2017/05/10 のログ
ご案内:「王都近郊」にオーベさんが現れました。
オーベ > 日暮れまでに王都にたどり着くつもりでいたが、道草を食っている内に城門は閉じられており、
王都へと入る審査も明朝まで待て、という事になってしまう
金のある商人や商隊は近くの村などへと引き返すのが通例だが、そうでない冒険者や商人、商隊は
城壁の傍に天幕を張り、それぞれ、朝一番で王都に入るために固まって野営をする
久しく王都に出てきた魔術師も、引き返すのが面倒くさく、少しばかりの荷物を下ろせば、
東からやってきた商隊の傍に腰を落ち着けた

「いや、敵わんな…今日は、清潔なベッドで眠るつもりだったが…」

道草を食わなければ今頃は、富裕地区にあるさる貴族の館に宿を取るつもりであったが、
まあ、今更、豪華な食事や暖かなベッドを求めても詮無いことである
野営の支度などしてこなかったから、燃える焚き火に落ちた枝を放り込みながら、脇で身を寄せる老犬の
背中をよしよし、と撫でてやる
周囲で野営する者たちはしっかり野営の支度をしているようで歓談する声や笑い声などが聞こえる
城壁に近く、その上には見張りの兵がいるから、荒野で野営するより余程、安全で長い旅を続けてきた人々も、
明日には街に入ることが出来るから、気が抜けているのであろう
ベルトに括った革袋から保存食を取り出せば、まずは老犬の口元へ掌を差し出し食わせてやり、
次に自分が口に運ぶ…豪華な食事に比べれば当然、味は良くないが、そもそもがあまり食事に感心のあるほうでない
言ってしまえば、食事よりも濃いめに入れた薬草の茶が恋しかった

オーベ > 「明日にはもっと良いもの食わせてやるから…」

老犬に言い聞かすように語れば、岩に背を凭れるようにして腕を組む
野営の支度はないが、極地というわけでも、砂漠というわけでもなく、魔物が襲ってくる可能性も高くはない
寝入ってしまう前に、と地面に文字列を記し、簡易ではあるが自分の周辺に簡易な結界を施せば、
老犬と身を寄せ合うようにして一晩を城壁の外で過ごすのだった

ご案内:「王都近郊」からオーベさんが去りました。