2023/03/02 のログ
ご案内:「自然の洞穴」にテイファーさんが現れました。
テイファー > そこは自然と天然の洞穴だった。
崖と崖の狭い隙間から落ちた時に、運よく崖の一部に足や腕を引っ掛けた時に入口が見えるかもしれない。
運よく森に迷い込み、そのがけ下に到着した時に見上げれば入口が見えるかもしれない。
森は薄暗く視界も効かず、好き好んで入り込むような者は少ないだろう。魔族の間ではある程度知られた秘められた隠れ家かつ、タナール砦の様子を伺うには絶好とも言える場所。人間側が撤退したなら魔族の国に帰る事も楽に出来る。
薄暗く深い森の中であれば獣も多く、餌にも困らない。

「――とはいえ、流石にこの数を食わせるには獲物が少なすぎるが。」

渋面を作り溜息を吐き出す。洞穴の奥深い場所に用心深く居座る淫妖。様々な種族から力と知識を得、人間や他の種族を孕み腹にした上で手下の数と質を増やした。
自分の主は既に存在しないが、今の自分――達であればかつての創造した主をも上回るだけの戦力は保有している。
傍らに控えるスライム。或いはゴブリン。蝙蝠にしか見えない生物。

1匹1匹が様々な能力を保有し、もはや弱小の魔物ではない。森と崖の周囲に偵察の魔物を出して、自分は手下が持ってきた獲物を口にしながらも戦況が動かないタナールの方に千里眼――遠視を用いて様子を伺って帰還する時期を探っているのだった。

テイファー > 増えた尾は骨と言う物がない。関節が無く、魔力により伸縮自在。力の加減も自らの意思で変化が出来る。元々は変わり身の魔法だったのだが独学と古代の知識で尾だけを自由自在に変化させられる様になっていた。
人間の腕のように太さを増した一本が野に住む鹿の丸焼きを掴み取るべく先端を五指のように分裂させて掴み取る。
かぶりつくと雌の肉とは違う野生の肉の旨味に僅かだが血の味が楽しめる。香辛料や調味料と言った物こそないが、飢えをしのぐという意味では食事は重要だった。

それ以上に重要なのが自分の本質。淫妖、つまるところ淫の力。近頃は摂取していないがために魔力の貯蔵もそろそろ限界を迎えようとしている。
流石に魔力切れの状況で魔族の国に戻れば自分達は須らく養分にしかなり得ないだろう。
といってタナール近郊の村を襲うのはリスクも高く、騎士団と真正面から勝負を挑むほど血気盛んでもない。
運よく冒険者や負傷者でも居れば良いが、こんな場所をうろつくのは精々が同じ魔物。或いは男の方が圧倒的に多く、雌と言う存在にはついぞ顔を合わせていない。

「――ふぅ。」

テイファー > 「―――そうか。誘導しろ。」

偵察に出していた蝙蝠の様な形状の使い魔より伝達が届く。
――獲物が近付いていると。騎士ではない様に見えるとの報告、かつそれは上質な美女だという報告だった。
洞穴の中は暗転して――

ご案内:「自然の洞穴」からテイファーさんが去りました。