2023/04/01 のログ
ご案内:「王都街壁外 天幕宿」にキルシュナさんが現れました。
■キルシュナ > 西日の残照が夜の紺碧に塗りつぶされつつある王都街壁外の大門前広場。
その広場の目立つ場所、閉門までに王都に辿り着く事が適わず、聳え立つ街壁を前にもう一晩の野営を余儀なくされた旅人を呑み込む巨大な天幕が設営されていた。
扁平な円柱の壁上に、のっぺりとした三角錐の布屋根を被せたその天幕は、遊牧民の住居であるゲルテントを更に大きく立派にした物。
タープで宿帳に名を記した客は、貨幣と共に脱いだ履物を係員に手渡し、すのこの上に毛皮の絨毯が敷かれた天幕内の適当な場所で他の利用者と共に雑魚寝するというスタイルの簡易宿である。
それでも直接地べたに横になる事と比べればよっぽど快適で、今宵は王都のまともなベッドで休めると考えていた旅人は少しでもマシな環境で眠りたいという欲求に負けて少なからぬ貨幣を支払うのだ。
ほぼほぼ男ばかりの大天幕。
そのむくつけき人いきれの中、入口布を捲った新たな客の姿に目を向けた男達は思わず目を剥き息を呑む。
褐色肌と金瞳のエキゾチックなその人物は、たわわに実った爆乳と、それに劣らぬ豊満な肉付きの尻太腿もいやらしい若い娘だったからだ。
しかも、物怖じもせずベージュの唇をにんまりと笑み歪ませた美貌の頭頂にぴくつく三角耳や、むちむちの尻後ろにて揺れる黒の長尾も堂々と見せつけるミレー族。
王都においてこの猫人族は奴隷同然の扱いを受けている事で有名であり、普通に考えれば肉便器のデリバリーサービスとも言えるカモネギな暴挙であった。
■キルシュナ > しかし、柑橘めいて甘酸っぱい食べごろ娘の雌フェロモンを振りまき進む黒猫の歩みは、誰に止められる事もなく天幕奥の空いた場所へとたどり着く。
旅人らしからぬその服装や清潔感のある髪肌、そして手荷物の一つも持たぬ出で立ちに疑問を抱いた者が何人いたか。
事実この猫、王都に立派な家を持ち、なんなら貴族街の一等宿に死ぬまで宿泊できる程の金も持っている。そんな猫娘がわざわざ夕刻の壁外に出て、こんなむさくるしい場所で一夜を過ごそうと考えたのには当然、それなりの理由があった。
「うひひひひひっ♥ 長旅で溜め込んだ肉欲むんむんの目でむっちゃ見られとる♥ こない場所で夜這いされて、必死で声を殺して耐えながらもウチのおちんぽ様でどーしようもなく気持ち良ぉなってまう美少女ちゃん………た、堪らん……っ♥♥」
それは、今宵ここに可愛らしい旅人ちゃんが宿泊するという天啓を得て、背徳的に声を殺したふたなり夜這いセックスを愉しもうという真にしょーもない理由であった。
月1くらいの頻度で淫乱猫の白痴脳に下されるこの"天啓"。
当たるも八卦当たらぬも八卦といういい加減な物なのだが、さて、此度のそれは的中するのか―――。
ご案内:「王都街壁外 天幕宿」にシルスフィーネさんが現れました。
■シルスフィーネ > 夕日が地平線に沈み込んで、しばらくの後
すっかり暗くなった街道沿いをひとりの少女が歩いてくる。
いくら整備された街道とはいえ、夜に少女がひとりで歩くには危険すぎるもの。
もちろん当の本人もそのことは理解していたのだけれど。
「はぁ……無理して歩いてきたのに……門限を失念してました。」
ピタリと閉じた巨大な扉は翌朝までは開かない。
せっかく今日は柔らかいベッドで寝られると思っていただけに、ショックも大きい。
街の目の前で野営をするという虚しさに耐えきれず、旅人向けに作られた天幕へと脚を向けた。
「お邪魔しますね……?」
正規の料金を払って、天幕の入り口を潜る。
本音を言えば、もう少し清潔な場所で寝たかった。
けれども、ここまで来るのでクタクタで。
多少のむさ苦しさは我慢するほかないと妥協する。
旅人たちでごった返す天幕の中で、空いた場所はないかと見回して。
■キルシュナ > ざわ…っ。
褐色肌の猫娘に絡みつくような淫視を向けていた男性客の一部、入り口付近に陣取った者たちが不意のどよめきを伝播させる。
怪訝そうな目を向けた者達もまた動きを止め
「――――おほっ♥ 来た来た、ウチの勘もまだまだ捨てたもんやないなぁ♥」
最終的には最奥の空白に座した猫娘も含めた全ての利用者が、新たな宿泊客の小躯に目を向けていた。
隠そうとも隠し切れぬむらむらとした肉欲を孕んだいくつもの視線。
その何とも居心地の悪い注目の中、褐色肌のはっきりと目立つ猫娘の存在は、この場で唯一の同性という事もあり安堵の気持ちを少女の胸に抱かせる事だろう。
実のところは粘着質な糸を張り巡らせて獲物を待つ捕食者に他ならないのだけれども。
そんな金眼のプレデターは少女の蒼瞳がこちらを向いた際、爆乳の奥に秘めたでろんでろんの性欲を見事に隠した笑顔を浮かべ、同性の好で仲良くしようとでも言うかの人当たりの良い手招きで彼女を呼んだ。
■シルスフィーネ > 天幕の中は、男性ばかり。
それも、どちらかと言えば粗野なタイプが多いように見える。
こちらへと向けられる無遠慮な視線が、何よりもそれを物語っている。
只人だから、男性だから、というだけで差別するつもりはないものの、
舐めるように向けられるその視線には辟易してしまう。
「良かった……」
そんな中で、同性の存在を認めると、明らかにほっとしたように表情を緩め。
手招きされれば、これ幸いにとそちらの方へと歩み寄り。
「こんばんは。隣、お邪魔してもよろしいですか?」
猫耳を持つ褐色肌のその女性は、佇まいからして冒険者なのだろう。
それにしては小ざっぱりとしてはいるけれど。
ぺこりと頭を下げてお近づきのご挨拶。
牡の群れの中に、女性が二人も並べば、否応なしに視線を釘付けにしてしまう。
それは分かってはいたけれど、ひとりでその視線に耐えるよりは遥かにマシだと思え。
■キルシュナ > 男ばかりの心細さの中、唯一の同性との出会いに心底の安堵を覚えて綻ぶ童顔は大層愛らしい。心の中のおちんぽ様がびくんびくんっと準備運動を始めていた。
「おうおう、長旅お疲れ様やったねぇ。もちろんOKやで。周りはむさいオッサンばっかりやし、女の子同士仲良ぉしようや♥ ほれ、お近づきの印にまずはぐいっと♪」
控えめな問いかけに鷹揚に答えた猫娘は、傍らに腰を下ろす小躯を金眼で眺めつつ褐色の繊手をずぼっと虚空に突き入れる。
そうしてそこから取り出したのはガラスのグラスに並々と注がれたミルク―――と見紛う白濁。ここに来る前に一発抜いて、時間経過の無い亜空間ストレージにて湯気立つ体温も残した搾りたてザーメンであった。
熟達のイカサマ師にも負けぬ手管でさり気なく金眼の煌めきで施した認識阻害は、むわぁ…っと立ち上る強烈な栗花臭もでろりと粘つく濃厚さも誤魔化して、その淫液を美味しそうな牛乳として少女に認識させるだろう。
周囲の男達には瞳術も施していないので、ザーメン臭も濃厚な特性ドリンクの登場にぎょっと目を剥いているのだけれど、褐色猫は知らん顔。
さも善意ですよと言わんばかりの笑みで八重歯を覗かせ、おちゃめな悪戯というレベルでは収まらぬ猥褻行為で出会いを彩ろうとする。
■シルスフィーネ > 女性はどうやら親しみやすい性格らしい。
労いの言葉とともに、虚空から差し出されたのは、旅の最中では貴重な硝子のグラスで。
それを受け取ると、毛皮の絨毯の上にぺたんと座り。
「ありがとうございます。
……思ったよりも遅くなってしまって。いただきますね。」
ホットミルクだろうそれへと口をつける。
夜ともなるとまだ冷える季節だから、温かいものがありがたい。
ねっとりとした口当たりは、野生の牛のものだろうか。
やや喉に引っ掛かるけれど、旅路を終えてようやく落ち着いたところで喉も乾いていて。
「…んく……はぁ……独特な風味ですけど、美味しいです。」
半分ほど飲み干して、息を吐く。
周囲の男たちの様子が、どことなくおかしい。
訝し気に首を捻るものの、その原因が分からない。
女性が使った空間収納の魔法が珍しかったのだろうかと不思議そうにしながら、唇についたミルクの跡を拭って。
■キルシュナ > 『お、おい……あれ……』『ザ、ザーメンだよな……?』『マジかよ、あんな可愛い子がごくごくって……』
そんな声を潜めて交わされるざわめきもエルフの長耳は捉えるだろうが、濃厚で甘いとさえ感じられるミルクを飲み干した彼女からすれば何をどう勘違いすればそのような認識になるのだろうと不思議で仕方のない事だろう。
まあ、実際に彼女が飲み干して、今なおその可憐な口腔にへばりついているのは所々にダマを作る、液体といよりも潰したプディングめいた半固形のゲル状粘液。
舌と言わず口腔粘膜と言わず絡みつき、嚥下したとて焦らすかの如く遅々とした動きでしか食道を降りて行かぬ子種の塊は、長旅で乾いた喉からすればくっそ不味い飲み物だろう。
しかし、認識阻害で脳みそを弄られたエルフ少女には、欲していた栄養を惜しみなく与えてくれる甘露の如く感じられるソレ。お代わりがあるなら是非欲しいなんてはしたない想いすら抱くだろう。
「にゅふふふ♥ せやろせやろ、なんつーたかて搾りたてのほっかほかやからねぇ♥ しかも濃厚で癖になる味わいが評判になる逸品や、しっかり味わうとええよ♥」
金眼の奥に倒錯的な興奮を渦巻かせ、にんまり笑顔を深めてしれっと言う猫娘。無垢そのもののきょとん顔で、ぬるぅ…っと桜唇を穢す白濁を拭う白指と、そこに張る淫糸には思わずごくんと喉が鳴る。ぶっちゃけ今すぐ犯したい♥
そしてこのホットミルク。
キルシュナの体液はそのことごとくが媚毒効果を有するのだが、その中でもザーメンのそれは特に色濃く女体を冒す。
今回のそれは即効性は無いものの、じくじくじわじわ時間を掛けて神経中枢を浸食し、発情期の獣人にも似たムラつきを膨らませていくという悪辣な代物である。
その効果が最大限に昂るのは、この時から数時間後。
今は灯されているランタンの明かりが全て落とされ、旅人たちが眠りに落ちる頃合いである。
――――という事で、良好な滑り出しから互いに名を告げ、当たり障りのない会話(「フィーネちゃんは週何回くらいオナっとんの? 後、クリ派? 中派? あ、ひょっとしてアナル好きやったりするん?♥」「んで、フィーネちゃん、処女みたいな可愛らし顔しとるけど、何人くらいとヤッたん?♥」)を交わした後の夜である。
天幕の布を貫き差し込む月光のみを光源とした暗がりと、時折聞こえるしわぶき以外は音の耐えた静寂の中、ザーメン媚毒ががっつり脳内に回ったエルフ少女はどのような有様となっているのか。
■シルスフィーネ > ねっとり絡みつくそれは、冷静に考えればミルクとは違うもの。
けれども、どうしたわけか、舌先に感じる味覚は、とても美味しいと判じてしまう。
残った半分も、グラスを傾けると、コクコクと飲み干していき。
「ん、んっ……けほ……
絞りたてだったんですね、山羊とも違う感じだし、初めての味です。」
咽喉に絡むそれを、どうにか飲み干して。
初めて会った見ず知らずのこちらに、貴重な飲み物を分けてくれた相手に感謝して。
長旅の荷物を軽く整理すれば、ケープだけを脱いだ格好で寝床につくことになる。
その前に交わされた会話には、当たり障りない答えを返すのだけれど。
親切にしてくれた相手を邪険に扱うわけにもいかず。
あけすけなそれには、尖った耳を赤く染めてしまいながら、どうにかその追求から逃れ。
「……はぁ……はふ……んっ………」
天幕の中で酒盛りをするような輩もおらず、静かに寝静まった中。
薄い毛布にくるまった少女は、身体の奥に燻ぶる熱に浮かされていた。
ともすれば、こんな場所でひとり慰めてしまいそうになるのを必死に耐え。
こんな風になってしまっているのは、先程の会話が原因だろうか。
静寂の中に、少女の吐息ばかりが大きく聞こえてしまいそうで、口元を手で覆っていて。
■キルシュナ > 「ほほぉう、初めて……♥ せやったらウチ、意図せずフィーネちゃんの初めてを奪ってもうたんやねぇ♥ そらホンマ光栄やなぁ♥♥」
彼女の言から飲精が初めてであるとイメージしたエロ猫は、ちんぽなど咥えた事もないエルフ少女の可憐な唇が、その胃の腑に至るまで己の子種で穢されたという倒錯にぶるる…っと猫尾を震え上がらせる。
旅人として常識的な格好で薄手のブランケットをかぶった彼女に対し、こちらは惜しげもなく―――どころか周囲の男達に見せつけ煽るかの様にブラを外し、ホットパンツを脱ぎ捨てて、結びを解いた白ブラウスとTバックの紐ショーツだけという煽情的な格好で寝転がった。
そうしてエルフ少女と顔を突き合わせつつ交わす猥談。
見るからに初々しい彼女が美少女顔を真っ赤に染めて、しどろもどろに言葉を濁す様子はエロ猫的にはドストライク。『こいつ、後でめためたにザーメン注ぎまくったるからな!♥』という決意を胸に夜を待ち―――。
…………え、エロい♥
小躯を丸め、その下腹に渦巻く異様な淫熱に秘めやかな吐息を漏らすエルフ少女の悩ましさは思っていた以上にヤバかった。
あちらがオナニーを我慢しているのなら、こちらの猫は即ハメ衝動を必死に抑え込み
「――――眠れへんの?」
まずはそんな小声を少女に向けた。
声音を抑えた囁き故に、常以上に掠れて艶っぽいハスキーボイスは、長耳の鼓膜にまで影響を及ぼす媚毒でぞくぞくと彼女の耳朶を震わせよう。
その様子を横臥によって鏡餅状態で拉げた爆乳の乳谷を大胆にはだけたブラウスの襟ぐりから覗かせた猫娘の、夜闇に爛々と輝いて見える金眼が見つめている。
ウィスパーボイスの声掛けは流石に離れた場所までは届かぬだろうが、猫の金眼に追い返されぬぎりぎりの距離に陣取った男達は、全身を耳にしたかの如く前のめりに意識を向けていた。
■シルスフィーネ > 寝る前の会話もそうだけれど、同性であっても目のやり場に困る肢体も、今のこの状態の一因だったのかもしれない。
切なく、荒い吐息をどうにか落ち着かせようと、深呼吸を繰り返すものの、
身体の――下半身の奥に根付いた熱の塊は、消える様子はない。
こういう時にどうすれば良いかという知識はもちろん、経験もあるにはある。
ただ、場所が場所だけに、そんなことをすれば、周囲の男どもが襲ってきてしまう展開は火を見るよりも明らか。
ぷるんとした唇をきゅっと噛みしめて、もどかしさに耐え。
「はぁ……はぁ……
――ふぁっ……!? き、キルシュナさん、起きて……」
耳に届くハスキーな声
何故だか分からないけれど、その声にぞくぞくと身体が震えてしまう。
襲ってきた快感の波をどうにかやり過ごしてから、震える声音で問いかける。
まさか、こちらの痴態がバレてしまっていたのであないかと怯えた表情を浮かべる。
一瞬だけ、その声をもっと耳元で聴かせて欲しいと思ってしまったのを振り払い。
■キルシュナ > 不意打ちの問いかけにビクンと震える小躯の反応。
『あ、コイツ、もう少しでオナり始めるトコやったな?♥』などと考えニヤニヤしつつ、そんな内心をおくびにも出さずにしれっと続ける囁きは
「くふふっ♥ まぁ、しゃあないよねぇ。周りの連中、気付かれてへん思っとるやろけど、ウチらにむっちゃ聞き耳立てとんの丸わかりやし、下手に寝ようもんなら一斉に襲われてぐっちゃぐちゃにマワされたかておかしくない状況やもんね♥」
彼女の危機意識を想起させる様でいて、その実この暗がりに息を潜めるオス共に寄ってたかって輪姦される自身の姿を、ザーメン媚毒でぐつぐつに淫欲を煮え立たせたエルフの脳に思い描かせるための言葉。
「せやけど安心してえぇよ。ウチ、こう見えてむっちゃ強いし、フィーネちゃんの事はちゃぁんと守ったるわ、んちゅ♪」
囁きながらもぞりと身を寄せ、男達の体臭に満ちた空気に柑橘の爽匂を香らせながら淫熱を帯びる少女の白頬をバードキスで震わせる。
スキンシップの行き過ぎた気さくなお姉さんが、怯える少女を安心させるために施す戯れのキス―――に見せかけて、爆乳が少女の美乳に触れる程の距離で感じさせる他者の体温と、頬に触れる唇の感触で、暴走しつつあるその劣情を煽るための動きである。
戯れのキスを終え「くふっ♥」と大口の橋を吊り上げる猫娘の、間近に見れば恐ろしいまでに整った美貌。その目元を飾るハートマークの入れ墨が、何かの暗示めいて少女の淫欲を掻き回す。
「なんやウチに出来る事ある? フィーネちゃんが安心して眠れるように、ウチ、"なぁんでも"シたるつもりやでぇ?♥」
今や互いの鼻先が触れ合う程の距離で交わされる内緒話。
それは閨にて紡がれる恋人同士の睦言にも似てエルフ耳を撫で擽る。
美貌の猫が紡ぐ"なぁんでも"という言葉が媚毒塗れの脳に浮かばせるのは、ふたなり猫の巨根をしこしこしつつ、己の肉孔も猫の繊指で掻き回される淫靡な光景。
そうしてぐちょぐちょに解された雌孔に、手コキで泡立つ先走りも猥褻な巨根がずにゅるぅぅぅうんっ♥ と潜り込んでくるメスの充実。
そんな妄想が湧いて出たのは、爆乳の衝立の下にてひっそりと発動させた淫術が、ずろろろろぉぉお……っと下腹から引きずり出すびっきびきにいきり勃つふたなり巨根が放つオスの精臭とちかちかする金瞳のせい。
■シルスフィーネ > 「え……?」
相手の言葉に、周囲へと耳を澄ますと確かに、息を潜める様子が聞き取れる。
自身の余裕のなさに今まで気づいていなかったという事実に、耳の先まで真っ赤に染まる。
そして、彼女が言うように、凌辱されてしまう様を想像してしまい。
「嫌……そ、そんなの……」
怯えに身体を固くする。
魔法を使えば蹴散らせられなくはないだろう。
それでも本能的に雄の群れが襲い掛かってくるというのは恐怖でしかない。
それなのに、身体の奥がきゅんと切なく疼いてしまって。
「あ……キルシュナさん……んっ……」
どことなく柑橘めいた香りに包まれる。
気付いたら頬にキスされていて。胸元に押し当てられる張りのある膨らみの感覚に、もぞもぞと身体を動かして。
「や……ぁ……キルシュナさん……」
ハスキーな声で名前を呼ばれると、ゾクッとしてしまう。
脳裏に浮かんだ妄想は、あり得ないもの。
それは鼻先にリアルな匂いまで感じてしまうほど。
そんな状態に身体は覿面に反応して、それを欲してしまって。
「はぁ、はぁ………ちょ、ちょっとだけ……ぎゅって、抱いて……もらって、いい……ですか?」
周囲の男たちの視線から隠れるように。
ボリュームのある胸の弾力に包まれるように。
人肌の温もりを感じるように。
相手の、その金の瞳から目を逸らせないままに、消え入るような囁き声で、お願いを口にして。
ご案内:「王都街壁外 天幕宿」からキルシュナさんが去りました。
■シルスフィーネ > (中断)
ご案内:「王都街壁外 天幕宿」からシルスフィーネさんが去りました。
ご案内:「城塞都市 アスピダ 雨中の場」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
■メイラ・ダンタリオ > ◆
城塞都市アスピダ 城門よりやや離れた山中にて
天候は雨天 時刻は昼過ぎ 場は、苛烈。
―――っ!!
―――っ!!
―――っ!?
桃色の花が咲くころに降り注ぐ雨の連続
花を散らし続け茶褐色の泥の中で散る花弁はもはや汚らしく散らかっているだけで雅さの欠片も無い
それも終わったかと思えばまた降り注ぐ出来事だった。
山中の足場 濡れた地面 山賊盗賊らはこの九つの頭の竜を冠する山に慣れた領域と化している。
貴族であるだけの騎士のように泥に塗れることを嫌うものほど、襤褸布に紛れた盗賊の一撃を回避できず
雨の中足場が悪く踏み込みがおろそかな者ほど一撃に対応しきれず転倒する。
クシフォス・ガウルスの指示か盗賊らの慣れた場による士気の高さか
弱い者ほど 腐れ貴族ほどに対応できない。
他の者に任せてふんぞり返るだけの者ほど、その身なりの良さから鎧もマントも武器も
全てが金に見えていることだろうか。
そしてそんな騎士を守る者も少ない。
覚えを良くし、出世を企てるような似た者同士の格下だけだ。
だがそれらもまた、同じ末路を辿る。
活躍をするのは このアスピダ戦に通いなれた一律一定の戦士のみ。
「―――■■■■■■ッッ!!」
声なき声 吠え 裂帛
雨の中勢いづいて出てきた賊の徒党に最も挑みかかるのは、メイラ・ダンタリオを含める
このアスピダで未だ中に入り込めずにいる鬱憤の溜まった者達。
行儀よく騎士と騎士の決闘などはない
遠くからの弩 礫 なんでもありにして見せるそれは卑怯者と言わせる気すらない。
長槍の一撃を、投擲にて5人まとめて肉串にしてやった後
腰に備える長巻直しを抜き放って近接戦闘を続けるメイラは、獣のように鎧とマントを棚引かせ
黒い奔流のように斬りつけ続けていた。
脇 腿 首 手首 一撃一撃で弱めた後に続くのは後ろから続く流れ。
押し変えそうと向こう側の放つ一撃、受け止めるように横に寝かせた刃で受ければ
拾い物の騎士兜やヘッドギアの相手に、五指を握りしめて上下の前歯を全て折るような陥没の殴打を放つ。
吠える声、勢いが、同士討ちすら無くす。
身なりや色ではなく 声と勢いが判別させていく。
「―――ジャアッ!!」
大脇差と刀の中間ほどしかない刃を手に、片腕に放つ蹴りは、横合いからくの字に賊を飛ばす。
雨がより一層、撃による突き放しを続けて斬殴一体を続けさせている。
「クシフォオオオオスッ!!」
「クシフォス・ガウルスゥゥッ!!!!」
メイラは、居るかどうかもわからない首魁を探しながら、雨で冷えた体から湧き上がるアドレナリン
それを消費させてあらんばかりの声を上げて、有象無象を掃う。
アスピダに この声 届いているのだろうか。