2023/05/29 のログ
■マルリーヌ > 「あぁ、いえ……」
気まずそうにする彼を見て、騎士団の現状――そこで、信頼し何かを相談できる人物になどそう会えるものではないだろう。
それはまた彼女も同様。愚痴る相手は学院からの友人ばかりだ。
なので髪を揺らしながら首を左右へと振った。それから苦笑してみせる。
「気になさらないで。私も……まあ、似たようなものですから」
――と、僅かに無言の時が流れるも、軽く肌を叩くような音で我に返ったように顔を上げた。
我に返ったとは言えない、酒で赤らんだ顔ではあったが。
「そ、そうですか? ありがと……って、流石にそれは言い過ぎですわ!
人を熊やトロルみたいに言わないでください」
少し子供じみた、口を尖らせるような仕草をして彼を少しばかり睨んだ。
■ケストレル > 「過程はどうあれ、今は無事に依頼を遂げた祝勝会っすもんね、じゃんじゃん食って飲んでパーッと行きましょパーッと!」
しんみりした空気を作ったのは自分、であればそれを払うのも自分の役目とばかりに声を上げて
既に相手の方が酒も料理も進んでいるが、それはそれと新たにジョッキを頼み
「こんな別嬪な熊やトロルが居たら逆に見てみたいってもんすよ
第一師団きっての美人分隊長サマ、本来ならこうして対面で食事なんて出来ない相手だってのに!」
誠に光栄至極に御座います、と恭しく一礼をする
彼女に関する話は真っ当な物から下世話な物まで、配属の違う師団にまで流れて来る
しかしこうして実物を前にすれば、大半は背びれ尾びれがついたものということが分かった。これも今回の収穫と言っていい、とケストレルは胸中で繰り返し頷いていた
■マルリーヌ > 「……そうですね。こんなに美味しいお酒なんですから。素直に楽しまないと失礼ですわ!」
彼が無理に盛り上げようとしてくれていることは、酒が回りつつある彼女でも気づくことが出来た。
ならばそれに乗らない方が無礼だろう。と、笑顔でジョッキを掲げるのだった。
「あ、ありがとう。ですが褒めていただいても、今回の依頼料は増えませんわよ? ふふっ」
――空のジョッキが増える。テーブルへと新たな料理が運ばれる。
そんな中で彼の大袈裟な一礼を前にしては、素直に照れたように少し目を細めて笑った。
「た、確かに……! 私と比べるのは兎も角、美人のトロルとか……いるのなら見てみたいですね!
凄くサラサラの髪……? セクシーな目元とか……」
思わず想像して、自分でくく、と笑ってしまう。
■ケストレル > 「そうそうそう、そうっすよね!
ほらほら、姐御も堅苦しい防具なんて脇に置いといて、もっと肩の力抜いて楽しみましょうや!」
うーん、と装備を外した解放感と共に大きく伸びをする
肩やら背中やらが警戒に音を立てて鳴ったけれど、酒で鈍った感覚では痛みも感じないから問題は無し
向かいに座る女騎士にも促しながら、ジョッキを傾けて酒を呷り
「こうやってご相伴に与って頂けただけで報酬は十分っすよ」
実際に現地で戦ったのは大半が彼女なのだからと理由から本音を溢しつつ
けどまあ、食事代の支払いで金銭的には赤字も良いとこだよな、と空になった皿が積み上げられて作られた山を見て思うケストレルである
「でっしょー? もう一周回って名物になりそうなもんスよそれ
どっかの物好きが捕獲の依頼を出して来たりしそう……絶対行かねーすけど」
ケラケラと笑いながら、対面で笑う女騎士を見て内心ほっと胸を撫で下ろす
変な空気は払拭出来ただろうか、と安堵するとともに改めて彼女の美しさに見惚れたり
■マルリーヌ > 「確かに少し暑くなってきましたし……ん、では失礼しますね」
派手に骨を鳴らす彼を見ては、釣られたように女も軽く肩を鳴らし。立ち上がった――
と、一瞬ふらついたが椅子の背もたれを掴み体勢を整え、深く息を吐いた。
鎧を固定していたベルトをパチパチ音を鳴らして外していき――やがて身軽になった。
「もう、ダメですよ。そんなことを言ったら……うちの騎士団なら本当に報酬を取り上げかねないんですから」
酒が入っていることもあって、冗談めかしながらも上機嫌に笑った。
普段は愚痴ることが多い彼女も、解放感と彼の声に気分は上がっている様子で。
パクパク、ゴクゴク。
額に汗を滲ませながら、酒も料理も楽しむ。白い肌は上気し、額に球の汗を浮かべいた。
「捕まえておくのも大変そうですしねぇ。もし依頼あったら、一緒に行きます? ふふっ」
目にかかった前髪を細い指先で戻す。――彼の視線に気が付き、酔いの見える翠の瞳を向けて小首を傾げた。
■ケストレル > 「どうぞどうぞ、むしろ先に身軽になっててスイマセンっつーか」
足下に置いた安物のブレストアーマーと違い、手入れの行き届いた女騎士の軽鎧
日頃身に着けていてはさぞや息が詰まり肩も凝る事だろうと思っていたけれど、鎧を外した彼女を見て改めてその考えが確信になる
こんな肢体を詰め込んでいては、さぞかし息が詰まり肩が凝る事だろう、と
「あはは……そうすねえ、どうせ団の為になるなら分隊長サマに貢ぐ方が気持ちが良い」
嘘か誠か、けれどうちの騎士団ならやりかねないなとすら思う内容を笑い合いながら交わし
上機嫌に飲食を続ける彼女に負けじと肉を頬張り酒を飲む
料理も美味いが肌を火照らせた美女が向かいに居るだけでも酒の肴には申し分ない、と目を細めて
「そっすねえ……そんなトンチキな依頼じゃなくとも姐御とまた出稼ぎしたいとこっすけどね! あ、戦い方とか学べるとこ多いからなーって意味で!」
他意はない、とは言い切れないけれど。此方へと小首を傾げ笑いかける彼女に顔を赤らめながら告げた
■マルリーヌ > 軽くなった肩を二・三度ほど緩く回した。楽になった胸元を上下させ、ふぅ、と息を吐く。
改めて席へと戻っては、新たなジョッキを呷る――
「いいですね。ケストレル殿とは相性――戦いやすかった気がしますし。
あ、今度、団の方で一緒に訓練してみませんか? 息を合わせやすくなるかも」
口元に泡を残しジョッキをテーブルに戻しながら、彼へと何度も頷いた。
いつからか――酔いのせいか、上品だった彼女の仕草は徐々に子供じみたものへと変わってきていた。
深く息を吐く回数も増している。
「んん~……何度も奢っていただくのは、好きでは……ありませんけど、
こんな美味しいお酒とご飯の……お誘いなら、歓迎しちゃいますよ? ちゃんと支払いもしますから」
金髪を揺らし、頭をゆらゆらとさせ始めていた。
■ケストレル > 武骨な鎧の下に隠されていたスタイルの良い体に俄かに気持ちも昂る
こちらも噂では聞き及んでいたものの、実物を見れば噂以上と評さざるを得ない、と小さくうっとりと嘆息を溢して
「いやいや、マリーの姐御が気い使って合わせてくれたからっすよぉ
え、団で……すか? それも良いっすけど、俺みたいな新人が別の師団の分隊長と、だなんて……どっか隠れて、ってなら良いんすけど」
周囲からの嫉みとかが凄そうだ、と思わず頬が引き攣る
口元に泡なんか残したまま告げる彼女のあまりにも無邪気な雰囲気に頷きそうになるが、先輩騎士たちから何をされたか知れたものじゃないと踏み止まって
それでも提案は断り難く、彼らの目につかない所でなら、とそっと条件を添えてみた
「今回は酒場っすけど……美味しい果実酒を売る店も詳しんすよ俺
姐御さえ良ければ今度お持ちしますんで、どっか静かなとこで楽しむとかも良いんじゃないっすかねー?」
彼女の様子からだいぶ酔いが回ってると判断し、此方も酒気に浮かれた頭で提案する
断られれたらそれはそれで、と愉しそうに目を細めて彼女を見つめ
■マルリーヌ > 「いえいえいえ、私は普段通りに……戦っただけです、わぁ。
もしケストレル、どのが、何も意識してなかったのなら……それはそれで驚きです」
彼と似たような想像をして、一つため息。呂律が回らなくなりつつ、酔っぱらいが考えをそのまま口に出す。
「ああ……そう、ですね。表立って……他の師団の方、個人との訓練だと……何を噂されるか」
男を一人呼び寄せての訓練――下種な勘繰りを入れるだろう上司や同僚を思い出し、
同時に彼らが目の前の男に何かしでかすだろうとすぐに思い至り、酒がまずくなりそうだった。
「――え? あら、そうなんですか? 私、実は……! 果実酒も好きなんです!
すぐに案内してくださるんですか? ……あ、また今度です?」
まあ酒なら大体何でも好きなのだが。酒のテンションでそう言い、女は手を合わせた。
■ケストレル > 「じゃあやっぱり相性……お互いの感性が近かったって事ですかね
第一師団の分隊長を務める才媛と相性が良いなんて恐れ多過ぎて参っちゃいますね」
あはは、と気楽に笑いながらも内心では『じゃあ次は体の相性でも』なんて下衆な考えが過ぎる
いかんいかん、と首を振って邪な考えを追い払い
「なので隠れて、っす。 冒険者たちが使う訓練場とか、郊外に出れば自然に出来上がった特訓場とかあるんで、姐御の都合に合わせて行く感じでどでしょ?」
人目を忍べばそれはそれで背徳的な雰囲気が出るだろうと思うもののそっと胸に秘め
日頃自分が行う鍛錬場でも紹介しようかと考えながら
「っすよねえ、お酒好きそうな飲みっぷりっすもん。俺も好きなんすよぉ。ふわっとした酒の香りの中に瑞々しさの詰まったたわわな果実感……というか
また今度にしましょうや、酒屋さんもそろそろ店閉めてる時間でしょーし 今日のとこは姐御のお部屋に案内して貰えません? そしたら持って行きますよ、とっておきのやつ」
果実酒について語っているのか目の前の女騎士について語ってるのか自分でも分からなくなりながら
ひとまず良い感じに酔っぱらって来たし、と一度席を立って会計に向かって
■マルリーヌ > 「……それとも、ケストレルどのにそういう才能があったの……かも」
少々神妙な顔でそう言ってから、なぁんて、と目を細めた。男女、顔を合わせて笑う。
その笑顔のまま彼の提案に快く頷いた。先から彼が度々抱く邪な考えに全く気付かぬままで。
「あぁ……想像してしまいました。あの香り……楽しみにさせてもらっちゃいますよー?」
無邪気な子供のように鼻を鳴らし、彼へと頷きかけた。
果実酒に思考を完全に支配されながらも、彼に続いて席を立って。
一瞬ふらついたものの、ぼーっとしたまま彼に会計を任せてしまい。やがて冒険者の酒場から二人、姿を消したのだろう――
■ケストレル > 「いやまあ、そうだとしたらちょっと複雑なんすけどねー……」
今まで人の顔色ばかり窺っていたが故の才だろうか、なんて思えば折角浮ついていた気持ちが沈みかける
いかんいかん、と消沈する前に気持ちを引揚げるべく、飲食を楽しむ女騎士の肢体を盗み見る。ぎゅーん、と自分でも思ってる以上に気分がぶちアガった。単純
「もちろんですとも、バッチリ楽しみにしてて下さいな。 ついでに良い肴になりそうなものも探しときますよ」
飲んで食ってと満足した足取りで支払いを終えて戻れば、ふらふらと微かに揺れながら待つ彼女の姿があって
下心よりも先に心配の方が立ち、時折ふらつく彼女を支えながら店を後にしたのだった―――
ご案内:「冒険者の酒場」からマルリーヌさんが去りました。
ご案内:「冒険者の酒場」からケストレルさんが去りました。