2017/06/09 のログ
■エアルナ > 「火、くらいは…いざとなれば魔法でもなんとかできますが。
時間がないときは、保存食で耐えるしかない、ですよねえ…」
飴玉とか、そういう風に加工したものも混ぜてはいるが、そんなには日持ちしない。
というか真っ先になくなるのは甘味、というのは当然の反応だ。
「活用する場合…剣の本来の力との相性はどうなんです?杖に加工するなら、単身活用ですからそのあたりは大丈夫でしょうけど…」
杖ですか、と考え込む。魔法回路を加工して杖にしてしまう、という案は悪くないが――問題は安全に使いこなせるか、だ。
「防具に加工する方法はどうなんですか?」
と、師匠でもある彼に尋ねてみよう。
「この辺の特産品のお酒があるか、聞いてみましょうか。
あるなら、それを一本いただいて。」
働いて得た報酬で、しっかりとしたものを食べる。
健康的な生活ですね、と楽し気に笑って、店員を呼ぼう。
果実酒や銘酒があると聞けば、其れを追加で頼むつもりで。
■マティアス > 「そういうこと。……食べられないときは、本当に辛いよ」
だからこそ、生きてありつける食べ物とは何より有難く、尊い。
飴玉も嗜好品の一つとして己も持ち歩いては居るが、こればかりというのも辛いもので。
「別に悪いという程じゃあないよ。
あの剣の特徴は、使い手の込めた力を高めると共に、増大した力を受け止める――武器としての本質を追求したものだ。
それに例のアレの力を注ぎあげて使うつもりはないしね。防具……ねぇ。それはちょっと、かな」
飾りといざという時のとっておきとして使うならば剣、普段使いも兼ねるならば杖、といったところか。
前者ならば荷物は増えないが、後者だと長物が増える。いずれも両手に携えて使えないワケではないが、少し悩ましい。
防具と聞くと、眼鏡の下で困った顔つきを浮かべる。装身具の類は兎も角、鎧をそもそも纏わない身として。
「では、そうしよう。……ええと。これが良さそうだね」
品書きを取って、さっと眺めて頼むのはワイン。数年前に仕込んだものが丁度、いい出来だったらしい。
それを一瓶頼んでおこう。ついでに、つまみがわりの肉類を合わせて頼むのも忘れてはいけない。
■エアルナ > ありがたくいただきましょう、と食事にむかって手を合わせて。
素直に感謝と共に食べることにする。
「ん―…相性が悪くないなら、取り外しできる飾りがいいかもですね。
重さが変化すると、剣筋に影響したりはしないんですか?」
と、これは剣は使わない身としての疑問。
どちらにせよ、あの取り出したままの形ではおいておけないのは、はっきりしている。
「単純に盾とかだと、面白そうですけど、持っていかれそうですものねえ…」
形状が変わろうと、魔法回路がそのままなら。
これ幸いとばかりに盗まれそう、と苦笑する。
ともあれ、ワインと一緒に肉類が来るなら歓迎だ。
しっかり元気をつけておかないと、宿に入ったあとにひびく。
…いろいろな意味でだ、うん。
■マティアス > そうだね、と。軽く祈りの所作をやって再び食器を持つ手を動かす。
続く言葉に眼鏡を押し上げつつ、思考を巡らす。剣士の端くれとして、その指摘はもっともで。
「……加工して鞘の飾りにしてしまう方が早いかもしれないなぁ。
柄飾りにしてしまう場合は柄ごと、新調かな。別に初めての事じゃないから困らないけど、慣れるまで少しはかかるよ」
それも愉しんだけどね、と言い添えて口の端を釣り上げる。
愉しんでやれることであれば只管に打ち込める。
無為に重ねるより、地道な過程を愉しんで打ち込めるからこそ魔術と同じくらいに剣も扱えるようになった。
だが、やはり持ち運びやすい形状で携えられるに越したことはない。道中にひょいと放り捨てられるようなものではないなら。
「盾も使えなくないけど、ね。けど、あれもあれで嵩張るんだよ。知っているだろうけど」
形状を変えても本質が変わるわけではない。だから、問題だ。
程なくすれば、注文したものがやってくる。栓を開けて、赤い液体を用意してもらったグラスに注いで相手に渡そう。
頭を悩ませながらも、旅はまだ続く。帰れば工房代わりの定宿に籠るにしても、明日への英気を養っておきたい。
■エアルナ > 「鞘だと…人目は引くかもですね、見るものが見れば。
剣の柄のほうが、目立たなそうです。意外性もありますし?」
重さの変化がさほど問題にならなそうなら、と意見を述べてみる。
柄に加工すれば、魔法の気配はしても…いわゆる魔法剣か、ですみそうでもある。
実際、魔力を帯びた魔法剣自体は、貴重品だしそのへんに転がっているものではないが…存在自体は広く知られているはず。
ごまかしやすさはあるだろうと、頷いて。
「マティアスさんの場合、攻撃は最大の防御、側ですしねえ――」
がちで防御に重点を置く重装騎士とは正反対の、軽戦士タイプ。
素早さと敏捷さを活かす戦法だしと、そこは納得している。
ありがとうございます、とワイングラスを受け取って。
改めて、乾杯をかわそう。
「明日に幸を――今日によい夢、を。魔法と剣の冴えに、乾杯――」
■マティアス > 「もともと、この剣を手に入れた時に鞘はなかったからねえ。……ん、では決まりだね」
手に入れた結晶体の形状を思えば一部をカットして、砕片を加工すれば幾つか細工にも使えるだろう。
頭の中でさっと絵図面を引く。先日入手した希少金属も含め、転用できるものはある。
刀身と鍔は入手した時以来のままで、柄の拵えと鞘については自身で調達と細部の改修を加えている。
だから、その時の応用は効く。やはり誰かと話してみるものである。始末には困るが、使えば確実な力になり得るものだから。
「鎧を着てたら、魔法が使えないからねぇ。……――否、使えないワケじゃないけど普段着にするには重いよ。ああいうのは」
鍛えてはいるけれども、つくづく鎧の類は普段纏って歩くには重い。良くて革製の腕当てや籠手位だろう。
元々が魔術師であれば余計に常に重荷を纏うスタイルとは程遠い。
当たらないにすればいいし、当たる当たらないを気にしなくて済む戦い方もある。
「――そして、君の未来に善きことが在らんことを」
乾杯、だ。向こうに渡したグラスと己のグラスを軽く打ち合わせて、くいと呷ろう。
街より少しばかり高いが、値段相応の味が確かにある。
■エアルナ > 「対になった鞘がないなら、応用はいろいろできそうですね。
この前の金属を加工してもよさそうですし?」
希少金属は、其れこそ杖に加工するという方法もある。
ゴーレム一体分ともなれば、楽しめそうですね、と笑うあたりこの娘も魔術師だ。
「鎧を普段着…にできるのは、本職の戦士だけだと思いますよ。
私達は魔法使いが本分ですから。」
筋肉を鍛えているわけではない、鍛えるのは頭脳であり魔法力のほうだ。
乾杯を交わし、味わうワインは…爽やかな香りも伴って。
心地よいのど越しだ。
「今夜は、このまま宿に泊まる、でいいですか?
食料とかは、明日になってから仕入れればいいでしょうし」
湯あみもできれば、と。夏に向かう夜風に目を細めて零し。
■マティアス > 「成る程、その手もあるね。
ひとたび齧ってしまうと、僕にとってはどちらでもあるよ。
剣も魔術も言ってしまえば楽しみながら窮めるものであり、そして、行使出来得る手段だ。」
二重構造の鞘として仕立て直し、内側に強度の高い金属を用いておく手立てがある。
首肯しつつ、頭の中で更なる項目を想起する絵図面の中に書き加えよう。
ただ、一気に使うのも勿体ない。杖がなくても困らない術者であれば、来るべき時にまで取っときたいものだ。
身のこなしを阻害しない程度に得物を強化し、適宜更新しながらそれに見合うように己を高める。
武器に使われる使い手なぞ、お笑い種でしかないのだから。
「ああ、異存はないよ。気兼ねなく身を休めるといい」
そして、言葉を交わしながら今暫く、美酒と酒肴を愉しむこととしよう。
ほろ酔い気分であれば、あとは身体を清めて寝入るのがとても心地良い。
旅は続くのだ。己自身が空き果てるまで、ずっと――。
ご案内:「宿場町」からエアルナさんが去りました。
ご案内:「宿場町」からマティアスさんが去りました。