2020/02/05 のログ
ご案内:「魔物の雪山」にエシル・アルトワーズさんが現れました。
エシル・アルトワーズ > 【⠀待ち合わせ中 】
ご案内:「魔物の雪山」にクロイツさんが現れました。
エシル・アルトワーズ > 「その時は、任せるさ」

無責任とも取れる発言は、それでも彼の力を信用してのもの。
いざと言う時はゴーレムとかそんな感じので堰き止めてもらえるはず...多分。

そう言い残して雪面を蹴り出し、魔物の群れへと飛び掛る。
横薙ぎ、逆袈裟、唐竹、突きーー魔剣へと変質した剣は重厚ながらもまるで指先のようにわたしの意を汲み躍るように魔物の身体を滑り、キャンパスに紅い華を咲かす。

数体目の魔物を両断すると同時に頭上を影が覆う。
見上げれば振り下ろされる巨大な棍棒がわたしの視界を埋め尽くすーー!

クロイツ > 「任せるって……、エシルの頼みだから任されるよ」

堰き止めるだけならならたやすい事。
ゴーレムの応用で壁を立ててもよく、ゴーレムの物量でと手段は多く。
しかしエシルがそんなミスをする事はないと信じていたりして。

「一人で突っ込みすぎると危ないって……!」

雪面を蹴り魔物の群れに飛び掛かる後を走り追いかけ。
次々と魔物を切り裂き突き刺し、咲かされた紅いの華の上をかけ。

「……それは許さないよ。下種が…」

数体目の魔物を斬り捨てたエシルを巨大な棍棒で叩き潰そうとする大柄な魔物。
エシルとその魔物の間に身を割り込ませれば魔法障壁を張り棍棒の一撃を防ぎ、攻撃の勢いを返すように棍棒を跳ね上げ。

後御願いというように剣を振えるスペースを開けるように身を屈めて彼女に笑いかける。

エシル・アルトワーズ > (かっこいい...!」

クロイツが作った一瞬の隙、当然逃すはずも無く。

「悪いな、こちとら伝説の勇者と魔王のコンビなんだよ...!」

踏み出し、剣を突き出す。
吸い込まれるように伸びる魔剣の鋒が、魔物の心臓を穿つ。

「消し炭になりやがれ!」

掛け声と共に魔剣から黒い稲妻が弾けて焦がす。
細切れの断末魔をあげながら魔物の巨躯が炭化する。

剣を引き抜き、振り払えば『魔物だったもの』が崩れ去る。

「ありがとな」

剣を肩に担ぎ、言葉を投げる。
魔物を見遣ればだいぶ動揺が広がっているのがみてとれる。

クロイツ > 開けたスペースに踏み込み魔物の心臓を貫く後姿。
その迷いのない素早い動き、閃光のような剣を突き出す速度に思わず見惚れ。

こうして本気で戦っている姿を見る機会は非常に少ないが、その都度に見惚れてしまい。

魔剣から黒い稲妻が弾け魔物が炭化し、剣を抜けば崩れ去るのを見詰め。

「お礼なんていいよ。当然のことだしさ。
妻を守るのは夫として当然だよ」

彼女の言葉に当たり前だと、嬉しそうな声で返し。
エシルの強さ、そして勇者と魔王という言葉に動揺を始める魔物を見回し。
その表情はエシルに向ける優しいものではなくどこまでも冷酷な笑みで。

「今頃身の危険を感じてるみたいだけどね。誰も逃がさないよ」

そう告げ指を一度鳴らし。
魔物が唯一生き残れる逃走ルートに何体ものゴーレムが雪の中から身を起こして退路を塞いでしまう。

エシル・アルトワーズ > 前門の鬼神、後門のゴーレム。
文字通り進退窮まる魔物の群れにわたしはまるで愉悦のような感覚を覚える。

「情だ、一撃で楽にしてやるよーー」

剣を縦に構え、黒雷を纏わす。
その魔力を鋒一点へと収束させーー一気に突き放つ!

矢のように放たれた閃光が着弾と同時に爆ぜ轟音と共に爆風が吹き荒れる。

塵のように消え去る魔物。
恐らくは全て退治出来たのだろう。

ーー当然、忠告を忘れたツケは消えるはずもなく。

「あ、しまった」

地の底から響くような音共に視界の端から津波のような雪崩が迫る。

クロイツ > 退路を失った魔物はエシルに切り伏せられるかゴーレムに潰されるの二択。
しかし彼女から感じる愉快という感情から結末は直ぐに分かり。

「それがいいよね。その方が以外も………エシル?」

一撃で、どんな技を使うのかと楽しみという顔をしていたが…。
横に構えられた剣に黒雷が纏えばその表情は固まる。
魔力が一点に集まっていく事にまさか……名前を思わず呼んでしまい。

そして放たれた閃光が着弾と同時に轟音と共に爆ぜ爆風が吹き荒れ雪が舞い上がる。

積もった雪が舞い上がる中、塵と消えていく魔物。
一部のゴーレムも巻き込まれたのか姿を消しているが魔物は討伐出来たようであるのだが…。

「僕は言ったよね?雪崩が起きるって」

爆発により何処かで積もった雪が倒壊したのか響くような轟音。
そして直ぐに津波のように雪崩が迫るのを見てしまえば慌ててそちらに腕を突き出し。

「多重召喚!防げ!!!」

無音詠唱では防げそうにないと瞬時に判断すれば声を上げ魔術を展開。
雪崩と自分たちの間に巨大なゴーレムと共に壁を呼び出し、次にはエシルを包むように抱きしめて雪崩に流されないようにゴーレムの影に身を伏せる。

エシル・アルトワーズ > 白、黒、青ーー白。

思わず惚けてしまったその一瞬を様々んな色が駆け抜ける。

「え...?あ、ーーきゃっ!?」

雪が爆ぜ空を白く染める。
地を離れ景色がぐるりと巡りーー雪へと押し倒される。
身を包む温かさと共に全身を冷たさが覆う。
同時に真白に埋め尽くされる視界。

派手なのは見た目だけのようで腕を突き出せばすんなりと抵抗を失う。
兜を埋める雪を払いーー顔に積もった冷たさに思わずしかめっ面。

「(ごめん、ちょっと離して...!)」

自由に動かせる片腕でクロイツの背中をぽすぽすと叩く。

クロイツ > 本当なら二人を包み込む岩のドームでも作るべきだった。
ただそれだと埋まってしまえばどうにもできなくなり、作るに時間も足りないと選んだゴーレムを含めた多重の壁。

勢いを殺せはしたがやはりというか雪に押されるままにエシルを押し倒すように埋まってしまう。
聞こえる悲鳴に怪我はないかとまずはそれを考え、腕の中の温かさと背中の冷たさを感じて視界は真っ白。

雪崩の振動や音を感じなくなり、腕の中でエシルが動く感触によかったと安堵し。

「(ごめん、ちょっと厳しいかも)」

背中を叩かれる感触に動きたくはあるが動けず。
雪崩の衝撃は思いのほか身体にダメージを与え、すぐには動けそうになくて。

エシル・アルトワーズ > 何も見えないがなんの反応もないーー身動ぎするところから、とりあえず無事なようだけどーーことに動けないことが分かる。
そうなれば話は早く。

魔力を放ち、クロイツに抱き抱えられるーーあるいは抱きしめたまま宙へ踊り出す。
そのままゆっくりと着地し、座り込んでは大急ぎで兜を脱ぎ捨てる。

「ーーっはぁ! 顔が凍るかと思った...!」

頭を振り、雪を払い飛ばす。
ようやく見えたクロイツの姿、動けないことが心配になる。

「クロイツ、無事?」

お互いに抱き合ったまま、見上げるように、覗き込む。

クロイツ > 昔ならば生き埋め程度は大したことはなかったが今は動けない。
楽しさと幸せ、そして平穏という毎日に少し訛ったかもと、動けない身体でそう考え。

下手に魔力を放ち雪を払えば二次被害になるかもと思えばそれも出来ず。
どうしようかと悩んでいればエシルに抱きしめられたまま宙へ。
雪の中から脱出でき座り込めば大きく息を吐いて。

「僕も凍るかと思ったよ……」

頭を振り雪を払うエシルに困ったような顔で告げ。
雪崩に巻き込まれはしたが元気な様子にほっとして。

「無事だよ。ちょっと訛った茶ったから動けなかっただけだよ」

抱き合いエシルを見下ろし、大丈夫と微笑めば額に軽いキスを落として。

エシル・アルトワーズ > 「あはは、お互いなまっちゃったね」

額へのキスを目を細めて受け止める。
ひんやりした触感がくすぐったくて、また心地よい。

「...真っ白だね、まるで別世界」

視界の先は、見渡す限りの白。
さっきまでの蹂躙が嘘のような白。

見て取れるように、相当積もっているようだ。

「2人だけ迷い込んだみたいね」

笑いが込み上げる。
肩を竦め、舌先を覗かせながらイタズラを見付かった子供のように微笑んでみる。

クロイツ > 「エシルは凄く生き生きとしてたよね?」

額にキスをすれば今度は頬を寄せて体温を分け合うようにし。
腕が動くようになれば彼女の片頬を摘まんで。

「本当だね……無事でよかったよ」

周りは雪崩の影響で白一面な世界。
先ほどまで魔物が討伐され赤く染まっていた場所とは思えない光景。

相当に積もっていた雪の量、おそらくは魔物の巣だった穴も埋まっているかもしれず。

「雪山に迷い込んだ二人。うん、本当だね」

つい今あった魔物が原因ではない命の危機。
それも何ともなければ笑ってしまえること。
エシルの微笑みに肩を揺らせて笑い、楽しかったねと笑顔で告げて。