2023/01/08 のログ
ご案内:「平民地区の図書館」にカジャさんが現れました。
カジャ > 曰くそれはヘビである。
曰くそれはケモノである。
曰くそれは生物であり、誰かは言った呪詛であると。

平民地区に建てられた幾つもある図書館のひとつ。
本の揃えも一般的な本から絵本までと誰もが一度は手にした事がある本が並ぶそんな図書館に不穏な影がひとつ。

比ゆ的な表現に非ず実際に不穏な『影』なのだ。
図書館の奥に、誰も利用しないような書架の影に、それは突如起きるのだ。

ゆらん、くわん、と物『陰』が湖面の如く波を打ち。
ぬちゃり、ずちゃりと、何かが這い出すような重々しい音。
明りを照らせば見えるか影が蠢く姿が。

――現れたのは呪詛、這い出したのはヘビの鱗が生えた水棲生物である蛸。

粘り気のある液体をまとい、複数有る長い足を図書館の床に引っ掛けて、影の中から這いずりだしては姿を現し、おおよそ正常な水棲生物とは違った見たものが爬虫類を想像させる歪な真っ赤な瞳で周囲の様子を伺っている。

カジャ > ヘビの鱗一枚一枚の隙間から粘液が溢れている。
図書館の天井から吊るされたオイルランプの橙色の光は天敵ではないが苦手なようで、影から這いずりでた呪詛の塊はヘビの鱗が生えたタコに似た呪詛は直ぐに物陰に隠れて、僅かな明りでも避けようとする様子を見せる。

しかし、影に沈み込んだり、図書館より姿を消す様子は今のところはない。

アレはアレなりに図書館に来た目的が有り、目的を果たすために動き続けるのを止めないだろう。

――目的は雌である。
ニンゲン、エルフ、魔族、ミレー族、竜でも鬼でも狐でも、子を産むための身体を持ち、その身に魔力を宿していれば良し、欲を言うのならそれは清浄な魔力を宿し、高い知性を持ち合わせていれば、子を産ませ、それを得る為に更に良し。

もし、此処で見つかれば貪った後に影の世界へ、巣へと引きずり込もう、それはそうするために蠢く、図書館の中を静かに影から影を光を避けながら。

しかし図書館に入り込んでくる者がいないと判断すると、それは姿を現したときとは逆に影に足先から沈みこむととぷんと音をたてて影の中へと姿を消すのだった。

ご案内:「平民地区の図書館」からカジャさんが去りました。