2019/09/19 のログ
ご案内:「図書館」にリーヴルさんが現れました。
リーヴル > ――…図書館。

極々普通の図書館である。
広さもそこそこ、本のそろいもそこそこ、全部まあまあそこそこな図書館である。


中に入ればヒヤともムワともしない寒くも熱くもない空調魔法。
それを求めて子供達が絵本を抱えて歩き回り、魔法学校の学生と思わしき青年は書物を漁る。

そんな極普通の本当に普通の図書館にはひとつだけ極普通じゃないモノがあって、
それが図書館の管理人であり唯一の司書である。

長い白髪に何を考えているか読み取り難いめがねと瞳、
子供が走り回っても注意せず、学生がイチャイチャしてても注意せず、
ただ本が破かれたり汚れたりしそうな案件にだけ過剰に反応する普通じゃない司書であった。

「……さって、冒険者からの解読依頼の本は……。」

貸し出しカウンターの奥
其処だけが異様な気配を放つ書架が3つほどあり、
その専用の書架に並べた本の背表紙をほそりとした指先で撫でて、
近々冒険者が取りに来る手筈となっている期限ギリギリの仕事を今更はじめる為にその本を探している。

確か冒険者には読むことどころか開くことも出来ない本だとかで、
背表紙にもタイトルがないとかで呪われているのではないか、
それとも魔物が潜んでいるのではないか、と鑑定を頼まれた曰く付きの1冊だった。

受け取った時にはそんな気配は無かったのだが…。
館内であれば万が一が起きても問題あるまいと、利用者が居るのにも構わずで。

リーヴル > ――…さて本格的に仕事をしようか。

彷徨っていた指先で1冊の本を取り出す。

唇をつりあげてニタァっと笑みを浮かべ頬を朱に染め恍惚の笑みを浮べると、
それを大事そうに脇に抱えて、図書館に作った私室のほうに歩き出す。

……と、その前に一度足を止めて貸し出しカウンターに伏せて倒れていた金属プレートの角を指で押して立てると、

再び歩き出す。

たてられた金属プレートにはこんな一文が。

「司書は現在休憩中です。御用の方は後で来て下さい。」

ご案内:「図書館」からリーヴルさんが去りました。