2023/06/25 のログ
ご案内:「メグメール 自然地帯 森の洋館」にソアラさんが現れました。
■ソアラ > 『メグメール自然地帯 森の洋館/日中』
メグメール自然地帯の何処かに存在する洋館。
一度足を踏み込んだ者は容易に出ることは叶わない。
洋館には財宝が隠されていて見つけたモノはお金持ち。
洋館の主を満足させれば魔法の武具を授かる事が出来る。
噂は諸々あるのだが、事実は誰も知らない。
まだ陽光眩く、風は熱風には遠くでも暑さを十分含んだじっとりとした風、そんな中でも屋敷の庭にある東屋で熱々の紅茶と焼きたての菓子を堪能させられている少年が一人。
「こんな!暑い日!くらいは!アイスティーと冷たい果物とかないんですかねぇ!」
袖の長いシャツからは指先くらいしか出ていないが、そんな両手でドンッと白いアンティーク調のテーブルを思い切り叩き、不満を隠しもせずに口にすると最後にはため息を吐き出す。
――うーん、判らん。
何を持って妥協しているのか屋敷がナニを考えているかは判らないが、暑さ対策をしていることくらいは判る。
今急に足先が冷たくなったと思いテーブルの下をひょいと覗くと水の張った木桶があり、気がつけば足は木桶の中の水の中へと浸っていた。
ならアイスティーくらい妥協しても宜しいのでは?
そもそも何で自分はこの屋敷にいて、こうして毎日毎日ティータイムを楽しまされているのか、判らない。
そもそも自分が何者かもわからない。
判るのは屋敷に迷い込んだ人間を接待するとかお茶の相手をするとか屋敷を含めた敷地内にあるモノをひとつ渡す役目だという事だ。
稀に外に放り出されるときもあるが、その放り出されるタイミングも法則すらわからない。
だから今日もこうして熱々の紅茶を楽しむ。
誰かの手で謎が解決して屋敷を離れられるかするまでは。
誰かに憑いていけば離れられるかな?と思いはするのだが、そのチャンスもないし……。
■ソアラ > ■ソアラ > ぐるぐるぐる繰り返す。
長い針と短い針が何週しても繰り返す。
太陽が昇り、月が沈み、太陽が沈み、月が昇っても。
訪れる者がいない限り、誰かが迷い込まない限り、少年は永遠のティータイムを繰り返す。
「……いい加減紅茶と焼き菓子以外を口にいれてたいものだね。」
ゴーストの少年はティーカップを置くと代わりに焼き菓子を指先で摘みあげ、ポイと口に放り投げて、咀嚼する。
――…美味しいことは美味しいのだけど、それをずーっと食べ続けるのだから当然飽きもくる。
甘い焼き菓子の香りがするため息を大きく吐き出して、まあ、この境遇には笑うしかなかった。
極稀に屋敷の敷地から出る事ができるのだけど。
その出る事が出来る条件がさっぱりわからない。
だから繰り返されるティータイムを過ごすしかないのだ。
あー紅茶が美味しい…お菓子が美味しい。
少年の楽しげな声が庭に響く。
半ば自棄になってると聞こえなくも無い声が……。
ご案内:「メグメール 自然地帯 森の洋館」からソアラさんが去りました。