2018/12/17 のログ
ご案内:「富裕地区 緑林公園(過激描写注意)」にエウレリアさんが現れました。
■エウレリア >
灰色の薄雲が陽光を遮る冬の午後。貴族街の中央に作られた緑林公園の中央広場に大勢の野次馬が詰めかけていた。最前列に用意された観覧席に座すのは此度の決闘の当事者を始めとした貴族の面々。それを取り囲む下級貴族と大商人。更には使用人と思しき平民までもが木に登り、これから流される事になるだろうロイヤルブラッドへの興奮にざわめいていた。
『"紅瞳の決闘士"などと持て囃されていい気になった小娘が。たっぷりと甚振り辱めてくれるわ!』と嗜虐の興奮を隠しもしないのは、黒皮の決闘衣をはち切れんばかりの筋骨で膨らませた武人。辺境を守る大貴族の懐刀であり、戦場においては一つの騎士団を率いるその男は、戦場でも数々の武功を立てた有名人。腰に下げた幅広剣は無骨そのものの戦場刀。
「――――…彼、一応は貴族の様ですけれど、殺してしまって構わないのかしら?」
相対するのは決闘相手の興奮を煽るかに嘲弄の微笑みを浮かべる貴族令嬢。スラリとした長身と重たげに膨らむ豊乳を包み込むのは、そのまま夜会に赴いたとて違和感のない緋色のドレス。双腕、胴部、腰回りにこそライトプレートの守りが見えるも、フリューテッドの織りなす紋様も瀟洒な薄鋼は鎧というにはあまりに華奢で、黄金の色彩も相まって儀礼用の装飾装備にしか見えぬ代物。抱きしめれば折れてしまいそうな腰に佩いた細剣も、凝らされた意匠も素晴らしい高級品ではあるのだろうが、幅広剣の一撃であっさり折れてしまいそうな頼りなさ。
にもかかわらず、そんな娘を決闘代行人として雇った大貴族は余程の信頼をおいているのだろう。『決闘時の"事故"はよくあること。彼とてそれは承知で私に手袋を投げたはず。存分にどうぞ。』と上品な笑みを浮かべて頷いてみせた。
■エウレリア >
開始の合図と共に剣を立てたフォム・ダッハにて怒号を発する中年騎士。数多の戦場を掛けた本物の武人の殺気に、少なからぬ人間が思わず後退り、小さく悲鳴を漏らして腰を抜かした。
対する緋色のドレス姿はと言えば、金の艶髪を弄ぶ冬風を楽しむ様に双眸を閉ざして微笑みを浮かべている。
あまりに舐めたその態度に激昂した中年騎士は『素っ首斬り落としてくれるわッ!!』と地を蹴り貴族令嬢に迫る。並の剣士であれば数度の踏み込みを必要とするだろう距離をただ一足にて踏み越えて刃圏に捉える辺りは流石と言えた。間髪入れずに振るった袈裟もまた落雷の如き勢いで、呼吸も忘れて見つめる観衆には美貌の貴族令嬢が両断されて臓物を撒き散らす惨劇が幻視出来た事だろう。
しかし、裂帛の気合が叩き切ったのは緋色の残像。パニエの代わりに魔法の理力で膨らみを維持するドレススカートを更に膨らませるスピン回転が中年騎士の背後に細身を運んだ後に停止して、一体いつ抜いたのかピュンッと振るった銀閃が乾いた地面にピピッと真っ赤な雫を散らした。
何が起こったのか理解出来ぬ観衆に対し、震える手からガランッと重たげな音を立てて広刃剣を落とした中年貴族は双眸と大口を驚愕の形に開き――――ブシアァァァァァアアアッ! と凄まじい勢いで首筋から鮮血をしぶかせた。
紅く降り注ぐ生命の欠片に悲鳴が上がる。
ふらりと傾いだ男の巨躯がドッと膝つき倒れる頃には、もう手の打ちようも無いほどに血が失われ、勇名を轟かせた騎士の一人が人生を終えていた。
■エウレリア >
勝者を湛える歓声もなく、至近距離で行われた真剣による立会いと言う大迫力の剣闘試合に対する興奮も見られない。ただただ唖然。ほとんどの人間には何が起こったのかよく分からないままの決着。唯一盛り上がる要素と言えば、鮮血のシャワーが降りかかる程の至近距離で、一人の名の知れた騎士が死ぬのを目にしたという事実くらい。
依頼主たる大貴族からしても、最初から分かりきっていた結果であるため、満足げな笑みを浮かべるばかり。
そして、その惨劇を引き起こした女剣士はと言えば
「はぁ…っ❤ はぁ…っ❤ はぁ、ぁ……ッ❤」
一瞬の交錯と言えど命懸けの戦闘である。道場稽古などとは比べ物にならぬスタミナ消費が、呼吸を乱れさせ、その身体を火照らせていた――――なんて言い訳では繕えぬ程の興奮でその美貌を染め上げていた。
ピンクに染まった頬を伝う汗が華奢な顎先から滴り落ち、大きく開いたドレスの襟ぐりに覗く白乳の谷間へと入り込む。その柔肉の先端は、ドレスの艶衣越しにもはっきりと尖っていた。
そして、豊乳と胴鎧の合間、丁度胸の谷間の底の辺りにじわりと滲む奇妙な濡れ染みは、甘やかな若い娘の体臭ではなく、栗の花を思わせる雄の精臭を漂わせる。萎える事のないふたなりペニスを押さえつける胴鎧の薄鋼の下、殺しの喜悦に射精しているのだ。
ブルブルと小さく震える肢体は、不意にかくんっと膝を折り、かすり傷一つ負っていないはずのドレス姿をへたり込ませようとする。かろうじてそれに耐えつつ抜き身の銀剣を鞘へと戻すも、女剣士が放つ異様な色香は衆目にゴクリと生唾を呑ませるに十分な妖艶さを醸していた。
■エウレリア >
しばしの間、血池を広げ生命の残滓にビク付く中年騎士の躯を見下ろしていた女剣士だったが、ようやく下肢の痙攣も落ち着いたのだろう。先の痴態などなかったかの様に、如何にも貴族令嬢らしい優雅な物腰で依頼主たる大貴族に近付いて、軽く言葉を交わして互いの従者同士で行われる報酬の手渡しを確認する。
『此度も非常に良い仕事をしてくれましたな。また次も貴女に頼む事と致しますよ。』
「ふふっ、楽しみにしていますわ。では、失礼。」
スカートの端を摘んで軽く膝を折る。貴族令嬢としては極当たり前の上品なカーテシーも、この娘の身体で行われると質の悪い冗談か何かの様に見えてしまう。思わずぽかんと口を開いた周囲の様子など一顧だにせず、緋色の剣士は本人しか分からぬ程度の早足で馬車へと乗り込み帰路に付く。
その馬車からは、伴を申し付けられた美貌のメイドの艶声がずっと漏れ聞こえ、その夜、女貴族の館からは夜更けまで甘い嬌声が響いていたとか。
ご案内:「富裕地区 緑林公園(過激描写注意)」からエウレリアさんが去りました。