2020/12/14 のログ
ご案内:「暗い小部屋」にカサンドラさんが現れました。
■カサンドラ > ―――――此度の目覚めも、暗い部屋の中で訪れた。
床も壁も天井も、冷たく硬い石造りの部屋。
塔の上なのか、何処かの屋敷の地下なのか、窓も灯火も無い有り様では判らない。
己は変わらず部屋の真ん中に居て、天井からは滑車のついた頑丈な鎖がぶら下がり、
その先に繋がる金属製の枷に、両手首を一纏めにされ吊るされている―――――
鎖の長さは靴を脱がされた、ストッキング履きの足を爪先立ちにして、
やっと姿勢を保てる程度に調節されているのも、相変わらずのこと。
暗くて、風の流れの感じられないこの部屋は、恐らく牢獄の類なのだとは思う。
合法的なものであれ、違法なものであれ、ひとを捕らえておく場所なのだと。
ほかに覚えているのは、城からの帰り道。
体調不良でふらついていたため、通りすがりの男に絡まれた際、
うっかり生気を吸ってしまって―――――その男を昏倒させた、記憶はその辺りで途切れている。
あの男に仲間でも居たのか、それとも怪しい女として、然るべき場所へ突き出されたのか。
何らかの手段で、意識を刈り取られたのだとは思うが―――――果たして、何の目的で。
己の出自が、身分が、知られているのかどうかすら、今は不明である。
鎖を軋ませ、ふらつきながら、鈍く瞬いて双眸が闇に慣れるのを待つしか出来ず。
■カサンドラ > ぼんやりと部屋の全貌が明らかになるより早く、扉の音が響いた。
暗がりが四角く切り取られ、光の帯が差し込む。
そうして、―――――その先は、更なる。
ご案内:「暗い小部屋」からカサンドラさんが去りました。