2020/05/21 のログ
ご案内:「設定自由部屋3」にブルートさんが現れました。
ご案内:「設定自由部屋3」からブルートさんが去りました。
ご案内:「花園」にブルートさんが現れました。
ブルート > 抱えた棒が花にふれてしまわないように。
乳房が重たいのか――とあざ笑われたこともある猫背の体躯が、静かに舗装された道をあるく。
咲き誇る花々の香りを吸い込み、うっとりと目を細めた。
少しばかり明るさを分けてもらっている気がする。

「ああ……でも、雨のにおい。そろそろ、そういう季節ですか……」

鈍色の雲の目立つ空を見上げてためいき。
すれ違う人たちが、ふいに噂話。
つい先日、花園で、心優しく、立派な女性が消息を断ったのだと。
妖精に連れて行かれてしまったのかも、なんていう話を聞くと、唇をほころばせた。

「あなたのことですかね……」

奥まった場所に座り込む。
麗しい純白の芍薬が咲いていた。つい先日植えられたものだ。うっとりと眺める。
トクトクと胸が高鳴り、瞳がそっと潤んだ。

ブルート > 「ふふ」

やがて気が済んだのか立ち上がる。
鎌鼬に攫われた女性。あの夜のことを想うと、未だに下腹のあたりが疼く。
情欲が垂れ落ちてしまわないように、スカートの布地をぎゅっと掴んでお腹にちからを入れた。
がまん、がまん。

「……じゃあ、また来ますね。 雨が降る頃に、傘をさしに……」

穢されて苦しめられた上でもこんな可憐な芍薬が咲くのだとすれば、
世界はとても美しく成り立っているのだろう。
自分がその一助になったようで、三日月めいた笑みを浮かべて、それは花園を後にした。

ご案内:「花園」からブルートさんが去りました。