2016/03/18 のログ
ご案内:「ルミナスの森周辺」にハーディさんが現れました。
ハーディ > 月明かりに照らされた木々の間を縫って、四角い影がゆるゆると飛んでいく。
既に日はとっぷりと暮れており、暗闇の中は明かりも心もとない。
ときおり、カサリカサリと木の葉が舞い。
絨毯の乗り手は服や顔に纏わりつくそれらを振り払いながら、巧みに絨毯を操っていた。

(まずいな、森に入って結構時間たった。
これはひょっとして、もしかすると)

右手を伸ばし、縁をグイ、と持ち上げると、絨毯が毛先を震わせながら荒々しく波打ち、やがて空中に静止する。

(いかん、迷ったか?)

ゆっくりと四方を見回し、それから頭上の月を眺め、ため息を吐いた。

ハーディ > さて、ここへ来るまでに集めた話を思い出してみよう。

(九頭竜山脈の南に、希少な石が採れる広大な森がある。
ほとんど手つかずに近いその森は、珍しい獣、植物の宝庫でもあると。
通常の品もそうだが、魔術の媒介に使えそうなものもいくつかあると聞く。
これは一度見に言っておかねばな。そう思ってやってきたはいい)

月明かりを頼りに、山脈周辺の地図を広げる。方角は間違っていないはずだ。

(まずは領主に接触し、行商の許可を得る必要があったが。
……彼奴め、今度見かけたらただではおかんぞ)

森の案内を頼んだミレー族とは、いつの間にか逸れてしまっていた。
いや、正確には、森に差し掛かったあたりで置いてけぼりにされたというべきか。

「比較的簡単な仕事すらできんとは使えない奴め。
まったく、こんなことならば保険の一つでもつけておけばよかったわ」

“保険”とは、首輪その他もろもろの事であるが、
ぶつぶつ呟くも、後の祭りである。
さて、どうやってこの森を抜けようか……