2020/09/22 のログ
シンディ・オーネ > 「――!」

突如叩きつけられる羽扇に、不覚にも肩が跳ねた。

「なっ、なんだ、何の話をしてる…!?」

思わず膝をついていた体を起こし、ベルが鳴り、武装した女が入って来るともう臨戦態勢。
唇を吊り上げる女を、やる気かと見据えていたらマレクから声がかかり――

「――あ? …あ。 ああ、ええと、領地に入る前と後、だったか…?」

盗掘者の疑いがかかっている私だし、まあ用心深い職場ならありそうな事だと、納得した話だった。
特に気にも留めずさらりと流したので、境界線やタイミングについてはうろ覚えだったが…

聞いてますけど、それでこんな雰囲気になってるの?ときょとん。

「…はい。ええ、その話は聞いています。」

マレクは説明してくれていたよ?と、子爵夫人をうかがうように。

マレク > 「はい。それと、邸宅に入る前と後、です。シンディさん」

護衛の女の後ろから、更にメイドが1人入ってきた。銀のトレイを持っており、それには紫色の液体で満たされた透き通る広口瓶と、先が丸く膨らんだ小指ほどの大きさの長い棒が載っている。

「身体検査に際し……服を、脱いで頂きます」

羽扇を開いては閉じる少女を2度見た後、男は眉根を寄せたまま告げた。

「ご主人が不在の中、子爵夫人はご領地で起きるあらゆる事象に責任を負っていらっしゃいます。よって……それらを予防する為に必要と信じる手段は全て実行する。それが、夫人のお考えです。……裸になって下さい、シンディさん」

シンディ・オーネ > 「…はあ。」

まあ、後で家宝の指輪が無くなった!とか言われるよりは、
ハッキリさせて出入りした方が面倒が無くて良いのかも。
うん分かりますと生返事で、ボディチェック?と、護衛の女がやるのかな的な角度で腕でも上げようとして…

「……。」

入って来たメイドがトレイにのせているのは、夫人のお薬か何かか?

「――ええ…?」

脱ぐの?と、すっごく面倒くさそうな顔をするが、でもまあしょうがない。
服の中に居れたら触っても分からない小物とかあるかもだし、まあ…

「ああ、分かった。分かった。それにしても… 毎回ですか。」

毎回なんだろうなあと思うが、これ脱ぎ着し難いんですよねと、ごにょごにょ。

――しばらくお待ちください、とカチャカチャ。
胸元広げてレザースーツを脱ぎにかかるが… マレクはいつまでいるのかな?とチラッチラ。

マレク > 「はい。お手間をおかけします……夫人、私は一旦失礼して……は、そこまで仰るならば」

 男の声と、相変わらず断片的な『冒険者同士の方が』『分別を弁えて』といった少女の囁き声が交わされる。そして、男は去る様子を見せない。といって脱ごうとしている女性の胸をかぶりついて見ている訳でもなく、むしろわざとらしいほど視線を逸らしていた。

「……そうまでお疑いなのですか?私に何か、無礼でもありましたか?」

溜息混じりの男は、やはり部屋から出て行かない。留まるつもりのようだと察せられるだろう。

シンディ・オーネ > 「……。」

おい男は外させろと、喉まで出かかるがぐっと堪える。
本来ならば我慢などしないが、こちらは一応法を犯してお目こぼしを求める身。
マレクが退室を求めたようで、しかし受け入れられなかったと見れば、
下手な抵抗は子爵夫人の機嫌を損ねて状況を悪化させかねないと――

そこまで理解しても苛立たし気に深いため息は零れてしまうが、
ポンポン手袋を外しブーツを脱いで、みっちりしているスーツをやり難そうに脱いでいった。
スーツ用のインナーとしてはスポーツタイプ的なあまり支持性の無いものを使っている。

下着姿で、これでいいかと護衛の方を振り返った。

本来服を脱ぐような場所ではなさそうな部屋で、私だけ、まるで晒し者のようだと拳を握る。
努めて気にしない風を装っての仁王立ちである。

マレク >  女性が身体にぴたりと吸い付くようなレザースーツを脱ぎ終えると、薄笑いを浮かべた護衛の女がそれを受け取る。沢山のベルトや留め具を備えた、一見すると拘束具のようにさえ見えるそれの外と中をじっくり見た後、少女に向かって口を開いた。『服には異常ありません』と。

「大変結構です、シンディさん。どうぞ服を着て……」

目を合わせない男が言ったが、その胸の前に少女が持つ閉じた羽扇が突き出された。目を閉じた男が深い溜息をつく中、トレイを持つメイドが進み出る。シンディとマレクの間に立った彼女は、男に向かってあからさまな嘲笑を向けた。

『残りは、マレク殿に脱がして欲しがっていらっしゃるようですわ』。そんな声が、薄暗い部屋に響く。トレイに乗った瓶とガラス棒が、灯りの下で妖しく光っていた。

シンディ・オーネ > 「……。」

マレクの言葉に、ほらスーツを返せと手を出して。
しかしそれが渡されないと、屋敷に相応しい服でも貸してくれるのだろうかと戸惑う。

そこでメイドが動いての――

「なに?」

残りって、そういえば裸になれと聞いた気はしたが、全裸になれという事かと下着をつまむ。

「…いや―― あ、あとはっ、あとは分かるでしょう触るとかでも…」

下着の内側を疑うならボディーチェックしてくれて良いが、脱ぐ意味あるのかと。
上ずった声でさすがに抗議して… 辱めているのか、嫌がらせなのかとようやく思い至った。

害意に鈍感という事も無いはずだけれど、主人が少女でとなると、そういう発想に至らなくて。
…これが男子なら百歩譲って理解もするが、女子でこれとなると歪み切っているものを感じてしまう。

いい加減にしろと少女に説教をはじめたくなるが、マレクがより厄介な事を促されていると、ええいと歯噛みして。

「――ほらっ、満足か!」

バッサバッサ苛立ちを隠そうともせず自分で下着を剥ぎ取って、何も無いぞと少女を睨んだ。

…本当はここまでなら、しょうがないような気もしたはずなのだ。
神経質な相手なら全裸を求めるのも分かる話。
それが既に怒りに達しているのは、メイドの物言いと――
それが手にしている何かが、これで終わりではないと告げている気がしたから。

だから、終わりだな!?と少女を無言のままに威嚇する。

マレク > 「シンディさん……」

ゆっくりと目を開けた男は、息を吐きながら執務机から離れる。全くの無表情で、下着まで脱ぎ捨て裸となって憤るシンディへと歩み寄った。

「これは全く私の意図していたものではありませんが、非は私1人にあります。ですから」

『上辺だけの偽善者。本当はこれが目当てだった癖に』『そもそも貴男は心をお持ちですの?』女性2人に嘲られる男が、先が丸く膨らんだ、小指ほどの太さの長いガラス棒を手に取る。

「どうか私1人を嫌って、私1人に怒りをぶつけて下さい。その後は理性を呼び起こし、目的を果たすことのみをお考え下さい」

そのままシンディの背後に回り、背中に触れて進み出るよう促した。執務室に着く、ベールで顔を隠した少女へと。

シンディ・オーネ > …かぁと顔が、身体が熱くなるのを感じるが、恥辱よりも怒りの方が強いかもしれない。
わなわな拳を震わせて、直接の攻撃でないにせよ向けられる害意に、反撃してしまいたい衝動をぐっと堪える。

「――聞こえていたマレク。おかしくなっているのは…」

非は私一人にとか、自分を嫌えとか、違うのは見れば分かると、女達を睨む。
しかし女達の発言も、それはどういう事だ? マレクを辱めてデタラメ言っているようにも思えるが…

――思考は、マレクが手に取るガラス棒にかき乱される。
それで何をするつもりかはもう想像がついて、背中に触れられても一歩が出ない。
攻撃を踏み止めたのはアーネストとの生活。
目的を果たせというマレクの言葉。

…こういう手合いは、相手が恥辱に震えたり怒り、泣いたりするのを見て楽しむのだと言い聞かせ。
深呼吸一つ、今更だが努めてしれっと、子爵夫人の前に進み出た。

マレク > 怒りに震えるシンディに対し、執務机の少女は微動だにしない。だが何かの拍子にベールがめくれ上がれば、「帰りを待つ人がいる女性」への激しい憎悪でぎらつく目が見られただろう。

「いいえ、何もかも私が悪いのです。私1人を責めて下さい。誰も、恨まれませぬよう」

幼い子爵夫人の前に立つシンディ。その背後から手を伸ばした男が持ったガラス棒の先を下へ向けると、トレイを持つメイドが瓶の蓋を開け、中身が揺らめいた。

『お客様を痛めつけるつもりですか?マレク殿』そんな嘲笑混じりの声を聞いた男は、瓶へガラス棒を差し入れる。紫色の液体、貴族の淫宴で用いられる高級な媚薬で器具を濡らした男は、大きく息を吸った後、棒の膨れた先端をシンディの股間へ触れさせた。

「どうか、これから得られる物を思い描いて下さい」

水音と共に棒が動かされる。力任せに貫くことはせず、秘所の割れ目から上側の陰核へたっぷり塗りつけ、陰唇に沿ってゆっくりと往復させ始めた。

シンディ・オーネ > 「――。」

子爵夫人、と呼ばれる少女の、馬車で聞いた身の上話を思う。
こんな女の子が、そんな目をして、こんな事をさせる世界がどんなものかを思う。

マレクがそんな風に言うのは、この少女への哀れみだろうかと思えば、
確かにこの場の誰を恨むのも、どうも本来の目標を外している気がした。

この少女が私に危害を加えようとしているのは間違いないのでそこはもう、やはり敵とみなしているが。
魔術の使用はすっかり視野から外れて、ふん、と努めて何でもない風に、つまらなそうに立っている。

チラリと見るガラス棒が浸される液体は、潤滑液か何かだろうと単純に考えていた。
そのまま突っ込んで来たりしない辺り変な気遣いはあるんだなと、何度目かのため息で緊張を紛れさせ、続きを受け入れる。

「――ッ…!」

触れる濡れたガラス棒の冷たさに、身を強張らせて。

「っ…!? ちょっ、まっ、待てマレク、いいからそういうのは、少し痛いくらいっ!」

陰核辺りをくにくにされると、ゾワゾワ駆け上がる震えに思わずつま先立ちに。
気遣いなのかもしれないが、そういうの良いからとっとと異物チェックして終わろうと、ちょっと逃げ腰。

何だか妙に触れられるところがムズムズするような、
全身スースー、ふわふわするような違和感を覚えはじめるが、
こんな異常な状況では色々とおかしく感じる事もあるだろうと、
とにかく今は緊張の中で、少し足を開いたままなされるがまま。

マレク > 「いいえ」

後ろを自分に、前を机に阻まれたシンディを背後から支える男が頭を振った。

「今日、私はシンディさんの心を傷つけてしまった。この上、身体にまで傷を与えるなど許されません」

言いながら、そして全く触っている所を見えていないが、男の手つきは正確だった。先端が丸いというのに、内股や下腹部へ滑って行かず、肉の割れ目と突起だけを愛撫し続ける。

「力を抜いて下さい。本当は貴女と、貴女の恋人だけが触るべき場所なんですから」

ぬめる媚薬を塗布するガラス棒が細やかに動かされ、陰核の皮を剥きあげようとする。そうしていたかと思うと、割れ目の中心に丸く膨らんだ部位を押し当て、少しずつ強張りを寛げていこうと。さっさと済ませる気がないことだけは、明らかだった。

シンディ・オーネ > 「――いいい良いって言ってる! 私がっ! そんな風にされる方が、なんかっ…」

傷つけられるよりも、こんな状況で感じさせられる方が迷惑だと。
しかし感じるとか、そんな可能性があるかもしれない事を口にするのも嫌で、
そもそもこんな状況で緊張していては、丁寧にされたところで濡れたりするものなのか。

「だっ、だいたいっ、何の、ために濡らした!? 大丈夫っ… だっ、からっ…!」

愛撫から逃げるように腰を振ってしまって、そんな無様はさらせないと動きを止めると、
いやに正確なガラス棒が明らかに必要無いところで必要無い刺激を送り背筋が震わせられる。

「――待って待てそこは! わざとかお前っ!?」

陰核を露にしようとするような動きには、そう、恋人同士の事だからお前はするなと、
少し裏返ってしまう声が荒げられた。

「――っふ… ふっ、なっ… なんだっ、これっ…」

ねちっこく這い回るガラス棒。
不快なはずのそれは、くすぐったさや痛みこそあれ、快感などそう簡単に与えてこないと思うのだが。

…本当に恋人とする時のように、火照りつつある身体が刺激を敏感に受け取ろうとしているのを感じてしまう。
はっはと息を上げながら、たまらず机に手をついた。
少し前のめりの姿勢が、お尻を突き出すようになる。

マレク > 「大丈夫な筈はありません。私は少しでも、シンディさんの苦痛を和らげたいのです」

シンディの黒髪に頬や鼻先を擽られながら、男は手を、ガラス棒を動かし続ける。陰核をくじり、割れ目に沿って先端を上下させ、柔らかな刺激を与え続けようとしたその時、彼女が机に手を突いた。お尻まで突き出すその姿勢は、まるで後ろの男を待つかのよう。

「……入れます。動かないで」

散々媚薬でぬめらせた陰唇にガラス棒の先をあてがい、時間をかけて押し進めていく。もともと小指ほどの太さしかないので、そこまで無理な挿入ではないだろう。尻たぶを開かせ、秘すべき場所を全て曝け出させながら、男は膣内にも薬を塗り込んでいった。

それを見物する傍らのメイドが、シンディの中を出入りするガラス棒にとろりとした紫色の液体をかけ、ぬめりを足していく。

シンディ・オーネ > 「――早く、しろっ! 早く!」

とにかくとっとと終わらせてと、マレクの態度がわざとか疑い始めながら急かし。
みっともないところを晒してたまるかと気合を入れるものの、身体は裏切り震えてしまう。
…とにかく早く終わらせて欲しい一心で、入れると宣言されるとお尻の突き出しは深くなり、
無意識にちょっとガニ股で、入れやすさを考えてしまっている。

「ぁあんッ、ッッ――!?」

細めの異物のゆっくりとした挿入に、ふと甘い声が漏れ、ぎょっとして喉を詰まらせる。
ちょっと擦られたくらいで、それは上手だったかもしれないがこんな状況で、
無いだろうと慌て、そこでようやく紫の液体に思い至った。

「っぅ、っくぅッ、ッぅうん…!」

尻肉が掴まれ押し広げられる頃には、肌は紅潮し出来上がりつつあって。
唇を噛んでふーふー声を殺しているが、塗り込む刺激に押し出されるように喉が鳴ってしまう。

「っこ、この卑怯者――」

何か使ったな、気付いたぞと、ベールの向こうの少女に毒づいて…
ふと動く影に後ろを振り返れば、問題のそれをメイドが注ぎ足している。

「やめろそれ以上っ!」

慌てて逃げようとし、はっきりした動作は脚をもつれさせるが、果たして転倒・脱出となるか――

「無いだろう!? 無かっただろう!? これは身体検査だったはずだっ!」

興奮にすっかり潤んだ眼で、それが名目なら検査以上の事をされるいわれはないと主張する。

マレク > 怒りに燃え、それでいて薬で無理矢理高ぶらされたシンディ。彼女が脚をもつれさせ、派手に転びそうになったが、それを男が押しとどめた。辛うじて机の隅に彼女の手を突かせ、秘所にガラス棒が突き入っている所が子爵夫人の前に曝け出されてしまう。

「……はい、夫人。前には、何ら怪しいものは見つかりませんでした」

マレクがそう言うと、黒衣の少女はほんの僅か頷いて、視線を男の顔に移す。それを見返した後、秘所からガラス棒を引き抜く。

「大きく息を吐いて下さい、シンディさん」

そう言った男は、なみなみと注がれた薬で濡れ光るガラス棒の角度を変えた。その膨れた先が当たったのは、後ろの窄まり。小穴に薬を塗りつけて潤滑を良くする。

「息を吐いて、力を抜いて……」

同じ言葉を繰り返しながら、棒を握る手に力を込めた。今度は表面を延々弄んだりはしない。真っ直ぐ、奥の奥まで貫き通す。

シンディ・オーネ > 「――っぅわっ、わっ…!」

助けられたのか、捕まったのか。
支えられるが仰け反らされた体は、恥ずかしいところを晒すように。
慌てて元の姿勢に戻るけれど、自分でも咥え込んでいるところを見てしまって、
こんな所で何をしているのかと、気持ちが萎縮しはじめる。

しかし抗議はしてみるもので、これで解放となると、腰の抜けそうな思いではーっと息をついた。

「――いい。いいから早く服…」

呼吸を指図するマレクに、だからそういうの要らないと苛立ち半分。
終わったのならとにかくこの部屋で女達に囲まれている状況を脱したいと…

「っにゃぁ!?」

少し、息を整えていて姿勢がそのままだった。
そこに再度ガラス棒が当たって、そこもかと、おまけに薬付きかと青ざめる。

「…ぅうっ―― まって… やめて…」

求めるのがばからしいほどやめてもらえなさそうだが。

求めずにはいられなくて、懇願するように言ってしまった口を噤む。

身体検査だ、身体検査だと言い聞かせ、言われるままに力を抜いていた。

「ぅぅぅうううんン…ッ!」

が、力んでしまう。押し出そうとしてしまう。
浣腸もろくに経験の無いそこは異物の侵入に純粋に戸惑って、
心地好さも特に無く、机についた腕に額を乗せて顔を隠し、恥辱に耐える。

マレク > 「息を吐いて下さい。中で折れると、取り返しがつきません」

シンディの耳元で告げたマレクが、ガラス棒をゆっくりと動かす。腸壁に媚薬を塗り付けた後、細い肉筒の中を慎重にまさぐり始めた。奥を突いたり、膨れた先端で膣側を擦ったり。

しかし幾ら媚薬に助けられているとはいえ、初めて後ろの穴に棒を突き入れられて快楽など得られる筈もない。先に前を弄って身体の緊張をほぐしていなければ、恥辱以前に痛みと吐き気に苛まれていただろう。

「……後ろにも、見つかりませんでした。身体検査はこれにて充分と思いますが」

……などということを考えていたかはともかく、微かな水音と共に後ろの穴に入ったガラス棒を出し入れしつつ男が中止を促す。机に伏せたシンディを見下ろす少女が羽扇を閉じた。一息ついた男が、最奥まで入っていた異物を抜き取る。

シンディ・オーネ > 「――ッ!!!」

…折れると、と聞いて最前の膣への責めとは別の意味で背筋がぞわりと震える。

はー―、はー―と長い息をついて、真剣に力まないように、力まないように――

「ああああるわけないでしょうそんな所にっ! 入れて無かったらそんな、こすったり… こすった、りぃッ…!」

快感は得られないが、薬を塗り込まれてしまえばむず痒さのようなものは覚え、
ガラス棒が擦れると少し慰められるような…

しかしそもそもが侵入のせいなら、いずれにせよ早く終われの一点張り。

――それが叶ってガラス棒が抜かれると、へたりと机にもたれて膝をついてしまいそうになる。
荒く息をついて… 今の所達したりはしていないが、それがクスリの疼きを放置していて。

マレク > 「……今日はお疲れでしょう、シンディさん。是非、子爵夫人のご厚意を受け、湯浴とご宿泊を」

へたり込みそうになる女性の内股から尻たぶにかけ、男の手が這い上がる。両手で丸みを掴んで押し広げ、両穴の外と中が少しも傷ついていないことを確かめた。

「急いでお帰りになる必要はないかと思います。今、身体検査を終えたばかり。直ぐにお屋敷を出て王都へ戻られるというならば、またこれを繰り返さねばなりません。愚かしいですが、契約とはそういったものです。ですから、今日の所は……」

シンディを助け起こしながら、泊っていけと繰り返し促す男。媚薬によって疼くだけ疼かせた身体を抱き寄せ、小首を傾げた。

シンディ・オーネ > 「……。」

帰る!と意地を張りたいところだが、お風呂は色々とありがたい。
…などと考えていたら、男の手が素肌を這い上がり、ガラス棒とは違うその感触に
薬ですっかり昂らされた体は達してしまいそうになるが、手早く済まされるそれはあとほんの一押しをくれなかった。

「――ッッ… ッっふぅ! っぅう…」

…更に、これで帰ったらやり直しとなると、もう。

「まて… 毎回? 毎回、これなのか? その… 検査なら、そんなのは。」

媚薬はおかしいだろうと、たまらず腿をすり合わせながら。
助け起こしてくれるマレクには、触るなと意地を張るけれど、
今のところマレクに対する悪感情は大してなく、世話になりますと頷いた。
…鎮められない息をはっはとついて、子爵夫人の方は見られない。

ご案内:「ある貴族の邸宅」からシンディ・オーネさんが去りました。
マレク > 毎回こうか?という問いに、男は子爵夫人を見遣る。幼い少女は男を見遣り、囁くようにこう言った。『よしなに』と。

「……残念ながら」

シンディを腕の中に収めた男は、眉根を寄せて静かに頷くのだった。

ご案内:「ある貴族の邸宅」からマレクさんが去りました。
ご案内:「冒険者ギルドへの道すがら」にマレクさんが現れました。
マレク > 【待機させて頂きます】
ご案内:「冒険者ギルドへの道すがら」にシンディ・オーネさんが現れました。
マレク > 昼前。メルド子爵邸から出立した家紋入りの馬車が富裕地区の城門をくぐった。乗客は子爵夫人の相談役である貴族の男マレクと、彼女と止む無く契約を結んだ冒険者の女性シンディ。
馬車のトランクには、シンディが遺跡で見つけたさる魔導学者の私物が収められている。

向かう先は平民地区の冒険者ギルド。目的は2つ。まず、シンディが請け負った引っ越し仕事の記録から学者の所在を突き止め、遺跡からの装備回収という私的依頼の報酬を受け取る算段を整える。次に、シンディが冒険者としてメルド子爵夫人の後ろ盾を得たと広める。そういうことになった、のだが。

「思いますに、昨晩の倉庫での会話が子爵夫人の耳に入ったのでしょう。私の、利用すれば良いという話や……シンディさんの、契約満了の条件といった話が」

車内でやおら立ち上がった男が小声でそんなことを言いながら、向き合って座っていた女性の右隣に腰を下ろす。その後、御者台の方を指差した。この際、子爵夫人に仕える人々は全員、自分達を盗み聞き、覗き見ていると思った方が良いだろう。

「だからこそ子爵夫人は、冒険者同士気が合うだろうなどと仰って、私に身体検査をさせたのです。貴女の私に対する嫌悪の情を煽って、結託されるのを防ごうとした」

車輪と蹄の音に紛れるように声を抑えた男が、言葉を続ける。シンディへの「身体検査」は今朝、領地を出る際にも行われた。彼女が何かを盗み出すなど考えられない話だが、全ては契約通りである。

「それと……アーネストさん……貴女の、想い人のこともあります。昨日は私の失言だったかもしれない。しかし貴女が独り者ではないということはいずれ発覚したことです。早いか遅いかの違いでしょう」

重い口ながらシンディが教えてくれた、彼女の大切な人の名前を出した後、男は溜息をついた。

シンディ・オーネ > 「――あなたの言葉は私に契約させるためのものでしょう。
 円満にしようとしただけで、どちらにしても契約するのが一番穏便、断れなかったんだから、どう言っても変わらないけど。
 私が契約満了の条件を気にかけるのも当然。でも結局条件が提示されたわけではないし、何が問題なの?」

目くじら立てるような、結託を疑ったり心配するような部分は無いのではないかと、かけられた言葉にムスっと答える。

ほのかに上気した顔は馬車の外を眺めたまま、息は少し上がっており、
ガタゴト揺れる椅子の上でピッタリ腿を閉じて、姿勢は緊張しているかのようにやけに伸びていた。

「…マレクさんが不承不承だったのは聞こえていた。
 取り成しに感謝しています、一応は。だからあんなのはいっそ逆効果よ。」

…子爵夫人とメイドがマレクを罵っていたのが気にかかるが、
そういう事ならあれもその内の一つなのかなと、苛立たし気にため息が漏れた。

結局一泊してしまったが、何か仕事があるわけでもなく、必要な消耗品の申請をちょっとしてお終い。
『身体検査』を受けた体は昨夜のように自分で慰める間が無く、今も身体を苛んでいる。

「ええ、隠しても無駄でしょう?
 あなた達が調べようと思えばすぐに分かる事でしょうし…
 ――あのっ、やっぱりこれ、この、検査に何か使ってるでしょうクスリみたいな。
 あれは何の意味があるの?
 検査なら要らないはずだし、その後のコンディションが落ちたら子爵夫人にとっても不利じゃない。
 やめられない?」

さっきから苛立ちが募るのには、揺られる度にムズムズしてしまうのも一役買っている。
仕事の内容には未踏査の遺跡探索なんかもあると聞いていたが、こんな状態ではやっていられないと改めて。

マレク > 「認識の違いですよ。子爵夫人としては、貴女の犯罪行為の告発を留め置く上に手厚い支援を行うのだから、自分にのみ従って欲しい。契約初日から抜け方を探すような振舞いは、彼女には許せなかった。その意味では、私にも非があると思われている」

当然ながら機嫌のよろしくない相手に対し、男は主語を強調しながら説明する。

「何の意味があるかということでしたら、シンディさんに対し優位に立つ為でしょうね。人を支配する前段階として、その人の意識に重圧をかけて判断力を鈍らせるという手があります。一例として、拷問が挙げられます。
……止められるか否か、の前に、どうか説明をお聞きください」

指を立てた男がもう一度御者を見た後、隣の女性へ向き直る。

「昨日の一件は子爵夫人の独占欲の結果と思われます。つまり自分をのけ者にして、貴女と私が協調しているかのように思われている。
だから私がシンディさんを慮るようなことを言ったりやったりするのが気に入らないし、自分の要求に嬉々として従わないのも気に入らない。シンディさんが自分でなく、私の方に重きを置いているように見えるのが、嫌なのです」

一見すると子供離れした理知的な佇まいを見せる少女を、男はそう評した。結局、彼女の一部はどうしようもなく子供なのだと。

シンディ・オーネ > 「…二日前だったか、土地の所有者が変わったのが。
 私はそもそも、難癖付けられているくらいにしか思えない。
 状況としては見逃されてもいいでしょう常識的に考えて。
 市中の二日前に購入された家で同じ事言えるのかって言われたらアレだから我慢してるけど、
 私が問題にしたいのはそもそもそこよ。」

力強く声を張ってしまいそうなところを、努めてヒソヒソ声で。
先日のマレクが気遣ってくれた密談?を聞き取ったのが今の御者だったりすると、
それでも聞かれるかもしれないが一応押さえて、しかしただでさえのツリ目はもうはっきり怒っている。

…しかし続く話を聞けば、一応の理解は及ぶ。

「…人の心は一つじゃないものね。
 あんな風にされた私にはもうあの子が敵に見えているけど、
 あの子は新しいオモチャを独り占めにしたいってだけで、同時に大事にするつもりも一応あるという事?」

仕事をする上では、脅迫して連れて来られたとは思えない好待遇が提示されている。
違和感はあるし、気分一つでいつ潰えてもおかしくない待遇だけど、そこは当てにして良いのかとため息深く。

「ええ、分かった。彼女をご主人様として立てた態度でも取ってれば、身体検査の嫌がらせ部分は無くなるわけね。
 …誰か躾けてあげないと、そのうち殺されるわよ。」

ゴトンと少し大きく馬車跳ね「ぁう」と上ずった声が漏れた。

マレク > 「シンディさん。申し上げにくいのですが、この際常識はお捨て下さい。貴族の世界ではたびたび常識が及ばないことがあります。
例えば、大きな力を持つ貴族ならば罪を犯しても見逃される、というのは常識外れですね? ところが、ここではそれが横行しています。王族、貴族、資産家が集まる富裕地区での犯罪率と検挙率を知ったら驚きますよ」

当然の権利として怒りを漲らせるシンディを掌で押しとどめたマレクが、同心円状の溝が刻まれた左目で相手を捉える。

「……半分正解です。彼女をただ1人の主として敬うというのは、良い手です。しかしそれだけでは不十分。何故なら、私という障害があるからです。物分かりが良さそうにシンディさんをなだめ、彼女をたしなめた私が……あっ」

馬車が跳ねた拍子に、シンディの身体まで揺れた。執拗に媚薬を使われた身体では倒れてしまうかもしれない。咄嗟に腕を伸ばし、彼女を抱き寄せようと。

「失礼! ですので……貴女が子爵夫人をご主人様のように立てるより前に、私がお2人の敵となります。貴女がたを結束させる為の、まあ、接着剤のようなものです」

シンディ・オーネ > ――支えてくれるマレクに、事情を知っているのは当然だけど自分の状態が知られていると思うと気恥ずかしく、
いやありがとう、という礼は蚊の鳴くように。熱に浮かされたような顔はまた逸らして窓の外。

「…分かってる。」

貴族にかかれば平民など気分一つで奴隷行き。
道徳的な常識とは別にそれが王都の常識でもあり、
自分が何の後ろ盾もない冒険者となれば、なおさらだ。

「……今更、マレクを憎んで見せて子爵夫人の方に尻尾を振るなんて――
 待て。それはマレクの立場が… ああいや、私がマレクの方を見なければ、いいのか。」

どういう思考回路を捏造して態度を変えたものかと悩み、
そんな事で悩むのがバカらしくてしょうがないと貧乏ゆすりを――
始めるが、ぶるるっと震えて直ぐに緊張した姿勢に戻る。

「……ああもう、なんでこんな事に。」

リルアール家の護衛だぞ!と、不定期に雇われているだけだが
縁のある貴族の名を出しておけば、少しは状況も違ったのだろうかと思う。
それこそ迷惑がかかったら嫌だし、あの時はどうしたってそんな判断下せなかった。
おまけに実態としては別に重要人物ではないから、伝えたところで何も無いかもしれないが。

…そこまで考えて、あ、と思う。

「…お呼びがかかるの、どれくらいかな?
 ウェイトレスや、護衛の仕事を固定で不定期に受けているんだけど。」

子爵夫人のここまでを聞いていると用も無いのに拘束されそうで怖いが、
マレクは仕事がある時にとかそんな表現をしていた気がする。

マレク > 今更どうやって、と言われれば笑って頭を振った。

「容易いことです。私が、相談役という地位をかさに着た愚鈍で、粗暴で、好色で、卑劣で、惰弱で、ゲスな……つまり、クズになれば良い。すると2人の共通の敵になります。子爵夫人はシンディさんを救い、シンディさんは私に幻滅して、めでたしめでたしです」

シンディが倒れたりよろめいたりしないと分かれば男は身体を離す。そして相手からの問いかけに首を捻る。

「此方も、不定期だと思われます。今、遺跡では小型ゴーレムを使った無人調査が行われています。それで進入可能な領域を特定し、崩落などの危険性について分析が為された後、調査隊の出番です。
ただそれほど長くはお待たせしませんし、シンディさん抜きで始めることもない筈です。子爵夫人は、貴女に功績を立てて欲しいわけですからね」

微笑した男が安心してと言わんばかりに頷き、概ね昨晩の説明通りだと付け加えた。

シンディ・オーネ > 「……めでたくはないが。
 ……その、ありがとう。」

なんか、粗暴で好色で卑劣とか聞くと、少し怖かったが。
悪人を演じてくれるというのは気持ち的にも立場的にも良いものであるはずがなく、
それを私のためにしてくれると思うと、だから名ばかり貴族なのかなと視線が落ちる。
…他の冒険者にもそういう立ち位置をとって、夫人とメイドからはののしられていたのかなと思えば、
昨日それが出来なかったのは私の物分かりが悪かったせいかと思い至って、小さくなった。

「…分かった。事前に教えてもらえると嬉しい。
 あの、もう仕事入ってるのに急に来いとかは無理だから、本当に。」

夫人のわがままに対する警戒心が振り切れていて、
抜きで始めてくれてもいいから無茶は言ってくれるなと…
しかし『功績を立てて欲しい』と言われると、おそらくそれも夫人の本心。
ほんっとうに面倒くさいと、額にレザーグローブの手を当てる。

…それが、せめてもの救いなのだが。
あるいは貴族に目を付けられたという状況を思えば、望外の好条件と言って良いかもしれず。

マレク > 「同情は無用ですよ、シンディさん。貴女が困難な立場に置かれていることに変わりはない。ご自身のご成功と、アーネストさんとの幸せだけをお考え下さい。後は全て、ついでです。それに……」

神妙な様子になってしまった彼女を見れば、男は笑みを深める。

「演技というのは常にやっていないと効果が薄れてしまいます。ですからこの先、クズとなった私は貴女の災厄と化すわけです。メイドや護衛が私について何と話していたか、覚えていらっしゃいますよね?あの通りの者に、私がなる訳です。
適度にかわして、子爵夫人に言いつけたりして、上手くやってください。勿論、私に良い思いをさせて下さっても結構ですよ?」

ゲスな冗談を飛ばした後で高笑い。その後、事前に連絡をと言われれば勿論です、と頷いた。そうこうしている内に、馬車は平民地区の冒険者ギルド前に停まる。さっと降りた男が、昨晩と同様シンディの側の扉を開けて腕を差し出した。