2016/07/31 のログ
■テイア > 「正直、まさかドレス姿を見られるのがここまで恥ずかしいとは思わなかった…。でも…まあ、そなたがそう褒めてくれるならば、恥ずかしい思いをした甲斐があった、かな…。
そなたも、よく似合っている。あの夜よりもずっと。」
鉄拳制裁をするとの言葉に、クスクスと可笑しそうに笑い。
ようやく緊張の解れた女の表情が戻ってくるか。
まだ少しだけ恥ずかしそうにしながらも、穏やかに笑みを浮かべてそう告げる。
恐らくは初めて会った時の礼服は急ごしらえだったのだろう。
今の燕尾服のほうが、彼の雰囲気とも合っていてそう感想を告げて。
「…指輪を作るというのは、難しいものなのか?………。」
武器の作成過程ならば、なんとなく想像できるが縁遠い装飾品の製作過程はあまり想像できなかった。
けれど、剣や斧を作るよりもより繊細な作業を求められるのだろうとは思って。
あれ?やはりそういう事なのか?と沈黙の中には少し戸惑いが混じる。
まさかこれが結婚の儀式となるだなんて、さっきのさっきまで想像すらしていなかったようで。
シルキーは最初からそのことをわかっていて、ドレスの色も、場所もセッティングをしていたから当然のように、男の言葉に歩み寄ってくる。
「―――っ…」
告げられる言葉に、女は言葉を失う。
何度か既に交わされた誓いの言葉、けれど今このとき改めて精霊を立会人として神々への誓いとなる言葉だった。
とられた手には手袋も指輪も、一切の装飾はなされておらず男が創り、贈るものが初めてその指を彩るものとなるか。
ぴったりと合うサイズの指輪が、左手の薬指へと嵌まり、そして仄かな光を放つのを頬を赤らめながら見つめ続けて。
「ありがとう…イーヴィア…。」
ふ、っと蕩けるような柔らかな笑みを浮かべて言葉と指輪を受け入れる女。
シルキーが持つ小箱の中から、もう一つ女の嵌めた指輪よりもサイズの大きなそれをとると、男の左手を自分の右手へと載せる。
「…私、テイア・ルア・ルミナスは、イーヴィア・ヴァルケスを夫と定め永遠をともにする事を神々に誓う…」
心から溢れてくる言葉を紡ぐと、男の指へと女からも指輪をはめていき。
■イーヴィア > あの夜は…そもそも別に、誰かに見せる為じゃなかったしなァ。
目的が違うなら着方も変わるさ、まぁ、普段着慣れてないから服に着られちまってるかも知れないが。
(さて、自分の事と為ると自分では良く判らない物だ
だから、女が褒めてくれるのならば、其れを素直に受け取る事としよう
この日の為に、ちゃんと前もって準備した礼服なのだ
突然の呼び出しに最低限しか揃えられなかった、何時かの夜とは流石に違う
まぁ、仕立てている時は店の連中に程よくニヤニヤされた物だが)
まぁまぁ難しかった…何せ特別なんでな。
御前に渡すって言うのに、そこいらの店屋で買える様な物渡す訳には行かない、だろ?
(金が掛かっているとか、そう言う問題じゃない。
己が、彼女の為に拵えた特別な物、此の世に一つしかないと断言出来る代物
当然ながら、一朝一夕では無理だったと、暢気に笑みながら伝えては
女の指先へ、静かに嵌められた其の指輪を、見下ろそう
女の指へと寸分狂いなく馴染む其の大きさ、指を握りこんだ時にも邪魔をせぬ余裕
そして、何よりも、『唯の指輪では無い』と判るだろう魔力が、其処には篭められている)
………、……礼を言うのはこっちさ。
……シルキーにゃ悪いが…、……この後は、判るよな?
(人間の婚礼と言う物を、女が見た事が在るのならば
己が薬指へと嵌められ行く指輪が、仄かな光を帯びた後、なすべきことは、きっと、ひとつ
女へと、掲げる様に己が薬指を一度見せては、そっと、其の腰元へと腕を回して抱き寄せる
互いに身を寄せ、そして、距離を詰めては、其れこそ吐息の触れ合う距離で、静かに瞳を重ね合い)
―――――………愛してる。
(ただ、其の一言だけを、誓いの言葉と変えては
深く、口付けを重ねよう、か)。
■テイア > 「そんなことはないぞ?そなたの体によく合って、自然だよ。」
前もって仕立てられたそれは、男の体格にしっかりと合っているし堂々とするその様は服に着られるなんて印象を抱きようもないと告げて。
「どんなものでも、嬉しいことに変わりはないが…そなたが想いを込めて作ってくれたものは嬉しさも一入だな。」
柔らかな笑みを浮かべたまま、指輪の嵌った薬指に視線を落とす。
落ち着いた光沢の指輪、そこに嵌められた小さな紅い宝石はひっかからないようにはめ込まれている。
よくここまで、女の指のサイズがわかったものだと感心するほど、きつすぎずゆるすぎず、正しく女の為だけに作られたその指輪。
軽く手を離握手して具合を確かめて、右の指先で愛おしげにその指輪の表面をなぞる。
想いとともに込められている魔力を感じれば、なにか仕掛けが施されているのだろうかと考えて。
「……ん…」
指輪を男の指へと嵌め終えれば、女の時と同じように淡い光が生まれる。
同じデザインの指輪が男の指にしかとはまったのを見せられれば嬉しげに微笑みを浮かべて。
言葉に小さく頷いた。
腰を抱き寄せられ、男の肩に女も両の手をかけると近しい距離で見つめ合う。
「…私も、そなたを愛している…」
囁かれる言葉に、そう返して瞳を閉じれば唇同士が重なり合う。
お互いの言葉をお互いに刻み込むように、深く口づけて。
■イーヴィア > (女へと、そう言って貰えるなら何よりも安心だ
この時の為に準備した甲斐が在ったと、報われた感を覚えながら、向ける笑み
希少鉱物によって創られた指輪は、其の見目よりも遥かに頑丈であり
埋め込まれた宝石も、破損や剥がれ落ちとは無縁の代物
ドワーフたる己の作品に、そんな事が在って堪るかと言う誇りも篭もって居るんだろう
何時かに、たった一度だけ、女の薬指へと指を絡めた事が在った
サイズを測ったのは其の一瞬、そして、其の計測が間違いではなかったのは今を見れば一目瞭然で)
―――――――――――――………………。
(長い、長い、口付け。
誓いを互いへと刻み込む様に、自らへと刻み込む様に
愛していると、其の強さを伝える様に
そうして、再び口付けを解くまでに、どれだけの時間が経ったかは判らない
女の瞳を改めて見つめて、そして、小さく、くつくつと笑っては
其の身体を抱え上げ、ぐるりと其の場で一回転しようか)
……これで、名実共に俺の嫁だな、テイア。
シルキーがちゃんと証明してくれる、紛う事無く、俺と御前が家族だってな。
(漸く、言葉での約束だけではない、確かな形で、互いに結ばれたのだと
其の事実を、確かめるように、女へと伝えては――改めて、頬を寄せよう
ちらりと一瞬だけ、シルキーのほうへと視線を向けては、己と組んでの今回の計画に
協力してくれた其の感謝を、右目のウィンクで伝える事か
ぎゅう、と女の体躯を腕の中へと抱き締めながら、ほっと、緊張が解けた様に僅か脱力しては
――指輪の説明やら、いろいろな事は、後回し
今はこの暖かさと幸福感に、ただ、浸っていよう)
■テイア > 傷一つない、男が自分のために作ってくれた指輪。
その材質が何かはわからないけれど、金やプラチナとは少し違うように感じる。
傷をつけずに、そのまま宝石箱にでも仕舞いたい。そんな思いを抱くほどに大切に感じるから、指にはめるよりも、チェーンを通して首から下げていたほうがいいのではないかと思ってしまう。
後でその心配がないことを説明されれば、素直に指にはめたままにするのだろうけれど。
「…ん……っ…ぅわっ…」
長い口づけ、男からの愛が染みわたり、自分からの愛を伝える。
全く、とシルキーが少し呆れて視線を逸らすくらいには長い時間口づけを交わして。
唇が離れれば、ゆっくりと閉じていた瞳を開く。
二色の彩は、紫を見つめて。
小さく笑った男が、突然女を抱き上げてくるりとその場でまわる。
長いドレスの裾がふわりと翻り、女が驚いた声をあげたか。
「ああ…そして、そなたは紛う事なき私の夫だ…。」
その左手の薬指にある指輪が二人を固く結びつけ、嘘をつくことのない妖精が証人としていてくれる。
男に抱き上げられたまま、柔らかな笑みを浮かべてしっかりと頷いて。
よせられる頬に、瞳を閉じて口づけを贈り女からも頬を摺り寄せて。
ちらりと送られた視線とウィンクに、珍しくシルキーが微笑みを浮かべて小さく頷いたか。
抱き上げられたまま、男の首に腕を絡めて少しだけ、脱力するのを感じるとぽんぽんと優しくその背を叩く。
触れるぬくもりが、心地よくとても安心する。
これが、自身の夫なのだと改めて実感するようにきゅっとその首に抱きついて。
■イーヴィア > (シルキーの存在を忘れていた訳ではない、ないが、多分意識の外に在ったのは否定出来ないだろう
ただ、少なくとも今宵くらいは其れを許して欲しいと思う、何せ全てが特別な夜なのだから
くるりと、一瞬宙を舞った女の身体を、決して離す事はない
腕に抱く其の全てを、大切に、大切に、抱きしめては
女の指先が安堵を与えてくれるかに、己が背を優しく叩いてくれた所で
ゆっくりと顔を上げ、そして)
……本当なら、宴やらも在るんだろうけどな。
その代わり…、……この後、何がしたいかは…任せる、ぜ。
(儀式を終え、観客が居るなら、会食やらがこの後に待っているんだろう
けれど、生憎ながら今この場に居るのは三人だけ、宴を、と言った流れには為らないだろうから
だから、この後はもう、自由だ。 女に望みが在るのならば叶えようと
そう、其の耳元へと囁いては――僅かに屈み込み、そして、女の両膝へと腕を回して
所謂姫抱きに抱き上げて仕舞えば――女の耳元、シルキーには聞こえない秘め声で)
―――――ちなみに、もし何も無いなら――其の儘、初夜だから。
(そんな言の葉を、笑いながら、誘惑染みて囁く、か)。
■テイア > 「まあ、賓客を招いての式なら、な…。」
確か、式のあとは食事や酒を振舞われての宴だったように記憶している。
しかし、今は立会人であるシルキーと誓をかわした二人だけの式だから、振る舞いようがないなと笑い。
シルキーには、後日こっそりなにかお礼を考えよう。
彼女たちは、直接あからさまにお礼の品などを贈られるのを嫌うから、それとなく。
「特に思い浮かぶこともないが…初夜…になるのか…?」
既に子供まで生んでいる。
婚姻の儀式のあとの初めての夜だから初夜になるのだろうか、と苦笑しながら首をかしげて。
了承するように、その頬に口づけを贈り。
■イーヴィア > (元々、指輪を渡すだとか、ドレスを来て欲しいだとか
様々な約束事が上手い事噛み合ったので、シルキーに協力を頼んだ所
本来ならば、もっと豪勢な式にするべきだったのかも知れない
ただ、其れは彼女が望むなら、改めて行うべきだろうと考えての事
シルキーへと改めて視線を送っては、指輪を納めていた小箱を閉じた彼女は
静かな足取りで、其れをきっと、領主たる女の部屋へと置きに行くんだろう
其の場に残るは二人、頬へと残る口付けの余韻に、ふ、と口元に弧を描けば)
……一応、形としては、な。
まぁ、何にしても…、……今夜だけは、領主の顔は置いて来て貰うぜ、テイア。
(――今は、ただ、己の妻として居て欲しい、と。
そう、ひとつを我儘に願うなら、ゆっくりと、女と共に祭壇を後にする
最後まで、祝福されるかの様に月光へと照らされるバージンロードは
何よりも美しく、一度だけ振り返り、其のステンドグラスを見上げては
自分たちもまた、其の物語の様に在れば良いと、そう願いながら
――きっと、向かうは己たちの部屋、寝室へ、と
辿り着く合間、誰の目も無くなった廊下を進む間に
きっと、繰り返し、啄ばむ口付けを、そして、深い口付けを、交わし合う)。
■テイア > 「有難う、シルキー…」
こういうことにはからっきしな女の代わりに、色々気を回してくれた、退室していくシルキーへと静かに礼を述べて。
「そういうものか…。…そなたの前では、割と領主の顔は忘れてしまっている自覚があるんだがな…?」
男の願いに、苦笑ともとれる微笑みを浮かべて額を合わせて囁く。
月の女神が祝福してくれているかのように、柔らかな光は聖堂を満たし、ステンドグラスが彩を添える。
遥か昔、エルフと女神が恋に落ちて結ばれたように、ドワーフとエルフが今結ばれた。
胸の内で、そのめぐり合わせに感謝の祈りを捧げて。
「……んっ…んっ…」
プライベートなフロアへと上がれば、管理する妖精以外が立ち入ることはなく、今は妖精たちもいない。
ちゅ、ちゅ、と唇を啄み合い、次第に濡れた音をたてて深い口付けへと変わっていく。
お互いの唾液を混ぜ合わせ、舌を絡め合い深く深く貪り合う。
ご案内:「ルミナスの森 城」からイーヴィアさんが去りました。
ご案内:「ルミナスの森 城」からテイアさんが去りました。