2020/03/07 のログ
ご案内:「魔獣牧場」に獣魔目録さんが現れました。
獣魔目録 > ――…此処は王都の郊外にある魔獣牧場。
大きな木製の門をくぐると、其処には広大な草原が広がっており、幾つか並ぶ小屋には1頭1頭魔獣が飼育され、或いは魔獣が預けられている。

空を飛ぶ魔獣には小屋と共に特別強固な結界が張られ、大地を駆ける魔獣には厳重に首輪と鎖が、水辺に住む魔獣には小さな泉か水槽が小屋の中に用意されている。

24時間出入り自由で、その為に木製の門の傍にも小屋があり、其処には冒険者ギルドから依頼を受けた信頼された冒険者が案内係とじて常駐している……万が一に備えてでもある。

牧場の敷地は魔法で結界が張られており、外からの侵入や中からの脱出を防ぐため出入り口の門以外はたとえ上空でも地面でも水中でも脱出することは不可能で、今夜はそんな魔獣牧場に異様な空気が広がっているのであった。

その原因は1冊の魔導書。
魔獣の皮で装丁された本に獣魔目録と赤い染料で書かれた魔導書なのであるが、是がまた魔獣と相性が有る意味よろしくなく、偶然この魔獣牧場に姿を見せたその魔導書から溢れる魔力で牧場の魔獣たちは妙に興奮をしているのだ。

もし、魔獣を預けているなら牧場の敷地に並ぶ小屋の一つに入り魔獣の様子を見てもいいし引き取ってもいい。

新しく魔獣を飼いたいなどあれば見学も自由、小屋を覗きお気に入りになった魔獣の小屋へと入り込んで愛でてみるのもいいだろう。
もし迷ったら入り口の小屋に常駐する冒険者に尋ねれば好みにあった魔獣が飼育されている小屋を教えてくれる。

勿論見学も歓迎で魔獣を見て回るのも良いかもしれない。
普段冒険でしか見られない魔獣たちの姿をゆっくりと見る事が出来るだろう。

牧場に張られた結界が獣魔目録の魔力に反応して壊れていなければ……だが。

ラウンドウルフ、グリフォンにマジックオクトパス、コボルトなどの獣人その他諸々。

何れも人と比べ物にならぬ力を持った魔獣たち
彼らが獣魔目録に影響された魔獣たちが小屋の中で来訪者を待っている。

――…その眼は爛々と輝いているが、だ。

獣魔目録 > ふあー……あー……

大欠伸を零したのは魔獣でも魔獣に属する亜人でもなく、出入り口の門を警護する冒険者の男である。

仕事は酷く簡単で、稀にしか客が来ないから楽だと引き受けた仕事であるが、それは本当で代わりに退屈だの暇だの睡魔だのという難敵と闘うはめとなっている。

客が来れば要件を聞いて、要件次第では地図を渡して簡単な案内をして……にしても暇である。

その暇は当然敷地に建つ小屋に隔離された魔獣たちも同様。
彼らは暇と言うよりも魔導書により煽られて本能が剥き出しに近しい状態に陥っている為、どちらかと言えばエサがない肉がない、だの飢えを持て余してるほうに近い

一見して静かな夜である。
だが一皮向けば……と。

ご案内:「魔獣牧場」にリムリアさんが現れました。
リムリア > 滅多に人の寄り付かない郊外の施設
そんな場所を訪れるのは余程のもの好きか、暇を持て余した者くらいだろうか。
けれども今夜その場所を訪れた少女は、そのどちらでもなく。
――もしかしたら、前者に近いかもしれないけれど。

「こんばんは、遅くまでお疲れ様です。
 引き継ぎに来ました。交代ですよ。」

どちらかというとギルドの受付としての方が顔も名前も通っている少女ではあるけれど、
これでも一応は冒険者である。駆け出しのと頭には付くけれど。
ぺこりと先輩にあたる冒険者に頭を下げて、夜間警備の引き継ぎを受ける。

魔獣の勉強がてらに引き受けたこの仕事。
本来ならば明るい時間の方が勉強には良かったのかもしれないけれど、上手く時間の調整ができなかったのだ。
元々夜行性の魔獣も多いから、これはこれで勉強にはなるだろうけれども。