2021/04/06 のログ
■ネメシス > 「え、あ、そうね。」
あれ? 思ってた反応とちがーう。
ネメシスの顔にはそんな表情が浮かんでいたことだろう。
鼻孔をたっぷりと刺激する色香にすっかりその気になっていると思ったのだが。
冷静に顔を背けられてしまい、今度はこちらが目を丸くする。
「詐欺師? いやーね、私そんなんじゃないわよ。」
顎を掴もうとしていた手を離し、その手を左右に振って見せる。
なんだか随分と警戒されてしまったようだ。
ネメシスは双眸をじっと向け返し。
「ご丁寧にどうも。
私はネメシスって言うの。
普段は騎士などをしております。」
正面を向けば、鎧を装着したままなのでこちらも会釈。
■リラ・フィオーネ > 「はぁ、どうも……騎士? 騎士っ…騎士っ?! え、何ですか…私、悪い事してませんよ?!」
騎士という言葉を耳にして、どうにもトラウマ的な意味で色々と引っかかってしまった彼女。
その理由に関しては、過去に色々とねちっこいくらいに念入りな取調べを受けたあげく。
一部の兵士に出回るくらいにスカートをたくし上げた姿が流出しており。
過去に起こした問題は結局の所は事故として正式に処理されたものの、未だに騎士や兵士に対して苦手意識が強いのだった。
会釈をされたものの、微妙なしかめっ面を表情に浮かばせて。
「えっと…エッチな薬とかも、公式なギルドのレシピのモノですから問題無いと思いますけど……ひょっとして、また取調べとかされるんですか?」
過去に自分の起こした行動が事故とは言えど悪いとは認めており。
ぐりぐりっとカウンターに額を突っ伏すように押し当てながら魂の抜けたようなため息を吐き出してしまう。
自分の乳房をぐにゅうぅっとカウンターにまるでパン生地のように形を変えさせながら、顔を上げて精気の無い瞳を彼女に向けて。
「出来れば、今度にしてくらひゃい……せめて、気力がある時じゃないと…死にます…」
と、ただでさえ痴態を見られてしまい色々とやらかしてしまっていた精神状態。
せめて、覚悟が無ければ耐えられないという風にカウンターに土下座ならぬ土下寝するように上半身を押し付けながら彼女へと、勝手に勘違いをしたまま頼み込むように頭を下げていた。
■ネメシス > あっちゃ~~~…。
表情にこそ出さぬもののネメシスは心中で舌を出してはため息を吐いていた。
どこからどう間違えたのかわからないものの、どうも目の前の相手の何かを悪い方向で刺激してしまったのは間違いないようで。
それが相手のトラウマによるものだとはこの時はまるで気づかなかったのだが。
「いやいやいや、そんなことしないわよ?
別に取り調べで来たわけじゃなくてね。」
カウンターに崩れるように凭れては、精気の抜けた表情の相手に眉尻を下げてしまう。
「そのようね。
また今度来ることにするわ。
お邪魔してごめんなさいね。」
すっかり意気消沈したネメシス。
カウンターに置いた兜を手に取ると、逃げるようにして店を後にするのであった。
ご案内:「リラの錬金術店」からネメシスさんが去りました。
ご案内:「リラの錬金術店」からリラ・フィオーネさんが去りました。