2023/03/04 のログ
ご案内:「平民地区と貧民地区の狭間 飴売り通り」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ >
        
        「まったく、はっきりしない気温ですこと。」


メイラがぼやくのは曇り空の天気
昼は暖かく、夜は冷えるというはっきりとした温度差が現れ始めている今の時期の出来事だった。
昼は外套を必要としないほどだというのに、夜は逆に衣や人肌 沐浴 熱いスープを欲するほどになる。
メイラ自身、どこかの出っ張りに馬革のムラ染されたコートを掛け、白いネクタイを緩ませた姿
その下は黒いベストやブラウスにロングスカートスタイルと、少し風通しを良くしたもの。

周囲には、転がっているお世辞にも清潔とは呼べない者ら
衣は襤褸く、継ぎ接ぎされていればまだましなほどだ。
頭を丸めて清潔にしていれば一種の僧侶に見えていたかもしれない。

その周囲を前に しゅらり と向き身の愛刀 峰に構えていたものを直し
風に任せて空を撫でるような手首の動きで刀身を振るえば、鯉口を包む手の内
刃を上向きにさせて 中へと納められていく刃。

 カシ ンッ と最後は残心を含めて納めきってしまうと、峰打ちといえど
骨か肉を痛めつけられた姿は、泡を出すものや呻く者ばかり。
通り魔か、はたまた貴族らの嫌がらせか。

どちらにしろ午後のどんよりとした曇り空の中、狭間と言う場所でメイラがなにをしたかったのか
それはメイラだけが知りえることであり、降りかかった出来事を片付けると柄を撫でてぼやく。


        「ほんと、お前といると飽きませんわね。」


愛刀に話しかけながら、慈しみを以ってポンポンと柄を叩くメイラ
よくもまぁ、長年積み上げてきた信頼を出すような笑みと優しい声で、言うものである。

ご案内:「平民地区と貧民地区の狭間 飴売り通り」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。