2020/08/10 のログ
ご案内:「とある海底遺跡」にアルヴァニアさんが現れました。
■アルヴァニア > セレネルの海底にある、比較的最近に見つかった遺跡。
謳い文句としては、進化する遺跡だとかで魔鉱物等の資源が豊富ではあるが、同じように侵入者を退ける仕掛けも日々進化しているらしい。
部隊の調査員達の報告を受けてやって来たものの、報告時には存在しなかった仕掛け――如何やら遺跡の内部へランダムに転移させる術が――が発動し、ものの見事に一人だけ何処ぞの部屋へと飛ばされた。
「アトラクションとしては面白いけれど、これじゃあ宝探しどころじゃないわねえ…。」
嫌だわあ、と焦りが微塵も感じられぬ、のんびりとした声が響く。
一見は石壁なのに、ノックすると金属の音が響く不思議な部屋に今の所扉はない。
多分、出る為の仕掛けがあるのだろうとは思うけれど。
ご案内:「とある海底遺跡」にマヌエラさんが現れました。
■マヌエラ > 閉じ込められても焦りのない
そのノックに意味があったのか無かったのかは定かではないが。
室内の魔力が急速に高まると、部屋中央の一点に集中し――閃光が走る。
一瞬後にそこにいたのは、魔術師然とした風貌の女だった。
きょとんとした顔できょろきょろ周りを見回した後、先客であるアルヴァニアに気付き、にこりと微笑みかける。
「こんにちは、お嬢様。
あのぅ、先ほどまで別の所を歩いていたのですが、どうやら罠か何かで飛ばされてしまったようで……ぶしつけですが、此処が何処なのか、教えていただいてもよろしいでしょうか?」
言うほど困ってはいなさそうなおっとりした声で、助けを求めた。
■アルヴァニア > 自分自身よりも同じように飛ばされてしまったのだろう部下達の方が気になると言えば気になる。
軟な扱き方はしていないが、入った瞬間即死、だなんて悪辣な部屋がないとも限らない。
軽く壁を叩きながら部屋を歩いていれば、不意に一点へと集中し始める魔力。
そうして眩いばかりの輝きが室内を満たし―――現れたのは一人の女。
「あらあ…それは大変。
でも、ごめんなさいね? あたしもここに飛ばされたばかりで困っている所なの。」
お互い、余りにも危機感の無いやり取りである。
相手が室内を見渡せば、扉がないのも分かるだろう。
■マヌエラ > 「まあ、それは奇遇ですね! ……というか、扉もありませんし……隙間もありません。このままでは出られないわけですね」
ようやく状況を把握して、首を傾げ。
「では状況は同じなわけですから――力を合わせて、脱出しましょう!」
余裕を崩さないアルヴァニアと違って、どちらかというと単に危機感が足りていないふわふわした笑顔で、共闘を持ち掛ける。
■アルヴァニア > 相手が状況を把握したのを見れば、「そうなのよお」と間延びした声音が相槌を打つ。
所謂完全密室である。壁は不思議素材だが。
「構わないわあ。―――あなたは…魔術師、で良いのかしら。」
剣を振ったりはしないわよね、と冗談交じりに問い掛けながら、相変わらず手の甲で金属音のする石壁をノックしながら壁に沿って歩く。
もう一辺を通り過ぎれば一周する形だ。
■マヌエラ > 「はい! 魔法を使います! 残念ながら剣は使えません」
見た目よりもやや幼い感じの仕草で、にこっと笑って溌剌と答える。
「そういえば、まだ名乗っておりませんでした。
私、マヌエラと申します。お嬢様のお名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
問いながら、アルヴァニアの行為を真似するように、残った一辺の壁をアルヴァニアとは逆方向から叩く。
「見た目とは音が違う……不思議な感じですね」
瞳は魔術師らしい好奇の色に輝いていた。
■アルヴァニア > 溌剌とした返答に垂れた双眸を柔らかく弧にした後、相手の名乗りに応じて口を開く。
「アルヴァニアよ。好きに呼んで頂戴ね。」
自身も名乗った所で、残す所は相手が叩く壁のみとなる。
「音が違うとか、感触が違うとか…そんな場所はあったかしらあ?」
好奇心に瞳を輝かせる相手へと、壁への違和感がないかを問い掛けて。
扉となりうる場所や、薄い場所があれば違う反応がある筈だが――さて。
■マヌエラ > 「アルヴァニア様! 素敵なお名前ですね。では……アルヴァ様、とお呼びしてもよろしいですか?」
いきなり愛称で呼び出す。相手との距離感が最初から近いタイプ。そんな所も見た目よりも幼いか。
「音……感触……」
しかしアルヴァニアの助言を受けての探索は、やおら真剣な顔で、耳を壁にぴったりつけて、少しずつ進めていく。ノック……ノック…‥ノック……。
「!」
ある地点で目を見開くと、動きを一度止め、その周囲を更にノックして――。
「ここの音が、少し変な気がします。音が軽い、と言うのでしょうか――」
一転を撫でながら耳を離して、自分よりも確実に場慣れしているであろうアルヴァニアへ報告する。
■アルヴァニア > 初手愛称呼びも気にならない程度には、女自身が大雑把。
どうぞお、だなんて相変わらず間延びした調子で返す。
軈て、相手の動きが止まり、繰り返される動作に何某かを察して其方へと足を向け。
彼女の報告を聞けば、にっこりと嬉し気な表情へと崩れた。
示された場所を自身でも軽く叩き、少しばかり離れた位置までをノックする。
「幅は一人分位かしらあ…上下は……」
コン、コン、コン、こん。
そんな風に壁の薄さが変わる位置を確認。
「扉の形……と言うよりは――円形…かしらねえ…?」
大人一人分は通りそうな上下幅の円状に壁が薄くなっているらしい。
■マヌエラ > ありがとうございます、と嬉しそうに礼を述べ。
続いて、自身でも叩いて確認したアルヴァの言葉に、顔を輝かせる。
「ということは、此処に通路や出入り口が隠されている、ということでしょうか?
でしたらここを破壊すれば通れる……ということになりますね!」
存外脳筋な思考の魔術師は、すぐ破壊行動に移ろうとする。手持ちの杖を掲げて、早くも魔力を集め始めて。
「撃ちます! おさがりください!」
ばちばちと収束した漆黒の雷を、線状に打ち出した。
部屋全体が揺れる衝撃。薄くなっている部分がたわんで――
――壊れは、しなかった。
「あ、あら……思ったより頑丈ですね、アルヴァ様……」
いきなりぶっ放したことは悪びれもせず、どうしましょう、と首をかしげる
■アルヴァニア > 「可能性としては高いわねえ。―――ええ?」
通路や出入り口の可能性は高い。が、遺跡の性質を考えれば遺物や罠の可能性もある。
他に仕掛けはないか、と思考を巡らせようとした矢先、破壊せんと意気込む相手の言に、珍しく呆けた様な声が出た。
次いで、早速とばかりに攻撃に出る相手を止める暇もなく集められる魔力に、あらあら、と呑気な声を上げながら巻き添えを食わない様に彼女の後ろへと下がり――
「貴女…思ったよりも過激なのねえ?」
部屋を揺らす程の衝撃にその威力を察する事は容易い。
ころころと喉で笑いを転がしながら揶揄の言葉を投げかけつ、再び部屋の中へと視界を巡らせる。
彼女の放った魔法による傷は壁には無い。と、なれば無効化されたか、吸収されたか。万が一、吸収されていた場合、その力は一体何に使われるのか、物理は有効か――魔法の放たれた場所に変化はないか。
そう思って再び壁へと触れる。