2016/06/25 のログ
ご案内:「ルミナスの森 城」にテイアさんが現れました。
ご案内:「ルミナスの森 城」にイーヴィアさんが現れました。
■テイア > 「ねむれ、ねむれ、月の光に抱かれて…星の瞬きに見守られ。やさしいやさしい夢の中。」
ぽん、ぽんとゆっくりとしたリズムで幼子の体をを優しく優しく叩きながら、同じようなリズムで体揺り篭ををゆらゆらと揺らせる。
囁くように、優しげに子守唄を口ずさむ。
赤毛の女の子は、すやすやと安らかな寝息をたてて夢の世界へと飛び立って。
けれど、となりにいる銀の髪の男の子は未だに少しぐずるように声を上げていた。
とても元気な姉と、大人しい弟。
姉の方は、起きている間にそのエネルギーをいっぱいいっぱい使うのか、赤子ながら将来のやんちゃさが見えるほどに日中は元気だが、日中に発散させたエネルギーを蓄えるように夜はとてもよく眠ってくれる。
そんな、すやすやと眠ってくれる姉とは対照的に、弟のほうは割と毎夜夜泣きを繰り返していた。
そんな赤子を寝かしつけるように、ぽん、ぽん、とやさしいリズムをその体に伝え、歌を聴かせる。
その声は戦場で、怒号を響かせ、その手は剣を握る。
けれど、今だけはそんなことを想像すらできぬほどにどこまでも優しく。
■イーヴィア > (こん、こん、こん、と扉を小さく三度叩く。
其の先に広がる部屋が何の部屋かを理解して、物音余り響かせぬ様に
けれど、部屋の主には判る様に知らせてから、ゆっくりと扉を開いて行こう
片手には小さな布袋を携えながら、部屋の奥へと視線を向ければ
其処に居るは、我が子を寝かし付ける母親の姿
戦乙女とまで謳われし英雄の顔とは、まるで異なる、慈愛に満ちた表情に
思わず、ふ、と此方まで笑みを湛えてしまう。)
――――――………。
(声は出さずに、人差し指を口元に当て
静けさを保ちながら部屋の中へと足を踏み入れる
閉まり行く扉の向こうは、ルミナスの森とは異なる、全く別の部屋の中
使った魔法の鍵を、確りとトラウザーの腰元へと括り付けつつに
ゆっくりと、女の傍へ歩み寄って行こう、か)
■テイア > 「――さあ、おやすみなさい…やさしいやさしい夢の中…」
声をあげて泣いていた男児が、漸くぐずる程度にまで落ち着いてきた。
根気よく、穏やかに、静かに歌を奏で、安心できるようにリズムを刻む。
しかし、すぐ隣で寝ている姉のほうは、どれだけ弟が大きな声で泣いてもぴくりとも起きない。
これは将来大物になりそうだと、弟とは別の意味で苦笑が漏れた。
ノックの音は、丁度泣き声と重なってしまい気付かなかった。
けれど、開かれた扉に視線を向ければ鍵を使って繋がった王都の鍛冶屋、その最上階の私室より訪れた人物を認め。
名を呼ぼうとした唇は、男の仕草に声を飲み込み、代わりに笑みを刻んだ。
歩み寄ってくる男に、『おかえり』と唇の動きだけで伝えて。
変わらず、手は幼子をあやし続けていたか。
■イーヴィア > (小さな、小さな、赤子の声が聞こえる
この音色はきっと男の子の方だろう、此処最近は夜もぐずっていると聞く
こうして、何時も彼女は寝かし付けているのだろう、聖母の様な子守唄と共に
まだ、完全に寝入る様子は無い、けれど、其れならば
其の様子を一目見守ろうと、静かに歩み寄り、揺り籠の中を覗き込もう)
…………何がそんなに不安なんだ、御前さんは。
(くすり、笑みながらに囁く、そんな言葉
布袋を近くのテーブルへと置き、左掌を女の後頭へと柔く添え
右掌にて、ぐずる我が子の其の掌に、人差し指を握らせようと
其の眠りの邪魔はしない、何も、怖がる事は無いのだと教える様に)
■テイア > 「眠くて機嫌が悪いくせに、なかなか寝てくれなくてな…。」
近づき、揺り篭を覗き込む男に対して、小さな声でそう囁いて。
お腹も膨れて、おむつも濡れていない。
この泣き方は眠い時の泣き方だと、分かるようになっていた。
けれど、この子は寝入るまでが長くぐずってしまう。
自分の後頭へと添えられた掌に、ふ、と目を細めて。
差し出された大きな手、その指を小さな小さな白い手がぎゅっと握り締めたか。
ぐずりながら、開いた小さな瞳は男と同じ紫色。その瞳が父親の姿を映して、『あーぅー』と、ぐずっていた泣き声とは違った声をあげたか。
■イーヴィア > ――――成る程、寝つきが悪いってだけか。
(矢張りこういうときは、普段から傍に居る母親の方が良く判るのだろう
お疲れさん、と労いの言葉を女へと掛けては、其の頭を柔く撫ぜて
そして、己が指先を握り締めた我が子と、じっと正面から見詰め合っては
顔を寄せ、そのぷくりとした頬っぺたへ、口付けを触れさせよう)
―――……安心して、お休み。 ……俺も、お母さんも…ちゃんと、此処に居るぜ…。
(二人して、覗き込む形の揺り籠。
両親に見守られながら、赤子はどんな反応をするのだろう
お眠り、と、優しく声音を掛けながら、暫し、一緒に見守り)
■テイア > 「少々神経質なところがあるのかもしれないな。…姉弟で全く違う。」
双子とはいえ、二卵性だから普通の姉と弟とほぼ変わりがないのはわかっているが、こうも正反対だと苦笑が浮かんでしまう。
労いの言葉をかけ、撫でられるのに、そなたもな。と店の方で仕事をしてきた男へと女からも労いの言葉を返して。
『あぅ、あー』
柔らかなほっぺへと口づけを送られて、その指を握ったまま赤子が手をぱたぱたと動かした。
くすぐったいとでもいうように。
そして、両親ふたりの顔をじぃっと見上げて次第、とろとろとそのまぶたが閉じられていくか。
やさしい声を聞きながら、漸く夢の中へと旅立っていく。
女児の方は、泣き声にもぱたぱたと弟が手を動かす動きにも動じずすやすやと眠り。
「漸く眠ってくれたか…。酒とお茶、どちらがいい?」
眠る愛子たちの様子を、優しげに見遣ってそれぞれの頬に女からも口づけを贈る。
そうして、椅子から立ち上がると男の方へと問いかけていき。
■イーヴィア > 足して2で割ると丁度良いのかも知れんなァ…ま、悪い事じゃないさ。
(其れは、前向きに捉えれば個性だ。
無論、今の自分で女が苦労しているのは判るから
其の微苦笑に対しては『もう少し大きくなるまでさ』、と一言添えて)
――――……おやすみ、又明日、だ。
(寝る子は育つ、と言う。 実際其れは正しい事だ。
よく眠り、よく食べて、そして元気に育って欲しい
閉ざされて行く我が子の瞼に、小さく笑みながら
最後に、二人の赤子のどちらにも、額へと口付けを送って)
―――……んー…お茶で、頼むよ。 鍛冶場から出てきた直ぐ後だと、流石に酒はなァ。
(ひとつ、大きく伸びをその場で。 そして、女の問い掛けに返答しては
――改めて、労いを篭めて、身を寄せ、其の頬へと軽く口付けを触れさせる、か)。
■テイア > 「この子はこの子で、昼間がすごいからな…。本当に、足して割ったら丁度といった感じだな。まあ、でも見ていて飽きないな。」
男の言葉に、同意するように言うもののその表情は穏やかで決して今の子供たちの状態が嫌というわけではなく。
寧ろ、子育てのその日々が永く生きてきた中で感じたことのない楽しさと幸福を齎してくれている。
「では向こうに行こうか。…お疲れ様、今は何を製作中なんだ?」
寝入ったところの子供たちを起こさないようにと、間続きになっている隣室へと男を誘い。
伸びをする様に、再度ねぎらいの言葉をかける。
鉄と焔と対峙する彼の仕事は、想像以上に過酷なのだろう。
身を寄せて、ほほへと触れる口づけに女からも、その髪を撫でながら男のほほへと口づけを贈り。
隣室のテーブルには、冷たい方がよかろうと気を回したシルキーによってアイスティーが用意されており。
■イーヴィア > 短い時間で大暴れする位の方が良いさ、其れが長々続くと余計疲れちまうしな。
俺も、空いてる時は為るべく様子見に来るから…、……疲れたら、ちゃんと休めよ?
(母親、を勤めるのは、どうしても重労働だ。
無論シルキーの助力は在るんだろうが、全てを任せる訳にも行かないのが子育て
特に、此れまで子をなした事が無いという相手にとっては、全てが初めての経験だろうから
だから、張り切り過ぎるなよ、と。 ちゃんと伝えておこうか。
無論、其の瞳に疲労よりも寧ろ、子と過ごす事への幸福感が満ちているのは見て取れるから
だから、あくまで助言めいて。)
………嗚呼、起こしたら可哀想だ。
……取り敢えず今は、騎士団の装備を一通り整備だな…、…後は貴族の護衛連中に新しい鎧か
色を合わせたいんだとさ、見栄えが良いからな。
(促されるままに、静かに隣室へと移動しては
其の間、女の腰元へ片腕を回し、抱き支える様に
今行っている作業について、大まかに説明しては
テーブルの横に並ぶ椅子へと腰掛け、ふぅ、と一息零すだろう
本当に作業直後、顔を出しに来たらしく、水こそ軽く浴びて来たが
先に触れた体躯の温度も普段より可也高くなっている
火や熱した鉄に炙られながらの作業故に、水分の消費も多く
こうして、作業直後ばかりは、何よりも水分補給を優先するのだ
だから用意されていたアイスティーは、非常に在り難く
カップを手にし、一口、ぐいっと半分ほど一気に飲み下して)
■テイア > 「ともかくじっとしていないから目が離せない…。正直、若いい団員をしごいていた方が気が楽だと思うときがあるな。ああ、大丈夫だ。シルキーも面倒をみるのを手伝ってくれているからな。」
正直、手探り状態での子育てだった。
子を成すのも初めてで、赤子の抱き方から教わらなければならないほど、そちらの方面の知識は殆どなかったから。
シルキーが良い先生になりながら、助力してくれていたか。
本音と冗談を混ぜつつ、男の助言には頷いて。
「繁盛しているようでなにより、だが。なかなか大変そうだな。」
隣室への移動の最中に語られる男の仕事。
騎士団の装備の整備となれば、その量の多さとそれぞれの使い手に合わせた調整など細やかな仕事が求められるのだろう。
貴族の護衛相手となれば、色々と注文をつけられたりしているのだろう。仕事もそうだが、気苦労も多そうだ。
「少し体が熱いな。最近は湿度も、気温も高いから気をつけなければ倒れてしまうぞ」
腰元へと回された腕、寄り添って触れた肌は自分よりも熱く感じた。
先に椅子へと、男を腰掛けさせるとその額に前髪をかき揚げるように手をあてて体温を測り。
■イーヴィア > クク、無邪気だから怒るにも怒れないしなァ?
ただまァ、シルキーの言う事にゃ間違いないから、困った事は全部頼ると良いさ
(唯の双子じゃない、エルフとドワーフ、二つの血筋を継いだ子達なのだ
フツウの苦労も在るだろうし、普通では在り得ない苦労だって在るだろう
だから、困った事が在ればしつこくシルキーや己に頼れば良い
勿論、母親たる彼女こそが、あの双子を護る最も暖かな存在なのは間違いないけれど
決して、一人ではない事だけは、忘れぬ様にと。)
なぁに、此れが通常さ。 戦争前や従軍での仕事だともっと大変だしなァ。
(部隊からの整備依頼は定期的に入ってくる。
勿論、全ての部隊を一手に引き受けるには無理が在るから
他の鍛冶屋と担当分けはされているんだろうが
大丈夫さ、と、多少疲労混じりながらも笑って見せれば
女の掌の、己が体温よりも遥かに低い其の温度に
心地良さそうに双眸瞑って、ティーカップを皿へと乗せよう
もう少し、其の儘、と。 少しだけ、強請りながら)。
■テイア > 「本当に。そもそも動きに予想がつかないのが難しい…。
ああ、その点に関しては彼女たちを信頼している。頼れる先生たちだ。」
本当にシルキーたちがいてくれて良かったと心から思う。
幼子たちも、彼女たちによくなついていた。
子育てのこの字も知らない自分ひとりであったら、ノイローゼになってしまっていたかもしれない。
「過酷な仕事に対する耐性も、慣れもあるのだろうが本当に、無理はするなよ。」
おそらくは、男のことだから一つ一つ手を抜かず丁寧な仕事をするのだろう。
その分披露は蓄積していくのだろうと考えて。
大丈夫とはいうものの、その顔には疲労の色が見える。
額に当てた手はそのままに、反対の手でさらさらと、髪を梳くように撫で付けながら言葉を重ねる。
額の手を離すと、そっと両の頬を包み込んで己の額を男の額に合わせて。
■イーヴィア > 子供の興味ってェのは簡単に移るからな。 大人とは目線が違うんだ、仕方ないさ。
此れは真面目な話でな、子供が出来て部屋を改装する時には、地面に這い蹲って部屋の中を見上げるんだ
そうすると、子供の視線で何が移るのか、判るんだとさ。
(大人が部屋の中、這い蹲る姿は滑稽かも知れないが
けれど、そんな方法も在るのだと――此れは、建築家から昔聞いた話
それだけ、大人と子供では視点も目線も異なるのだから
予想が付かないのはマァ、当然といえば当然だろう
今は他の家事仕事をこなしているんだろうシルキー達にも
内心で、本心で、感謝を示しつつ。)
―――……無理でも無茶でもないさ。 部屋に戻って扉を開ければ
こうやって癒してくれる女が居るんだぜ? ……贅沢な位さ。
(苦労だとは思わない、勿論己が体力に任せている部分も無くはないが
この程度で根を上げていたら、他のドワーフたちに笑われてしまう、と。
――不意に、冷たい掌に両頬を包まれ、熱が奪われて行く感覚
額へと、押し当てられたのはきっと、女の額か
身体の内側に子守に篭った温度が、女の身体へと移されて行く其の心地良さに
思わず、全身の緊張を僅か解いて。 ――両腕を、女の腰へと。
適うなら、其の身体を――己が膝上へと、招いて、抱き締める為に)。
■テイア > 「寝返りが打てるようになったとたん、ころころ転がってな…。この間なんか、ベッドから転げ落ちそうになっていた。目線、なぁ…では、今度試してみるかな。」
同じものを見たら、何か分かるだろうかと真面目な顔をして後半は呟きに近く。
ベッドから落ちそうになったのが、双子のどちらなのか、というのは男に告げるまでもないだろう。
「そなたは欲がないな…。」
額同士をくっつけて、紫の瞳を見つめて、近しくなった距離で笑みを浮かべた。
言葉とは裏腹に、どこか嬉しそうな照れくさそうな、そんなはにかんだ笑みを。
熱い体温が、触れた肌から己の方に伝わってくる。
触れ合っていれば、その部分が溶け合うようにお互いの温もりが混ざり合っていくのが、体温の差が大きいほどよくわかった。
腰へと絡む両の腕に引き寄せられ、自然と男の膝の上にのる形となってより近しく、触れ合っていく。
■イーヴィア > ……其れは…アレだな、ベッドに柵でも作るか…。
まぁ、なんつーか…例えば子供に何が危ないとかってのは、そうすると良く判るんだと。
(実際、真面目な話では在る。 真面目な話では在るのだが…どちらかと言えば
女よりも、己が遣った方が良いのではないかと、思わなくも無い
今度俺が見に来るさ、と、何となく一言先に断って置こう
なお、ベッドから落ちそうに為ったのがどちらかは、直ぐに理解した模様)
―――……欲望渦巻いてるぜ? 鍛冶屋としての名誉って奴が、何よりも欲しくて堪らないしなァ。
……まぁ、でも…、……こんな、勿体無い位の女が傍に居るんだ、仕方ないと思うぜ?
(くつくつと、笑って示す、この腕の中に居る女の存在
もし己が無欲だと言うのならば、其れは間違い無く、女が居るからだ
そして、隣の部屋で穏やかに眠り、我が子が居るからだ
此の世で雄と言う生き物が果たしたいと願う欲望の、大多数は既に叶っている様な物
だから、己は――純粋に、己が腕を磨く事だけに、今までよりも更に邁進出来るのだ
己が膝上に女の体躯を招く事適えば、先ず一度、優しく抱き締める
体温を女へと分け与える様に、肌と肌を触れ合わせては
そっと瞳を開き、眼前に、間近に己を覗き込む女の鮮やかな二色の瞳を
静かに見詰めて…寄せる、唇。
口付けを重ね、そして、其の背筋を緩やかに、上下へ撫ぜ上げれば
―――ゆるりと、不意に腰を、柔く揺らしてみせるだろうか)。
■テイア > 「柵は必要かもしれないな。ただ…すぐに乗り越えるようになりそうだがな。ふむ…私が同じ目線になったところで、あまり分からなさそうだな…。」
明らかに尖ったりしているものなどは、危険だとはわかるだろうが正直自信はなかった。
男が今度見てくれるというのなら、そちらに任せたほうが確かだろうと、わかったと答えて。
「そういった方面の欲望は、向上心というのだよ。上を目指せばキリがないが、目指さなくなればそこまでだ。
…私のような女で良いといってくれるところが、欲がないというんだ…。」
自身を高みへと押し上げるのは、その向上心という欲だ。
女自身だって、今の自分の技術に満足しておらずもっともっとと貪欲に強くなることを求めている。
自分を卑下するわけではなくて、紡がれる言葉に女は照れてしまう。
けれど、嬉しくもあった。
だから、はにかんだ笑みを浮かべたままそんな言葉を紡いで。
「…ん…」
抱きしめられて、ふ、と安心したような吐息が漏れる。
閉じられていた紫が、その色を現して異なる彩の瞳と視線が絡み合う。
寄せられる唇、双方のそれが触れ合って。
未だ熱をもつ男の唇には、冷たく感じるであろう女の唇が重なり合い、次第に熱が伝播していく。
背筋をなで上げられ、ゆるく揺れる腰の動きに薄く瞳を開いて男の顔を見たか。
■イーヴィア > 別に良いさ、大した手間でもないし。 寝てる途中に転がり落ちたりしないだけでも安心だしな。
(例えば上から崩れ落ちて来そうな危険やら、床面近くの危険物やら
或いは危険じゃなくても、何か大事な物が低い所に在れば
其れだけで子供の玩具にされる可能性だって在る、大よそ其の辺り
其の位の手間なら惜しまない、何せ、父親なのだから)
上を目指さなく為ったらクリエイターは終わりだよ。
……しかし、御前はなんて言うか…、……自分は、もっと価値の在る存在なんだって、認識した方が良いと思うぜ?
(――寧ろ、そう認識していてくれないと、多少心配になってしまうのだ、男として。
まぁ、其れが女の素であり、飾らない部分が在るのは別に悪い事ばかりじゃない
ただ、少なくとも己にとって、孕ませて遣りたいと思う位には
愛してやりたいと思う位には、何よりも価値のある存在なのだとは
其れだけは、ちゃんときっぱり伝えて置こう。)
―――――………ほら…欲望塗れ、だろ?
(ふと、そんな事を戯れめいて女へと囁くだろう
無欲だ何てとんでもない、己が身は今だってこんな簡単に
肉欲を表して、女へ伝えんとしているのに
己が腰を跨ぐ形、女の胡座へと触れるだろう――熱
火に炙られ、鉄に焦がされた体温よりも更に熱い
猛る、肉杭の存在を、押し付けて見せれば
緩やかに、秘裂に添って、擦り付ける、か)。
■テイア > 「では、柵のほうも頼んでもいいか?」
物を作り出すのは、生業にしている事もあり男のほうが上手いだろう。
子供の視線になってみるのは、一緒にやってみるのも面白いかも知れないななどと考えて。
そうすれば、何が危険で、子供にとって気をつけなければならないものか学ぶことが出来る。
「それをいうなら、武人だって同じだよ。
…うん?…うーん…あまりピンとこないな…」
上を目指す事をやめるというのは、武人としても死んだも同然となってしまう。
そういった点では、やはり、男の性質と女の性質は似たところがあるのだろう。
もう少し、自分の価値を認識しろとの言葉に、少しきょとんとした顔で男の顔を見遣った。
暫し考えた後に出た言葉は、そんな言葉で。
けれど、全くの無価値だなんて言うつもりは今はない。
自分は無価値だと言ってしまえば、自分を選んでくれた男の想いを否定する事になるから。
「あまり、ピンとはこないが…そうやって価値を見出してくれるのは、とても嬉しいよ…イーヴィア…。」
きっぱりと伝えられる事に、綺麗な微笑みを浮かべて。
そこでふと、ある人物に言われたことが頭を過る。
決心はしたけれど、男にどう伝えようかと思っている事柄に繋がるだけに少しだけ迷ったが、口を開いた。
「…価値という話に関係するかは微妙なところなのだが…ある人物に指輪をした方がいいと言われたんだが…どう思う?」
またがる形で対面に座った、男の膝の上。
言葉とともに、布地ごしでもその熱さを伝えてくる熱塊の感触に苦笑が漏れる。
「…そなたは若いからな…」
無論、若くはない女にだって好きな男に抱かれたいという欲があることを最近知ったけれど。
擦りつけられるのに、ぴくっと足が床から微かに浮き上がり男の足を軽く挟む形で締め付けて。
■イーヴィア > 嗚呼、それは勿論。
(快諾だ、と言うより、例え頼まれなくとも勝手に作って持ち込んだだろう
また、其の内此方へと尋ねてくる用事が在った際には
例の子供目線を試してみる事と為るだろう。
勿論、その際に女が一緒に遣るというのなら、止めはしない
ただ、当然見た目は非常に愉快な事と為るだろうけれど)
武芸一通り極めてる相手が言うんじゃ、其の通りだろうなァ。
騎士として、戦士として、領主として――御前みたいな存在は、世には早々居ないよ
そう言う意味でも、例えられない位の価値がある。 ……勿論、女としても、母親としても、な。
(女が、自分に事を如何評価するかは判らない
けれど、少なくとも己にとっては、女程の輝きを放つ存在はそう居ない
納得はしないまでも、せめてそう考えている輩が殆どなのだと
何処かで意識してくれるだけで在り難い所で。
ふと、其の話の流れで女より紡がれた言葉に、一寸首を傾げれば
――一寸の後に、嗚呼、と、其の言わんとする所を、何となく理解して)
――――……御前が、俺との事を隠す心算が無いって言うんなら。
――――……用意、するぜ?
(――ひとつ、考えるべき事が在るとすれば。
己が存在と、我が子の存在を、女が世間に向けて公表するのか、否か
ただ、それ次第だと、己が考えを示しては――そっと、片掌を舞い上げて
女の左手薬指に、軽く輪を作るように指を絡めよう
そして、其の儘其の指先を、己が口元へと引き寄せれば
薬指へ、そっと口付けを触れさせて)。
■テイア > 「私などまだまだ極めているなどとは言えないさ。良くも悪くも晩成型だからな。たった60年ほどで極みという境地まで到達する人間に嫉妬すら抱く事がある。
…どの立場をとっても、まだまだ未熟だがな。とても無面映くはあるが…そなたに、そのように言ってもらえるのは嬉しい…。」
どうしても、自分の力不足な面にばかり目が行ってしまうから自身の評価はあまり高くはない故に、世間の評価とでは認識のズレが生じてしまう。
それでも、愛する者にこうやって認められるのはとても嬉しいのだと実感していて。
「あ、いや。男よけになると言われたんだが…その、それくらいは自分で用意するぞ?」
左手の薬指に、輪を作るように指を絡められてそっと口づけがなされる。
すると、そこから何かが走り抜けるように心臓がひとつ高鳴った。
少し頬を赤らめながらの言葉に、それが意味することをあまり分かっていないことが伝わるだろうか。
「…隠す心算、か…そのことをずっと考えていた。そなたとのこの関係は、決してやましいものではなくて、私はそなたと出会えたことを神に感謝したい。
以前、そなたは何者にも縛られはしないと言ったが…私との関係が、正式なものとなり、公となれば否応なくそなたを私の立場に巻き込んでしまうだろう。私の領主という立場、貴族という立場。くだらない柵、どす黒い貴族との付き合い…。」
隠さない、ということはそういう事だ。
言葉を探すように、視線を下げて言葉を発する。
本来自由であるはずの彼を、自分側の立場に引き込んでしまう。
それは、彼と成した子も同じことだ。
ずっと、言葉にして言えなかった事を男へと紡いでいく。
■イーヴィア > 必要なのは、今、此処に在る事、さ。 ――晩成型だろうが何だろうが、御前は生きる伝説なんだぜ?
御前に教えを請い、腕を磨いて認められたいって若者がどれだけ居るか
……其れも、評価、なんだぜ?
(武芸一点に絞ってみるなら、戦場を駆け、この王国の全てを見て来た女の存在其の物が
一種のシンボルといっても過言じゃない。
其の栄光を知り、其の勇姿を知り、其の偉業を伝え聞く者ならば
女の前に傅く者だって居るだろう。
其れが、御前の為して来た事の、結果なのだと、そう伝えては
寧ろ、己にとっての目標ですら在るのだと、笑って伝えよう)
―――――ん?
(ふと、僅か首を傾げた。
先刻まで己が想像していたのとは大分ズレた理由
一寸視線を天井に向け、うーん、と暫し思案重ねてから
再び女の瞳を見つめ――嗚呼、これは、本当にそうアドバイスされたんだなと
何の悪意もない純粋な瞳に、やれやれ、と、思わず微苦笑零して。
――暫し、其の後に続いた女の言葉に聞き入ろう。
実際、其れは己もずっと考えていた事だ、唯其れは自分の立場ではなく
あくまで、鍛冶屋である己が番であると公表する事で
女の立場に影響が出るのではないかと言う、その懸念
己が苦労なぞ全く持って厭わない、が、己が存在其の物が女の重荷に為るのは
それは考えなければ為らない事だから。
だから、又、少しばかり考えよう。 ただそれは迷いではなく
言葉を選ぶ為に。)
―――――……其の程度で、俺が怯むとでも?
面倒な貴族との付き合いなんざ、今までだって遣ってきたさ
それに鍛冶屋の俺にはくだらない謀略なんざ通用しない、なんせ平民だからなァ?
寧ろ、公に為るってんなら、御前が困った時、堂々とコッチから乗り込んで行けるって事だろ?
―――……なら、寧ろ望む所さ。
(其れが、己の結論だ。 己の意志だ。
控える必要もない、自分らしく思う儘に、我儘に
彼女こそが、己が女で在ると、高らかに宣言してみせよう
これから先、彼女と我が子の危機に、表立って駆けつける事の出来ない父親なぞ何の意味が在るか
ならば、初めからそんなものは宣言してしまえば良い
それは――在る意味で、此れから起こり得る全ての悪意に対する――宣戦布告の、様か)。
■テイア > 「師より、他者から受ける評価を正しく見極められるようになれ、と言われたがいつまでたっても苦手だな。そなたの、そして子供たちの目標であれるよう、胸を張っていられるよう…これからも精進する。」
師より自身を過小評価しすぎるのは、悪い癖だと指摘されたが未だに治っていないということか、と男の述べる自分の評価の大きさに思わず苦笑が浮かんでしまう。
けれど、目の前の男の言うことは、こそばゆさがあるもののすとんと自身の胸の中に落ちてくる不思議。
全てを認めるには、後悔が多すぎるけれど自身の評価を少しずつ見直そうと思わされて。
「いや、そなたなら怯むことはないとは思っていた…。それは、あのパーティーの場でも見ている。
…けれど、その…。嫌気がさしてしまうのではないかと思ってな。」
初めて会った祝賀会の夜。
その会場での彼を女は知っていた。だから、貴族との付き合いと聞いて怯むような人物でない事もわかっていた。
おそらくは、あの腐敗臭のしそうなどす黒い貴族たちの集まるあの会場で、彼が輝いて見えたのがきっかけ。
謀略の中で散った、名も顔も知らない者たちを悼んだ、イーヴィアという人物に惹かれた。
しかし、公に自分と結ばれれば、ああいう場にまたでなければならない機会があるかもしれない。
平民ということで、口さがない貴族の悪意の標的になるかもしれない。
もちろん、そんな事にはさせないつもりではあるが、保証はない。
そんな様々な事に嫌気がさしてしまうのではないかという危惧があった。
そしてなにより、自分のもとを去ってしまうのではないかという怯え。
こんな怯えを自分が抱くだなんて想像だにしていなかった。
きっと、自分は彼と出会うことで弱くなってしまったのだと思う。怯えつつも、彼ならば大丈夫だという甘えが微かにあるのが分かる。
「……本当に、そなたという人は…。その自信はどこからくるんだ…。」
宣戦布告のように言い切ってしまう彼に、安堵する自分がいる。
彼に降りかかるかもしれない悪意は、災厄といえるかもしれないのに。
なのに、その言葉が嬉しい。
いろんな想いが綯交ぜになって、困ったような笑みを浮かべてしまった。
■イーヴィア > カミサマに為れって言ってる訳じゃないさ。 ただ、御前が歩んだ道のりは、誇るべき物なんだぜ?
是非そうしてくれ、そうすれば、俺だって堂々としてられるからなァ?
(武芸者であり、求道者であるならば、自らを控えめに見るのも悪くはない
だが、彼女は既に其の域を超えている。 領主であり、数多の民を導く存在。
なら、余りに謙虚過ぎるのは、良くない事も在る筈だ…己は、そう思う。
まぁ、実際の所、彼女の中で自らの評価がどんな位置に落ち着くかはまだ判らない
其の辺りは、もう、これ以上己からも口を挟むべきではないだろうから
だから、きっと、最後に一言言い終えれば、其れ以上は告げぬ筈で。)
―――……まぁ、腹黒い奴らにゃ嫌気もさすだろうよ、何せ俺は自分に正直だし。
でもな、御前に嫌気がさすってのは…王都が引っ繰り返っても無いから、安心しろよ。
―――なぁ、テイア。 俺は、逃げも隠れもしないぜ?
(大事なのは、何か。 ――己が、己らしく在る事だ。
其れは例え何が在っても変わりはしない、例え其れが気に食わない貴族相手でも、だ
逆に、此れからも己は、言いたい事は言うだろう、そう言う性格なのだ
若しかしたら自らの振る舞いで多少敵を作る事に為るやも知れない、勿論気を付ける心算は在るが
ただ、一つ確かな事は、そんな事が何度在った所で、女の下から離れる理由には為らないと言う事
――何処か、怯えた少女の様にすら感じられる女の瞳に、双眸細めては
意思を、誓いとすべく、其の唇を奪うかに口付けを重ねて)