2020/03/14 のログ
ご案内:「黒の伝道所」にネメシスさんが現れました。
ご案内:「黒の伝道所」に魔王劉仙さんが現れました。
魔王劉仙 > 王都から程々に離れたとある、とある海沿いに聳え立つ城郭。
その城郭のたる一角の地下深くに封じ込まれた一つの部屋があり、
部屋の内装は非常に豪華であるが古いことに変わりなく、
同様に部屋の真ん中に古びた棺桶があり深い眠りに入っていた何者かが、
眠りの海から急浮上する様に暗闇の中で瞼をかっと開き、ガコガコと音を鳴らし、
ギィーバキッ ドゴ、バターン、と勢いよく棺桶の蓋が蹴っ飛ばされた。

立てかけている棺桶からぬそっと出てきたのは狐耳と九尾を生やした少女の也をした何かであった。

真っ暗な部屋は霊廟扱いだったので、灯りの魔法を発動させた瞬間、
どたばたとやってきた気配に緩やかに首を向け。

ネメシス > 「「副団長、棺の中のが目を覚ましたようですぜ。」」

現れたのは白銀の騎士を中心とした数名の集団。
取り巻きの一人が棺の中の何者かの存在を騎士に伝える。

「なにやらとんでもない島だとは思っていたけど、主のお目覚めのようね。
こんにちは狐耳の誰かさん。
いきなり目の前に知らない人が居て驚いたでしょうけど、気を悪くしないでね?」

ネメシスはこの国で生まれて間もない存在である。
見た目は17歳前後の外見であるが、この国について深く精通しているわけではない。
それゆえ、目の前の存在が何者であるか見当もつかない。

・・・漂う空気から、常識を逸脱した存在だとはわかるが。

魔王劉仙 > 数年ぶりに目覚めたミイラではなく狐耳をぴこぴこ揺らしふぁさりと九尾を揺らす少女は
まどろみから覚めてどたばたと動きの整っていない足音と気配の乱雑さに、
この身がかつて統率し鍛え上げた者たちではないと感づく。

気配と存在の魂魄の色にこれらは人かそれに準ずる存在とその仲間たちと感づいた。
白銀の騎士の集団から一人出てきたのでそちらへと意識を向けてから
椅子もなかったのに、やたらゴージャスな椅子を腕をさっと動かしただけで出し、
それにけだるげにゆっくりと腰かけ足を組んだという。

「定命の灯人を統べる存在であろう、
 ごきげんよう、幾場しか眠りから目覚めた私は、
 魔族の一角を支配していた魔王劉仙である。私が眠っていた間にいたのは せんなきことだが致し方あるまい。」

魔族の国にかつていた魔王の組織の一角にいた古いとある魔王が目覚めただけ。
王国と争ったり手を結んだり煽ったり色々な意味で敵対しまくる魔王が一柱。
まき散らす魔の波動が既存の魔族とは一線を越えており、その濃さから気分が悪くなるかもしれない。
それに気づかない魔王は腰かけたまま、ネメシスを見上げ

「汝は何処の者か?答えるがいい」

ネメシス > また凄いのが現れたのねえ…。

ネメシスは一瞬の間であるが、時が止まったかのように静止する。

それ以上に周囲の団員たちは纏った空気に気が遠くなる。
皆なんとか直立しているが気を抜けば倒れてしまうだろう。

魔王…。
かつてマグメールの国境付近で命のやりとりをしていた相手の一角だとか。
最近は派手な軍事行動を取ることも少なくなり、少なくともネメシスは
生まれてこの方魔王なる存在を見たことはない。

「貴女、魔王リュウセンと言うのね。
私はこの辺りを治めている聖バルバロ騎士団の副団長のネメシスよ。
団長は現状出かけているから今は私が責任者になるかしら。
誰もいないと思って居たから、この島を使わせてもらおうとしてたのだけど。
まずいかしら?」

流石に魔王の類と準備もなしに渡り合える戦力はない。
が、ネメシスは動じることなく魔王リュウセンと向かい合う。

魔王劉仙 > 魔王はとある組織にいた際は一番の小物だった。
これが小物がまき散らす魔の波動である。最強の魔王に至ってはこれ以上なのだが、
それは今は関係ない話なのでよそに置いておく。

霊廟内の中で一体対複数人で尻込みも何もなくむしろ威風堂々と振舞う魔王。
ざっくりと騎士団の数人の顔を観察していたらやたらと青白いのがいて、
何かに気づくとふっと魔の波動がその辺にいる野良魔物のような野良魔族並みの気配に収まった。

派手な軍事行動をとる魔王は確かに少ないが敵対する存在がいなければただ暇になり動かなくなるだけ。
時々堂々と人の国に入っている魔王もいるのは何となく察知できるが、それが知り合いとは限らない。

「如何にもである。
 …ここ霊廟だったはずなのだが、汝らに占領されたか仕方あるまい。
 目覚めた以上霊廟も意味がなさなくなる。王都に一番近い場所だったのだが、
 ふぅむ、私は別に城を作るから、ここを使うがいい。
 人間の国に近いが故、煽るために此処に霊廟を築いたのだが好きに使え。」

魔王一体で軍勢と渡り合えることもある。
少なくともこの魔王はある程度の準備時間を与えられればそれなりに軍事活動を再開できる。

そこで漸く ネメシスの傍に同様のゴージャス感のある背凭れ付きの椅子を顕現させる。
要はそこに座れと言わんばかりに。

ネメシス > 「霊廟だったのここ。
随分と豪華なの作るのね。」

衰退著しいマグメール内ではここのような巨大建築物は珍しいか。
だからこそ、拠点とすべく動き出したのであったが。

魔王の説明に面食らうネメシス。
やはり魔王ともなると規模が違うのか。

「占領と言うか…貴女寝てたしね。
一応、うろついてたモンスターはこっちで取り込んだわ。
おとなしくしてるから返してもいいけど。

あら、貰っていいの?
それなら好きに使わせてもらうわね。
貴女はどうするの?」

突如出現した椅子に腰かける。
玉座を思わせる椅子に座れば、まさしくこの島を統治する支配者に見えるだろうか?

魔王劉仙 > 「材料とありあわせのものが揃えていれば私が作る。
 錬金術の一種になるが、等価交換により無からは作り上げられん。
 大量かつ材料さえ揃えられれば揺り籠から墓場まで作るな、私は。
 眠るための施設に貧弱な設備ではいい眠りは来ないではないか。」
 
衰退著しいとはその間寝ていた魔王では知らぬ事。
巨大建造物を自重なしに作り上げるのは軍団と組織を後ほど復活させる魔王ならではの行為。
規模と自重と咎める存在が欠けているため、この後突如空に何かができていても不思議でも何でもない。

「この辺の魔物…大人しくしている分にはよいのではあるまいか。
 私が去ったあとどうなるか分らんが、その時はその魔物の意思を尊重してやってくれ。
 私はこの後 拠点となる城を作るのでなぁ…くくっく。
 簡単に見つからず見つけたとしても入りにくい物を作るのと、
 いろいろとやることができるのでな、忙しくなるだけだが。」

どんっと対峙する間に一枚板でできた真っ黒いテーブルが顕現し、
その上にことりことりと置かれたそれぞれ契約書みたいな紙が一枚ずつ。
その横に血色のインク瓶と羽がついたペン。

どんどんと椅子とかテーブルとか出てくるこの謎の霊廟。

ネメシス > 「そんなに大量の材料なんて
この辺で揃うものなの?」

魔王の語る世界はネメシスには少し理解及ばない。
眠るためだけにこんな施設を作るのだ。
人間であるネメシスが理解できなくても不思議はない。
ただ、貰えるものはありがたく有効活用しよう。

「まあ、うちも少ないながら魔族もいるし、
貴女がいなくなったら私達が統治するだけよ。
貴女の部屋も残しておくから戻りたくなったら帰ってきていいわよ。

ま、私は止めはしないから好きにやるといいわ。」

黒光りするテーブルが現れ、契約書が。

「なに? サインしろってこと?
どういう契約?」

魔王劉仙 > 「すべての材質、土から石から水、空気、全てである。
 この辺にあるもの全てで揃う。既存の材料で作るのは当たり前であろう。
 持ち込んで害のあるものだと後で困るであろうが」

魔王は意外と既存のある物で作る。
人間の国に持ち込んでもよさそうなものは極力避けてもとからあるものだったりでありあわせで施設を作る。
その際 そのままではなく作り変えての話だが、溶け込むように作るもののデザインが魔族風。
違和感はどうにも発生するがその辺は気にしない気にしても無駄である。

「そうか、ならばよい。
 定命のある国に近いからな、色々とあるだろうが励むとよい。
 ここの譲渡契約書だが。証拠は残さないと後で文句を言ってくる奴が出ないとも限らん。
 そのための一筆交わさねばな。論より証拠、言った言わないでもめるより余程いい」

彼女のもとにあった紙を何かの力で回収すると、同じ動作で以下の行動をする。
さらさらと紙の上に一筆書いていく。同様にペンがひとりでに動き始める。
内容は ここの地の統治権・地券権利諸々譲渡するもの。
最後に署名欄を設けると、特徴的な魔族文字で直筆のサインを描く。
ここまで書くとコピペのような彼女用の紙と彼女の署名欄は空欄で終わり、その部分までの紙を
彼女の手元にさぁっと何かの力で戻して差し上げた。

「人の国でもあるであろう、署名をして交換だ。」

ネメシス > 「ふ~~~ん、よくわかんないっわぁ。」

頬を親指で触り、困惑気味。
おおよそ人間の力が及ぶ魔法ではないのだろうが。

今はこの巨大な拠点をありがたく活用することにしよう。

「それは大丈夫じゃない?
王都内はうちの息がかかった場所も多いからね。
それよりも、こんな場所でやっていくには今後は船を用意しないといけないわね。

ああ、そういう内容なら喜んでサインするわよ。」

なんとなく、魔族と軽々しくサインを交わせば恐ろしいことになる気がしたが。
至極まっとうな内容とわかり、署名欄にサインをする。

こちらは普通に指でペンを握ってのサインだ。
その際、小手を団員が外すため少し時間がかかった。

「これでいいかしら? 魔王さん。」

正直、これまでの話が大きすぎて、ペンがひとりでに動く程度では
全く驚かなかった。

魔王劉仙 > 「人であれば数百人から数千人の魔力でどうにかなる。
 規模の違いだ、まぁ、魔力の濃さを統一しないとその場でドカンだ。」

人で再現した所で統一している魔力の濃さならまだしも点でバラバラの魔力の濃さと量では暴発と爆発が関の山。

霊廟とその周りの塔と総構城郭にも転用出来る地をそっくりそのまま譲渡する方も方だ。

「転移魔法使えないのか、汝らは。
 船は…一隻だけここに地下に埋めているからあとで出すがいい。
 
 うむ、そうだ、交換して終わりだ」

魔王はまっとうに契約書というか譲渡書を互いに交換という形で差し出して、
受け取るとその紙をくるくると丸めてから椅子から立ち上がり

「では、私は行くのでな。」

ネメシス > 「うちはまだそこまでの魔導士はいないかなあ。
貴方たちと違って貴重なのよ、魔導士って。」

アリと象が目の前で語り合っているようなスケールの違い。
このアリは象が相手でも動じることなく過ごすアリだが。

「そんな魔法使えたら苦労してないわよ。
え、いいの? 後で使わせてもらうわね。」

船、という言葉に色めきたつ団員たち。
生まれてこの方船に乗ったこともない団員が多い。
今後は船員も集めることになるだろう。

「行っちゃうの?
親切な魔王さん。」

用事を済ませた魔王は早くもここを後にするらしい。
団員たちはネメシスが口を開くよりも先に敬礼し、魔王を見送る。

魔王劉仙 > 「日の目を見ぬ魔力を持つ者ならいると思うが、
 魔導士は卵のうちから目をつけて育て上げよ、己が色に染め上げるのだ」

とある国のとある物語で 赤ん坊から育てて己色に染め上げて嫁にしたという貴族が物語を思い出した。
あれもたいがいなのだが、そんな風に下野している魔導士もいるだろうから見つけて見せよ、と告げる。

「そうか、では励め。
 暇になったら 遊びに来るからな、ではな。」

用事は終わったとばかりに手を振って丸めた紙を持ちどこかに転移していったように姿が消えた。

また遊びに来るらしいことをほのめかして。

ご案内:「黒の伝道所」から魔王劉仙さんが去りました。
ご案内:「黒の伝道所」からネメシスさんが去りました。