2021/03/22 のログ
ご案内:「王都の何処か」にリーアンさんが現れました。
■リーアン > ―――――ゆらゆらと、ぶらぶらと、己の脚が揺れている。
逆さ吊りにされているようだ、と思ったのは、どうやら勘違いだったようだ。
正確には、誰か、屈強な体格の者の肩に、俗に言う俵担ぎにされているらしい。
両手は後ろ手に縛られているようだが、脚は自由が利くようだ。
瞬きをしても闇が晴れないのは、目隠しを施されている所為だ、とも気づく。
硬く重い靴音が、ごつり、ごつりと響くごと、担がれた己の身体が揺れる。
何処かへ運ばれているらしい―――――けれどどう考えても、
介抱されているのだとか、そういった好意的な運搬ではなさそうだ。
頬を嬲る空気は湿っていて、生温かく、深い極まりない。
気を失っている振りを続けていても、埒が明かない、と思った。
「―――――わたしを、何処へ連れて行く気ですか。
此れは一体、何の真似です?」
意を決して、そう声を発した。
運搬人が、あるいは随行する別の誰かが、反応するかどうか。
■リーアン > 己が上げた声に、答える声は無い。
運搬人の歩みが止まることも、無かった。
―――――――そうして、扉が開く音。
其の先はただ、闇―――――――。
ご案内:「王都の何処か」からリーアンさんが去りました。