2018/12/27 のログ
ご案内:「郊外の洋館」からハーティリアさんが去りました。
ご案内:「郊外の洋館」からセイン=ディバンさんが去りました。
ご案内:「平民地区/西はずれの居酒屋」にぼたんさんが現れました。
ぼたん > 平民地区、西はずれの少し奥まった場所にある居酒屋。
この地域によくあるような看板は出ておらず、軒先に『たぬきばやし』と白抜きで書かれた赤提灯が吊るされている。
今はその灯りは灯されておらず、ただすり硝子越しに店内の明かりが漏れている。

その店内、ほぼカウンターだけの狭い造りの部屋に、店主である女がひとり、調理場の内側でぼんやりと頬杖を付いていた。
傍らの深鍋からは湯煙が絶え間なく昇っていて、店内は暖かく、うっすらと食欲をそそる香りが漂っている。

ぼたん > 女が時折蓋を上げて、鍋を掻きまわすたびに湯気と香りが一層強く立ち昇る。その熱気を避けてから、鍋を覗き込んでは少し首を傾げてまた蓋をする。そうしてまた、頬杖を付いてぼんやり…先ほどから、何度繰り返したことか。

(ううン…手持ち無沙汰だねえ…)

しもぶくれの頬を少し膨らませて考え込んで、新しい冬のメニューでも考えようと思いつく。カウンターの下を探って、紙と筆を出して…また頬杖を付いてぼんやり。

ぼたん > 暫くして、鍋から聞こえてくる音が少しくぐもったものに変わる。
紙に筆で意味のない線をぐねぐねと描いていた女はぴく、と顔を上げて、筆を置いて鍋の蓋を取る。
立ち昇る湯気と強くなった香りに目を細めて、鍋を覗き込んでひとつ、頷いて火を止める。

「……狸に煮られる鳥ってェのも…ちょッと、変わった最期だよね」

再び蓋をしてから、独り言ちてくすっと笑う。美味しく食べるからね、とぽんぽんと鍋肌を叩いてふああ、と欠伸を漏らす。今でも十分だが、一晩おけば明日はもっと味が染みている筈だ。

(客も来ないようだし、今日は終わり!)手をぱんと叩いてくるりと目を回す。店の中の明かりをひとつひとつ、消していって、最後にキッチンをざっと片付ける。

「後片付け、よーし…火の元、よーし」

ひとつひとつ指さし確認すると、裏口へと手を掛ける。最後にもう一度振り返ってから調理場の明かりを落とし、冬の夜空の下へと滑り出てゆく。
ぱたんと裏口が閉められれば、まだほの暖かい部屋が暗闇に取り残される…

ご案内:「平民地区/西はずれの居酒屋」からぼたんさんが去りました。
ご案内:「平民地区 『踊る酒亭』」にシュミーさんが現れました。
シュミー > 夜更け。仕事や依頼が終わり冒険者や男たちが酒場に繰り出す時間。
平民地区と貧民地区の境、中途半端な位置にある酒場は…事前のある告知もあって、賑わっていた

【今日はシュミーが久々の踊り役のため、リクエスト受け付けます】

普段は艶美で緩やかな踊りを得意とするこの酒場一の踊り子
しかし、決して他の踊りが踊れないというわけではない
だが、客に見せているのはそういった踊りだけであるため…客は口々に厳つい店主に要求をしていく
店主はどれが一番場を湧かせるか、信頼はしているがシュミーに負担をかけないか、と考えある男のリクエストを採用する

そして、宴の幕が上がる
普通の酒と、普通の料理を肴に談笑していた客たちは一斉に舞台を向き

『シュミー!!、休み過ぎじゃないかー!寂しかったぞー!!』

『誰のリクエストだー!魅せてくれよー!』

おあずけをくらっていた客は口々に囃し立てる
その歓声を受けるのは、薄桃色の髪で片目を隠し、煽情的な衣装に身を包みながら…表情を窺わせない金の目をただ真っすぐに向ける踊り子

「……」

いつもの通り無言で舞台中央に立ち…歓声を伴奏に、踊りが始まる
それは、いつもとは違う、軽い、激しい動きを取り入れたもの
トトン、トトン、と舞台を踏む音が辺りに響き

布が翻り、彼女の太ももや脇が露になる。
けれど、明らかに下着をつけていないその衣装の下は決して見えず
最前列でかぶりつく一見客やしつこい客には、ただ艶めかしい脚と、蠱惑的な香りを振りまいて

「………」

時折、何かを探すように視線を巡らせつつ。いつもより激しく翻る衣服を完璧に制御し、踊っている

ご案内:「平民地区 『踊る酒亭』」にルークス・ルナエさんが現れました。
ルークス・ルナエ > かんっ――固い足音が酒場の床を打った。
店の入り口に現われたその女は、飽き席を探すかのように視線をゆっくりと滑らせ――その過程で舞台の上を見た。
表情の薄い女だったが、舞台の上に舞う踊り子の姿を目に留めた時、その唇には確かに笑みが浮かぶ。

「店主。強い酒を」

厳つい店主の方を見もせずに要求したその女は、背が高かった。
居並ぶ男どもの大半より高い背丈を、高いヒールに乗せている。それが故の高い視線から、空いた席を見つけ出し、着座。
テーブルに肘をついて頬杖をし、舞台の上へと視線を向け続ける。

「……良い舞いだ。この宿の従業員か?」

酒を運んで来た店主へ問う間も、視線は踊り子へと注がれたまま。
そして女の目が、踊り子の何かを探すような視線へと気付いたならば――

女は片手を虚空へと掲げ、中指と人差し指の二本を、鉤のように曲げた。
閨の愛撫を思わせるようなその行為を、もし踊り子が見たのなら――その行為から想像し得る通りの感触を、一瞬だが味わう事だろう。
直ぐにもその感覚は抜ける。女はなんとも楽しげに、目を細めての熱視線を、舞台へ注いでいる。

シュミー > …あいよ、という重苦しい声で店主が答え
見ただけで強いことはわかるのか店で一番強い酒をそのままグラスと共に女へと差し出す

『あァ。稼ぎ頭だ。』

短く頷きながら店主はグラスを磨き
そして現れた表情の薄い女の視線は、カウンターの反対で踊る姿に届く

「……」

彼女が見たのは、女がこちらに向かって鉤の形を手で作ったことだけ
なのに…秘所を直接深くえぐられたかのように衝撃が走る。

「―――…」

ただ、そこは彼女もプロ。唐突な事態にも動じず…寸分の乱れも見せずに踊り続ける
熱視線を受け、体が火照り始めるが…しっかりとリクエストに応えて

その見事な踊りが終わったのち…女に向かってぱち、と控えめにウィンクを飛ばす
少しためらったかのようなその行為は、ほどほどにしてね、という意味だろうか

それを女が受け取るならば…

『…困ったモンだ。…おいアンタ、静かに2階へ行きな。あいつからの誘いだ。』

カウンターで呑む女にび、と親指で裏口を示して。その先には2Fに続く短い階段と、更に半開きになった扉があるだろうか
誘い、という言葉から何を連想するかは貴女次第。

ルークス・ルナエ > 受け取ったグラスを、ほぼ逆さにするような勢いで空にした。
空のグラスを直ぐにも突っ返し、視線はやはり舞台の上へと注いだまま。
戯れに虚空へと施した愛撫を、見たものは踊り子だけだろう。
そして姿勢の乱れを見た者に至っては、女も含めて皆無――見事なものだと、内心で舌をまく。

やがて舞いが終わり、踊り子は何処かへと去っていく。
良いものを見たと満足げに次の酒を望もうとしたところ――

「……ほほう。それはそれは、望むところだ」

店主から告げられた言葉に機嫌を良くして、酒代を少し多めにカウンターへ。
言いつけ通りに鉄靴の足音さえも立てず、女は裏口へと向かう。
階段を上り、扉をくぐり、さてその先に何があるだろう。
見知らぬ本を開く時のように胸をときめかせながらも、扉をくぐった女の最初の言葉はこうだ。

「見事であったな、あの舞いは」

シュミー > 扉を開ければ、どうぞ、とか細い声が聞こえる。
部屋は特に何の特徴もない部屋だ。
ベッドが少し大きいくらいか…
そのベッドに腰かけるのは、愛撫を施したにも関わらず踊りを乱さなかった踊り子

「そう?…嬉しい。さっきのは、貴女?びっくりしちゃった」

踊りを褒められればほんの僅か、注意していないと見逃すほどに目を細めて。どうやら嬉しいらしい
愛撫にももちろん気づいていて…その時に怪しい行動をした貴女の仕業だと半ば確信しつつ聞いてみて

「それに、あんな視線…初めて。見られただけで切り刻まれちゃうかと思った…」

何者なのかしら、なんて言いながら。怯えは今のところあまり見えない
ぞく、と体を震わせて褐色の肌に朱を這わせながら背の高い…自分は座っているのでなおさらだ…貴方を見上げているだろう

ルークス・ルナエ > 広いベッド、簡素な部屋。そして麗しの女がひとり。
此処がどういう部屋であるかなど、もう察しが付いている。
女は喉の奥を打つようなクックッという声を鳴らして、ベッドの傍らにまで歩いて行く。

「さっきのは――というと、これか」

再び、虚空にて指を曲げた。
だが今度は一度ではない。中指を小刻みに震わせるその動きは、女の急所を探り当てる為のもの。
〝それ〟を見ている限り、中へ何かを挿し込まれたような感覚も、それが蠢く感覚も続くだろう。

「ちょっとした悪戯だ、まあ許せ。目を逸らせば感じもしない――或いは少しばかり意思を強く持つかだ。
 舞台の上で喘がせてやろうと思ったのだが、いや、身動ぎもせんとは恐れいった」

蠢く指の隣で、舌を虚空へと。愛撫される秘裂の上、小さな芯が、熱く濡れた舌の感覚を知るだろう。
そして女は、立ったまま、見下ろしたまま、鉄靴だけを脱ぎ落として言うのだ。

「ルークス・ルナエ。……何者かと問われれば、魔族であり、狩人だ。
 ……名乗ったぞ、次はお前だ、良き踊り子。舞い程にその声は美しいものか?」