2018/10/03 のログ
ご案内:「城壁外・魔法試射場」にリルさんが現れました。
リル > 「さて、と」

(街のすぐ外なのでリュックはなし。装備らしい装備は腰につけた鉈型ナイフくらいだ)

「たまにはちゃんとやっとかないと、ほんとになまっちゃうからねー」

(魔法を使うのに必要はないのだが、無駄に屈伸運動とかをしている少年)

リル > 「備えあれば嬉しいな、と……」

(少年が切り札としている指輪をはずし、鎖に通して首から下げる。
なくしてしまっては泣くに泣けない。何ヶ月も切り詰めた生活になる)

「発動体なし。ブースト体なし。いつもの通り」

(杖も補助器具も無し。エルフは魔力に長けるとはいうが
少々無茶、というか推奨されないにもほどがある。
なにかあれば買いたいが、軽戦士の動きを阻害しないものは難しい)

ご案内:「城壁外・魔法試射場」にルルさんが現れました。
リル > (そしてすぐに詠唱にかかる。精神集中もなにもなし。
動き回りながら、高速戦闘をしながらでないと、少年が魔法を使う機会はない)

「舞い降りよ炎の翼。その羽ばたきで全てを舐め尽くせ。其は破壊にして祝福也」

(正面から放射状に10mほど、鉄ですら柔らかくなる温度の炎が放射される。
どっと魔力が食われる。消耗する。なにもなしではこうも辛い)

ルル > 最近は鈍器を振り回すことの多くなった毎日。
その事であまり魔法を使っていないと気が付き、腕が鈍っていないか心配となり急遽訓練をしようと思いつく。

そうして場所を探せば城壁外に魔法試射場があると聞きそちらへと。

そうして少しの準備、愛用の長杖を持ち足を運べば先客がいる。
邪魔にならないように近づいていくと魔法が放たれる瞬間。

「凄い……」

放射された炎に思わず見とれて小さく呟き、お邪魔するね、と小さく囁いてその隣に並んで。

リル > 「ふ、ぅ……  や、ルル。凄くなんて無いよー。今の一発で、結構ヘトヘト」

(これが「少年が魔法を使うべき時の状況」。初激で思い切りを叩きつける。
それで倒せないなら遁走する)

「ルルなら、あれくらいを何度もいけるとおもうんだけど。
どうかな?」

(隣の少女に苦笑するように。
きっとこの子は、マジックユーザーとして、ただの冒険者じゃそうそう見られないんじゃないか。そう考えている)

ルル > 「……お邪魔する……ね…リル……そうなの…?」

炎の勢いに少年の疲れてる姿に気が付いたのが今。
大丈夫と心配そうに見て。

「ん……出来る…けど……少し…違う事に……なるかも…」

やっていいのかなという不安、そして少年に見てもらいたいという望み。
その両方で悩み、見てもらおうと決めては長杖を構え。

「………放て…!」

僅かに語尾の強い詠唱を一つ、そうすれば周囲に魔力が渦巻き風が起き。
次には魔力で作られた矢が的に向けいくつも発射されて着弾していく。

リル > 「そうなのー。『ああこれ体調不良だ』って普段なら思うくらいにはげっそりだよ」

(心配そうに見られると、正直な話とても申し訳ないけれど……。
えへへーと笑顔で、手を左右に振って「大丈夫」のポーズ)

「わ、ルルの魔法みれるんだっ」

(長杖を構える少女の姿は、可愛らしくも勇ましく。
こちらは子供らしくキラキラした瞳でみつめて――)

「っ!?」

(――想像以上のことが起きた。日常動作の如き短詠唱。
そして相手が集団だろうが単体だろうが物を言わさぬ飽和攻撃。
この子一人で隊じゃないか。男の子としてウキウキする)

「ルル!すっごいよ!! あんな短いので、あれだけのことするなんて!ルル一人で何人働きだろうこれ!すっごい!!」

(思わずルルの手をとって、その場でぴょんぴょん)

ルル > 「……無理…駄目…看病……する……。
あ、魔力……少し…だけど……分けれる…から…」

少年の言葉に大丈夫じゃないと直ぐにわかり心配だと見つめ。
大丈夫のポーズを見ても本当に?とじっと見る。

「メイス……使い方……教わってる…から…今日は……見せる…ね」

そう言えば少年に見せるのは初めてなので少しの緊張。
感じる視線に恥ずかしそうにするが失敗しないようにと集中して。

少々良い所を見せようとしすぎて使ってしまったのは広範囲の制圧魔法。
吹き返しの風にスカートを揺らしながらやりすぎた…?と心配そうに少年を見る。
そこには瞳をキラキラとさせている姿があって。

「え…そんなに……?やりすぎて…ない?
怖く……なかった……?」

少年の興奮した様子にきょとんとしてしまい。
怖がられていないかの心配が、手を取り跳ねる姿になくなり笑みを見せて。

リル > 「あ。大丈夫大丈夫っ。これでもエルフだから、マナをすぐに吸い取って元気元気っ」

(確かに大丈夫ではないのだが、もう何分かすれば楽になる。
それで完治するほど、何も使わない全力魔法は甘くないが
それと、ルルの魔力ちょっともらってみたくもあるが)

「わっ。メイス教わってるんだ。 学校とか?」

(魔法使いが接近された時の切り札にもなれば
出会った日からの問題である、ごろつきへの対処法にもなる。
なんだか、とってもうれしい)

(たしかに発動の際おこった旋風により、ふとももはものすごくまぶしかったけれど
魔力の矢の掃射は本当に本当に、戦場の一角をこの子が担えるレベル。
男の子ならキラキラしない理由がない)

「うん!やりすぎな攻撃は、生け捕りのときだけ!
怖くなんてないよーっ ルルがこんなにすごいって知れて嬉しいっ!」

(わーわーと、おもちゃを買ってもらった子供のような喜びはしゃぎ。
かわいくて、そしてか弱さのあるこの子が、創造を遥かに飛び越えてすごい魔法使いだったから)

「ね、ね、ルルっ」

(そして、キラキラのままのひとみで、見上げて)

ルル > 「本当に?それなら……いいけど……」

少年が言うことがどこまで本当かわからないが嘘は言わないと思い信じることにして。
エルフの魔力の回復は流石にわからずに。

「うん……あれから…少しずつ…だけど…」

少年に教わってから学院で教師を当たり教えてもらいだしたことを告げ。
少年の嬉しそうな様子に頑張ってよかったと笑みを返す。

魔法を使う時は集中力が大事。
だからそれ以外は二の次として魔法を放った結果は予想よりも大規模な結果。
旋風により太腿どころかその上まで露わにしての魔法は少年を驚かせるには十分すぎて。

「そう……だった……ね……生け捕り…気を…付ける……。
本当……?よかった………心配……だった……から」

喜びはしゃぐ様子に本当に怖がってないと判れば安堵の息。
こうして自分の見せる姿に変わらない様子を見せてくれる少年には気を許せて。

「……どうし…たの_?」

キラキラ瞳で見上げる少年にどうしたのと見下ろして。

リル > 「うんうん。ダメな時は泣きつくから安心してっ」

(果たしてそれは安心すべきことなのだろうか。
素直は美徳ではあるが、男の子としての沽券とかどうなのだろうか)

「うん……よかった……。僕は槍術と短剣術だから……
そこをしっかりと教えてあげられないのが悔しかったんだけど……。
学校の先生にちゃんといるなら、ほんとうによかったっ」

(男の子だもん。大切な友達の力になりたい。でもなれない。悔しい。
でも、自分が教えられないことを嫉むほど子供じゃなく、素直に素直に嬉しい

果たして少年は見ていただろうか。物凄くめくれたスカートを。
いや、其れよりも先に発生した魔法のほうに目を取られていたはずだ。
幸か不幸か。 幸なのか。不幸なのか。)

「ルルはなんにも変なことしてないよ?だからひとつも怖くないよ」

(へにゃあ、とやわらかすぎる笑顔。嬉しい楽しい両手いっぱいだ)

「んっとね……!! ルルの、全力の、本気の、本気の本気みせて!!
これ一発撃ったらあとはもう攻撃できないっていうくらいの!
ルルが、どんだけすごい人なのか、知りたいっ!」

(それは、魔法使いにはだいぶ無茶だ。余力を残さないようなレベルの本気なんてナンセンス。
余力や切り札を残して戦うべきだ。
つまり、切り札をみせろといっている。おもちゃをねだるようなキラキラ瞳で)

ルル > 「リル……約束……だから……その時……頼って……ね?」

どうにも内容的に安心はできないのだが、頼ってくれるのならそれでよく。
少年が泣きつく姿をつい考えると、お姉さんだからしっかりしないとという気持ちになってしまい。

「でも……リル……のお陰で…始めた…から……。
最初の……先生は……リル……だよ…。
うん……最初……困られた……けど…説得…した」

最初に凄く協力してくれた、少年がいたからと感謝を見せて。
少年が進めてくれたのに他の人に教わって怒っていないかと心配だったが、その様子もなく安心して。

他の利用者がいるなら視線を釘付けにするような光景を醸し出してはなった魔法の余波が収まればそこには破壊痕のあまりない地面、一応の加減はしていて。

「リル……ありがと…う……凄く……嬉しい……」

その言葉と柔らかすぎる笑顔によかったと、心の底から笑みを浮かべて。

「全力……?本気の……本気……?
そんなに……みたい……の?
リル………見たいなら…いいよ……」

少年の言葉は魔法使いにとっては手の内を晒すようなもの。
放てばあとは魔力が切れて動けない自分が残るだけ…。
断らなければダメなのだが、その純粋に輝く瞳に駄目と言い切れずに頷いてしまい。

「気を……付けて……ね?やるか…ら……。
焼き尽くす……閃光……大地に……太陽……を……!」

今度放つのは本気の本気。近くでは危ないと目標としたのは離れた、自然地帯が見える場所。
今までにないほどに魔力を練り、そうして収束させ力ある言葉と共に魔法を解き放ち……。
音の消える様な閃光と衝撃波を発生させ最大の魔法を少年の為に放ち。
……完全に魔力がすっからかんとなり、青い顔でその場に座り込んでしまう。

リル > 「うんっ。困った時は頼り合おうねっ」

前も話したように、得意不得意を補い合おうと。そういったように。
ルルとは、助け合っていきたい。 今はまあ、助けてという側にたっているが。

「うん……ちょっとずつでも、ルルができなかったことをできるようになって……
うれしいなあ……。ふふ。名門学校で鈍器の扱いを女の子には、やっぱり困られるかあ」

(この子が、どんどん前に進んでくれれば、それはこの子自身を助ける。
それが嬉しくないわけがないんだ。自分も万能じゃないから、何もかもができるわけじゃないのだし)

「うんっ。本気の本気!
やったーー!! みせてみせてーっ!!」

(両手をあげて喜びアピール。本当に、無理無茶をいっている。
女の子一人ですれば、はい手篭めにしてくださいと言っているような状態になる。
それでもルルは見せてくれる。うれしい。
ルルの集中を邪魔しないように後ろにまわっていると……)

(文字通り、見たこともないような事が起きた。
詠唱のとおりに、太陽が現れたような。あの距離ということは、あれだけ離れていないと味方すら破壊し尽くすということか。
目と耳が一瞬バカになる。あれはまさしく、攻城魔法のレベルを超えている。
城壁をなんとかするならもっとシンプルでいい。
あの熱と暴威は、もっと上の何かを目標にしているようにみえた)

「す、ご…………」

(流石に、言葉が、ない)

ルル > 「リル……が、危ない……時……助ける…から」

誰かに頼られることなどないだけにその言葉が嬉しく。
自分が出来る事なら助けたいと心から思っていて。

「うん……少し…だけど……武器…使える……ようになったから。
先生……驚いてた……だけど……教えてくれる…から…」

自分の成長を話せば喜んでくれる、それが嬉しくれ次々と話してしまい。
もう今以上は変わらないと思っていたのに、更に成長できると魔法だけでなく体術にも頑張っていると。

少年が後ろに回ったことを確認しての本気。
先ず使うことがないような敵も味方も関係なく吹き飛ばす本気の魔法。
そんなものを解き放てば残るのは自衛力を失った鴨といえる少女。

後ろで聞こえる少年の驚きを越した言葉を耳にして座り込んだまま振り返り。

「これ……全力……だから……」

もう動けないと顔い顔で笑みを見せ、どうにか杖にすがって座っているが今にも倒れそう。

リル > 「うんっ!!」

ずっと基本は一人で冒険者をしてきた。
そういう損得抜きで、こうして助け合うことを思う人ができたのがうれしい。

「うん。一歩一歩、がんばろ。ちょっとずつでも、強くなってこう!」

(ああ。初めてあった日は、そんな前ってわけでもないのに。
あの頃のお嬢様から、今のルルは見違えるほど前に進んでいる。
嬉しさを何度重ねても足りない)

「すごい……ルル、きみ、本当に凄い……
あれ、本当に…… エンシェントドラゴンにだって通じる……」

(本当に、そうとしか言えない。知る限り最強の存在。神でなければ。
眼の前に起きた破壊は、神話のようだとしか形容できない)

「う、うん……! 今のが、ルルの……………
うわわ! ちょ、絶対大丈夫じゃないよね!? ちょっとまってて!!」

(くびにさげていた指輪をつけて、通常出力できる魔力に倍するだけの量を
ルルの背中に手を付けて。心臓にあてるようにして。自分の魔力と指輪に備蓄した魔力を……)

ルル > 「一歩……ずつ……うん…一緒に……強く…なろ…」

あの日に会ってから経験のなことをやっていこうと思い出した、
きっとあの出会いがなければ自分は今でも魔法だけしかやっていないはず。
こうして前に進めているのは少年のお陰、だから何度も感謝してしまい。

「本当……よかった……」

少年の言葉、本当なら嬉しいそれも今はあまり耳に入らない。
完全に魔力の枯渇に息も荒く喜びよりも苦しさが強くて。

「ごめ……ん……ね……今……辛く……て……」

本当につらいのが判る笑みを少年にと向け。
慌てた少年が何かを付けるのが見え、背中に押し当てられた手から魔力を注がれると少しは顔色がよくなるが。

「ありがと……でも……動け……そうに…ない…」

動くにはまだ足りず、申し訳なさそうにして。

リル > 「うん…………一歩一歩。ゆっくりでいいから。一緒に、だよ……」

(人に何かを教える。それは、冒険者をはじめた人間に書類の書き方を教える。
野草をとっている人間にあぶない類似のものをおしえる。
それくらいだ。人生の歩みに関わること……それは、ルルがはじめてだ)

「ありがとう、ルル……。ルルのこと、心の何処かで、か弱い女の子って思ってて。
でも、そんなこと絶対ない。ルル、すごいよ」

(この子は、本当に凄い。ただ腕力がまだ弱いだけで。
それだっていつか解消される。だから、そのすごい子に、少しでも力を
この辛さは本当の本物。さっきの魔法がとんでもなかったことに比例するだけの、辛さ
少しでも良い、この子を楽に。自分のむちゃを聞いてくれたこの子を、楽に)

「うん……座ろ? 少し、座ろう?」

(申し訳なさそうなルルに、心配そうだけど笑顔で。魔力を送り続けながら)

ルル > 「リルと一緒に……成長……いい……よね…」

競うという訳ではない。教え教えられて一緒に進んでいく関係。
お互いに得意な事、それを教え合うのは楽しく。
こんなに誰かと接して楽しいと思えたのは少年だけ。

「そんな……こと……ない………。
私…魔法………以外……取柄…ない……よ」

少年に教わり、そして練習を始めたメイスもゴロツキ以上には通じないもの。
解消はいつかされるかもしれない、それでも少年を頼ってしまいそう。

そして今は兎も角苦しさだけが強い。
ここまで、完全に魔力を使い切ったなど経験がなく、杖がなければ直ぐにでも倒れてしまいそうになり。
今は少年から送られる魔力で意識だけははっきりとしていて…。

「だいじょう……ぶ……それより……もっと…頂戴……」

心配してくれる少年に我が儘を言っているのは分かる。
しかし送られる魔力だけでは足りず、もっとと苦しさの中に甘える様な声色。
うるんだ瞳で見つめて身を預けるようにする。

リル > 「うん。一緒。 一人よりずっといい。わかったんだ、僕も、そうだって」

(互いの得手不得手を。互いで補って強くなっていく。
そうすれば、二人共、ずっときっと、もっともっと……人としても。
ああ。嬉しいな)

「まだ見つかってないだけかもしれないよ。 決めちゃうのはちょっと早いよー」

(確かに運動神経が良い方ではないが、魔力の使い方では、きっといろんな裏技がある。
戦乙女のようにすらりとカッコいい魔法戦士になったルル……は、あんまし想像がつかないけれど)

(ああ。やっぱり苦しそうだ。自分だって土壇場で魔法を連発したら、体の中がひっくり返りそうだった。
それを、我儘を聞いてもらって……)

「うん。ルル…… 全部あげる……」

(直ぐ側にしか聞こえない囁き。
もっと。ああ。この手ではたりないから。
潤んだ瞳と向き合うように、ルルを真っ直ぐに抱きしめる)

ルル > 「……仲間……私も……そう………思った…から…」

学院では早くに学んでしまい、授業に出てもどこか疎外感。
今でこそメイスの扱いを学び出して仲間にはいれたかな?と思い始め。
でも一緒に何かをして頑張れるのはこの少年とだけ。
出来ればずっとこれからも一緒に居たいと考えてしまう。

「そう……かも……しれない……だから……一緒に……探して……?」

運動神経はよくなく、魔法は色々と使えるのだが魔族との戦いが多いだけに攻撃にどうしても偏っていて。
魔力を浮かう裏技までは思い浮かばずに、少し運動が得意に、自衛できるようになればと考えて。

これからは少年のお願いでも少しは残しておこう。
それほどまでに魔力の枯渇が辛いものだと覚えて。

「うん……私も…あげる……から……ちょうだい……」

自分にしか聞こえない少年の囁き。
魔力をもっと、あげるからもっとと強請り。
真っすぐに抱きしめられると目をとして抱き着いて。

リル > 「うん……仲間、かぁ。初めて思って。はじめて、考えて」

(純人間ではないから、最初にすこし冒険者として苦い思いをして。
ならば自分という一人で立てばいい。其れはきっと、強い在り方。
其れはきっと、弱い在り方。
酒場の中でも皆と楽しくやれるようにはなったけれど
生死をともにし続ける仲間はいない)

「うん。もちろんだよっ。 一緒に探して歩こう」

(この子の、今までの「自分を知った」後ろ向き……。こんなにすごいのに。
こんなにかっこいいのに。ああ。おこがましいことだけど
自分が自分の強さを教えたい)

「うん……ルルも、頂戴。 あげるからね……僕を……」

(目を閉じて、柔らかく、少女の花弁と自分の花弁を重ねる。
沢山流れていく。魔力が流れていくし、気持ちが流れていく。
この口づけで、たしかに繋がって。ああ……。
「好きだよ」そう、言葉にはできないけれど、抱擁と、口づけで)

ルル > 「迷惑……かけちゃ……駄目って……思っちゃう……
でも…リルは……頼りたく……なるから…」

学院ではよくできるいい子、そんなイメージがついてしまい他人を頼れない事も多く。
気が付けば頼ると迷惑になると考えてしまっていたが、少年には素直に頼ることが出来て甘えてもいると。
一人で立てる強さはないが、周囲にそう思われてしまっての見せかけの強さ。
それを少年の前でだけは見せずに、素の自分いることが出来て。

「ありがと…。リルと……ずっと一緒に……探したい…」

出来て当たり前、できないと悪い。そんな周囲の評価に自分がすごいなど思ったことはなく。
それを言葉にして告げ、あそこまでの喜びを見せてくれた少年。
初めて自分を凄いと思えるようになり始めて。

「ありがとう……リル……貰う…ね……だから…私も……ん」

少年の目が閉じると合わせるように目を閉じ、感じる唇への柔らかな感触。
重なった場所から流れ込んでくる魔力、そして気持ち。
喜びに抱きしめたとはまた違う、それよりも親密に繋がった感触に力を抜き。
言葉にできない思いを伝え返す様に強く抱きしめて唇を押し付ける。

リル > 「いいんだよ。僕だって迷惑くらいかけるよ。二人共、完璧じゃない。
……ルルは……こうして、一緒にいると、温かいから」

(ひとりじゃない温かさ。それをくれるのが君で。
一人で居ると僕は、ただ「冒険者」のガワがある子供で。
そんな一人ぼっちで寂しがりの子供を温めてくれるルル。
それは、どんな成績でも、どんな評価でもできないんだ。
ありのままの君だから、できるんだ)

「僕もだよ。……ずっと、ずっと……ルルと……」

(這いつくばって這いずって、よじ登って転げ落ちて。実家と和解できなければ、その中で死んでいく。
ただそれだけの人生だと思っていた。
そんな僕を、確かな気持ちでみてくれて。何時でも抱きしめてくれた。
だから、僕はもう絶対、勝手に死ねなくて)

「ん……ふ……………ん…………ぅ…………」

(温かい。互いの気持ちと魔力が溶けて混ざって。
今までの抱きつきとは違うって解る。今、世界に二人だけと言っても、恥ずかしくない。
二人で一人で、わけあって。とけあって。まざりあって。
気持ちが、帰ってくる。腕の力、体の柔らかさ、唇の柔らかさ。
ルルの味も)

ルル > 「本当……?よかった……完璧なんて……夢……。
リル……凄く…暖かい……から……」

こうして誰かとの時間が、家族以外と凄く嬉しさを少年に教わり。
空っぽの器だった自分に心配される嬉しさ、誰かと触れ合う喜びを教えてくれたんは少年。
ここまで気を許せる人はこの先にも少年だけだと感じて。

「リル……告白……みたい……」

きっと何れは両親が決めた相手とずっと、そうだと思っていた。
ただ幸せそうに笑うだけの空っぽの人生だと。
しかし少年に出会ってから空っぽだった、真っ白だった毎日に中身が、色が出来て。
はしたないと言われるかもしれないが、抱きしめると心が温かくなり。
もう一人には戻れない、それをはっきりと感じて。

「ん……ぁ……ん………ん、ん…」

抱き合い触れ合う場所が温かく、魔力と気持ちが混ざり溶けていくような感触に息を吐き。
たとえ人目が合ったとしても今は二人だけ、そう思えるほど満たされ。
このまま少年と溶けて混ざり一つに…そんな事を考えて。
少年の気持ちを抱きしめられて感じ、小柄だが力強く、身体はじっかりと男の子、唇に感じる柔らかさに唇を離せずに。