2022/05/29 のログ
ご案内:「平民地区 冒険者ギルド」にクラウソニアさんが現れました。
■クラウソニア > 「冒険者ギルド中央支部へよく来たな。それで、今日はどういった用件だ?」
多少ぎこちない笑みと共に発せられたのは、受付嬢の定型句でありながら妙に硬く男性的な騎士言葉。
クラバットで襟元を飾られた赤白ストライプのブラウスと、朱色のコルセットベストといういでたち自体は他の受付嬢と何ら変わりのない服装だ。
まぁ、最大サイズと思しきブラウスであってもなおボタンの弾け飛びそうになっている双乳の圧倒的ボリューム感は、あからさまに男達の目を惹いているけれども。
そしてベテランと思しき年齢でありながら、緩く編んだ一つ結びの金髪と落ち着いた翠瞳の印象的な顔立ちは、他の年若い受付嬢と比べたとて見劣りしない―――どころか更に抜きん出た美しさを見せている。
そんな特徴的な容姿を誇る受付嬢を脂下がった冒険者達がチェックしていないはずもない。
にも関わらず、新人、中堅はその受付嬢に見覚えが無く、僅かに在籍する古豪達は一様に口を噤んでニヤ付くばかり。
いつにも増して人口密度の高い冒険者ギルドでは、『一体あの受付嬢は何者なのか』という話題で妙に盛り上がっていた。
ご案内:「平民地区 冒険者ギルド」にリデルさんが現れました。
■リデル > 時期柄日が暮れるのも遅くなった夕暮れ時。
今日は日中暑いくらいだったことも相まって、冒険者たちが仕事を終えて戻り始めごった返す冒険者ギルド内は、少々むせ返るような暑苦しさがあったかもしれない。
特に鼻の利くこの新人冒険者にとってはどうにも臭って居心地が悪い。
長いすると具合悪くなりそうだし、今回の仕事の報酬を受け取って早々に退散することにしよう。
ついでに、これからの時期はもっと人が少ないときを狙って来ることにするべきだと、ひとり頭の中で問答しながらギルド内の受付に向かう。
「あー、はい…今回の仕事の報酬…をー……」
暑くて疲れたし、匂いもアレなので特に受付嬢の顔姿など見もしないまま流れで足を運んだ先にて要件を聞かれ、徐に顔を上げながら要件を口にすると言葉尻がだんだんと萎んでゆく。
初めて見る受付嬢さんだなーというのはすぐに浮かんだ、元よりここに通い始めて日も浅い身だし知らない顔もあるだろう。
もう一つはサイズ合ってるのかと思うくらいパツパツになっている服装だ…これは思春期の男の子には刺激的かもしれない。
ただその受付嬢を見て一番気になったのは、もっと別のところで…もっと厳かで公なところで見たことがあるかもしれないことだった。
もっとも、何かのパレードかで見た憧れの聖騎士様がこんなところで受付嬢をやっているとか、そういう柔軟な思考には全く及んでなどいなかったので、ただ見惚れているくらいにしか見えなかったろう。
■クラウソニア > 「―――うん? どうかしたのか?」
今度の冒険者はどうやら新入りらしい。
見るからに年若いミレー族であり、汗濡れて薄汚れた姿からは随分な疲弊が感じられた。
そんな少年の声音が尻すぼみに消えてしまう。
本来は聖騎士であり、本日は緊急時故の助っ人受付嬢を仰せつかったクラウソニアは怪訝そうに美貌の眉根を寄せて小首を傾げた。
彼はどこか茫洋とした風情でこちらの顔を凝視している。
26年もの間、男所帯の騎士団に所属していながら誰からの手付きにもならなかった事から己の顔立ちに自信のないクラウソニアは、よもや自分の容姿に見とれているなどとは考えない。
また、トレードマークでもある白鎧も脱ぎ、聖剣も携えていないこの姿で、聖騎士としての正体を看破されつつあるとも考えなかった。
「―――――ふむ……」
そのため脳裏に浮かんだのは、真夏の炎天下で過酷な冒険者仕事を終えた未成熟な身体が、人いきれもサウナめいたギルド内の熱気にやられたのではという不安。
思わず前のめりに繊手を伸ばしていた。
彼の額にそっと手の平を触れさせて、その体温を測ろうとしての事だ。
ブラウスの白布もぱっつんぱっつんの魔乳が、その挙動に合わせてさも重たそうにたゆゆんっと揺れる。
■リデル > 声を掛けられて、思わずはっとする。
目を閉じて頭をふるふると左右に振ってぐるぐるしていた思考を取りまとめる。
兜を取った姿を遠目からみたことがあるだけの憧れの女性と、なんだかすごく存在感のある受付嬢が同一人物であることなど、微塵も浮かんでいない。
今日の疲れと生きて帰れたという安心感に合わせて、美人な受付嬢…それもふくよかな身体を持っていると思しき女性を前にして、妙に昂ってしまっただけだろうと。
「いや、見たことあ……」
見たことあるような顔だと思っただけというはずだったのだが、そんな他愛ない言葉すら遮られてしまった。
目を開けたらもうすでに彼女の上半身は前のめりとなり、その手は己の額に触れていて。
オマケに視界の先は真っ白の布地の大きな膨らみが攻撃的に揺れ動く。
思春期の健全な男児には効果はばつぐんだ。
「あっ、汗かいてるから汚いって…」
慌てた様子でとっさに一歩下がって額から手を離さざるを得ない。
確かに汗ばんでこそいたが、彼女の懸念通りその額は中々の熱を発していたことだろう。
ついでに言えば少年の顔もすっかり赤くなってしまっているのが余計に誤解を生むだろう。
■クラウソニア > 少年の額に触れたのは外気に炙られて来た身体にはひんやりとして心地よい、そして、両手剣を振るう女騎士の勇ましいイメージにはそぐわぬ貴族娘めいて繊細で柔らかな手指の感触。
どこかぼんやりとしていた少年の瞳がはっと意識を取り戻し、触れた白手から逃れる様に距離を取る。
その動き自体はなかなかに敏捷で、多少の疲れこそ見えても健康そのものの様にも思えた。
にも関わらず、稚気を残したその顔は酒でも飲んだかの様に赤く染まっていて
「―――む……、おそらくは問題ないのだろうが、万が一、ということもあるな。 おい、すまんがしばらくここを頼む。私はこの少年を医務室に連れて行く」
背後でぱたぱたと雑務をこなしていた新人受付嬢に一時の代理を頼んだ聖騎士は、カツカツと響かせるヒールの足音も凛々しげにカウンターを回り込みミレー少年の元へと近付いて行く。
きりりと整った美貌と伸びた背筋は魔乳のサイズ感にも見劣らぬ長駆もあって、荒くれ冒険者ですら思わず道を開けるある種の迫力を持っていた。
そうして障害の消えた花道を真っ直ぐに突き進み彼の元へと近付けば、有無を言わさぬ所作が少年の手を取って、そのままぐいぐいと奥にある医務室へと連れて行こうとする。
一日の外仕事を終えて帰ってきたばかりの少年と、空調魔術でいくらかは涼し気なカウンター奥で書類仕事をしていた受付嬢。
その清潔度の違いは少年が思わず遠慮してしまうのも頷ける差異を生んでいたけれど、男所帯の騎士団で鍛えられてきた女騎士はまるで気にした様子を見せない。
■リデル > 「へぇっ!?」
思わず額に触れられてとっさに離れ、ちょいあわあわしている状況の中、努めて冷静な口調で医務室に連れていくと言われてしまって、思わず変な声すら出てしまう。
彼女の見立てに間違いなどなく、疲れこそあれ体調は全く問題なしの健康男子であり、なんら状態異常などありはしないので医務室に連れていかれるわけもない。
「だぁっ、大丈夫だって…!」
彼女の何か決めたときの動きの速さは、仕事のできる人の動き。
医務室に連れていくと決めれば、自身の仕事を他の人に引き継いで早々に己の元へと近づいていく。
いろいろ大きいなとは思っていたけれど、いざ目の前に立たれればいくらヒールを履いているとはいえ、すごくでっかいと語彙力の無い思考が頭を過る。
背丈もそうだがちょうど視界の位置くらいにあたる二つの巨大な膨らみ、いろいろと迫力のある彼女の気圧される形で、少年は無防備にも手を取られてしまえば、抵抗らしい抵抗などできるはずもなく、というか手を離そうにも力量差からできなかっただろうし。
でっかい注射でもブチ込まれたりするかもしれないという些末な恐怖を感じつつ、少年は女騎士に医務室のある方へと連れ込まれていくのだった。
■クラウソニア > 少年の細い手首を握るのは、先程額に触れたのと同じ柔らかな繊手。
にも関わらず掴み方にコツでもあるのか、少年が多少暴れたとてその拘束はびくともしない。
規則正しいヒールの足音はきびきびしていて、歩みに合わせて振られる細腕も力強く、騎士言葉のイメージ通りの男性的な動きである。
しかし、華奢にくびれた腰からフレアスカートにむっちりと浮き上がる豊満な臀部への曲線や、ミニ丈の裾から伸びる純白の脚線美はいかにも柔らかそうで、経験のない少年にこれ以上無く女性を意識させる事だろう。
「うむ、恐らくは君の言う通り大丈夫なのだろう。しかし、そう思い込んでぶっ倒れる者も少なからず居るのでな。 ―――ふふ、安心するが良い。医務室などと言っても安月給の治癒士がヒマを持て余しているだけの部屋だ。別に痛い思いなどする事もない………大体の場合は、だが」
童顔の浮かばせた不安げな様子にくすりと忍び笑い、彼を安心させるべく紡いだ言葉の末尾は酷く聞きづらい小声にて隠されていた。
かの医務室で時にはとんでもない惨事を目にすることもあるので、正直者の聖騎士様はそれも一応は伝えておかねばと思いながらの誤魔化しだった。
ともあれ、少年が大人しく―――多少暴れたとて何ら問題もなく連れて行かれるのなら、長駆の受付嬢と小柄な新人冒険者の姿は程なく医務室に辿り着く。
独特の薬品臭の香るそこには、折り悪く夕食にでも出たのか治癒士の姿は見られなかった。