2018/04/14 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 路地裏」にジードさんが現れました。
ジード > 貧民地区の住人たちの塒が多くある区画の一つ。
その裏通りに店を構えている露店があった。
並べられているのは傷薬類のポーションや気付け薬、病薬の類で
普段男が取り扱っている如何わしい類のものは表に出されていない。

「…この辺で夜の道具をうっても売れないしねえ」

お世辞にも身なりが良いとは言えない子供に傷薬を手渡して
その後ろ姿を見やりながらぽつと呟く。
それなりに繁盛はしているものの、儲けの少ないものばかり取り扱っているので収益は左程でもない。

ジード > 「まあ。ここで商売するのは趣味みたいなものだけど」

別に儲けを出そうというつもりは大してない。
ただ、この近辺で聞ける話は興味深いものが多いのだ。
普段の路地裏での商売では到底聞けないような話が多いだけに
定期的に話を聞きに来ているようなものである。

「この辺の街並みがすぐに変わるから迷いそうになるのは問題だけどね。
 あんな建物無かったよなあ」

そういいながら視線を向ける先には見るからに粗雑なバラックが立ち並んでいる。
良く作れるものだと感心した様子で頬杖を突き。

ジード > 「おっと。ここまでかな」

幾らかの来客の後、売れ筋の薬が底をついたのを目にして
腰を上げると露店を片付けて路地の一つへと体を滑り込ませる。
店の存在した痕跡すら残さずに立ち去っていくのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 路地裏」からジードさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城 ある師団の執務室」にナズナさんが現れました。
ナズナ > 今、誰も居ないはずである執務室。
なのに、気が付けば元々居たかのように佇む、一人の女性。
閉じていた瞳をゆっくりと開き、確かめるように辺りを見回す。

「なるほど、主様の仰っていた通りのようで…
さて、誰か来る前に、確認すべき事を確認致しましょう」

巡る視線が止まったのは、その執務室にある、この部屋の主の物と思われるデスク。
その側へと歩み寄り、一歩手前で足を止める。

「………どこまでの情報を得ているのか、失礼ながら…」

そう呟けば、再び瞳を閉じる。

『これから私の眼には、私の見たい過去が見えるでしょう』

続く呟きは、力ある言葉。同時に、その瞳を開いた。

ご案内:「王都マグメール 王城 ある師団の執務室」にフォーコさんが現れました。
フォーコ > あまり使うことのない執務室だが、今日だけは用事があって使うことに。
当然、自分の部屋なので今は誰も居ない筈と知っていた。

誰も居ない部屋なのでノックなどするはずがない。
ガチャっと取っ手を回すと勢いよく扉を開ける。

「うわっ!? 誰だお前。 
私の部屋で何してんだ。」

どこかで誰も居ない筈で開けた所で誰かが居たら怖いと言う話を聞いたことがあるが、
今がその状況。
浴衣姿の女が私の部屋で、私の机の前に居たのだ。
もう少しで心臓が止まってしまうかと言うほどに驚く。
心拍数も上がっていることだろう。

ナズナ > 今、部屋の主は訪れるはずもない執務室…そのはずだった。
なのに、その部屋に訪れた相手。
一旦力を切り、振り向けば…その先に見えるのは、情報とは違う相手。
驚く相手とは対照的に、不思議そうに首を傾げた。

「私の部屋…?」

確か、元々の目的でやって来ていた部屋の主は男性と言う話だったはずだ。
なのに、入って来た相手は女性で、しかも自分の部屋だと言った。
僅かの間、何かに気付いたように、ぽんと手を打った。

「なるほど、部屋を間違えましたか」

フォーコ > 「…部屋を間違えたのか。
それなら仕方がないな。」

まだ心臓が高鳴っている気がするが、女性は部屋を間違えたと口にする。
初対面の相手故それ以上追及する気にならない。

「誰の部屋を探しているんだ?
良かったら私がその部屋まで案内しようか。」

どういう事情で入り込んでいるのか知らないが、本当に部屋違いなら
本来の部屋まで案内しておこう。

「ただ、一応私も見てしまった以上聞き取りはしておかないとな。
君は何て名前で、何しにここへ来たわけだ?
許可証まで見せろとは言わんが、それくらいは話してもらえるか。」

私は彼女の目の前まで近づきながら質問する。
まだ尋問の息には達していない。
あくまで質問だ。

ただ、この女性が最初の数秒だけだが妙な力を発していたことが気にはなっている。

ナズナ > 呟きに答える女性の言葉に、意外そうな表情を浮かべる。
今の自分が明らかに相手から見て怪しい、それは理解しているからだ。
そんな相手を前に、その言葉を素直に信じ、案内までしようと言うのだから。

「どうやら、驚かせてしまったようで…確かに、見知らぬ相手が部屋に居れば、驚いてしまうものでしょう。
失礼致しました…そうですね、失礼ついでに、案内をして頂けると助かります。
目的の部屋は、この第五師団ではなく、第七師団の執務室で御座いますね」

なので、こちらもそれに応えておく事にする。
正直にそれを伝え、お願い出来ますか?と。

「私の名前はナズナ、今お伝えした通り、部屋を間違えてやって来てしまいました。
貴女の事を調べようとした訳では無いので、ご安心を、フォーコ様」

続けざまの問いにも答えながら、にこりと笑顔を浮かべて。

フォーコ > 「第七か…。
第七は人気があるなあ。
我が第五も戦力だけで言えばそれなりだと思うのだがなあ。」

私は両手を組み、ガクっと頭を垂れていた。
第五は地味なのか、それとも私が至らないのか。
どうにも話題に上がることが少ない。

「第七の執務室まで案内するのは簡単だが、それは第七の連中から
許可を得てのことなのか? いくらなんでも目の前で勝手に調べようとしている
奴を案内してやるほど私はバカではないぞ?」

私の事を調べようとしたわけではないが、第七のことは調べ上げるつもりだと。
そこまではっきりと口にされてしまうと流石に見過ごすことは出来ない。
笑みを浮かべる彼女を睨みつけた私は反射的に机に両手を叩きつけていた。

見た目が怪しいだけでなく、本物の不審者となれば実力で排除するしかあるまい。

ナズナ > 「そうなのですか?その辺りの話は、詳しく聞き及んでおりませんので何とも…
むしろ、第七師団以外の詳しい事は知りませんもので、すいません」

知っている事と言えば、すべての師団の重要人物程度か。
さすがに、それを伝えれば話がややこしくなるので、止めておくが。

「もちろん、許可は得ていませんし、私自身が関係者でもありませんね。
主様は第七師団に関わっておりますが…今回の件は、私の独断ですので。
それに、案内をした貴女を、誰も馬鹿になんてしないでしょう。
それを行った事実、それを消してしまえば問題ないのですから。
…あぁ、別に貴女を消す、なんてしませんので、その点はご安心下さい」

様子の変わる相手とは裏腹に、そう答える女性は変化一つ起こさない。
変わらぬ笑顔を浮かべたまま、聞き方次第では挑発とも聞こえるような言葉を紡ぐ。
逆に、これが現実に出来ると考えてしまうならば…怒りよりも、恐怖を覚えるかもしれないが。