2019/06/01 のログ
ご案内:「平民地区/図書館」に幻鏡の迷宮さんが現れました。
幻鏡の迷宮 > 王都マグメール、その平民地区に点在する名もなき図書館。
規模から言えば小さい順に並べた方が早く名前の挙がる庶民向けの図書館の一つである。

書架には料理のレシピ本から絵本や初級の魔法書までとジャンル問わず幅広い本の種類が揃えられている上に24時間運営している事で人気があるようで、どんな時間であれ人影がちらほら見受けられる。

その貸し出しカウンターには女性型の魔導人形が司書の代わりをしているのだが、今宵はその姿は見えない、更に言えば何時もなら夜分遅くでもいる筈の客も気配すらない。

もっと注意深く見るのなら、生物の気配がない。
耳を澄ますなら物音ひとつ無く、代わりに…その代わりに子の異変に気がつかず図書館に足を踏み入れるのであればその耳に耳障りな鈴の音が聞えよう。

ジャリジャリと表現すべきが、キリキリと軋む音と言うべきか、甲高く金属同士が擦れあう決して聞いて気持ちよいものではない音が魔導人形の司書がいる筈だった貸し出しカウンターの方から聞えてくるだろう。

其処に存在しているのは図書館を静寂で支配したモノ。
見る物が見ればそれは魔力ある品とわかるだろう、年代ものの風格を感じさせる鈍い輝きを放つ呼鈴……喰らう迷宮を呼ぶ『彷徨いの呼鈴』。

誰がそれを置いたのか、誰が鳴らしてしまったのか定かではないが、現実として図書館は迷宮になりかけており、一度図書館の中に入れば迷宮を攻略するまで出ることは叶わないだろう、もし入り込んだものが膨大な魔力を有しているか知恵ものであれば別かもしれないが、この小さな図書館にそんな人物は足を運ぶだろうか。

ご案内:「平民地区/図書館」にルキアさんが現れました。