2022/11/05 のログ
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」にエレイさんが現れました。
エレイ > ──温泉旅籠内の、主に宿泊客向けに用意されたサービスの一つが、このマッサージ室である。

その施術室はいくつかの個室に分かれており、客は専用のカウンターで受付を済ませた後、各個室で待機しているスタッフと
一対一でマッサージを受けることになる。

なお、客にどのような施術を行うかは、スタッフの判断にすべて委ねる、というあたりはこの旅籠らしいといった所。
ついでに、各個室内には客に安心感を与え、施術への抵抗感を知らず知らずのうちに薄れさせてゆく効果を持った、
ほのかな香りのアロマが炊かれていたりもする。効果がどれほど出るかはその客次第なのだが。

その中の一室に、腕をぐりぐりと回しながら入ってくるのはスタッフ用の作務衣に身を包んだの金髪の男。
照明の点灯ややアロマ噴霧器の起動など、手慣れた様子で客を受け入れるための準備を進めてゆく姿は、
すっかりスタッフの一員そのものだった。
これで良いのか俺? という疑問が脳裏を掠めたりもしたが、考えるだけ無駄なのですぐに捨て置いた。

「──よっし。じゃー今日も頑張るとしますか……おおっと早速来たようだな。
やあやあようこそお客サンッ」

準備を済ませ、気合を入れたところでさっそく背後のカーテンが開く音が響き。
男はひょいっと軽快な動作で振り返ると、いつものように笑顔で出迎えた。
はてさて、そこに現れたのはその日最初のマッサージ客なのか、それとも……。