2021/08/09 のログ
エレイ > 「こんな日もあるものなんだなという顔になる。む……まったく、出るときはちゃんと片付けろよ」

ふと、足元に一本の長剣が無造作に落ちているのに気づくとそれを拾い上げて嘆息一つ。
訓練場の備品であり、刃引きが施された訓練用の代物だ。

「………」

男はなんとなく、それを片手で握って掲げてみる。その剣に特別、何かあるわけでもない。
特に用向きはないのだから、さっさと所定の位置に片付ければ良いだけである。
しかし、なんとなく──本当になんとなく。男はそれを、両手で改めて握り直した。

「……ふむ……」

す、と正眼に構えて、そのまま佇む。
──何気ない動作だが、妙に様になっている。
少なくとも素人の佇まいでないことは、おそらく誰が見ても解るかもしれない。

エレイ > しばらくそうして佇んでいたものの、やがて眉下げた笑みを浮かべつつ腕をおろし。
剣を片付け、ふらりと場を後にした。

ご案内:「平民地区 冒険者ギルド・修練場」からエレイさんが去りました。