2020/01/21 のログ
ご案内:「九頭竜山脈 山中の温泉宿」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 夜。
九頭竜山脈のとある山の麓付近にある、やや寂れた感のある小規模な温泉宿を、男は訪れていた。
ロケーション的に立ち寄りやすい場所ではあるものの、あまり目立たない隠れ家的な
建物ゆえか客は殆どおらず、人気もあまり感じられない。
夕食を済ませ、ひとっ風呂浴びようと露天風呂まで足を向け、脱衣所で服を脱ぎ
タオル一枚を携え、浴場へと足を踏み入れて。
「いつもの旅籠の温泉もいいのだが、たまには違う風呂も楽しんでみるのが大人の醍醐味」
などと無駄に得意げに独り言ちながら、目前に現れた露天の岩風呂を眺め回す。
見慣れた旅籠のそれとは違う趣に、表情を緩めて。
「あっちよりは出会いの期待値は低いのが難だが、まああそこら辺はしょうがな──て、おや?」
その視界に、先に湯船に入っている人影を捉え、男は意外そうに目を丸めた。
てっきり自分以外は居ないものだと思っていたので驚きだ。
そう思いつつ、タオルを腰に巻くと湯船にゆるりと歩み寄って行き。
「……やあやあコンバンハッ。湯加減いかがですかな?」
と、緩い笑みを浮かべながら、片手を上げつつ気安く声をかけてみた。
■エレイ > その後の事は、当人たちのみが知る所で──
ご案内:「九頭竜山脈 山中の温泉宿」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区武器工房二階」にカーレルさんが現れました。
■カーレル > まるでソックスを履いたように前脚の白い黒猫が下りてきた階段の上
普段であれば金属を叩く音や彫金で使うハンマーの音する工房の二階スペースは、
知る者も少ないが『なんでも屋』という事になっている
看板が出ているわけでもなく客を呼び込むような事はないけれど、
時折、人伝に評判を聞いた人間がひょっこりと尋ねてくることなんかもあるらしい…
普段であれば工房から作業の音が聞こえてくるような時刻であったが、
あいにくと工房の主であるドワーフは先だって、腰をやってしまい、今は湯治に王都を離れているらしい
そんな『なんでも屋』の決して広くはない住居スペース
昼間から北方産の蒸留酒を煽って居眠りしているのは、少々、時間の掛かる仕事を終えたばかりであったからで
決して拘束時間の割に儲けが少なかったことに不貞腐れているわけではないのである
太陽は中点に上り、一階の工房も主不在で静かなもんである…
ひょっとしたら、誰かトラブルを持ち込んでくるかもしれないし、顔見知りが冷やかしにやってくるかもしれない…
或いはただ、平穏に時間が流れていくのかもしれない…先の事は誰にも判らないのである
■カーレル > 一日は穏やかに過ぎていく…
……―――目を覚ますとすっかり薄暗い
そう言えば、食料品が無かったのだ、と思い出せば渋々と言った様子でコートを羽織り、外へと買い物へでるのであった
ご案内:「王都マグメール 平民地区武器工房二階」からカーレルさんが去りました。