2022/05/02 のログ
ご案内:「バフート外れの宿泊室」にセルウィさんが現れました。
ご案内:「バフート外れの宿泊室」に348番さんが現れました。
セルウィ >  
「……はぁ。
えっと…とりあえず、うん……確認から、かな。」

パタン…と、戸を閉め施錠をする。
成り行きで買ってしまった奴隷の少女を連れて、室内へと少女は戻る。

向き直り、息を吐き…ひとまずは状況確認。
否、正しく行うべきはそう、なにはともあれ自己紹介、だろうか。

「……私は、セルウィ…冒険者。貴女は…?」

348番 >  
「し、失礼します」

主人の後に続いて入室した奴隷少女。
粗末な宿でも彼女にとっては物珍しく、きょろきょろと視線を巡らせてはハッと我に返ったりしている。

「セルウィ様、ですね。
 わたしは……わたし達には名前、ありません。
 皆、この番号で呼ばれてたから……」

首元に填められた奴隷の証にして、魔力の抑制装置。
あくまで魔力の利用を封じるものなので、ミレー族特有の潜在魔力はありありと感じられる。
その首輪には『348』と刻印されているのが見えるだろう。

セルウィ >  
「……そう、なんだ…。
番号……えっと、生まれた時、から…?」

ずきりと、胸に痛みが走る。
聞いたことが無かったわけではない。

産まれながらの奴隷であれば、それこそ名をつけられる事すらない、と。
けれども、知識の上でしかなかったそれをいざ、こうして目にすると……
なんとも言い難い、その表情が歪んでいくのが、自分でもわかる。

「……348……流石に、それで呼ぶのもな。」

……いいやだめだ、情を持ってはいけない。
言葉を交わしながら、その内心で己を否定する。
彼女は今日こそこうして共にするが、明日には返品するのだ。

下手に情を持ち、その名を考え込むようなことをしてしまえば…
きっと、あとで惜しくなる…返品を戸惑ってしまう。

そうだというのに、彼女の名を考える、自身の姿があった。

348番 >  
「ご主人様、顔色が……えと、大丈夫ですか……?」

心配そうに覗き込んでくる。
奴隷が本来取るべき態度ではないが、歳の近い同性ゆえだろうか。

「あなたの奴隷ですから、どうぞご自由にしてください。
 どんなご命令でも従います。
 女のひと相手のやり方も……多少、心得てます」

あなたの苦悩をよそに、意気込みを見せ。