2022/12/03 のログ
ご案内:「錬金術師の実験施設」にノウブルさんが現れました。
ご案内:「錬金術師の実験施設」にシンディ・オーネさんが現れました。
ノウブル > (暗く淀んだ空気、湿った石壁――
そんな光景が続くばかり、そう思われて居た遺跡が一つ
大陸には、こう言った旧時代の遺物が多く存在して居る
其の中で、己に貸された依頼は、遺跡の奥で発見された魔獣の盗伐、だ

其れは、成功した。 一匹の奇妙な魔獣を、狩った。
だが、問題は其処から。 遺跡の奥、苔に隠された扉の存在に気付いてから
これで、何日が経過したかも知れぬ

――果たして、此処は何処なのか。)

「―――――――」

(食料は幸い、まだ少し残って居る。
古めかしい遺跡の中とは到底思えぬ、殺風景ながら比較的整った部屋
明かりこそ最低限の光源しか無いが、視認が難しい程では無い

――或る扉を開けた瞬間、発動する転移の罠
其れが、一度きりの物なのか、常に稼働して居るの物なのかも判らないが
入口も、出口も見当たらないこの部屋の中で、食料が尽きるまでに
脱出手段を、見つけ出せる物だろうか)。

シンディ・オーネ > (冒険者ギルドの噂で、ノウブルが未帰還になっていると聞いた。
 依頼内容はとある遺跡で確認されたという魔獣の討伐。
 しかしその場所は同時に、外法に手を染めた錬金術師の隠れ家とも目されている。

 状況によってはギルドや依頼主が増援兼救助隊を編成する事もあるかもしれない。
 あるいは冒険者の方で保険などに入っていれば、そこから救助依頼が出される事もあるだろうか。

 しかしいずれもすぐには予定されていないようで、
今はただ『依頼を受けて行ったけど帰って来ない』という状況があるばかり。

 中には『外国人だし』なんて言葉もあって驚いた。
 自分がまさに戦争中の、敵国人めいた見た目であれば異邦人に対する風当たりを実感してはいるけれど。
 人種の坩堝たるマグメールでそれを言うのかと、呆れ半分、反発半分。

 タダ働きはしんどいのでなんとか依頼の形にしてもらえないか掛け合うが、それが無理でも。
 冒険者ならこんな時はお互い様だろうと、早々に荷造りしてノウブルの足跡を追いかけた。

 アーネストには、その旨ありのままを伝えてある。
 ノウブルと私には色々あったけれど、それとこれとは関係ない。)

――到着はしてるんでしょうね…

(分類としては新米の域を出ないかもしれない程度の経験しかなく、
道中ノウブルの足跡を追ってはみるけれど、遺跡の中に入ったという確証も微妙なところ。
 そういったサインを残す風習などがあるかもしれないが、
周囲との協力関係に若干諦め気味なところもあったノウブルがそれをしているかは分からない。

 いざ遺跡、と依頼にて確認されている入り口の一つに立って、ままよと足を踏み入れたのがしばし前。
 内部をいくらか探索すれば、件の魔獣が討伐されているところは見つけられる。
 そして奥に続く扉があれば、当然それに手を伸ばしてミイラ取りがミイラになった。

 果たして転送先は、同じ場所か。
 であれば素人くさく多めの荷物を背負って、明々と燃える松明を手に袋小路へ現れる。)

ノウブル > (壁には、幾度か破壊を試みた後が在る
結論から言えば、破壊させる事は可能だった、が、自動で修復されて仕舞うのだ
先刻試みた獲物での攻撃も、今となっては薄い跡を残すばかり

救援が在る事は、元より余り期待して居ない
この国において流浪の民でしか無い己を、厭う層も居ると知って居る
自ら依頼を受けた以上、自らの力で脱さなければならぬ物だと、そう心して居る
焦りは無い、ただ、正直な所――手詰まりでは在った。)

「―――……食料でも在ればな。」

(せめて、食料の目途でも付けば。
だが、生憎乍ら、其れらしきものは部屋の中には無い
唯一、飲み水となり得る水場が隅の方へと合ったのが、せめてもの救いか
安全な水と言う保証は無いが、粘るには必要だ。

――そんな折、思わず眉根を跳ね上げた
ここ数日、他に生き物の気配すら感じなかったこの部屋に
己以外の、何かの気配を感じるのは、十分過ぎる程の異変
壁際に座り込んで居るのは変わらないが、気配の方向を静かに眺めれば
――程無くして転送されて来る、己にとっては、意外にも意外な姿。)

「―――――……如何した?」

(何故居るのか、と言う言葉が咄嗟に出て来ず、そんな一言に摩り替った
転送されて来る光景は、こんな感じなのかと言う感慨も無く
少しばかり驚いた様に、そう言葉を投げれば、壁に凭れて居た身体を、少しだけ起こそう

灰色の壁面が四方を覆う部屋の中は、まるで一種、牢屋や檻のような印象を与えよう
所々に何かの文字が描かれて居るが、王国の言語でも、魔術の其れとも思えぬ特異な物
しいて言うなら、噂に在った錬金術師の用いた暗号、と言った方が納得出来そうな物か

――キィン、と、微かな音がする。
其れも今までには無かった変化だが、今は、遭遇の驚きに掻き消された形)。

シンディ・オーネ > (眩暈に似た一瞬の違和感があり、気付けば扉を開こうとした手を虚空に伸ばして部屋の中。
 魔力だの何だのといったものを知覚できる魔術師としては失態か。
 松明を掲げ直して、部屋といった内部にざっと目を走らせる。
 何事も無ければ次いで自分の状態を確認するところだが、対象の発見にキャンセルされた。)

「――なんだノウブル!無事だったわね。いや無事?よね?
 …帰って来ていないと聞いたので、助けが必要なんじゃないかと。
 つまり、出られないのか。」

(あっさりと見つかって、よしよしと笑顔。
 無事な様子だけど本当に無事かと、しげしげ様子を検めて。
 ……ここで無事にしているのに帰って来ないという事は、ここから出られないのだなと当たりをつける。
 参ったね、と部屋の方へ視線を戻して。)

「大丈夫よ。
 ミイラ取りがミイラになってるけど、私も行き先は伝えてある。
 アーネストにも伝言してあるから、私が戻らなければ何とかしてくれるでしょう。」

(魔獣の遺骸。その奥にある扉。
 私がさほど苦も無く到達してしまったのだから、後から来る人も見つけてくれるだろうと一先ず努めて朗らかに。)

「水と食べ物は――」

(任せなさい。喉乾いてる?と荷物を下ろして――
 耳鳴りか?と不快な音に宙を仰いだ。)

ノウブル > 「―――……探しに来たのか。 依頼が出たのか?」

(己の名が呼ばれた。
何か無関係な依頼であったなら、相手ももっと、違う驚き方であったろう
詰り、探されて居たのは己と言う事になる
ギルドが態々、そんな依頼を広布したのであれば、其れもまた意外な事
何にしても、己以外の人の姿を見れたと事は、多少なりと気分を変える事にはなるが

――そも、此処に現れたと言う事はつまり、同じ穴の狢。)

「出入り口の気配も無い、壁も破壊出来ない。
……何の部屋かも分からない。 牢獄にしては、骨も残って居ない。」

(何時からこれが在るのかも不明だが、もし何らかの罠であるなら
人間とは言わずとも、動物や、魔獣辺りの骨が残って居ても不思議では無い。
何らかの脱出方法が在るのかも知れないが、と、此処まで調べた事を伝えながら
傍の布上に残っている、残り僅かな干し肉と、部屋の隅に沸いている、水溜りの様な水場を示して

――がこん、と、再び音が響いた。 部屋の中か、或いは外か判別し難い音源
直後、部屋の天井付近から、煙のような、或いは霧のような気配が漂い、部屋の中へと流れ込む
匂いは無い、色も無い、微かな湿った気配。
其れ迄、己が一人部屋の中に居ただけでは起こらなかった異変は
この部屋の正体を知らぬ者では、直ぐには、気付く事も難しかろう

――壁面に描かれた錬金文字に描かれた意味
魔獣及び生物の交配実験室――つまるところ、此処が
雌雄のつがいを繁殖させる為の、交尾部屋なのだと――知る由も、無いのだ)。