2020/08/16 のログ
ノウブル > 「……名前が在る訳では無い、と言う事も在るか。
別に謝る事は無い、此処で目にする物は、俺にとって随分新鮮でな。
そう言う物が在ると知れただけでも、十分に収穫だ。」

(人が編み出す技術と言う物は、此れだけ多岐に渡るのだ
名前が無い我流、と言う事だって十分にあり得る事だろう
目的は名前を知る事では無く、其の存在を知る事だ
女の非力さを補うための戦い方で在るとしても、特定の状況では理に適って居る
下が硬い地面で在るならば、その戦法は更に厄介と為るのだろう。)

「長時間着て居るのは無理か。 冬場なら問題無さそうだが。
―――いや、俺は自前で賄って居る。 獲物も、着る物も。
獣のなめし革で良いなら、合わせて作ってやれん事も無いが。」

(――告げて、自らの、恐らくこの大陸では独特と言える姿を示す。
シェンヤンの文化とも違う、狩りの為に作られた軽装
動きを邪魔せず、然し獣の牙や爪から、最低限は守れる様な革のあて方となって居り
だが――其れが、相手の想定する「防具」に該当するかは、判らぬ
物見遊山に出向いた事は、在るには在るが、と付け足しつつ。)

「……知識は力。 悪事を働く輩が、其の使い手と言う事も在る。
獲物を狩るには必要だ、相手を知り、自分を知る事で見える物が在る。
――獣に限らず、な。」

(――武人、と言うには、求道者の如き高潔さは感じられぬだろう。
だが、もし女が想像した狩人のイメージが、獣や鳥を狩り暮らす者、と言う物なら
其れが、全く異なると言う事の片鱗が、垣間見えるやも知れぬ

――紛う事なく、狩る者。 其の獲物は、必ずしも獣に留まらぬと)。

シンディ・オーネ > 「ふぅん… 素手同士で良ければ、やってみる?
 ノウブルが怪我しない程度にセーブできる人ならだけど。
 私のは、痛いかもしれないけど変に抵抗されなければ… たぶん、そんなに、怪我までいかないわ。
 なんというかこう、関節に不安感がキタら力を抜いてくれれば私もすぐ放す。
 私が力を入れている時に力で振り払おうとすると、危ないかも。」

それは技をかけるまでいかれればの話だけれど、
そんなに興味があるのならお互い怪我をしない程度に組み合ってみましょうかと。
…言ってみるが、その体格を見て、勝負にならないかもなあと肩を落とすのだ。

「ええ冬ならね、冬なら。今着るのは苦行か何かよ。
 ――へえ、器用ね。それは… どれくらいで、作ってもらえるの?」

そして防具について。
一人で仕事をする戦士が自分の命を預けられる水準で作り上げられるものなら、品質としては文句ないと思う。
格安ならお願いしたいところだけれど、本当はそれなりの値段でおろせるものを変におまけしてもらうのも心苦しい。
どうしようかなあ、と思案。

ノウブルの言う『狩人』が何を狩るものなのかは、その言葉で概ね察した。
単純に武術が好きなのかもしれないが、必要にも迫られての興味だと理解して、
いや冒険者ならそんなものだろうし、スタンスとしては自分も違わないと少しだけ深めに頷き肯定を示す。

ノウブル > 「――――応じる事も経験の内、か。
壊さん位の加減は出来る、でなくば「捕獲」は無理だからな。
……力勝負では無意味だ、制圧するのではなく、受けてこそ価値が在る。」

(相手の忠告へと素直に応じ、頷いて見せてから。
ならば、と、背負って居た獲物を一度地面に置く。
――刹那、其々を片手で扱う軽々さと反した重い音が響くだろう
身軽と為れば、少なくとも着て居る物は、組手に支障が出る物では無い
再び相手へ向き直るも、先刻までとは変わる事無く、其の姿は自然体を保ち。)

「狩りに出なければ、4日。 ……本来もっと掛かるが。
なめし革の備蓄は、普段から多めに作って在る、形にするだけで良い。
……と言え、最後に御前の形に調える必要は有るだろうが。」

(勿論、其れ専門に防具を誂える、腕利きの職人とは比べるべくも無いだろうが
だが、少なくとも一朝一夕で買い取れる金額では無いだろう其れ等を、今高望みするよりは
手始めに、と暫くの間、使い潰すには充分やも知れぬ。
そして何より、補修が容易と言う利点は、大いに。

敢えて問題点が在るとすれば、自分用にしか造って来なかったが故に
女の身体に合わせるには、多少の改善が必要だと言う点だろう
其れを踏まえて、如何するかは相手の判断に任せるが。)

「金が無ければ、依頼とは別に一度、狩りを手伝うなら其れで良い。
――其の方が、御前にとっては都合も良いだろう?」

シンディ・オーネ > 「…つまり、狩りに出れば得られたはずの収入も、値段に入って来るのね。」

と言うか、その辺ちゃんと含めてくれないと、ノウブルが損をするようだと遠慮するしかないぞと釘を刺し。

「ノウブルの狩りにも興味があるし、手伝えるものならそれでお願いしたいけど、それは4日間?」

仮に身体で返す方を選択した場合は、泊まり込みになるのだろうかと銭勘定。
【ヴィルア】の護衛や【ロベリア】のお店でウェイトレスなど、実は収入の伝手があると現金払いも視野に入るが、
一緒に仕事をしようという者の普段の生業も、知ることができるならまたとない機会と思う。

体格の全く異なる者の防具を作るのは勝手が違うのではないか?とまでは気が回らず心配できず、
採寸については当然で何を気にかける事も無く、手合わせ前にその話は詰めてしまおうとした。

そして話がつけば、自然体で待つ相手のそれを準備完了と取る。

「そう、じゃあ。」

じゃあやりましょうとなれば、勝ち気そうな顔がいよいよ好戦的に、楽し気に。
思えば、経験と言えば師である養父と幼馴染のアーネスト、
それに村のひねくれた連中を相手にした事があるくらいだ。
ノウブルはそのどれともタイプが違い、そして最もパワフルに見える。
身体を彩る文様のイメージもあるかもしれないが、相手の出方をうかがいながらにじり寄る緊張の一瞬――

グン、と体当たりの勢いで踏み出して、肩を押し当てるようにノウブルの懐へ入り込み、腰に腕を回そうとする。

ノウブル > 「そうだな、とは言え、主に俺の食糧だが。
革は素材の補充にもなる、骨や角、爪が在れば武器にもなろう
勿論、其の儘売っても金には為るだろうが。」

(無論、相手も又冒険者である以上、己がただ損をする様な事にはすまい。
急ぐ必要が在るならば、狩りを止めて制作に集中すれば良い
狩りの手伝いは、其の後でも十分に間に合うだろう。
そうでないならば、制作の間、狩りについて来るのも構わない
其の場合は、4日よりも、もう少し掛かるだろうが、と伝えよう

純粋に金が稼げる他の仕事と異なり、手には居るのは、金と言うよりは素材が主だ
其処に魅力を感じるのならば、同行すれば良い。
採寸についての話は、相手の要望に応じつつ話を詰め。)

「――――……問題無い。」

(――実際、己が如何応対するか、は二の次だ。
体感する事が目的ならば、最初の相手の突進を避けるのは違うだろう。
とは言え、相変わらずの自然体で在るのは、決して油断とも違う
実際、砂人形なぞと比べれば、組み付きを容易に許した其の体躯は
酷く重さを、其の両腕へと伝える筈だ。

僅かに腰を落とすのは、投げを仕掛けると見ての対応
女の肩へと片手を置き、グラップルを剥がそうと試して見る、が)。

シンディ・オーネ > 4日よりももう少し、男と市外で泊まり込み…
そこまで意識してはじめて、これはよろしくないのではないかと思うが、冒険者の仕事ってそういうものだ。
…冒険団に所属したアーネストだって毎日帰って来るとは限らない。そう考えるが、
あちらは冒険団であって、異性と二人きりではない。

「…分かった。ありがとう、少し考えさせて。」

とりあえず条件は把握できたと頷き、あとは相棒に相談しようと思う。
聞けばダメとは言わないような気がするのだが、決めて来た、というのはさすがに良くない気がした。

――それで、手合わせ。
組み付きを許されれば、なるほど興味があるのねと少しやり難く思うけれど、それならそれで。
重量感にぐっと息を詰まらせ、肩に置かれる手を感じるとストンと姿勢を低くした。
片脚を大きく引いたのだ。腰を掴んでいた腕も一緒にお尻へ、大腿へと滑り降り――
肩を押さえる手ごとノウブルの腹を押す。腿から尻にかけてを両腕で拘束しながらのそれは、
後ろへの踏み出しを許さず仰向けに転倒させてしまおうというもの。

転ぶだけだって上手くいくと素人なら怪我しかねないが、そとは大丈夫と踏んだようだ。

ノウブル > 「いずれにしても、準備はして置く。
元々必要にはなる物だ、手間も省けるからな。」

(決めるのは相手だ、己は勧める事も、拒む事も無い。
相棒との話もあるだろう、と考えての事だ
ただ相変わらず、相棒が男で在るとは認識出来て居なかったが

其れよりも今は――この状況、だ
無理に引っこ抜く様な投げに向かわないのは、矢張り女の力だからか
代わりに、両脚ごと刈り取る様に腕が滑り、其の儘押し倒そうとする力が加わるなら
成程、と、相手の抵抗、或いは反応を見た上での二段構えに
感心した様に双眸細めながら――後方へと転倒する

其れでも、其の儘後頭部を打ち付けて気絶、なぞと言う事は流石に。
残った片腕で床を叩き、受け身を取りながら、叩き付けられた反動を利用して身体を大きく逸らす
大型の獣へと、圧し掛かられた時に見せる様な抵抗で、叶うならば、逆に己が上を取ろうとし)。

シンディ・オーネ > アニーと呼んだり、恋人という表現を照れて幼馴染、相棒という言い方になったりと、紛らわしいに違いない。
準備と聞けば、止めておくなら止めておくでお返事しますと伝えておいた。

――二手の間があるうちに、相手が手慣れているのであれば背中への痛打でもくるのではないかと冷や冷やしたが、
やはり反撃は控え目で、受けようとしているのを感じるとどこか試されている感。
押し倒し、そのままマウントを取ろうとするがそこは相手が起きて来た。
俊敏さに驚かされるがそれでこそ。
脚を捕まえているのはこちらだと、左脚を抱きしめ、右脚は解放されるがそれは
左脚を軸に自分の頭と脚を反転させにかかったからだ。

上を取ろうとするノウブルの上半身を、くるりと回ってきた安全靴の左足が阻み、
ノウブルの脚側では、左脚に両腕が絡み付き、持ち上げ、その下にシンディの右脚が入り込もうとしている。
ノウブルがその気ならこのどの段階でも関節技の応酬によらない反撃が可能かもしれないが、
上体を阻んだ左脚も、見逃せばノウブルの脇に入り込もうとして――

パズルのように絡み合う結果として、ノウブルの左脚に全身で組み付いて拘束、からの破壊を目指していると察せられる。

ノウブル > (打撃、が選択肢に入るのならば、手を出すべき場面は幾度も在った
だが、此れが狩りではない以上、組手である以上は
相手にとっても、己にとっても有意義であれば其れで良い
故に――同じ土俵での、経験、そして、吸収。

上を取り返そうと動くのに、更に対応する女の判断力
有利の取り合いを経て、相手が今度は足へと狙いを変えるなら
其れが女の技術において、何と名付けられるのかは知らぬが
関節を破壊しに来ている、という事だけは、予測出来た。)

「――――変幻自在だな。」

(此れが駄目なら次、其れも駄目なら次。
組む相手の実力を目の当たりにして、感心すら浮かびつつ
――だが、そう易々とさせてはやらぬと、己が片足を自らの片足に絡ませ
相手に曲げられぬ様に抵抗しながら、逆に上体を抑えている左足を
ぐい、と必要以上に深く引き寄せ、空いた隙間から、片腕で女の胸元を抱えれば
此処で漸く、技では無く、力で無理矢理引き剥がそうと
女が、何処まで粘れるか、或いは、極めきれるのか――試す為に)。

シンディ・オーネ > 「――ッ!」

他人の体が絡み付くと状況に不慣れな相手は慌て後手に回ってくれる。
何なら思考停止したかのように翻弄されてくれるものだが、この男は。
知らない技術と言うけれど、落ち着きこちらを観察するような相手の呼吸を感じて、
自分の技と思っているものがまだまだキレに欠け、ずいぶんとのろのろしたものであるのを自覚させられた。

…ノウブルの胴、脇に回すはずだった足が掴まれてしまうとテコが完成しない。
型の習熟というよりも関節の構造から適宜対応するという習得の仕方で、崩されてもめげはしないがこれは。
脚力と握力ならばこちらが有利と腰を回して手を振りほどこうとするけれど――

「――ぉおおおっとっとっとっとっ!?」

胸元に腕が回ると脚にしがみついてみてもそちらは自然に曲がる方向か。
それでも何とか持ち直そうと、ちょうど股を合わせるようになっている、ノウブルの脚に回した自分の脚で大腿を固定、
せめて両腕で膝をありえない方向に曲げてやれないかという姿勢に出るが、熟練度が力に負ける。

ある程度引き剥がされてしまえば、参ったと手を上げた。
ここから何かされるよりも早く、今度は私の胴を捕まえている腕に狙いを移せるかもしれないが、
こんな形で一度解除されてしまったら、ここから何かするのは仕切り直しと扱っても良い気がして。

「…ハイ、こんなものよ。披露しましょうって体で、冴えなくて悪いけど。」

身に着けた格闘術は魔術師の防衛力であり、関節技は主旨と異なるが、それでも好みの分野。
悔しいらしく、ぐぬぬって不機嫌な顔になる。

ノウブル > (――だが、其れでも。
最後まで粘り、離そうとしなかったのは、当然だが大事だ
腕力で技術を押さえつけるやり方は、決して美しい遣り口とは言い難いが
相手の力量を見定める上では必要であった
最終的に――少々不満そうに表情顰めるのを見れば
代わりに、ぽん、と其の頭に片掌を乗せ。)

「卑下する必要は無い、相応の鍛錬が垣間見えた。
だが、此処で易々と取られて居ては、御前も同行して不安だろう。」

(――己は、魔法を、魔術を扱えない。
近接戦闘に全てを割り振ったような存在である事を鑑みれば
さらっと相手に関節を極められて居たら、それはそれで、相方として忍びない
女の身体を抱えて居た腕から力を抜けば、解放してやりつつ
其の背中に、ぽん、とひとつ、元気づける様に掌乗せては。)

「また教えてくれ、組手でも、唯見学だけでも良い。
砂人形よりは、役に立つ筈だ。」

(それは、格闘術に対する純粋な興味も在ったろう、が。
一応は、仕事で組んだ相手でも在るのだ。
其の助けになるなら、と言う言葉と共に、先んじて立ち上がれば
相手に向けて手を差し伸べるだろう。

――そして、もし女がまだ、この場で訓練を続けると言うのなら
きっと、暫しの間、其の時間に付き合い、見学か或いは相手と為るだろう
そうでなくば、また最後に、狩りと防具制作の話を軽く交わして、別れる事と為りそうで――)。

ご案内:「運動場」からノウブルさんが去りました。
シンディ・オーネ > 「――。」

明らかに、それまでよりも頭に手を乗せられた時の方が口のへの字が深くなる。目が据わる。
ノウブルにはもちろん悪気など無いと、分かっているはずなのに。
侮られたと、女子供扱いをされたと感じてしまって。

とはいえ、ごく短時間むくれるだけだ。
それで不満を表明してはそれこそ子供っぽいと思うので…
それなのに顔に出るのは止められないのだが、相手の言葉をもっともと思えば水に流す。

「…そういえば、そうね。
 色々狩ってる狩人に通用するなんて方が、おこがましかったかもしれない。」

…でも私の土俵に上がって来てくれたのに、とぶつぶつ言うが。
背中をポンとされるのは気にならず、またゴロゴロしたスーツを叩いて、またやりましょうと頷く。

この上続けて披露するなんてのも気恥ずかしい話なので、今日はここまでだ。
ノウブルが残るのなら少し話してから、もう出ると言うなら一緒のところまで話して帰ろう。

ご案内:「運動場」からシンディ・オーネさんが去りました。