2022/05/07 のログ
ご案内:「貴族の邸宅」にメレクさんが現れました。
■メレク > 王都の貴族邸宅にて行なわれる仮面舞踏会。
普段よりも照明を落とした薄暗いホールには管弦楽団による艶やかな音楽が鳴り響き、
華やかなドレスで着飾った男女が肌が触れ合う程に身体を近付け、会話や舞踏に興じている。
彼等は皆、一様に仮面を付けており、己の素性が何者であるのかを分からなくしていた。
表向きにはやんごとなき者達の社交の場である夜会。
しかし、その実は有閑貴族達が一夜の享楽に耽るための集いであるのは明白。
貴族の他にも見目麗しい奴隷の男女や高級娼婦、事情も知らずに集められた女達が
出生地、人種も問わず、王国人以外にも北方帝国人、ミレー族や魔族まで、多種多様に混ざり込む。
そして、灯りの届かぬ会場の隅からは男女の熱い吐息や嬌声が、音楽の途切れる合間に漏れ聞こえてくる事だろう。
その会場の中央の壁際にて一人の男が二人掛けのソファに腰掛けて高級ワインを嗜んでいる。
でっぷりと肥えた身体に、節くれ立つ十の指に嵌めた豪華な太い指輪。
仮面で顔を覆っていながらも、正体を隠す意志が見られない彼は、この夜会の主催者である。
傍らに奴隷達を侍らせて、時折、近寄ってくる貴族達との他愛もない会話に興じながら、
男は快楽に堕落する人々の姿を眺めて、心底愉しそうに只々ほくそ笑むばかり。
ご案内:「貴族の邸宅」にハクさんが現れました。
■ハク > 夜会の雰囲気を壊さぬよう、2重扉となっている『給仕』用入り口からホールの中に足を踏み入れる。
(ニアちゃん、何処かな……大丈夫かな)
自分と同じ娼館『ベルベットドリーム』で働く兎系のミレー族を頭に浮かべながらきょろきょろとホールの中を見回した。
その顔には仮面ではなくヴェールがかけられているのみ。『ハク』と名前の刻まれたプレートつきのやや大仰な首輪と合わせて『ミレー族娼婦』の『給仕』の格好だ。
身にまとっているものも『客人』である華やかなドレスではなくいわゆるバニースーツとロンググローブ。
ただし股間部分はまるで紐のように細くなっており、乳房は隠さず露出するような形状になっている。
タイツもあるものの股間部分は最初から穴が開けられているため秘部を隠す意味はカケラもない。
富裕地区で開催されているこの夜会に『給仕』として参加しなければならなかった理由は単純に所属している娼館に出席命令が出ただけに過ぎない。
『ベルベットドリーム』以外の娼館にも何名か『給仕』として参加するように貴族様から命令が下されれば従うしかなく、自分と同僚のニアが参加することになったのだった。
ただ、いざ会場についた所ホールの人数制限とやらで先にニアだけがホールに入る事になってしまった。
待つこと1時間程し、ハクを含む10名ほどの『給仕』がホールに招き入れられたのである。
周囲からひびく嬌声や肉を打つ打音からこの夜会の趣旨は理解できている。
子供姿でいるほうが特殊性癖にしか声をかけられることはないだろうと肉体成長の内氣功は使わず、シルバートレイを受け取ってお酒やツマミをトレイに乗せて歩き始めた。
早速自分より後ろに出てきた大人の人間女性が近づいてきた仮面貴族に捕まり奥に連れ込まれるのを見ながら、同僚のニアの姿を探すことにする。
■メレク > 夜会の盛況さを見遣りながら、主催者たる貴族は満足そうに笑み、
だが、不意にその視線が、給仕用の扉から入室した給仕の姿を止まると眉根を顰める。
客の求めに応じて、即座に行為に移れるようにと拵えた、局部を露出する卑猥なバニースーツ。
常識人が見れば悪趣味さに目を逸らしそうな格好も、この会場に訪れる客達には好評であろう。
それ自体は、彼も把握していた趣向であるので何ら気に掛ける事ではない。
問題なのは、そのスーツが映えるように肉付きの良い女達を、と注文を付けた筈が、
一人明らかに背丈も、胸の膨らみも、尻の丸みも足りぬ子供じみた少女が混ざっている事で。
「……これは、いけませんねぇ。誰ですか、彼女を手配したのは?
あの者を此方に連れてきなさい。」
貴族の傍らに立つ、目許のみを覆ったマスクの黒服に、不快感を露わにしながら言付ける。
彼の正体を考えれば不要であるのだが、社交界の場と云う事もあり、用意された屈強な黒服達は、
他の客達の邪魔にならぬように壁際を這いながら少女の元に近付き、
『ご主人様がお呼びだ』と声を掛けるとでっぷりと肥った貴族の前に給仕の少女を引き立てる。
■ハク > 子供姿であるからか、給仕として仮面貴族に酒類を提供しても訝しげな視線を向けられるだけ。
ひとまずこの作戦はアタリかと考えながら同僚の姿を探してあちらこちらと歩いていく。
できる限り目立たないようにしつつ、かつ『給仕』としての仕事はこなす、という神経を使う作業を行い、少し息をつくために人気のない壁際に移動した所で……
「え。え?」
近づいてきた黒服の男に気づく。とっさに反対側を見るもそちらからも黒服が近づいてきており、明らかに自分が目標だと理解して動きを止めた。
更に続く言葉に狐耳を揺らして視線を向ければ、そちらにはでっぷりと肥え太った貴族が1人で2人分のソファに座っているのが見えた。
「……わかりました」
そもそも逃げるのは禁止されている。
目立たないように行動したつもりだったのに、と内心ため息をつきながら黒服たちに引き立てられて貴族の前に歩いていき。
テーブルを挟んで反対側にたどり着くとその場で敬意を示すために膝を付き頭を下げた。
貴族相手への礼儀としてまずは声をかけられるのを待ち、返答を許されたなら頭を下げたまま次のようにまずは挨拶を行うだろう。
その後、質問が飛べば回答すればいい。無難に答えて再び壁の花になる事を考えていた。
「辺境伯メレク様、ご機嫌麗しゅう。
平民地区娼館『ベルベットドリーム』所属のミレー族娼婦、ハクと申します」
■メレク > 彼自身、奴隷商であるので、それこそ売る程に大勢の奴隷を囲い込んでいる。
だが、月に幾度も催す夜会に於いて接待役が変わらぬ顔触れでは面白味がなく、
目が肥えた来客達を十全に満足させる為には、女の数は多ければ多い方が良い。
その為、王都内の娼館に声を掛けて選りすぐりの娼婦を呼び付けたり、
或いは、スカウトの黒服達が一夜の報酬を弾む代わりに美女達をかき集めてくる。
「……ふむ、我が家の奴隷ではないですね。名乗りなさい」
テーブル越しに平伏する少女の様子に仮面の下の双眸を細めながら値踏みする。
年齢を別にすれば容姿は整っており、彼の元に派遣される基準を満たしているだろう。
だが、矢張り、幼き年齢相応の肉体は、身に着けた衣装が浮く程に似合ってはおらず。
「『ベルベットドリーム』のハクですか……。
どうやら貴女の娼館は私の要望を汲み取れなかったようですねぇ。
豊満な女を、と望んだ筈なのですが、全く困ったものです」
幼き少女の需要がない訳ではなく、以前の夜会では彼女と然程変わらぬ年齢の娼婦を見世物にしている。
だが、その時はバニースーツなどを着せずに、全裸で袋を咥えさせて四つん這いにて会場を歩かせ、ゴミ箱として扱うものであった。
その手の趣向であれば構わぬのだが、今の彼女の姿は衣装に合わず、気分を害したと表情を顰め。
■ハク > 恐らく、黒服たちが『ベルベットドリーム』からハクが選ばれた理由は肉体成長術による大人姿を見られたから、なのだろう。
ただ、その情報はハクには届けられておらず、また給仕待合室に用意されていたバニースーツにも子供用サイズがあったため深く考えていなかったのだ。
「それは、大変申し訳ございません。
辺境伯様の命とあらば、如何用にも従わせて頂きます。
故に何卒、娼館の方にはご温情を……」
貴族の命令があれば白も黒になるこの国だ。
逆鱗を踏んだとなれば最悪娼館取り潰しどころか、所属娼婦の奴隷堕ちもまたありうる。
狐耳を震わせ、更に深く頭を下げて温情を願う。
その時、黒服からハクに関する情報書類がメレクの元に届けられるかもしれない。
それは娼館で行っているサービス内容一覧だ。
ハクの場合、目を引くのは
『処女の時に再生呪をかけられたため処女膜が再生しています』
『成長術が使えるため、18歳程度に成長した姿でもご奉仕できます』
『東方にて学んだ分身術を使い2人分のご奉仕を行えます』
『房中術の使い手であり男性の精力を回復させる事が得意です』
というものだろう。
■メレク > 黒服達は互いに顔を見合わせながら、罪を擦り付け合う。
スカウトした筈の大人の女性が、子供の姿で現れたとは思いも寄らず、
『ベルベットドリーム』に依頼を出した黒服は、ひたすらに彼女の存在を知らぬ存ぜぬで通して、
次第に論調は娼館がすり替え派遣をしただの、責任転嫁の方向性に舵を切り始めていき。
「折角の夜会の催しが、貴女一人の為に興醒めですよ。
それとも、『ベルベットドリーム』は私の顔に泥を塗る心算なのですかね……ん?」
娼館を取り潰して、娼婦も経営者も従業員も、一緒にひっくるめて全員を犯罪奴隷として扱う。
そんな事は朝飯前である権力と財力の持ち主。
温情を請うべく平伏する少女に裁きを下そうと言葉を続けようとした折、
別の黒服が彼の傍へと近付き、『ベルベットドリーム』と取り交わした契約内容を持ち込んでくる。
座を中断させた黒服に訝しみながら、書類に目を通して内容を確認すれば、双眸を丸めて目を瞬かせ。
「ほぅ、……これは興味深い。この書類に書かれている事は本当ですかな?
もしも、本当にやってみせれるならば、私の機嫌も直るかも知れませんぞ」
少女の前に書類の束を放り投げると、其処に書かれたサービス内容を相手の目にも触れさせる。
■ハク > 夜会の主催による裁きの声に、ハクへの視線が集まってきているのを感じる。
目立つつもりはなかったのに、これだけ視線を集めてしまえば目立つこと甚だしい状態だ。
顔隠しのヴェールも貴族用の仮面とは違い半透明なものなので、顔も下手すれば覚えられてしまうかもしれず、だからこそ平服したままの顔をあげずに沙汰を待つ。
だが、黒服たちからの助けの声はもちろん無く、このまま娼館揃って全員奴隷堕ちさせられてしまうのか――という所で資料が間に合ったようだった。
メレクの言葉がとまり、しばらく書類を見る音が響き……近くに書類が投げ渡される。
「……は、承知しました」
書類にかかれているサービス内容を示せ、との命令であれば従う他なく。
顔を伏せたまま念体・分身の術を発動させるとハクの体から魔力の塊が浮かび上がった。
そしてそれはハクの隣に並ぶとまずは今のハクと瓜二つの全裸の子供姿となり、そのままその念体が成長して18歳程の姿になる。
その後念体の自分もまた跪き。
「これでよろしいでしょうか」
「ご要望に従えたのであればよろしいのですが」
本体である子供姿のやや高い声と、念体の大人姿の少し落ち着いた声で続けて返答を行った。
そのショーは周囲の貴族客からも感嘆の声があがるかもしれない。
■メレク > 肘掛けに片方の肘をつき、少女の姿を凝視する。
幻覚魔法の類でも披露されるのか、と大した期待も掛けずに、その様子を値踏みするも、
東方の術とやらの分身・変化の様子に、双眸を瞬かせて思わず食い入るように身を乗り出して驚嘆を示す。
周囲から、湧き上がる感嘆の声に、我に返ると両手で柏手を打ち、掌同士を叩き合わせ。
「くくくっ、ブラボー。これはこれは素晴らしい手妻ですなぁ。
ご覧の皆々様、今のは、げに珍しき東方の秘術。何を隠そう、このハク嬢はニンジャなのですぞ!」
先程迄の不機嫌は何処に消えたのか、拍手喝采で大喜びをして見せると、
つられて会場内の至る所から、惜しみない歓声と拍手が少女に浴びせ掛けられる。
目立たぬようにという彼女の思惑とは裏腹に、主催の一言で場の主役は給仕の筈の彼女となり。
「さぁさ、皆さま。これだけでは御座いませぬぞ。
ハク嬢はニンジツの効果で生娘。更にはまぐわえば、男の精力を回復させるのです。
今宵、訪れた方々は本当に運がいい。このニンジャの身体をとくとご賞味下され」
頬肉を綻ばせる主催者が指を鳴らせば、黒服達が二人に分かれた少女を会場の中央まで引き摺り、
好奇心に駆られた来客者達が我先にと群がり、その身体へと手を伸ばし始める。
其処から始まるのは、言わずと知れた乱交の凌辱劇。
入れ代わり立ち代わり、大勢の男達が少女の穴という穴に肉棒を衝き込み、大小の身体の穴比べを始める事だろう。
彼女の前に並ぶ凌辱者の列は後を絶たず、この晩、間違いなく一番多くの精を搾り取る事になるのであった。
余談ではあるが、娼館へと責任転嫁した黒服は、後に奴隷市場にて競売に掛けられる事になるのだが、彼の不幸な顛末は此処では語られぬ話。
ご案内:「貴族の邸宅」からメレクさんが去りました。
■ハク > 無事に念体・分身の術で2人に分かれた所、目の前の男からの拍手が降り注がれる。
なんとか無事に奴隷堕ちを免れた、と安堵の息を漏らしたのもつかの間。
「っ!?」
顔を上げて男性の顔を思わず見てしまいながら驚きの表情を浮かべる。
勝手にニンジャ扱いされた事もだが、更には客の関心を集めるような宣言に本体・念体揃って慌てて周囲を見回す。
そこでメレクが指を鳴らせば黒服立ちに取り押さえられて会場の中央にまで引き立てられてしまい。
遠慮なく伸びてくる貴族たちの手にその姿が消えていく。
夜会の終焉までその魔手は尽きることなく。
やがて会場に取り残された白濁まみれの本体と念体だったが、本体が気絶したことで念体も消滅。
同じく夜会の手慰みとして犯されていたニアと共に黒服に袋につめられ、事後の清掃もすることなく『ベルベットドリーム』へ無事返還されるのだった。
ご案内:「貴族の邸宅」からハクさんが去りました。
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」にエレイさんが現れました。
■エレイ > ──温泉旅籠内の、主に宿泊客向けに用意されたサービスの一つが、このマッサージ室である。
その施術室はいくつかの個室に分かれており、客は専用のカウンターで受付を済ませた後、各個室で待機しているスタッフと
一対一でマッサージを受けることになる。
なお、客にどのような施術を行うかは、スタッフの判断にすべて委ねる、というあたりはこの旅籠らしいといった所。
ついでに、各個室内には客に安心感を与え、施術への抵抗感を知らず知らずのうちに薄れさせてゆく効果を持った、
ほのかな香りのアロマが炊かれていたりもする。効果がどれほど出るかはその客次第なのだが。
「──はーいお疲れチャン。また来てくれたまへ」
そんな中の一室から、満足げに出ていく宿泊客を笑顔で見送る、スタッフ用の作務衣姿の金髪の男が一人。
今日も今日とて知り合いからの依頼で、臨時のマッサージ師として仕事に精を出しているのだった。
「ふぃー……こういう普通のマッサージも悪くはないのだが、そろそろ一発エロマッサージでもしたいところであるなぁ」
個室内に戻り、施術用のベッド脇の椅子に腰掛けながらそんな詮無い独り言を漏らす。
今日は現状、立て続けに男の『標的』にならない客の来訪が続いたため、男はごく普通のマッサージ師として
仕事をこなすばかりであった。
男としてはそれもそれでやりがいを感じなくはないのだが、やはり役得の一つぐらいは欲しいところであった。
「まああそれも時の運というヤツなのだが……──おっとと一息つく暇もなさそうだったな」
ボヤキを続けようとしたところで、閉じたばかりのカーテンが開く。
各個室は廊下に面しているため、稀に受付を経ていない誰かも紛れ込むこともあるようだが、それはさておいて。
現れたのは男の『標的』になりうる客か、それとも……。