2019/10/01 のログ
ご案内:「王都マグメール:とある図書館」にリーヴルさんが現れました。
リーヴル > ――…図書館。

極々普通の図書館である。
広さもそこそこ、本のそろいもそこそこ、全部まあまあそこそこな図書館である。

中に入ればヒヤともムワともしない寒くも熱くもない空調魔法。
それを求めて子供達が絵本を抱えて歩き回り、魔法学校の学生と思わしき青年は書物を漁る。

そんな極普通の本当に普通の図書館にはひとつだけ極普通じゃないモノがあって、
それが図書館の管理人であり唯一の司書である。

長い白髪に何を考えているか読み取り難いめがねと瞳、
子供が走り回っても注意せず、学生がイチャイチャしてても注意せず、
ただ本が破かれたり汚れたりしそうな案件にだけ過剰に反応する普通じゃない司書であった。

「此処最近不作だな。面白い本が少なすぎる……レシピ本ですらだ。」

図書館の入り口に近い返却されたばかりの本をが並ぶ書架の前に立ち、
その書架に納められた一冊一冊の本達の背表紙を大事そうに
指先でなぞりながら何時元の書架に戻すか思案中である。

基本返却があれば入り口近くの書架に収め、
その本に汚れや「トラブル」が発生していればカウンター
裏の特別な書架に収める。
カウンター裏の書架の本は解読依頼の本も含めて時間を作り、読み解き問題を解決する汚れも取る。
しかしそのタイミングは司書の気紛れで適当で、
期限の切られていない依頼の品だとその気紛れに巻き込まれて
何時までも依頼が終わらないことすらある。

――ともかく。
本日も返ってきた本達を書架に戻すべきタイミングを色々と思案しつつ、
次なる本は何を買おうか、偶には禁書の類に手を出すか、
ああ新たに本を作り出す作業もしたいし……なんて、
穏やかな時間を過ごしている。

珍しく本日の図書館の利用者はいない

そんな図書館のルールは一つ「本を汚さない、破かないこと」
それさえ守れば歌おうがナニしようが構わないのがこの図書館である。

リーヴル > さて、そろそろ冒険者一行が本を引き取りに来る時間だろう。
図書館の窓から入り込む日差しが夕暮れ色を帯びてきたのがその証左。

書架より解読と翻訳の終わった本を何冊か取り出すと、カウンターにならべて冒険者の到来を待つ。

本の中身を読んで冒険者たちはどんな顔をするのか、楽しみで仕方ないのであった。

ご案内:「王都マグメール:とある図書館」からリーヴルさんが去りました。