からハッキリと浮かび上がらせている。

もし今宵メグメールの自然地帯にある森で迷子になれば、洋館に誘われるだろう、誘われて少年のティータイムに招かれる。

それは誰かではなく自然と足が向くもの、或いは青白く輝く人魂に誘われ案内される、と方法理由は様々であるが、招かれる事に間違いはない。

怪しいはずなのに、怪しく感じる事は難しい。
危険だと考えても、安全だとそれを上書きするように何かが囁く。

――…此処は森の洋館。
東方で言えば迷い家と呼ばれるそれ自体が魔物や迷宮に近しいそれに良く似た存在である。

ソアラ > 「雨はヤダねぇ……憂鬱になるよ。」

幽霊ですけども。
と、ティーカップに口をつけて、温かな紅茶を一口。
良い茶葉を使っている紅茶は口の中に芳醇な香りが広がり、その温かさは空っぽの胸を温めてくれる。

ふわ、と口元を緩めて笑顔を。
外はきっと雨なのだろう、鼻をくすぐる紅茶と焼き菓子以外の香りは湿った土の香りだからきっとそう。
だが洋館と狭い範囲であるがその周辺は雨は降っていない。
雨を歓迎すれば今宵一晩の雨くらいは屋敷に招く事ができるが、メリットなんてひとつもない行為を行う理由なんてない。

もう少しここの屋根がしっかりとした造りなら、雨の中のティータイムも悪くないと思うのだが、それは今後の課題として、取っておく事にして、今は紅茶と雨の香りと退屈を愉しむ。

白い木製のテーブルに頬杖をついて、片手にはお気に入りのティーカップ、直ぐ傍には白いお皿に焼き菓子がいくつか、誰が焼いて、誰が紅茶を用意したかは知らないけれど、自分はこうしてティータイムを楽しんでいなければならないという脅迫概念と役割を演じる事を強制されるのを感じながら、それでもどうしようもないと諦めを抱えつつ、こうしてティータイムを延々と繰り返す。

ソアラ > ぐるぐるぐる繰り返す。
長い針と短い針が何週しても繰り返す。
太陽が昇り、月が沈み、太陽が沈み、月が昇っても。
訪れる者がいない限り、誰かが迷い込まない限り、少年は永遠のティータイムを繰り返す。

「……いい加減紅茶と焼き菓子以外を口にいれてたいものだね。」

ゴーストの少年はティーカップを置くと代わりに焼き菓子を指先で摘みあげ、ポイと口に放り投げて、咀嚼する。
――…美味しいことは美味しいのだけど、それをずーっと食べ続けるのだから当然飽きもくる。

甘い焼き菓子の香りがするため息を大きく吐き出して、まあ、この境遇には笑うしかなかった。

極稀に屋敷の敷地から出る事ができるのだけど。
その出る事が出来る条件がさっぱりわからない。
だから繰り返されるティータイムを過ごすしかないのだ。

あー紅茶が美味しい…お菓子が美味しい。

少年の楽しげな声が庭に響く。
半ば自棄になってると聞こえなくも無い声が……。

ご案内:「メグメール 自然地帯 森の洋館」からソアラさんが去りました。