2019/09/23 のログ
ご案内:「とある図書館」にリーヴルさんが現れました。
リーヴル > ――…図書館。

極々普通の図書館である。
広さもそこそこ、本のそろいもそこそこ、全部まあまあそこそこな図書館である。

中に入ればヒヤともムワともしない寒くも熱くもない空調魔法。
それを求めて子供達が絵本を抱えて歩き回り、魔法学校の学生と思わしき青年は書物を漁る。

そんな極普通の本当に普通の図書館にはひとつだけ極普通じゃないモノがあって、
それが図書館の管理人であり唯一の司書である。

長い白髪に何を考えているか読み取り難いめがねと瞳、
子供が走り回っても注意せず、学生がイチャイチャしてても注意せず、
ただ本が破かれたり汚れたりしそうな案件にだけ過剰に反応する普通じゃない司書であった。

「誰だ菓子を食べた手で本を触った奴は!飲み物零した奴は!お貴族様だな?紅茶だな?」

ある日の夜の事である。
深夜も開放されている図書館のカウンターで怒声を響かせる。
貸し出しから戻ってきた大事な本達のチェックをしているのだが、
戻ってきた本の中の数冊がとても酷いことになっている。

・革表紙に指紋べたべた
これは菓子の類を食べながら読んでいたのだろう。
砂糖の粉も隙間に入りこんでいて、目も当てられない。

・芳しい紅茶の香りと茶に染まった魔術書
貴族が紅茶を嗜みながら読んでいたのだろう、或いは休憩中に零したか、ページが癒着している。

怒声で驚く利用者がいない、寧ろ今夜は利用者が居ないことに心のどこかでホッとしつつ、
その後に吐き出すのは愚痴ではなく溜息で、愛しい我が子達の中から
汚れた本だけを選別して目の前に1冊1冊重ならないように並べると
ゆらっと掌をかざして図書館でのみ発揮する力の一つを使い、
1冊1冊の汚れを浄化する作業を始める。

これは今更謝罪に来ても許せないレベル。

さて汚れた(汚された)本は数冊ある。
申し訳ないと謝罪に来るなら許せないながらも妥協はしよう。

――この図書館の噂を知っていれば、それもないだろうけど。

ここは平民地区にあるとある図書館

怒ると怖い司書がいる。
司書はレイスで本を汚すと生命力を吸い取られる
などなどもろもろ噂のある図書館である。

ご案内:「とある図書館」にルナルさんが現れました。
ルナル > 平民も利用できる図書館、しかも深夜まで空いているというのは珍しい。

ルナルはこの図書館を利用していた。
目的は単純、レシピの本を探すためである。

「きょうのきぶんはさかなりょうりー♪」

ご機嫌な歌を歌い、片手にバスケットをもって入ってくる。
それだけ見たら目的地は図書館ではなくピクニックにしか見えない。
バスケットの中身はつまめるお菓子、アップルパイと紅茶である。
飲食するつもりしかなさそうな態度である。図書館で飲食が許されるのかは知らないが。

「えりんーぎまいたけぶなしめじっ♪ あれ、だれかいる?」

最近見つけたばかりの図書館であり、来たのは今日で2回目である。
深夜までやっているというのであえて人が少なそうな深夜に来たのだが、少年らしき人がおりちょっと意外だった。

「こんにちは、ごきげんよう」

あまり大きくない声であいさつをする。利用者ならあまり邪魔をするのは良くないだろう。
バターとリンゴの香りがあたりに漂う。

リーヴル > 甘い香りは嫌いじゃないほうである。
図書館の入り口から香るバターと林檎の香りに普通なら喜ぶが、此処は図書館である。

――…無論飲食など禁忌で禁断でもっての他である。

だが今宵の利用者は珍妙な歌と共に堂々とバスケットを持ち込んで、
悪びれた様子もなく図書館を利用する心算であって。

思わず大きく首を仰け反らせ、身体を反らして……

ドンッ!!

っと、図書館のカウンターを両手で叩くのであった。

図書館は飲食は禁止である。
入り口に張り紙は無くても本が汚れることを考えるとあたり前である。

「……あぁ!もう!お客様?図書館では飲食は禁止です。回れ右をして家に荷物を置いてから来て下さい。図書館は飲食禁止です。」

大切なことは二度程重ねて言おうか。
カウンターを叩いた手は酷く痛いが、本を汚される痛みに比べたらたいした事は無いだろう。

表情も通常であればぎこちないながら笑顔で迎えるのだが、
自分でもわかる程に頬が引き攣りあがり無茶しているのが
わかる程に引き攣った笑顔となっている。

素直に帰ってくれるだろうか。
図書館は飲食禁止なのである。
これ以上怒ると図書館に噂が追加されるので怒りたくないが、もうどうにでもなれと諦めてもいるのであった。

ルナル > 「……大事なことなので二回言いました?」

こてんと首をかしげながら、少年? にそう答える。
どうやらこの図書館は飲食禁止のようだ。せっかく出来がよいアップルパイができたのに残念である。
それにしても彼はなぜこうも怒っているのだろう。
あれか、糖分が足りていないのだろう。うん、きっとそうに違いない。自分だってデザートのプリンをとられると機嫌が悪くなる。
幸い手元にアップルパイはあるではないか。

ここまで考えたルナル

「はい、これアップルパイですので、どうぞ食べてください」

ちょっと自慢気にバスケットを渡す。顔は笑顔でどや顔をしており、尻尾は嬉しそうにぶんぶんと振られていた。
味見として半分は既に家で食べてしまったが、ここ一月の間で一番の出来のアップルパイである。きっと食べれば笑顔になれるだろう。
そんな謎の自信をもって差し出されるバスケットである。

リーヴル > 「大事なことなので二度言ったし食べません。」

机を叩いた反動で痺れる両手を前に突き出してお断りを告げる。
飲食は禁止なのである、飲食は禁止なのである、それに例外は無い。
正直言えば良い香りに惹かれるし、気にならないとは絶対に言えない、しかしだ。


此処は図書館である。
飲食は禁止です。


「ほんと差し出されても困る……。」

ドヤ顔の利用者の前で溜息を大きく吐き出してダメだと首を横に振る以外の選択肢は存在しない。

利用者は丁寧に対応する。
どんな利用者であれ邪険にしない。
その理念は今も生きているが魔導書としては我が子を汚される心配の方と作り上げたルールが優先とされる。

視線の先には何を考えているか全く判らない利用者。
ダメだと言ってるのに勧めてくる困り者。
さてどうしたら良いか、表現としても行動としても頭を抱えるしかなくて。

ルナル > 「だめですか? すごくおいしくできたんですよ。ほら、すごくいいにおいがするでしょう?」

何を考えているかと聞かれれば、ご飯のことと、お菓子のこと、つまり食い気ばかりである。それ以外は何も考えていないのだが、リーヴルのような理詰めタイプにはおそらく理解しがたい人間だろう。
別名阿呆ともいう。

「頭が痛いときには甘いものですよ、ほらほら」

と、頭を抱えるリーヴルの前にお供えの様にバスケットを置き、ふたを開く。
きれいな円形のアップルパイ。手のひら大のものが5つ、中に入っているのが見えるだろう。きれいに焼き色がついており、生地の切れ目からは黄金色に砂糖煮された林檎が覗く。
横には紅茶入りの水筒も入っている。
中からは非常においしそうな匂いがする。
完熟林檎の甘い香りにスパイスのシナモンの甘い香りが混じる。生地にはふんだんにバターが練りこまれていて、その香ばしい香りが混じって非常に食欲をそそるだろう。

「ふふふ、ボクがお菓子を分けるなんてなかなかないんですからね」

無駄にそんなことを偉そうに、胸を張って述べる。その豊満な胸部がフルフルと揺れた。

「さて、それではレシピ本を探しましょうかね!!」

飲食禁止なのは理解した、食べ物も手元からなくなった。何も問題はない! といわんばかりに料理本を探し始めようとするルナル。

リーヴル > ダメです凄く美味しくてもダメです!
すごくいい匂いがしてもダメです!
と言葉を紡ぎ出せれば良かったが口に出すことは出来なかった
甘い誘惑に本の少しだけ負けたのだ魔導書なだけに。

「頭痛は飲食禁止の図書館に飲食物を持ち込みあまつさえ司書にそれを勧めてくる利用者が帰宅してくれると収まりますので、如何でしょうか?当図書館としては是非利用者様二回れ右をして出て行って頂けるとさいわ………。」

言葉は最後まで紡がれることはなく、
バスケットに収められた黄金色の林檎パイに目を向けることもなく、
たわわんと揺れる利用者の胸元には一瞬目を奪われたが、
それからの行動にガタッと椅子を倒して立ち上がるとカウンターに片手をついて、
慣れた感じで飛び越えた後に……。

「オマエ!人の話!聞いてる?ねぇ置いてかれても困るんだけどさ!」

と今宵二度目の怒声をあげながら腕を伸ばして、勝手気ままに本を探し始めようとする利用者と言うのも嫌になる侵略者を羽交い絞めにすべく、
両腕を侵略者の脇に滑り込ませて……捕まえようと。
必死なので掌の行方はわからない、がつかめる場所があれば掴むだろう。

ルナル > 視線を外して本棚の方を向いて、レシピ本を探そうとしていたタイミングで後ろから抱き着かれる。

「えっ?」

ルナルの身長は低い。150cmに全く届かない。これは狐耳10cmを合わせた身長なので、本当にちびである。
身長だけではなく全体的に小さい。その豊満な胸部や肉付きの良い腰以外は大体小さいと言っていいだろう。

そんなルナルを後ろから抱き着き両手を脇に差し込まれると、身長差から足がつかなくなる。簡単に抱き上げられ、そのままその両手は……
出っ張っているところ、つまりその胸部をわしづかみにした。
しかも、その服の胸のあたりはあまり布が大きくなく、手を差し込んで直接服の下に触れる形である。
手のひらに、柔らかい感触や、その中の一点、少し硬いところを感じたりするだろう。

「……ひゃああああああ!?」

唐突に胸に手を突っ込まれ鷲掴みにされて、思わず悲鳴を上げる。

リーヴル > 軽くて柔らかくて温かかった。
普段整理の為に運んでいる詰まれた本よりも軽く、
高級な革のカバーの本の手触りよりも柔らかく、
寒さをしのぐ為に飲む冷ました白湯よりも温かく、
――ともかく触り心地は良かった。

互いの背丈の関係から軽く持ち上げる感じになるだろうし、
持ち上げるためには掴む場所も必要となり、偶然、偶然手が触れた柔らかな侵略者の胸部は飽きない心地良さが。

「……身長はともかくでかいな……。」

と、思わず不可抗力だが衣服の中に滑り込んでしまったその手で、
やんわりと生に近しい乳肉の膨らみを堪能するように揉み始め、悲鳴があがろうが何しようがかまわずにむにむにと遊び始める。

――勿論本探しはさせないために彼女の身体をカウンターの方に運んでいくもの忘れずに、
少しだけ鼻のしたを伸ばしながらではあるが若干余裕のある笑みを口元に浮かべ、
時間帯が時間帯だけに利用者が新たにくるとは思えないが、カウンターの裏に引き摺り込んでしまう心算である。

死角にだ。

ルナル > 「そういうエッチなのだめだと思うのですよぉ!!」

ムニムニと乳房をもまれながら、カウンターのところまで運ばれてしまう。
抵抗しようと思えば投げ飛ばすことも可能だが、あまり悪意も感じず結局なされるがまま、胸をもてあそばれながら、カウンター裏に連れていかれる。

「むーむー、こういうのは、もうちょっと仲良くなってからするべきだと思うのです」

ちょっと不満げに、連込まれてから手を振り払う。

「まずは仲良くするためにお茶会をするのです、アップルパイを食べるのですよ」

ペチペチと床をたたきながら、謎の抗議をし続けるルチル。もふぺちと、床を手と尻尾でたたく音が響く。

リーヴル > 「……するわけ無いだろ?」

どっちもである、確かにたわわな弾力が魅力的ではあるが、
彼女は如何せん小さすぎるのである。

ロリの範疇にはきっと入らないだろうけども、悪戯以上は食指が動かず、
彼女の胸元から手を引っこ抜くとその手を自分の腰に添えて
盛大に溜息を吐き出す。

「とにかくだ。食べ物を持ち込むのを止めなさい。俺は仕事に戻るから……。」

と触るだけ触って言う事だけ言ってからカウンター奥の私室に汚れた本を掴んで抱えてから歩き出す。

一応触ったことは反省しながらそれとなく図書館の利用に関しては文句は言わないことにする。

図書館が全ての自分にとってそれだけが小さなお詫びであった。

ご案内:「とある図書館」からリーヴルさんが去りました。
ご案内:「とある図書館」からルナルさんが去りました。
ご案内:「とある図書館」にリーヴルさんが現れました。
リーヴル > ――…図書館。

極々普通の図書館である。
広さもそこそこ、本のそろいもそこそこ、全部まあまあそこそこな図書館である。

中に入ればヒヤともムワともしない寒くも熱くもない空調魔法。
それを求めて子供達が絵本を抱えて歩き回り、魔法学校の学生と思わしき青年は書物を漁る。

そんな極普通の本当に普通の図書館にはひとつだけ極普通じゃないモノがあって、
それが図書館の管理人であり唯一の司書である。

長い白髪に何を考えているか読み取り難いめがねと瞳、
子供が走り回っても注意せず、学生がイチャイチャしてても注意せず、
ただ本が破かれたり汚れたりしそうな案件にだけ過剰に反応する普通じゃない司書であった。

「一仕事終わってまた一仕事、偶には読書で一日潰したいものだな……。」

図書館の入り口に近い返却されたばかりの本をが並ぶ書架の前に立ち、
その書架に納められた一冊一冊の本達の背表紙を大事そうに
指先でなぞりながら何時元の書架に戻すか思案中である。

基本返却があれば入り口近くの書架に収め、
その本に汚れや「トラブル」が発生していればカウンター
裏の特別な書架に収める。
カウンター裏の書架の本は解読依頼の本も含めて時間を作り、読み解き問題を解決する汚れも取る。
しかしそのタイミングは司書の気紛れで適当で、
期限の切られていない依頼の品だとその気紛れに巻き込まれて
何時までも依頼が終わらないことすらある。

――ともかく。
今宵は帰ってきた本達を書架に戻すべきタイミングを色々と思案しつつ、
次なる本は何を買おうか、偶には禁書の類に手を出すか、
ああ新たに本を作り出す作業もしたいし……なんて、
穏やかな時間を過ごしている。

今夜もこの時間は利用者は皆無。
だがこの図書館の扉は誰にでも開放されているのだ。

そしてルールは一つ「本を汚さない、破かないこと」
それさえ守れば歌おうがナニしようが構わないのがこの図書館である。