2020/07/23 のログ
バルベリト > 誘導、陽動には乗らない。堅実に、確実な手を打ってくる。
彼女の言葉通りにリスクを嫌い、実直な手を打ち続けてくる。
小差で有利を一見生み出せそうな位置に兵士を進ませても、相手の堅実性は崩れない。

「珍しくもねぇなぁ……。そういう意味じゃ俺は恵まれてる方か。
んじゃぁ。そういう他者を食い散らかす様な貴族の炙り出しにも使えるんじゃねぇか?
意見の食い違い、表面上の対立が視えりゃ動く連中だっている。
そういう貴族をマーキングしていくとか……な。あ。」

悪手を打ったのには気が付いた。本来置くべき場所ではない位置に僧兵が動いてしまったのだ。
陽動と言うには勿体が無い位置。相手も多少なりと陣形は崩すが、兵士と僧兵の交換扱いになる。
取るか、どうか。少なくとも沈黙した己と、物言わぬ僧兵の駒は相手の動き、出方を窺っている。

「へぇ。レオーネ卿は綺麗な顔立ちしてるし、ナンパでもされてるかと思ったがそうでもないのか。」

ケラケラケラと笑う。予想外の角度で精神攻撃。動揺すれば御の字ではある。
相手の蒼い瞳に映るのは、少なくとも対話。そして遊戯を楽しんでいるという屈託のない笑みである。
師団長と言う肩書を必要としないような言葉と感情、思考の遣り取りを楽しんでいる笑みだ。

「俺は人と会話するの好きだけどな。色々見えてくる側面もあるし。
何より自分にない考え方を学べるいい機会だろ?
自分の考えが常に正しい、なーんて言える程俺は賢くもねぇし、凡庸なもんだ。
だから他者の思考の始点と、視点両方が得られるこういう会話ってぇのはいいもんさ。これも一種の自己研鑽だしな。」

書物を読むより、剣を振るより、体術を鍛えるより。
……こういう会話は自分に必要な物だと告げていた。

レオーネ >  
「そうね。炙り出しには良いかもしれないわ。
 でも私は悲観するほどではないけど、この王国の現状は知っているつもり。
 炙り出した結果が芳しくないものだった場合、結局動けなくなるんじゃないかしら。
 ──あ、動いたわね」

メリットの勝るリスク、それは踏み越えるものだという言葉とおりに、ポーンを差し向ける

「ないわねー。少なくともこんな格好をしている時は」

重苦しい、象徴的とすら言える黄金色の甲冑
腕や脚部の装具を外し普段よりは身軽な姿ではあるが

「私も別に嫌いというわけではないのだけど…。
 人生における何よりも大事なのは"機会"なんだって、思い知らされるわ」

もらうわね、とクッキーを一つ、口へと放り込む

普段の雰囲気は兎も角、話してみれば年相応の女性…と言った印象だろうか
盤面は、といえば…あまりにも堅実
悪手を見逃さず切り込み、本陣は堅牢なまま
果たしてその悪手が偶発的に起こったものなのか、それともレオーネに勝利を与えるべく天運が呼んだものなのか

バルベリト > 「動けなくなっても、どっかしらのお人好しが動くんじゃねぇか。
見てる限り、そういう貴族ばかりじゃねぇし。いざとなりゃ打算にしろ手助けする連中だっているさ。
リスクを嫌うのも判るし、軽々に動けねぇにしても。
俺はリスクを取ってでもリターンを取っていいと思うが……あああ!」

最後悲鳴になるのは演技か、どうか。声とは裏腹に笑みを浮かべつつ、差し向けられたポーンにビショップは倒され。
そのポーンを別のポーンで倒していく。
戦力的には大きな痛手だが、代わりに動いたポーンの筋が開けた。女王を動かし、その開いた筋ににらみを利かせる位置に移動を始めていく。

「そりゃまた。リスクを嫌ってリターンを狙おうって気概のある若者の少なさを嘆くべきなのかねぇ。
まぁ今の格好じゃない時ならあるって事だろうし、そこはまだ若者の気概を喜んでもいいのかねぇ。」

確かに第一師団長として装備を固めている状況であれば、誰であるか容易に判ってしまうため、声を掛けにくいのかもしれないが。
クッキーはバターの香りにさっくりとした表面を齧ると、中から甘みのある干した果実が顔を覗かせる。

自分はサンドイッチ……一般的なハムサンドを手にしてチェスは続く。
幾分劣勢だが、彼女の天運が齎したにしては随分と地味な盤面でもある。偶発的な代物なのだろう。

「あぁ、そりゃ判る。俺も転機がなけりゃ今この場にいねぇし、むしろ腐敗貴族の側についてたかもしれねぇからな。
さーてそんじゃ崩しにいくか。」

こん、こん、と。駒を少しずつ動かしていく。
大駒が動ける範囲を広げ、相手の穴熊……守備重視の相手を包囲するような形を作っていく。
ビショップの差はあるが、その分出来た道筋を逃さないとばかりに。

「機会を貴ぶなら、まぁ猶更さ。
他の師団とも交流しといて良いと思うぜ。……少なくともウチんとこは何時でも他師団との交流は歓迎してるしな。」

レオーネ >  
「そうね。問題は師団の性質というか性格が、それを望むかどうか。
 皆が思っている以上に、傲慢な貴族って多いものよ?」

悲鳴には小さな笑みを、そして動き出したクィーンには進軍したポーンの隙間を縫うようにしてビショップが動く
クィーンにはクィーンを差し向ける…というのも面白いが、彼女は守りの要でもある

「時と場所と場合。
 少なくともこの場所で、こんな格好をしているうちはそうそう隙を晒せないわね」

口元の笑みをやや深めるまま、駒の動きに合わせるようにして穴蔵の外では迎撃の配置を取ってゆく
ポーンの奥にナイトが控え、クィーンが睨みを効かせる、そしてそれを補佐するようにビショップが並び…
相手が迂闊に動かなければ、ナイトを飛び込ませる…というの意図がよく見える

「交流については…そうね。師団というよりも、私個人としてのほうがいくらか都合が良いかしら」

バルベリト > 「傲慢な貴族程御しやすい物もなくね?
……あぁ、いや傲慢な様で周到な連中もいるから一概には言えねぇか。
よっ、と。」

奇手を取った。
クィーンは本来捨てる様な駒ではない筈が。その駒を平気で突貫させた。
本来の穴熊であれば出来ない空白地帯。1つのポーンが斜めに動いた事で生まれたその空白にクィーンが入り込んだ。
そこから1歩でも間違えればクィーンは頓死するが、相手が一手動かした後でこちらはクィーンを引かせられる。

戦場で切り取った盤面の広さを生かす様にして、じわりとポーンの列。そしてナイトが前に上がってくる。
直接的には駒を取られない、ギリギリのラインを築き上げる。
戦端を開くのはどちらが先か。

「なーるほど。んじゃ今度飯でも食いに行くか。
王都の一角に上質なパフェ出す店があるんだが、オッサン一人じゃあれなんでな。
ちょいと付き合ってもらうかー?」

レオーネ >  
「え?あ、ああ…そういったお店にはいまいち足が遠くて
 …誘っていただけるのなら、と言ったところだけれど」

思わぬ申し出にややたじろいだ様子を見せると
そして盤面でもやや思わぬ動き……
既に穴蔵は完成、定石にない動きに囚われる必要は、果たして
互いにギリギリの戦線を築きつつ、こちらの手番
あくまで盤上ゲーム、膠着状態が続く、生の戦場とは違う
火蓋を切るべきは、手番の渡った此方であえる、と
ポーンの背後からナイトが飛び出し、口火を切る
ナイトがとられれば、後ろに位置するポーンがそれを狙う
ここからの展開はおそらく怒涛…取り合い合戦になるだろう
最後に穴蔵を崩す余力があるか、穴蔵が瓦解するか

「にしてもパフェとは。
 可愛らしい嗜好をもっているのね」

バルベリト > 「いや、パフェとか甘い物は大好物だけどなぁ。
男やらオッサンが甘い物が好きじゃないって固定観念は捨てようぜー。」

格好を付けるなら別だが、あくまで自分には素直な事を信条ともしている。
甘い物も肉も、魚も変わらず好きな食物である。
まして戦場では、そういったものからは遠ざかってしまう為に。
猶更、生を実感できるひとつの手立てとも言えた。

「評判は凄い良いんだが、中々一人で出向くにはきついんでな。
クッキーに手を伸ばしてたから、多分甘い物も大丈夫だろって思ったし。」

飛び出てくるナイト。ポーンで倒せばそのポーンが元いた筋が空いてしまう。
なので、そのナイトはナイトで打ち取り、此方のナイトは相手のポーンにより斃される。
その相手のポーンを斃すのは、二人目のナイトだった。強引に風穴を開けていく手法でナイトの相打ちとポーンの相打ち。
そしてビショップの相打ちにより此方のビショップは尽きた。

代わりに。穴熊の端を崩しに行ったのは、キャスリングをされなかった方のルーク側。
そのポーンの前に出張ってくるポーン。それを取ればこちらの残り一人のナイトが飛び込んでいく。

レオーネ >  
「趣味嗜好は人それぞれ、良いと思うけれど、
 大柄な貴方からそんな言葉を聞くとは思っていなかったから」

絵面を想像してしまい、少し頬が綻ぶ

「でしょうね。
 まぁ、暇を見つけて…といったお話なら、此方としても断る理由もないわね」

さて盤面はといえば、少しずつ終局へと向かってゆく
端の攻防へ、万能に動くクィーンを差し向けるか否か…
この局面に置いては、慎重さよりも確実性、大胆な手ではあるが手駒も少なくなる頃合い
ならばとクィーンを差し向け、ナイトを迎撃する

「…ふむ、なかなか」

口元に手をあて、盤面を眺めそう零す

バルベリト > 「割と良く言われるんだよなぁ。そんな珍しいもんでもねぇと思…。
いや、やっぱそんなに多くねぇのか。良く言われるってことはそんだけ少ないんだろうし。

あぁ、そりゃ勿論。こっちも、そっちも。お互いに抱えてる仕事もあるだろうし、それを片付けてから、折を見てだろうしな。」

お互いに駒を交換していく形。
さて、最後のナイトをクィーンで打ち取られると、その出口をクィーンで塞いだ。そのクィーンは相手のクィーンでしか取れず、そのクィーンを取ると此方がルークでクィーンを斃し、そのルークは相手のルークに打ち取られる。
代わりに先程、筋を開いた斜めに移動したポーンがそのルークを打ち取れる。

さて、チェスには言わずもがなのルールが一つある。
ポーンが最奥まで斬り込めば、クィーンの動きが出来ると言う物。
それを狙っての動き、ともいえる。

「きっつ。ぎちぎちに固められてたけど、此処までくるとなぁ。
1兵卒と思ってたポーンにこっちの攻めの最後委ねる様な形になるけど。」

これを相手が捌けば相手の勝利。
捌けなければビショップの駒損を補えるだけの戦力が手に入る。

レオーネ >  
「不穏な話も続いているけど、そういった時間が互いに得られるといいわね」

言葉を返しつつ、やや長考
ナイトをクィーンが
クィーンをルークが
ルークをポーンが───

「んー…攻め時は間違ってなかったと思っていたけど、少しクィーンを焦らせたかしら」

結果、ポーンのプロモーションを許す形に成る
こうなれば穴熊の堅牢さは失われたも同然か

バルベリト > 「不穏話が続いているからこそ、だけどな。
上に立つ連中が常にしかめっ面しっぱなしじゃぁ、同僚や騎士、王国の民にも緊張感が伝わっちまうだろ?
遊びっぱなしもよくねぇけど、たまにゃそういう顔も見せなけりゃ息も詰まるってもんさ。」

ふぅー、と負け目前ではあったが、それをしのぎ切り、新たな強みを手に入れた。
詰めの手順は誤らず。一手一手、着実に相手の戦力を削り、出口を逃げ道を塞いでいく。

「あっぶね。んーどうだろうな。案外、最初に防備を固めるってところから拘ったのが筋だったかもしれねぇぜ?」

感想戦の様にお互いの言葉が交わされる。
直近の手ならクィーン自体の動きでもあるが、その余地を残せるように展開させた形も引き金だったかもしれず。
明確な原因と言えば難しい。こちらも、派手に動いた結果ともすればあのまま捌かれて負けていたのだから。

「リベンジは何時でも受けて立つぜー?
その前に、パフェが優先だけどな。」

レオーネ >  
「……え、もしかして私、普段そんな顔してる…?」

ここまでの話の流れだとそういうことになるのだろうか
いわゆるあがり症から来る緊張から顔が強張ったりしているのだが、自覚ナシ

ややして、投了
彼の言うように原因を探すのは難しい
だからこその盤上ゲームの面白さなのだが

「リベンジ、ね…。いいわ、負けちゃったしそちらの言い分を飲みましょう」

肩を小さくあげてそう宣う
どちらにせよ断る理由はなかたのだけど

バルベリト > 「してるしてる。今みたいに、少しずつ笑ったりとか感情の色を見せるようにするだけでも、周りに与える印象は変わるかもしれねぇぞー。」

自覚が無かった様だ。人によって威圧感。重圧と言った物を感じさせていたのだが。
……これを機に、自覚を得たなら改善される事もあるかもしれない。
そうなれば良いな、とは声に出さぬ願い。
師団長は。ともすれば孤独にもなりやすい立ち位置でもある。孤独、孤高と言うのはともすれば視野も狭くなってしまいがちなのだから。

幾つかの駒を確認する様に戻し、また動かし。感想戦は手短になり、駒は布袋にしまい込まれていく。

「他の盤上ゲームでも良いぜ。まぁ先刻みたいに、ちらっとでも笑顔出せる『機会』になるならな。
んじゃ、パフェを楽しみにゆっくり雑務もこなしていくとするか。」

これを機会に出来るなら、自分に話を持ってきた第一師団の騎士の願いは少しは叶えられたのかもしれないが。
どうなるかは相手次第であり、劇的な変化と言うのも難しいだろう。
まぁ、少しずつでも変わるのは悪くない。それが良い方向に転がるなら尚更だ。

「今日は時間貰ってありがとな。楽しかったぜー。
俺もなかなか人と話す機会少なくてなぁ。こうして肩の力を抜いて話やら遊べたのは久々だ。
サンキューな。」

レオーネ >  
「──…そ、そう」

額に手をあて、少しだけ項垂る
まさかそんな顔になっていたとは、軍議の場なんかでは鏡を見れもしないし…

「此方こそ、良い機会になったわ」

そう言葉を述べるとふわりと柔和な笑みを浮かべる
相手が一師団長、ではなく遊び相手へと変わったことで少々残っていた緊張も消え去ったらしい

「肩の力を抜いて過ごせる時間が、この王国に少しでも増えると良いわね」

椅子を引き、立ち上がる
外していた脚甲やガントレットを嵌め直し、第一師団長としての自分で覆っていけば、
先程の笑みとは一変して鋭い剣のような雰囲気を醸し出す
城内での、第一師団の長としての姿へと、戻る

「では私はこの辺りでお暇しましょう。
 なかなかに素敵な時間だったわ。バルベリト卿」

黄金色の甲冑に夜色のマントを翻し、別れを告げれば一礼の後に軍議の場を去るだろう

バルベリト > 「あぁ、またな、レオーネ卿。
……後あんまり、俺自身卿付けで呼ばれるのは得意じゃねぇんだ。
呼び捨てで頼みたいが、まぁそこは」

一気に言う話でもないだろう。
椅子を戻し、食器を片付け。そして一式の道具を手にして軍議室を後にする。
先に出ていく相手に送るのは会釈。軍議の為の場の灯りは落とされ。
己もまたその場を後にしていく。

小さな変化がどう転ぶか。少なくとも天運ばかりではなく、こればかりは彼女自身の変化を待つばかり。

ご案内:「設定自由部屋3」からバルベリトさんが去りました。
ご案内:「設定自由部屋3」からレオーネさんが去りました。
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」にエレイさんが現れました。
エレイ > ──温泉旅籠内の、主に宿泊客向けに用意されたサービスの一つが、このマッサージ室である。

その施術室はいくつかの個室に分かれており、客は専用のカウンターで受付を済ませた後、各個室で待機しているスタッフと
一対一でマッサージを受けることになる。

なお、客にどのような施術を行うかは、スタッフの判断にすべて委ねる、というあたりはこの旅籠らしいといった所。
ついでに、各個室内には客に安心感を与え、施術への抵抗感を知らず知らずのうちに薄れさせてゆく効果を持った、
ほのかな香りのアロマが炊かれていたりもする。効果がどれほど出るかはその客次第なのだが。

「──はーいお疲れチャン。また来てくれたまへ」

そんな中の一室から、満足げに出ていく宿泊客を笑顔で見送る、スタッフ用の作務衣姿の金髪の男が一人。
今日も今日とて知り合いからの依頼で、臨時のマッサージ師として仕事に精を出しているのだった。

「ふぃー……こういう普通のマッサージも悪くはないのだが、そろそろ一発エロマッサージでもしたいところであるなぁ」

個室内に戻り、施術用のベッド脇の椅子に腰掛けながらそんな詮無い独り言を漏らす。
今日は現状、立て続けに男の『標的』にならない客の来訪が続いたため、男はごく普通のマッサージ師として
仕事をこなすばかりであった。
男としてはそれもそれでやりがいを感じなくはないのだが、やはり役得の一つぐらいは欲しいところであった。

「まああそれも時の運というヤツなのだが……──おっとと一息つく暇もなさそうだったな」

ボヤキを続けようとしたところで、閉じたばかりのカーテンが開く。
個室は廊下に面しているため、受付を経ていない誰かも稀に紛れ込むこともあるらしいが、それはまあさておいて。
さて、やってきたのは男の『標的』になりうる客か、それとも……。