2020/08/20 のログ
■ノウブル > (果たして、実際の処は如何なのだろう
其れは、きっと其の時にならぬと判る筈も無い――
濁流と化した水が、部屋の中へと渦巻き始める
(恐らくは)魔法を使うと叫んだ女に対処を任せ、己が見るのは周囲
例えば、壁が薄そうな場所を見つければ、其方に誘導しようと考えたが
其の前に、女の詠唱は中断させられる
伏せろ、と言う声が途切れ、振り向けば女が水に飲まれる
腕を伸ばし、女の胴体を抱え上げながら、もう、胸元まで上がって来た水位に
双眸を細め、其れから、水の流れに意識を向かわせ、其の行く先を辿り。)
「――――――息を止めろ。 流れに任せて抗うな。」
(女へと、其の耳元に声を響かせてから。
女が息を止めたのと同時に、一気に水の中へと身を沈めよう
そして――敢えて、流れの先へと、蹴り出した)
(水に流され、次の部屋へ)
■ノウブル > [1d20→16=16]
■シンディ・オーネ > 【遺跡判定】 [1d20→3=3]
■シンディ・オーネ > (*3は破棄、16を採用で。失礼しました。)
■シンディ・オーネ > え、ここで死ぬのといよいよ頭の中が白くなる。
まさかこんなステッパーズで? そりゃあはじめてだけどこの魔術師が?
…陸でおぼれ死ぬ?
「――!!!」
重い荷物を手間取りながら捨てたところで胴を抱えられた。
悲鳴のような息をついて水面に顔を出す。その呼吸のせいでわずかに水を吸いむせて、更に恐慌が増した。
声が、これでは声がと咳込むところへ、止めろと指示。
何のこれしきここから再度魔術を打ってみせようと思うが、わずかに残った理性が経験者に従わせる。
ずきずき痛む喉に構わず精一杯息を整えて止め、ノウブルの頭部に両腕を回してせめて保護する姿勢を見せながら、
自身もその体に脚を回してしがみつく。なりふり構っていられない。
ノウブルが動き出すのに任せ、コバンザメ。
幸い、鍛えられた肺活量は満水から排水までの時間を耐え抜いた。
「――ッっばァっ!? っは!?っは、っは、っごほッ…」
どこをどう流れたか、水路の壁に擦られるたび死を覚悟するも、投げ出されると同時に空気の感触。
びしゃびしゃと排水の叩きつけられる床へ転がり、喘ぐように息をついてまたむせて、しかし落ち着くのもそこそこに――
「っひ、光よー――…」
魔術の構成を練り虚空に光球を出現させる。
少しひび割れた声でホーミーか何かのように発声を続けるのは、そうしなければ灯りを失うからだ。息継ぎまでが一つの魔術。
滝のように排水された水が更に細かく分岐し流れて行く、床に溝の掘られた細長い部屋。
部屋一つ分の排水はやがて弱まり、止まりそうだ。部屋の奥には出入口らしきものも見える。
ごほっと咳込むと、灯りが消えた。
「――ノウブル… 怪我は?
私は、平気そう… 荷物を…」
水中で放棄してしまった荷物もここに流れ着いている。
大物のリュックはすぐに見つかったが、棒とカンテラは無し。
魔術の灯りで予備の松明に火をつけて、ようやく一息。
「…ごめんなさい。私のミスね… こんな… これがステッパー?」
ひとまずの謝罪と反省。侮っていたと項垂れていると、ちょろちょろしていた水が止まった。
「……っ!?」
ズズズズズズと別の異音。
部屋全体が軋むように巨大な構造体の擦れる音と振動が。
「これステッパー?」
そういえば、ここには流れ着いてきたと思しき物が見られない。
もうちょっとゴミとかゴロゴロしていても良さそうなものだが――
迫る天井と床に出口を目指して一目散。
「わわわったたたッ!?かかか風よぉッ!!!」
バクッと口を開けた落とし穴上空に踊り出て、自分ともし必要ならノウブルも、吹き飛ばす空気圧を落とし穴の中に発生させる。
床に着地しても早くしなければぺちゃんこだ。あわわと踏み出せば突き出す槍。
一応鍛えられた体はスーツの防刃性能に助けられこれも通過。
あと弓?
「――風よッ!!!」
かなりキレてる声がキイと響いて、暴風により押しのける。
部屋から転がり出る頃には疲労困憊。
転がってもう動けない。
■シンディ・オーネ > 【目標判定】 [1d6→1=1]
■ノウブル > (――浮き、沈み、可能ならば息を継ぎ
そうして勢いの儘に流され続け、其の間、女からはぐれぬ様に、其の体躯を抱え続ける。
声を媒介とする女の魔術では、この状況に対応するのは難しい
寧ろ、天敵、と言える罠やも知れぬほど、か
水路の壁面へと叩き付けられるのを、出来うるだけ身代わりになろうとはするが
全部が全部、そう上手くは行かぬだろう、其れでも、何とか――部屋は、抜ける事と為る。
其の果て、辿り着いた空間にて、漸く咳き込みながら立ち上がるのだ、が――)
「―――――……処理場、か…!」
(水の流れの終着点、其れが意味する物はただ一つ。
流されて来た者の、完全なる排除、だ
幸いながら、行くべき方向は一つしか存在しない
奥の通路へと向けて、女が叫び、魔法を発動するのに合わせて、ただ駆ける
気付くのが僅かに遅れたなら、或いは溺れて気絶して居たなら
其の時は抵抗する間もなくぺしゃんこに潰されて居ただろう仕掛けを
通り抜けて、落とされて。 風に助けられて、槍を避けて―――)
「―――――これがステッパーズだ。 ……場所を間違えて居なければ、な…!」
(己も――正直に言えば、今までに此処まで罠を踏み込んだ事は無かった。
成程、目にした危険を回避しないと、こうなるのだな、と言う妙な実感は得たが
現実それどころではない程に慌ただしく――そして、恐らく女にとっては、酷い惨状
無事に帰りつけたとして、もう冒険者辞める、だとか言い始めても不思議は無さそうだとすら思いながらに、何とか
最後の遣りを回避して、ぼろ雑巾、もとい、濡れ雑巾のような様相で、一先ず次の空間へと飛び込む。)
「――――――……今回に限れば…、……其の装備で良かったな。」
(――本当に、そう思う。
下手に金属鎧などを装備して居たら、其れこそ溺れていた可能性すら在る、と
女に向けて声を掛けては、ゆっくりと膝をつきながら、何とか立ち上がる。
動けぬ女へと、暫ししてから近づき、立てるか、と。 或いは――生きているか、と声を掛け
手を差し伸べ、助け起こそうとした、其の刹那。
――後ろから、弱く流れて来る波の如き水流の残滓に
何かが、視界の傍で、沈んで居るのが見えた、か。)
「――――……? ……アレは…、…、……シンディ、起きろ。 あれを視ろ。」
■シンディ・オーネ > ノウブルが無事で良かった。
おそらく切っ掛けの罠を発動したのは私で、彼に何かあったらどうすればいいのか。
そんな安堵と反省の場は設けようとした途端に瓦解して、再度の命がけ。
どうにか駆け抜けて忘我の境地で転がる事しばし。
「――い、いいでしょ、暑いけど、槍だって直撃しなければどうという事はないわ。暑いけど…」
うわ言のように欠点はあれどお気に入りの防具を誇り、
もぞもぞと体中を撫で回しているのは怪我が無いかの確認と実感だろう。
矢の一本くらいにょっきり突き刺さっていても驚けない。
満足したら、差し出された手を取ろう。
「――っふ、ふふふ、っふふふ、っはははははは、やるじゃない私、ノウブル生きてるわね?」
アドレナリンどばどばのおかしなテンションで、反省どこいったという危ない笑い方で安堵した。
私は大丈夫、ノウブルはと、身体を起こしながら観察していると…
あれノウブル、手を取ったならもうちょっと引いてくれても―― 何を見ろって?
「っああそうよね! 今度は…!」
息をつく暇があって良かった。
またあのノリで次のトラップかと身構えるが、どうもそういう事ではないらしく。
「…嘘でしょう、貴族の坊ちゃんこんな所まで――
じゃなくて、何かでゴミにされて来たのかしら…?」
家紋を確認したいが、リュックはそれどころじゃなかったので下りて来た天井の向こうで全損。
松明だけが転がっても健気に燃えており、それを拾って水中の盾と、そこに括りつけられた剣に向かってかざす。
「…軽っ!?」
小水路の中から引っ張り上げたそれは、予想した重量よりもおそろしく軽かった。
何か魔法の高級品なんじゃなかろうかと目の色が変わるが…
盾を叩いてみるとぽぺんぽぺんとトレイのような音。
半眼になる。
「…軽過ぎてここまで流されて来たって事?
これは… 人様に見せられないわね。
私達、口封じとかされないでしょうね。」
…それも、帰れたとしての話なのだ。
転がり出て来たこの部屋は? その次の部屋は? そもそも地上に通じているのか?
【遺跡判定】 [1d20→13=13]
■ノウブル > (こんな事を生業として居れば、何時命の危険に晒され
そして、命を落とすかもしれない事は当に覚悟している
其れは、冒険者や傭兵、狩人、そして戦士として生きて行く上で必要不可欠な物だ
其れが出来ぬ物は心を折り、この仕事から身を引くのだろう
だが、そういう意味では――どうやらこの女は、割合図太い方だった様だ
突然笑い出した相手が、自分の無事を確認した後、此方の無事にまで気を回すなら
ふ、と、小さく表情緩めて、其れから肩を竦めて見せた
幸いながら、己も大きな負傷はしていない。 槍の罠も、寸での所で回避した。
背負って居た獲物も、どうやら落としたりはしてい無い様だ。
ざぶざぶと、未だ足首の辺りまで存在する水の中を歩きながら
女が拾い上げた剣と盾を、その隣から覗き込み。)
「――――――……、……家紋付の張りぼてが、大事な剣と盾か。
……まさか、本当に其れで魔物を如何こう出来ると思ったのか?」
(――数舜、絶句したのは言うまでもない。
こんなものを探しに行かされたのか、と言う思いと、「だから」なのかと納得と
一応、何か特殊な作りにでもなって居るのかと触っては見るが
残念ながら、少なくとも己には、そう言った類の仕掛けは見つけられず
――やれやれ、と、僅かに肩を落とした
其の、刹那。)
「―――――――ッ!」
(僅かに、其れまでの緩んだ意識が、張り詰めた。
女の口を塞ぎ、其れ以上喋らせぬ様にしながら抱き寄せれば
其の儘半ば引き摺るようにして、共に通路の影へと身を隠そうとするだろう
冗談は無い、其れまでとは異なる、鋭い視線が女を一度見て
其れから、通路の先――ひた、ひた、と蠢く異形の気配を、睨み付けた)。
■シンディ・オーネ > 「…魔物をどうこうするつもりなんて初めから無かったんでしょう。
ああでも、実は私もそこは少し分かる気がする。
ステッパーズなんて言われたら、踏破もし尽されて半分観光地なんじゃないかって――
発動させなければ良いと、そういう事かしらね。」
今さっきの、一連の罠が入門向けとはとても思えないのだが、
しかし素人がこうして生き残っている事を考えると、ガチなやつはより致死性が高いのかとさすがに怯む。
しかし今はおいておこう。
やりがいはどうあれ依頼は達成できた。あとは生きて帰るだけ。
濡れ髪をしぼって、あーあ荷物がと一度振り返り、食料も無く帰れるかなあと
「ノウ――っむむぅ!?」
不安を口にしようとしたら、相手が張り詰め。
どうしたときょとんとする間に、口元押さえられ軽々と物陰へ。
さすがに空気を読んで身じろぎもしない。
そろりと振り返り説明を求めるが、鋭い視線には無言を貫き、こちらは覗くのも控えておく。
鼓動と体温を重ねてしばし、何がいるのかも分からないが、やり過ごせるだろうか。
■ノウブル > (―――女の言葉に、直ぐに返答は出来なかった。
気配を、出来るだけ消す様にと促す事も出来ず
叶うならば、察してくれと言う余りに優しくない隠遁
未だ、足元を水が流れており、何より自分達が水にぬれて冷えて居たのが幸いだ
匂いは一度流れているし、何より、己が感じた気配が確かならば
アレは、此方の体温も感知して来る。)
「―――――――……メドゥーサだ。」
(気配が、最も接近し――そして、僅かに離れた。
一言だけ、女へと事情を説明した後、再び沈黙して、気配を殺す。
通り縋った訳では無い、恐らくは、明確に此方を狙いに来た
先刻までの、一連の罠が発動する事で、寄って来るのやも知れぬ
細切れになった肉を求めて、或いは、罠を抜けて安心した、生き物を求めて
そうして――気配が、一旦この場から離れて言った所で漸く、女の口元から手を離す
ふぅ、と、僅かに呼吸を零しては、他意無く胸元を抱いて居た腕を緩めて。)
「――――……踏破されたなら…当に魔物なぞ居ないだろうな。
……余り休んでいる余裕はなさそうだ、行くぞ。 物資は後で考えるしかない。
……アレの領域から離れるのが先決だ。」
(声は控えめに、女へと促すようにして、先に進む。
先刻の気配が遠ざかって行ったのとは逆の方向へ、分かれ道となって居る通路を曲がり、先へ、と)。
■シンディ・オーネ > 松明なら剣と盾()が沈んでいた小水路に放り込めば消えてくれる。
目が慣れてくれば遺跡の構造やヒカリゴケ的な内部の光でもどうにか活動はできるだろうか。
ノウブルと闇に同化して、置物のように静かにしていた。
息を殺して物音を立てずに、そういう訓練も受けていた風で、
察知さえさせてもらえればこれ以上危機を招くようなマネはせずに済む。
落ち着いているけれど、しかしそれも何に警戒しているかを聞くまでで。
「――!?!?」
私でも名前を聞いたことがあるヤバイやつ。
見ちゃダメだっけ? 目を合わせちゃダメだっけ? いずれにせよ厄介極まるやつではないかと、
これがステッパーなのかと再度ぼやきたくなるがつまらない事で声は出さない。
胸がどうとか気に出来る状況ではなく、デリカシー云々なんて意識すら持たなかっただろう。
「……。」
ついていく、と頷いて後に続く。
後方を振り返って「見つける」のも怖いので、
耳をそばだてながら前だけ見て、先へ先へ――
■シンディ・オーネ > 【遺跡判定】 [1d20→6=6]
■ノウブル > (剣と盾を忘れる訳には行かぬけれど、目立つ松明は最悪放置だ
暗闇の中でも、壁を辿りながら歩く事は出来るだろうが
足元の悪さを考えれば、急ぐとて、急ぎ過ぎる訳には行かぬ
何より、連続して罠を越えた為に、特に女は体力を消耗して居る筈だ
この通路が、ぐるりと輪を描いて一周していなければ
メデューサとの距離は、着実に離れて行く筈、では在る
長い廊下を、出来るだけ一方向に進む様、幾度か曲がり、進み、坂を上るようにして目指す、上
そうして――果たして、どれだけの時間が経過しただろうか。
正確な時間なぞ最早判らぬ、或いは女の荷物の中には
多少なりと、その辺りが確認できる道具が在ったのやも知れぬが
今は其れも、天井でふらふらと揺れているのだろうから。)
「――――――……随分歩いたな。 ……大丈夫か?」
(――水に流されてきた距離は、思ったよりも。
暫しして、其れまで同じ景色ばかりであった通路の先に、扉が見える
小さな扉では有ったが、他に進む道は無く、一度女の姿を振り返ってから
今度は己が先んじて、物理的な罠などに警戒をしつつ、扉を開こう。
先に在ったのは、其れまでと違う、部屋、と呼べる場所。
天井は低く、まるで物置か、一寸した倉庫の様にも思える様な空間
生憎乍ら、其の細かな内装までは、薄暗過ぎて見て取れないが
部屋の中へ入り、安全さを僅かに確かめてから、女を招けば
漸くそこで、一息吐くように促そう。)
「―――――……上に戻ったら、報告が要るな。
……流石にギルドも、アレを放って置く訳には行くまい。」
■シンディ・オーネ > 弱音は吐かないが、できれば足音を殺し続けるのが理想なところ、次第にそこまで気が回らなくなってしまう。
動けなくなったりはしないものの、ノウブルに隠し切れない程度には徐々に疲労の色が濃くなっていき――
「…当然。でも、入る前に――」
これまでを考えると、部屋こそ危険だ。
大丈夫かと問われると強がって答えるが、むしろ入室前に休憩が必要かもと膝に手をつく。
とはいえ、後ろにメデューサがいたのなら目の前の部屋だって、確認せず扉の前に居てどうなるか。
…気を付けてと見送って、すぐ中に続く。
「――ここは… 誰か、人間も隠れ家か何かに使っていたりするのかしら。
さっきのトラップだって、百歩譲って槍までいいとしても矢は補充が必要でしょう?」
ヒト型に多少類似のところであのメデューサが管理していたのかもしれないが。
しっかり作業できそうな両腕の印象に反して、倉庫を持っているイメージは無いなと首を傾げる。
…ノウブルが手招きしてくれるのなら大丈夫だろうと、疲労は知覚も鈍らせていた。
生まれついて魔力を感知する魔術師の素質は、この部屋に仕掛けられた罠を見破る事も出来たかもしれない。
少なくとも何かあるとは察したはずだが、それを見逃してノウブルの傍ら、適当な高さの箱に腰かけた。
「貴族の坊ちゃんは、あれを見て逃げ出し―― まさか… ね? リルアー… いや? いいえ、んンっ…?」
――あ、と思った時にはもう遅い。術にかけられているのを感じても扱う魔術の性質は精神支配への防御向きではなく…
貴族? 私の雇い主じゃないか。魔物に? 私は護衛していた? あれ…?
ぐるぐると現実が歪み、頭を振る。
ここを出ろと、ノウブルを押すように手が触れるが――
「――あ… ああ… アニー…?
ごめんなさい、ごめん… ぼうっと… ああ、アニー?変な… 夢? 夢を、見たわ…」
ひどくぼんやりとした目がノウブルの向こう側を見つめて…
やがてノウブルに焦点が合うと―― はにかんだような、とても柔らかい笑みを浮かべた。
ほんのり赤い顔で、ほんの少し媚びるような、甘えた顔で、
そっと身が乗り出されて、何も対応されなければ唇を重ねようとしている。
■ノウブル > (――其れまでとは違い、物理的な罠の気配は無かった
何かしらの刃や、或いはスパイクトラップの類であれば
直ぐに呼び寄せ、休憩させはしなかったろう
多少なりと疲労を隠せぬ女に、少しばかり其処で休んで居る様促しながら
己は、其の間に僅かでも、この部屋から情報を得ようと
閉ざした扉の前に佇み、念の為、追いかけて来て居ないかを暫し確かめて居ただろう。)
「――――……判らん、だが、そも人口の建造物だ。
元々はそうだった可能性が、無い訳では無い。 ……今は知らんがな。
もし、偶々アレを見たんなら…、……ふ、余程運が悪かったのだろうな。」
(今も、何者かが遺跡に手を加えている可能性は、低いと思って居る
だが、この遺跡が、決して遺跡其の物の設備だけで機能し続けて居るとは思わぬ
魔法による機能維持が何かしら施されて居るとしたら、随分と高度な事だ
果たして、此処はそもそも何の遺跡だったのだろう、と言う、純粋な疑問すら浮かぶ中で
ふと――女の声が、何かを呼んだ。 其の声に振り返り、其の様子を伺えば
――きっと、其の瞬間だろうか。
まるで、何か熱に浮かされたような女の微笑が、余りにも近くに在り
程無くして、余りにも無防備に―唇が、重なった、のも。)
「――――――……シン…、……?」
(紡いだ女の名は、途中で途切れる。
反射的に片腕が、其の身を支えるため腰元へ回されるだろう
普通ならば、その時点で異常に、この部屋に仕込まれた罠の存在に気付けた筈だ
だが――或いは、若しかしたら。 女と異なり正常を保って居る様に見える己も又
実際は、真っ当な判断力を奪われて居たのやも知れぬ。
――振り解こうと言う、其の意識が、働かなかったのだから。)
「―――――……夢か。 ……どんな夢を見た?」
(自然、問う声。 そして――女の腰元を、腕が柔く、引き寄せた
互いの熱を、漸く戻りつつある体温を、交わす様に)。
■シンディ・オーネ > ゆっくりと大事そうに近付いて、優しく唇が触れ合うだけのキス。
押し出そうとしたはずの手はただバネのようにたわんでノウブルにもたれかかるような姿勢を作っている。
「……? …?」
息は止めて、遠慮がちに唇で唇をくすぐる程度にしか動かないそれが、
さらにぎこちなく、確かめるようなものに変わる。
物足りなさそうとか、アプローチをねだっているようにも感じられるかもしれないが、
積極的に身を寄せているはずの本人が感じているのは違和感だ。
…この感触は違うと戸惑うのだが、目の前の男は確かに私の幼馴染、アニーことアーネスト。
腰を抱く手にくすぐったそうに身をよじるが、それとも、そんなふりをして体をすり合わせたかったのかもしれない。
…あれ、私はスーツだ。 こんな格好で何をしているのだろうと思う。
少し身体を離して、カチャリと襟のベルトが緩められる。
…あれ、私はさっきお風呂に入らなかったっけ?
「…夢? 夢… 私、そんな事言った…?」
どうして裸ではないのだろうと、カチャリカチャリ、胸元、胴とベルトが外されスーツが緩む。
「――ああ、そうだ、アニー… この間は… ごめんなさい、私… ひどい事を、言ったわね…
せっかく、アニーがしてくれたのに… いえ、いえ、不衛生なのは、危ないと… 思う、けど…
だから… ダメよ? ダメ、だけど… 気持ち、良くは あったの、口で… そのう…」
…気掛かりがあった。
先日どこで覚えて来たのやら、アーネストはこれまでしたことが無かった口を陰部につけるという事をはじめて。
結局押し流される形で許してしまったのだけど、不衛生だ何だとくどくど言ってしまったと思う。
それは間違っていないと思うのだけど、ただ、悪くはなかった。
不覚にも感触だけを見ればかなり良いものであったと、それは伝えておかないとと、思っていて。
…かぁ、と一層顔を真っ赤に、はだけたスーツから覗く肌まで上気させて、酷く落ち着かない気持ちだが一先ず伝えられた事に安堵する。
この話をちゃんとしないまま、アーネストは2週間の遠征に出てしまった。…あれ?
「アニー…?
…アニー?
あの、私は―― アニーは、私にも… して、欲しい?」
…何かがおかしいが、これは懸案事項が片付いていないからだろうか?
時折首を振ってしまうが、何も晴れず、夢うつつに潤んだ瞳を恋人へ向ける。
手袋を解いて、上半身を露に。
キツイスーツの下は、サイズに合わないスポーツタイプのようなインナー。
更に下まで、カチャカチャカチャ…
ご案内:「ステッパーズ遺跡」からシンディ・オーネさんが去りました。
ご案内:「ステッパーズ遺跡」からノウブルさんが去りました。
ご案内:「設定自由部屋4」にシンディ・オーネさんが現れました。
■シンディ・オーネ > 【継続】
ご案内:「設定自由部屋4」からシンディ・オーネさんが去りました。