2021/03/09 のログ
ご案内:「王都 自然地帯 魔人迷宮」にメルビレイさんが現れました。
メルビレイ > 欲望と探求
悪意が込められた人型が蔓延る迷宮は、自然地帯の中に存在した
人嫌いの、研究熱心な機械愛好がもたらした内部は鉄と油の匂いが香りそうな場所
そして、魔導機械を模しているのか、ミレーや人といった生贄が過去に存在していたと思われる
それがリビングデッド そして鎧という形で表れているのだろうか。

しかし内部から外に出ることはなく、指揮系統の命令が未だ継続されているようにこぼれ出ることはない
故に希少な素材から腕試しまで、求める者がいるかもしれない。

――――――――――迷宮内部――――――――――――ー

カツンッと響くヒールが床材を叩く音
ハイヒール型の脚が鳴らす音はこの迷宮に響いている
端正な石造りの迷宮の中に存在する古今の戦闘の痕

それに一瞬、メルビレイはハイライトの無い瞳を向けては、本来耳のあるべき場所にある金属部位から機械音
周囲の様子を探る様にしては、再び歩き出した。 メルビレイも又、求める者か 求められた者としてここにいる
周囲は明かりが無く、暗闇の中といえた。
暗闇で蠢くいくつもの種類の足音が聞こえたとしたら、常人は恐怖以外に何を感じ取るというのだろう。
最も、メルビレイは恐怖 感情 一切ない表情で前進を続けた。
単独行動か 別行動かも不明な、魔導人形。

メルビレイ > 石造りの壁
内部の鉄と油で回る敵
時にはそれは腐した油の匂いも重なる

「会敵。」

獣の革と骨が見える四つ足胴体
二匹が目の前に現れるのなら、その瞳は白く濁り死して尚を意味していた
目の前に現れた相手が人ではなく ミレーではなく 魔導人形であろうとも
過去の指揮系統を継続するように、部外者であるメルビレイへと牙をむく

「敵対意思を確認 目標を排除します。」

胃液が泡を吐き、汚れきった爪で跳躍する二体
メルビレイは、無を彩るままに、左手首を握る右の手のひら

          カチリ

一つの鍵が外れる音と共に、踵から生じた衝撃音。
二体の間を縫うようにすり抜ける身体と、尾を引くように伸び浮く月白色の髪。
抜刀された左手首を柄とした長刀が腕の中から抜け切るならば、背骨を断ち切る袈裟と返す二刀目の、胴廻し斬り

着地と共に靴裏が擦れながらに獣の油を振り掃われた刀は、左腕の中へと倒れ伏した躯を見るままに納刀されていく
カチリと再び嵌め込まれた左手首は、二度動きを確かめると、未だ動く気配はある
しかし背骨を両者断たれ起ち上がることすらもうできないままでいる

コツコツコツンと進み行く先を、ハイライトの無い、機械音が小さく鳴る瞳で見据え。

ご案内:「王都 自然地帯 魔人迷宮」にミシェルさんが現れました。
ミシェル > 「やー、すごいねぇ…」

その魔導人形の後ろを、切り捨てられた魔物をしげしげ眺めながら歩く女男爵。
ミシェルはひょんなことから彼女を掘り当てて、彼女に主人認定されていた。
どうも戦闘用らしかったのでこれ幸いと護衛として迷宮探索に連れてきたが、
予想以上の働きを見せてくれる。
お陰で、本人は迷宮の調査に集中できていた。

「ここの魔物は楽勝、って感じだね。
でも何か不具合があったら早めに言ってくれよ?君は久々に働くんだから」

一応、完璧に整備はしたつもりだが、何分遺跡からの掘り出し物。思わぬ不良個所が出てくるかもしれない。
即席の修理器具は用意してあるが、最悪彼女を抱えてここを脱出する羽目になる。
特に足回りなどは気を付けていてほしいところだ。

「なるべく色々試してみてくれ。いざとなった時に不具合発覚じゃ遅いからね」

声をかけながら、後ろから魔導人形の働きを注視している。

メルビレイ > メルビレイの後ろには、遅れてやってきた主が参上していた
後方にて、非戦闘員らしく賢く立ち位置を見極め、任せきる
余計な意地を持たず、可能な知識を求める姿は研究者としての姿としてはそのものといえる。

「はい マスター。」

こちらを気遣う主へと言葉で敬う素振りを魅せるメルビレイ
それはただ一人への呼称であり、遺跡から発見したミシェル・エタンダルの所有物と化した姿
魔導機械の研究者であり、コアこそそのままであれど、整備を担うこともできる適任者でもあった。

遺跡での出会いから日は経つものの、全容を把握できているわけではないミシェル
メルビレイと共に、危険度はあれ研究対象と言えるこの迷宮へと訪れるいいきっかけの戦力保有
今回、メルビレイの稼働への意識と共に、魔導機械の模倣をしたと言えるこの迷宮の元住人の作品
それへの入手への潜入ながら、色々試せという言葉。
意思をくみ取るならば、最小限や効率的な動きではなく、様々な戦闘パターンを試せという意味

「了解です マスター・ミシェル。
 しかし 稼働している 模倣機械の追跡は 平行でよろしいですか。」

そう言いながら、主の意思を尊重しつつ行動を続ける
月白色の髪と白い生地のミニは、表面に噛み砕かんばかりの鯨竜の歯列が描かれていながら、臀部が歩を刻むたびに食み出た姿

ミシェル > 前を歩く魔導人形を、ミシェルはしげしげと眺める。
彼女の服装はデフォルトのものだが、ワザと見せているのか、いささか丈が足りないように見える。
お陰で柔らかそうなお尻がよく見える。

眼福ではあるものの、どうにも悪い気もしてくる。後でちゃんとした鎧でも拵えてあげようか。
それと、普段着も。こちらはメイド服でいいだろうか?

「うん、いいよ。戦闘に限らず出来ることは一通りやってみせてほしい。
こっちは君のマスターになったばっかりだからね。生憎取扱説明書も無かったし」

ある程度は調査したものの、下手に分解して戻せなくなっても困るため、機能全部を解明というわけにはいかない。
なので、彼女自身が見せてくれないと把握しきれない。
ミシェルは魔導機械に対しては割と慎重だ。

「あとは…そうだね、もっとフレンドリーになってくれると嬉しいかな?」

歩みを進め魔導人形に並びながら、ミシェルは彼女に笑みを向ける。
折角人間と見分けがつかないほど精巧なのだから、受け答えも人間味が欲しいというのは贅沢だろうか。

メルビレイ > 「人間と同じ行動ならば 可能です。」

機械的な口調
感情の乗らない声
どこまでも人間に似せておきながら、何処までも人間と離れた姿
主の求める質疑応答に応えながらも、出会った当初から、今回の探索同行に至る前に研究者としての質疑応答はあった

メルビレイという人形は人の形に似せられ、内部武装 身の回りの世話程度など、四肢と五指のある体
人と同じことはある程度できるとは述べている。
今回は、体の駆動や戦闘パターンの解析 動作からして不具合の有無を確かめようとする主の計らいでもある
又、途中でほぼ同じ背丈の二人
ハイヒールならば尚だろうか 同じ目線で中性的な笑みを向け、機械にあるまじきものを求める主

「……。」

メルビレイは、主としての敬う気持ち 態度 それこそは載せることはできる
しかしそこに友愛を感じるものを載せてほしいと言われてしまうと、交わっていたハイライトの無い水底色の黒い瞳
それが主と外れる。

「―――申し訳ありません 私にその表現は 不可能です。」

表情や声に感情がなくとも、目線を一瞬外して答えたそれが、唯一抽出された、主への謝罪の意識だろうか
そのまま二人で歩き続ける中、暗闇の中、主だけは明かりを持ち込んでいるものの、遠くまで機械音をほんの少しだけ、瞳の奥で鳴らすメルビレイ
スッと豊満な胸元に手の甲を向け、歩を停止するよう願った。

「―――。」

カチリッと左手首を握る右手から抜き出す際のロックが外れる音と共に、壁際へ移動するように、アイコンタクト
互いにソッと壁際で背中を付け、並びあう。

ミシェル > 「あらら…」

彼女の答えに、ミシェルは苦笑いした。
折角女の子の姿をしているなら、明るく笑っていて欲しいものだが。

「君の製作者も、詰めが甘いってことかな…」

自分より高度な技術を持つ先達を貶すのも気が引けるが、それにしてもだ。
外見をこだわるなら中身もこだわるべきじゃないかと、ミシェルは思う。
この魔導人形を複製できるほどに技術が進めば、あるいは己の手で感情を付け足すことも可能かもしれないが、
いったいいつになるのやら……。

「ん?」

静止するよう求められ、促されるがままに壁際に。
そのまま息を潜めながら、彼女の肩越しにその視線の先を見る。

メルビレイ > 求められるもの 応えられるものには応える意識はあるに違いない
しかし規格という中で応答できないものがある
どこまでも機械である内部は、主へは謝罪と忠誠でしか示すものはない

主が息をひそめ、メルビレイは息すらしない
段々と聞こえてくるそれは、一定のリズムと重い足音
主をその場に残し、曲がり角の付近で足音もなく、ひたりと猫の足音と呼ぶ、無音

近づくそれに従い、まるで壁に取り付けられた反応装置同然で動きは無調となる
右手を添えた手首から、ゆっくりと刃が覗き始める。

「―――シッ!」

居合抜きの一声
主の明かり以外は暗闇の内部で、引き抜かれた銀一閃
通常の鋳造や打ち物とは違う、刃文を持たない硬度ブレードと化している刀形状が未知のそれへ迫る
シルエットが見えたところから放ったそれは、繋ぎ目の首を斬り落とし、火花
鉄と鉄が撃ち合うことで散った細かな火のあとで、残る左手首下から先の左腕を両脚関節
膝頭へと狙いをつけ、二度の射撃 魔弾という物理魔力が放たれ、砕かれる

耐久年数を過ぎていたか、将又弱点だったかはいざ知らず、首を失い、両足を動けなくされた機械は目の前に軋みと共に倒れ込んだ。

「反応消失 マスター 模倣されたと思われる 機械人形です」

そう言ってから、目の前で銃口を向けるまま、両瞳は目の前の躯となった鉄と未知の構造の部品の集合体へ向けられる
未だ軋みながらも、コアとなる部分がそのままと思われる
しかし、生物的な者ならばいざ知らず、銃声は迷宮内に響いたのは明白な事実だった

「この物体への 調査が終わり次第 速やかな移動を提案します。」

そう述べてから、左腕の中へと収納されていく仕込み刀
カチンッと納め切ってから五指開閉を行ったところで、この対象物への取り調べはマスターの本領となる。

ミシェル > 押し黙って、彼女の行動を見守るミシェル。
機械だというのに、まるで動物のようにしなやかで、静かな動き。
人間の暗殺者でもあそこまで無音で行動できるものでもあるまい。いや暗殺者には詳しくないのだが。

ミシェルが静かに見ている先で、メルビレイは狩りを開始する。
それは一瞬のこと。華麗な動きで、機械の歩哨を仕留めてしまう。
だがその時、ミシェルの予想外に大きな音の出る武器が使われた。
このままでは迷宮中の魔物やら何やらが集まってくるかもしれない。

「んー、そうだね…特に見るべきところもないか」

彼女の横に駆け寄って見れば、以前調べたことのあるタイプの機械人形だ。
気になる部品は初遭遇時にもぎ取って回収してある。

「そろそろ潮時かな…。今日は一旦これで帰還しよう。あんまり拾い物をしても調べる時間が無いんじゃね」

背中のリュックに目ぼしいものは詰めてあるし、じっくり調査するなら一旦帰る必要がある。
ミシェルはそうメルビレイに伝え、来た方向に向け歩き始めた。

メルビレイ > 大きな音を出したのも、戦闘による相手が未知だった内容もあってだった
主はそれを理解しながらも、機械人形としては並
質実共に凡愚と言えるものならば、頷いて示し

「申し訳ありません マスター」

調査続行の妨げと引き換えにした安全
移動ではなく撤退命令に、本格的な調べを研究室で行うというのであれば共にするのみ

無事迷宮から出た後は、精々が護衛と室内での茶や按摩
助手Tろ紙手の手伝いから始まっていくだろうか
今日の研究者と、仕える自動人形はそうして夜を深けさせていった。

ご案内:「王都 自然地帯 魔人迷宮」からメルビレイさんが去りました。
ご案内:「王都 自然地帯 魔人迷宮」からミシェルさんが去りました。