2022/08/21 のログ
ご案内:「夜のタナール砦」にサロメさんが現れました。
サロメ >  
相変わらず奪って奪われてが続いているタナール砦
今宵は人間が攻め落とし、諸々の哨戒や修繕なども終わり宴が開かれていた

大広場、賑々しい宴の場とは少し離れた位置に腰を下ろし、木製の盃を手にサロメはちびりちびりと酒を飲む

普段からどちらかと言えば生真面目、騒ぎに乗じるような性格ではないが、今日はそれ以上に騒ぐ気になれなかった

「ふぅ──」

一進一退、といえば聞こえは良いが、砦を維持することすら困難というのが現実のところ
前団長の頃は、この砦を落とした後はその先…魔族の国にまで何度か攻め込んだことがあった

実際にはそうしなければいけないのだろう、が

前団長の魔族の国での戦死を受け、王国は遠征にまでは乗り気ではない
更に言えば、王城に入り込む穏健な魔族の手引きなどもあって、そう簡単に進軍の許可も取り付けることもできないのが現状だった

「…さて、あれが生きていたらどうするんだろうな」

手元で盃を游ばせながら、小さくため息が漏れる

ご案内:「夜のタナール砦」にロン・ツァイホンさんが現れました。
ロン・ツァイホン > 「なにかお悩み事ですか?」

そんな、低い男性の声が女団長へと響いた。
見れば非常に大柄な、それこそ巨人と見紛う体躯。
その体はシェンヤン風の神官服を纏い、丸サングラスをかけて赤いバンダナで髪をまとめている。
なにより特徴的なのは、その異形。
竜がそのまま直立したような、そんな姿を持つ男。

「いやはや、傭兵の仕事がいつまでもここは尽きませんね。
しかも常に勝てるかどうかは不明と来た。今回はあなたの指揮のおかげで何とかなりましたよ」

よっこいせ、とそんな彼女の隣に同じように腰を下ろす。
その腕には盃ではなく、陶器の酒瓶が一本握られていた。
腰を下ろしてなお、その体躯は見上げるほどだった。

「私は今回の戦いに傭兵として呼ばれましてね。
いやぁ、勝ててよかった。おかげで報酬も問題なくもらえそうですよ。

おっと、申し遅れました。私はロン・ツァイホンと申します。
どうかお見知りおきを。第七師団の師団長殿?」

そう言ってから、グイッ、と自身の酒瓶を煽る。

「しかし、勝利酒というにはなかなか苦い顔をしていますね。
……今後の展望についてなにか不安が?」

サロメ >  
降りかかる低めの声と共に影が遮る
横に腰を下ろす巨躯の男──竜人、と称するに相応しい
人の装いをしていなければ、うっかり武器向けてしまいそうな、そんな体躯の持ち主だった

「本当は君達の仕事を減らすことこそが望ましいんだがな。
 そう思うようにはならないようだ。まだまだこの場所での需要は安泰だろう」

見上げがちにそう言葉を返し、盃を呷る

「常勝出来るならばそれがいい。君らは食いっぱぐれるだろうが。
 この勝利も明日明後日、いつまで持つかわからない。酒の味も渋くなるというものだよ」

師団長の一人が苦い顔をしていれば、それを察さられることも仕方がない
やれややれだと小さく肩を落とすのだった

「しかし貴殿程はっきりと竜人とわかる者は珍しいな。──なにゆえ傭兵稼業を?」

せっかくの酒の席、渋い話題ばかりもなんだろうかと問いかけてみて

ロン・ツァイホン > 隣に腰を下ろして、視線を向けようとするとつい顔が下を向く。
それは肉体の方……という意味ではなく、どうしても見下ろす形になってしまう。
だから出来るだけそちらを向かないようにしながら。

「需要が安泰なのはそうですね。魔族の死体はいろんなマジックアイテムが取れやすい。
そうでなくても、魔族の臓器は売れますしね。王国の人達の中で遺体取引まであるそうですし」

さらりと、そんな仄暗い情報を言いながら。同じように呷る。

「食いっぱぐれるようなら『向こう』につくだけですよ。
あ、これはジョークですからね?」

くっくっ、と割とシャレにならない冗談を言いながら。

「私はこう見えて神官でしてね。あとお金が大好きなので。
布教活動と生活費を稼ぐ為に、といったところですか。

まぁもっとも、布教活動は今のところ休止しておりますがね」

そこで話を切って。

「どうですか?あなたも私と同じ神を崇めてみませんか?」

などと言うと、おそらくその宗教のシンボルなのだろう。
金色の金貨に、ブドウが描かれている。

サロメ >  
見下ろすことに対しての気遣いを感じ、なるほどと納得しつつ、立ち上がる
視線だけならばこれで横這、互いの目を見て会話が出来るだろう

「ジョークを言う神官か、面白いな。
 タナールの奪い合いがなくともこの地に戦乱は尽きないさ」

此処ほど頻発するということもないがな、と肩を竦めてみせ、続く言葉には少々その眼を丸くする

「無欲の信者よりは個人的に好感がもてるが、
 私を含めこの師団は今の神を信じていないある種、無神論者の集まりだぞ」

信ずるは己の力と剣のみ、随分と偏った団だとは思うがそれ位の気勢がなくては魔族や魔王相手に気後れする

「しかし、神官といったがヤルダバオートの者ではないな・見たことのないシンボルだ」

ロン・ツァイホン > 彼女の視線がちょうどよくなったのを見て、少しだけ笑みを見せる。

「神官といっても様々ですからね。
教義を都合よく使う神官、本気で行う神官。神官という名の無法者。
特にこうして、傭兵としてお金が欲しいからというのはなかなかいないでしょう」

などと言って、カハハッ、と笑って見せて。
その笑いで大きく口が裂けるサマを見せつけただろうか。

「いいんじゃないですか?神がいないと思う人がいても。
だって、その方が神は仕事が少なくて済むじゃないですか」

どこか愉快そうに、同時にどこか寂しそうに言葉を紡いで。

「えぇ、シェンヤンの古い……今の「三聖」「三君」と呼ばれるものよりも旧い神です。
第一の教義は単純ですよ。自立すること、それだけですからね」

そのシンボルの金貨を掌で弄びながらそういって。
もう一杯酒瓶を口に入れる。

サロメ >  
「確かにそうだ。
 部隊にも神官はいるが、みな聖都の認可を得ている者ばかりだからな。
 貴殿のようなタイプは傭兵の中でも希少だろう」

故にこちらも助かっていたりもするがね、と言葉を続けて

「人も仕事、神もまた仕事か。
 もう少し人にとって都合の良い存在であってくれれば私達も苦労がないのだが」

そう言って、小さく笑う
むしろこの土地に生きる多くの民はそういった、都合の良いものを神として信じているのかもしれないが…

「随分と古い。向こうの信仰については詳しくないな…そういった神もいるとされているのか」

教義がそれくらい単純だというのも珍しい
大酒を飲み喰らう様子を見れば、禁則もそう多くはないのだろうか

ロン・ツァイホン > 「ふふ、褒められていると思って受け取っておきますよ。
まぁ実際誉め言葉ではあるんでしょうがね。ですがまぁ、他の神官というのはイマイチ硬い。
もっと柔らかくなりませんかねぇ、頭じゃなくて心が」

そう締めると、彼女の方へ顔を向けて。

「そんな都合が良いと神『が』自由に過ごせなくなるでしょう。
いくら尊敬しても、いくら崇拝しても、重要な場面で神に頼むという事は。
それは神を道具として扱ってるようなものになりませんか?」

ちゃぽん、と酒瓶を軽く振ると、中の液体が揺れる音が響いた。

「知ってる人は極わずかですよ。むしろ知っていることの方がおかしいですから」

そこまで言ってから、そのシンボルの聖印を懐へと仕舞う。

「ところで師団長は傭兵などを雇う事そのものは手段として割り切ってる様子。
そしてまぁ、私は割とこの砦で参加することが多いわけですが。
どうでしょう?…………1つ、私から頼みごとをしていいですか?」

サロメ >  
「しかし人にとって神とはそういったものだ。
 神の都合を考える人などそうそうはいないよ」

空になった盃を手頃な場所に置き、空を見上げる
自分もかつては神を信仰の対象として信じていた時期もあったな、と

「頼み事?」

その言葉に視線向ける
竜と視線を交わす、というのも稀ではあるが、さて

「師団長の立場といえど何でも聞ける、というわけではないが…」

聞いてみるだけでもかまわないなら、と前置きし、とりあえず話を聞く構えのようだった

ロン・ツァイホン > 「ま、そうですね。都合を優先するのは誰だってそうです。
それは人じゃなくて、魔族や、その辺の動物、虫だってそうなんですから」

お互いに顔を合わせず、一人は下を向いて、一人は上を見て。
少しだけ、その空間に静寂が訪れていたが。

「えぇ、まぁ無理な話ならそれでいいので聞き流していただければ」

視線を向けられながら、自身の懐にしまっている聖印を見た後、向き直り。

「私が欲に忠実なのはもう知っての通りですよね?金銭欲、食欲。
そんな感じで私、まぁ簡単に言えば性欲も自分に忠実です。

ですがタナール砦に慰安婦なんか来るはずもないですし、ましてや娼婦はここまで来ないでしょう。
そして今回ここに集まった人たちに女性があなたしかいないわけで」

まるで世間話をするように言葉を告げて。

「あなたの依頼を断らないという条件で抱かれてくれません?」

サロメ >  
思いがけない言葉に、片方が隠れたその眼を思わず丸くする
それから、ふ、と
つい小さく噴き出すようにして、笑う

「どうした神官殿。随分と酔っているようだ。
 慰安婦がいないからと私などを抱いてどうする?」

「明日にでも、ダイラスあたりでもっと若く美しい女を抱いたほうがいいだろう?」

特に不快であるといったような表情は見せず、笑みを浮かべたまま
真っ向からそんなことを言われるのもいつ振りか
いや過去を漁っても出てこないかもしれない

ロン・ツァイホン > 「…………おや?
てっきり張り手でもされたり、思いっきり侮蔑の言葉を吐かれるか。
不敬とかで袋叩きに合うのかと思いましたがそういうわけじゃないのですね」

彼女の鳩が豆鉄砲を食ったような顔と、その笑みを見て。
どうやら思っていたよりもの彼女はカタブツではないと感じ、自分も驚いたような顔をしてしまう。

「そりゃあ、あなたも人間的に見ればおばさんと言っていいんでしょうがね。
明日まで待ってもいいんですが、いろいろあるんですよ」

酒が入っているのは間違っていないが、それでも自分は別に血迷ったりはしない。
このようなことを、くだらない冗談のようにはさせない。

「強く屈強な女というのはどこの時代でも多くはないものです。
そして、こんな言葉があります。美人は3日で飽きると。
あなたも美人ですが、それだけじゃない。何よりも私ぁね」

そう言うと立ち上がって、彼女の真横に片手を軽く置いて、首だけ伸ばして視線を同じ位置にし、巷で言う壁ドンをしながら。

「あなたを抱きたい」